白い萼片とレンガ色の葯がかわいい「ハルトラノオ」。トラノオと呼ぶには無理があるので、「イロハソウ」という別名がふさわしいかもしれない。春の最初に咲くのでイロハなのだという。
(2020-03 高尾山)
「ハルトラノオ」
ハルトラノオ(春虎の尾、学名:Bistorta tenuicaulis)とは、タデ科イブキトラノオ属の多年草。別名、イロハソウ。
特徴
地下には長く太い根茎がある。根出葉は卵形から卵円形で、先はとがり、基部は葉柄に流れ、葉身の長さは2-10cmになる。茎の高さは3-15cmになり、1-2枚の茎葉をつける。花期は4-5月で、茎の先端に長さ15-35mmの花序をつける。花弁はなく、花弁状の萼が5深裂し、白色で、長さは2-3mmになる。萼より長い雄蘂が8個あり、糸状の花柱が3個ある。
分布と生育環境
日本固有種。本州の福島県以西、四国、九州に分布し、山地の木陰のやや湿った場所に生育する。