教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

+A (AIによるポジティブアプローチ)勉強会

2010-11-24 | 研修・セミナー・講演など
今日は、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)を使ったポジティブアプローチの勉強会に夕方から出席しました。AIは、個人や集団の強みを引き出して組織開発するアプローチで、もともとは医療現場からスタートしたといわれています。

去る10月28日に行われた公衆衛生学会での研修の振り返りの会です。
スタッフ含めて6名の参加でしたが、ひとりひとりの長めのチェックインと、すーじさんによるグループインタビュー(すーじさんがファシリテーターとしてメンバーそれぞれにインタビューしていきます)

また、インタビュー後は、すーじさんから、AIの流れやメリットについての説明がありました。今まで、ハイポイントインタビュー(ペアになって、例えば過去に輝いていたあなたについての質問など)をしたあと、AIではどのような展開をしていくのかがよくわからなかったのですが、具体的事例をもとにした説明を聞き、流れがわかってきました。

例えば、
 1)ペアによるハイポイントインタビュー
 2)小グループでのシェア
 3)気になる言葉を付箋などに書きだす
 4)模造紙に貼るなどしてKJ法などで整理
   グループでシェアする。
 5)チームにとって大切なvalueなどを発見していく。
 6)大切な言葉を象徴するオブジェをみんなで作成
 7)作成したオブジェはいつも見える場所においておくこともあり。

この流れで素晴らしいと思ったのは、オブジェを保存することで(無理なら写真でもいいかも)、いつもメンバーがそれをみて、この日のワークショップで決めたスピリットにまた戻っていけるということです。ワークショップを行った日は強烈に残った様々なものも、やがて色あせてしまったりするのですが、この方式なら原点に立ち返って、また強みを個人・集団が思い出したりできるわけです。
加えて、そこからぶれはじめたとき、また対話をスタートすればいいわけだし、構成メンバーが変わったり時代や社会の変化で、もう一度考え直さなければいけないときは、また同様にしてオブジェも作り替えればいいわけです。

高度経済成長期には、失敗に学び、原因ー結果の連鎖から修正していくことで優秀な工業製品などを大量生産してきました。しかし、グローバル化し世界がweb化し多様な価値観が台頭する中で、問題の原因をさぐっても一つであることは珍しく、それをたたいたとしても解決に結びつかない場合は多いです。そんなとき、AIのような人や組織のポジティブさに注目したアプローチは功を奏するようです。
思えば、製品の改善のように、人も組織も機械の歯車のように扱われてしまって、分断され、部品のように欠陥を埋めるという発想で人材開発・教育が行われていることに大きな問題を抱えているのかもしれません。人や組織は生き物であり、工業製品とは違います。ですから、今後もこうしたAIのようなポジティブアプローチを教育にも取り入れていきたいなと思いました。


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