他の誰にも理解してもらえない苦痛、
自分にしか分からない、身体的な苦痛、
そのような病態をかかえている人が、沢山います。
脳脊髄液減少症も、その一つの病態でしょう。
------激しい頭痛、吐き気、めまい、四肢のシビレ
------全身性の倦怠感、思考力低下、視力減退
他人は助言してくれます。
「悩んでいてもどうにもならない。前向きに明るく生きよう!」
「がんばれ」・・「甘えるな」
「我慢しかない。誰だって苦しみを我慢して生きてるんだ」
脳脊髄液減少症というのは、
脳や脊髄を流れる髄液が漏れ出して、激しい頭痛、吐き気、めまい、手足のシビレなど、多岐にわたる苦痛が患者さんを襲います。
この病態に気づいたのは、篠永正道先生(現在、国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科教授)で、2002年に学会で発表しましたが、医学界で注目されませんでした。
先生は研究会を立ち上げ、患者さんと共にブラッドパッチ(硬膜外自家血注入)療法の保険適用を訴え、NPOを設立し、復旧活動を進めてきました。
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私はこの病態について、頭の片隅でずっと疑問を持っていました。
それは、病状に悩む K.A.さんとの交流があったからです。
・・・そして、
去る10月15日、NHKのテレビを見ていたら、
「脳脊髄液減少症、初の診断基準」というニュースが飛び込んできました。
診断基準に適応すれば、今後、患者さんには健康保険が適応されるようになるそうです。
「よかった!、一歩前進だ」
患者さんも、いえ、K.A.さんも、ほんの一歩ですが前進したことを喜んでおられることでしょう。
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しかし、問題はまだ残っています。
100人の患者さんを、新基準で診断したところ、実際に髄液の漏れが確認できたのは16名しかいなかったというのです。
残り84名は、基準外。・・髄液の漏れが見られず他の原因も考えられるということです。
基準外の患者さんの方が多いということは、辛い病態の原因が他にもある、ということを暗示しているのでしょうか。
思わずブログを思い出しました。
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/news/detail.php?news_id=23224
先程調べたら、脳脊髄液減少症の検査では保険が適用されるようになったものの、まだ治療には保険が適用されず、自費治療なんだそうです。・・・体の辛さと費用の辛さの二つを抱えた患者さん、辛いわねぇ。