<ウソでしょうっ…!>
顔つきはやや険しくなっているものの、その男の顔は、どことなく好美に似ていた。好美がいつも左耳に付けている金のイヤカーフと同じものを、その男も付けていた…。
<…目覚めるんだ…>
男がそう呟いた瞬間、好美の身体から、青いオーラのようなものが光り出した。光は男と同調(シンクロ)していき、やがて好美の身体が次第に透け、男の身体に吸収されていった…。
<アタシ…、このまま消えちゃうのかなぁ…>
好美は、自分の身体が消えていくのを見ながらも、不思議と不安は感じなかった。むしろ、自分の身体が「元いた場所」に戻っていくような、そんな「安心感」さえ覚えていた…。
夢の中で、好美の身体が完全に消えてしまった時、好美は目を覚ました。朝陽がまるで好美の身体を照らすように、病室に差し込んでいた。
好美の身体はもう、好美ではなくなっていた…。
○
一週間後、手術の経過は順調だったが、手術を受けた事により性染色体は「男性化」したまま落ち着いてしまい、好美の身体は日毎「男」として成長していった…。
お昼頃、忍は洋次と一緒に好美の様子を見に来た。病室に入る前、ロビーで美麗から手術の経過を聞き、二人は愕然とした。
「そんなっ…! じゃあ、アネゴはっ…」
「…それじゃあ、好美ちゃんはっ…」
「…ええ…。そういう事だから、これから市役所に行って、好美の戸籍を変更しなければならないの…」
美麗はそう言って溜息をつくと、医師の診断書を持って市役所に向かった。
二人はロビーの長イスに腰掛けると、しばらく考え込んでしまった…。
「何て言えばいいんだろう…」
「…いつも通り…ってワケには、いかないか…」
忍と洋次は、複雑な気持ちで立ち上がると、好美の病室に向かって歩いた。二人は病室の前に来ると、一旦深呼吸してから、静かにドアを開け中に入った。好美は、窓際のベッドでぐっすりと眠っていた。
忍と洋次は、好美の寝顔を見て、顔立ちが変化している事に気付いた。
「…んっ…?」
好美は、二人の気配に気付き、目を覚ました。
顔つきはやや険しくなっているものの、その男の顔は、どことなく好美に似ていた。好美がいつも左耳に付けている金のイヤカーフと同じものを、その男も付けていた…。
<…目覚めるんだ…>
男がそう呟いた瞬間、好美の身体から、青いオーラのようなものが光り出した。光は男と同調(シンクロ)していき、やがて好美の身体が次第に透け、男の身体に吸収されていった…。
<アタシ…、このまま消えちゃうのかなぁ…>
好美は、自分の身体が消えていくのを見ながらも、不思議と不安は感じなかった。むしろ、自分の身体が「元いた場所」に戻っていくような、そんな「安心感」さえ覚えていた…。
夢の中で、好美の身体が完全に消えてしまった時、好美は目を覚ました。朝陽がまるで好美の身体を照らすように、病室に差し込んでいた。
好美の身体はもう、好美ではなくなっていた…。
○
一週間後、手術の経過は順調だったが、手術を受けた事により性染色体は「男性化」したまま落ち着いてしまい、好美の身体は日毎「男」として成長していった…。
お昼頃、忍は洋次と一緒に好美の様子を見に来た。病室に入る前、ロビーで美麗から手術の経過を聞き、二人は愕然とした。
「そんなっ…! じゃあ、アネゴはっ…」
「…それじゃあ、好美ちゃんはっ…」
「…ええ…。そういう事だから、これから市役所に行って、好美の戸籍を変更しなければならないの…」
美麗はそう言って溜息をつくと、医師の診断書を持って市役所に向かった。
二人はロビーの長イスに腰掛けると、しばらく考え込んでしまった…。
「何て言えばいいんだろう…」
「…いつも通り…ってワケには、いかないか…」
忍と洋次は、複雑な気持ちで立ち上がると、好美の病室に向かって歩いた。二人は病室の前に来ると、一旦深呼吸してから、静かにドアを開け中に入った。好美は、窓際のベッドでぐっすりと眠っていた。
忍と洋次は、好美の寝顔を見て、顔立ちが変化している事に気付いた。
「…んっ…?」
好美は、二人の気配に気付き、目を覚ました。