<堀山の家からの富士山>
猛暑の丹沢:塔ノ岳を登る(今年21回目)
(単独山行)
2010年7月18日(日)
■思い立って丹沢へ
今日は3連休の中日.サンデー毎日の私に3連休も無関係だが,まだまだサラリーマン根性の残渣が体内のどこかに残っている.未だに連休と聞くと反射的に「どこかへ行かなければ」という気分になるから不思議である.
昨日(7月17日),関東地方も梅雨明けした.同時に昨日からギラギラと輝く太陽が照りつけるようになった.何時ものように4時頃起床する.東の空が茜色に輝いている.どうやら今日も暑くなりそうである.私は思いつきで,丹沢へ行こうと決める.
5時10分に家を出る.いくら暑いと言っても,早朝の空気は爽やかである.近くの土手に咲いている大きな百合の花に送られて,湘南モノレールの某駅に向かう.駅のホームから富士山が冴え渡った青空にクッキリと聳えている.
■混雑する1番バス
渋沢発大倉行の1番バスに乗車する.何時もならばユックリと座れるのに,私が乗車したときには,もう立ち席も一杯になっている.私はリュックを抱えながらバスの前の方へ移動する.1番前の席に,日曜日ご常連のK村女史が座っている.目ざとく私を見つけて,
「おや,1ヶ月ぶりぐらいですね・・・今日,山頂まで行くの・・?」
と話しかけてくる.
「はい・・そのつもりです.どうやら暑そうなので,ユックリ登りますよ・・」
その内に,下り電車が渋沢に到着する.またドッと登山客が詰め掛ける.1番バスは超満員になる.
6時57分,バスは大倉に到着する.沢山の登山者が次々に塔ノ岳を目指して出発する.私はモタモタと出発準備をしている内に,K村女史も何時の間にか居なくなっている.私の回りにはどうやら顔見知りのご常連は居られないようである.
7時12分歩き出し.歩き出しが何時もより10分近く遅くなる.
路面は乾いているが,気温は随分と高そうである.これから先,熱暑の中の登山となりそうである.私は,熱射病ならないように細心の注意をしながら登るつもりである.何時もならば,歩き出して4分で到着する登山口までを5分掛けてユックリと歩き始める.
私の前方には,沢山の登山客が列になって歩いている.
■熱射病に注意しながら
ここ2~3日,雨が少なかったためか,登山道の路面は良く乾いている.しかし,気温は随分と高い.まだ,7時を少し過ぎた時間なのに,手許の温度計は27℃.今年の私の登山では,一番気温が高い.
「これはまずいぞ! 気をつけなければ・・・」
と気持ちを引き締める.
丹沢ベース,観音茶屋,雑事場ノ平,見晴茶屋をユックリペースで通過する.ただ,平素殆ど登山をしない方々に比較すれば,いくらユックリペースでもそれなりに速い.見晴茶屋までに数10人の方々を追い越す.見晴茶屋を過ぎて,大倉尾根最初の急な上り坂に差し掛かる.前方には沢山の登山客が後ろ姿が見えている.
「ここで急いではダメだぞ・・」
私は自分自身に強く言い聞かせる.自分の目の前に登山客が居ると,ついつい追い越したいという衝動をグッと抑えて,出来るだけ「白い筋肉」を使わずに「赤い筋肉」だけをつかって登るように心がける.
終始マイペースで登るが,それでも数人の登山客を追い抜くが,逆に若い威勢の良いアンチャンに追い抜かれる.
とにかく蒸し暑い.私はハイドレーションシステムのチューブから,ほぼ15分おきに1~2口,水を補給しながら登り続ける.
8時04分,一本松を通過する.ここで先に登り始めたK村女史に追いつく.
「ボツボツ先へ行っています・・」
と挨拶して,先に行かせて貰う.
8時18分,駒止茶屋を通過する.大倉を出発してから1時間06分経過している.涼しいときなら1時間前後で通過できるが,蒸し暑いこの時期,私の体力では,まあ,こんな所だろうと納得する.
■美しい富士山
堀山の尾根道に入る.涼しい風が吹いている.少し雲が沸いてきたが,まだ富士山が良く見えている.勿論,見晴らしの良いところで,富士山の写真を数枚撮る.
8時15分,堀山の家を通過する.ここからも富士山が良く見えている.早速,ここでも富士山の写真を撮る.
■ヒル談義
花立山荘までの長い上り坂に差し掛かる.坂の途中で休憩を取っている人たちが沢山居る.登山道から外れて,不用意に草むらに腰を下ろしている人たちが多い.ヒルにやられなければいいがと他人事ながら気になる.
余談だが,私のブログにアクセスしてくる検索語で,四季を通じて多いのが「丹沢 ヒル」である.確かにこの大倉尾根にもヒルは居るかもしれない.しかし,ヒルが居ることと,ヒルに会うことは別だと私は考える.
私は,これまで数百回大倉尾根を往復しているが,一度もヒルに会ったことはない.昨年2000回登頂したM間さんも,
「ヒルになど会ったことないよ・・」
と言っておられた.正規の登山道を,ユックリでも良いから,立ち止まらずに歩いていれば,滅多にヒルになど会わないことは確かである.
そういえば,大倉バス停に「ヒル除けの塩あります」と書いた広告が貼ってあった.こんな広告を見るのは始めてのこと.ヒルが増えているかどうかは,ヒルに会ったことがない私には良く分からないが,それにしても,登山者自身も,不用意にヒルの居そうな所に近付かないように気をつけなければいけないなと思う.
■萱場平
8時55分,萱場平を通過する.地面は良く乾いているようである.何となく人影が少なくなったようである.前方に青空が広がっている.
■花立山荘の美味しそうな氷水
花立山荘手前の「あと7分坂」を登る.首筋を太陽がギラギラと照りつける.
「いや~・・暑いな~ぁ・・・」
さすがに私のフライパンのような直射日光には手こずる.
9時18分,花立山荘を通過する.私の歩くテンポが少し遅くなったようである.沢山の雲が湧き上がって,富士山は殆ど見えなくなっている.残念.
花立山荘は開店している.入口には大きな字で「氷水」と書いてある.こんな暑い日には氷水は何よりだ.
「よし.下山のときに立ち寄って,氷水を飲もう・・!」
私は氷水を楽しみにして登り続ける.
ジリジリ太陽のおかげで,花立山荘から花立山まで10分もかかってしまう.それでも花立山を過ぎると,例のカナカナセミの啼き声が聞こえるようになる.セミの声を聞いていると,もう夏も終わりかなと錯覚する.
9時33分,金冷シ.上から下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.
「涼しい風が吹いていますね」
と韋駄天のTさんが言う.反射的に,
「いやぁ~・・暑いですね」
とつじつまの合わない妙な返事をしてしまう.
なるほど,この辺りまで登ると,爽やかな涼風が吹き始める.火照った身体もクールダウンされ,涼しくなり,歩きやすくなる.
■登山客で賑わう塔ノ岳山頂
9時50分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂では数名の登山客が休憩を取っている.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間38分.今の私には,まあこんな程度の時間で満足するしかない.ちなみに,自分の脈拍をチェックする.80~90台で安定している.体温は計測できないが,多分,大丈夫だろう.
湧き上がった雲に覆われ,山頂からの眺望は殆どなくなっている.それでも儀式として,山並みが見えない山頂の写真を数枚撮る.
体調に注意しながら登り続けたせいか,おでこに巻いていた手ぬぐいは,汗でしっとりとしているが.ビショビショになるほどではなかった.まあ,まあ,自己管理ができていた登山だったと思う.
■尊仏山荘のOさんとミー君
尊仏山荘に入る.今日の小屋番はネコのOさん他.山頂の気温は+18.7℃.木曜日に登ったときは+17.5℃.木曜日より1℃余り高くなっている.
常連らしい男性が2人先客.
私の顔を見るとすぐに,Oさんが,ネコのミー君を連れてくる.
今日のミー君は,とても機嫌が良い.終始,Oさんに纏わり付いている.Oさんは,ミー君にチョッカイを掛ける.ミー君はそれに応える.そんなミー君,いかにもかわいらしい.
「お互いにチョンガ同士で,じゃれているよ・・・」
なんていう悪口は,口が裂けても言わないよ.
山荘の窓越しに,山頂を眺める.Oさんが,
「今日の一番バスは乗り残しが出るほど混雑していたって本当ですか?」
と私に聞く.
「随分混雑していましたが,乗り残しが出たのかな・・・良く分からないです」
「(カメラマンの)M丸は居なかったですか?」
「会っていません・・K村女史は居ましたよ」
「K女史は,この頃,山荘には立ち寄らないんですよ・・」
その内に,北アルプスの四方山話になる.話の焦点が雷雨で参ったことに移る.
「(尊仏山荘でも)俄雨1回で収入が×万円増えますよ・・・」
(×の所は営業の機微に触れるので,ここでは明らかにしない.)
■大混雑の下山道
10時18分,そろそろ潮時なので,山荘を退散する.山頂にはビッシリと登山客が座っている.空は高曇りになっている.先ほどの暑さが嘘のように涼しい.次々に登ってくる登山者とすれ違いながら下り続ける.
10時45分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは休憩を取る登山者で溢れている.登っているときには氷水が無性に飲みたかったが,今は涼しいので氷水に魅力はない.そのまま通過する.
<花立山荘から雲間の秦野を見下ろす>
■元気な子ども達
何十人もの登山者とすれ違うが,知人は居ない.雑事場ノ平を過ぎる頃,数名の男の子が元気に登ってくる.子どもだけで危ないなと思っていると後から若い女性がフウフウ汗だらけで,
「先に行かないでェ~・・」
と声を張り上げている.この子ども達のグループ,次から次へと登ってくる.最後尾は観音茶屋手前まで続いている.一体何処まで登るのだろう.
■時ならぬ大渋滞
12時28分,登山口を通過して県道に入る.数十台の沢山の自動車が渋滞で停まっている.何か事故でもあったのかな?
渋滞の先頭は,大倉バス停裏の駐車場だった.どうやら今日は3連休の中日.観光客が涼を求めて,どっと押し寄せたらしい.ひょっとすると,湘南海岸を走る国道134号線の利用料が無料になったのが,ここにも影響しているのかもしれない.
大倉発12時40分の渋沢行のバスに乗車する.この時間,まだバスは空いている.
今日一日,無事に登山できて良かったなと感謝しながら帰宅する.
<ラップタイム>
7:12 大倉 発
7:33 観音茶屋
7:48 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:35 堀山の家
9:18 花立山荘
9:33 金冷シ
9:50 塔ノ岳山頂 着
=====================================
10:18 塔ノ岳山頂 発(+18.7℃)
10:30 金冷シ
10:28 花立山荘
11:34 堀山の家
11:28 駒止茶屋
11:49 見晴茶屋
12:15 観音茶屋
12:34 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要間
大倉 発 7:12
塔ノ岳 着 9:50
(所要時間) 2時間38 分(2.63h)
登攀速度 1269m/2.63h=482.5m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:18
大倉 着 12:34
(所要時間) 2時間16分(2.27h)
下降速度 1269m/2.27h=559.0m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/27ea99b885b754d7b32d071ba6b55525
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/22c6253d2f6147ee3e36a6a3844ce6d4
猛暑の丹沢:塔ノ岳を登る(今年21回目)
(単独山行)
2010年7月18日(日)
■思い立って丹沢へ
今日は3連休の中日.サンデー毎日の私に3連休も無関係だが,まだまだサラリーマン根性の残渣が体内のどこかに残っている.未だに連休と聞くと反射的に「どこかへ行かなければ」という気分になるから不思議である.
昨日(7月17日),関東地方も梅雨明けした.同時に昨日からギラギラと輝く太陽が照りつけるようになった.何時ものように4時頃起床する.東の空が茜色に輝いている.どうやら今日も暑くなりそうである.私は思いつきで,丹沢へ行こうと決める.
5時10分に家を出る.いくら暑いと言っても,早朝の空気は爽やかである.近くの土手に咲いている大きな百合の花に送られて,湘南モノレールの某駅に向かう.駅のホームから富士山が冴え渡った青空にクッキリと聳えている.
■混雑する1番バス
渋沢発大倉行の1番バスに乗車する.何時もならばユックリと座れるのに,私が乗車したときには,もう立ち席も一杯になっている.私はリュックを抱えながらバスの前の方へ移動する.1番前の席に,日曜日ご常連のK村女史が座っている.目ざとく私を見つけて,
「おや,1ヶ月ぶりぐらいですね・・・今日,山頂まで行くの・・?」
と話しかけてくる.
「はい・・そのつもりです.どうやら暑そうなので,ユックリ登りますよ・・」
その内に,下り電車が渋沢に到着する.またドッと登山客が詰め掛ける.1番バスは超満員になる.
6時57分,バスは大倉に到着する.沢山の登山者が次々に塔ノ岳を目指して出発する.私はモタモタと出発準備をしている内に,K村女史も何時の間にか居なくなっている.私の回りにはどうやら顔見知りのご常連は居られないようである.
7時12分歩き出し.歩き出しが何時もより10分近く遅くなる.
路面は乾いているが,気温は随分と高そうである.これから先,熱暑の中の登山となりそうである.私は,熱射病ならないように細心の注意をしながら登るつもりである.何時もならば,歩き出して4分で到着する登山口までを5分掛けてユックリと歩き始める.
私の前方には,沢山の登山客が列になって歩いている.
■熱射病に注意しながら
ここ2~3日,雨が少なかったためか,登山道の路面は良く乾いている.しかし,気温は随分と高い.まだ,7時を少し過ぎた時間なのに,手許の温度計は27℃.今年の私の登山では,一番気温が高い.
「これはまずいぞ! 気をつけなければ・・・」
と気持ちを引き締める.
丹沢ベース,観音茶屋,雑事場ノ平,見晴茶屋をユックリペースで通過する.ただ,平素殆ど登山をしない方々に比較すれば,いくらユックリペースでもそれなりに速い.見晴茶屋までに数10人の方々を追い越す.見晴茶屋を過ぎて,大倉尾根最初の急な上り坂に差し掛かる.前方には沢山の登山客が後ろ姿が見えている.
「ここで急いではダメだぞ・・」
私は自分自身に強く言い聞かせる.自分の目の前に登山客が居ると,ついつい追い越したいという衝動をグッと抑えて,出来るだけ「白い筋肉」を使わずに「赤い筋肉」だけをつかって登るように心がける.
終始マイペースで登るが,それでも数人の登山客を追い抜くが,逆に若い威勢の良いアンチャンに追い抜かれる.
とにかく蒸し暑い.私はハイドレーションシステムのチューブから,ほぼ15分おきに1~2口,水を補給しながら登り続ける.
8時04分,一本松を通過する.ここで先に登り始めたK村女史に追いつく.
「ボツボツ先へ行っています・・」
と挨拶して,先に行かせて貰う.
8時18分,駒止茶屋を通過する.大倉を出発してから1時間06分経過している.涼しいときなら1時間前後で通過できるが,蒸し暑いこの時期,私の体力では,まあ,こんな所だろうと納得する.
■美しい富士山
堀山の尾根道に入る.涼しい風が吹いている.少し雲が沸いてきたが,まだ富士山が良く見えている.勿論,見晴らしの良いところで,富士山の写真を数枚撮る.
8時15分,堀山の家を通過する.ここからも富士山が良く見えている.早速,ここでも富士山の写真を撮る.
■ヒル談義
花立山荘までの長い上り坂に差し掛かる.坂の途中で休憩を取っている人たちが沢山居る.登山道から外れて,不用意に草むらに腰を下ろしている人たちが多い.ヒルにやられなければいいがと他人事ながら気になる.
余談だが,私のブログにアクセスしてくる検索語で,四季を通じて多いのが「丹沢 ヒル」である.確かにこの大倉尾根にもヒルは居るかもしれない.しかし,ヒルが居ることと,ヒルに会うことは別だと私は考える.
私は,これまで数百回大倉尾根を往復しているが,一度もヒルに会ったことはない.昨年2000回登頂したM間さんも,
「ヒルになど会ったことないよ・・」
と言っておられた.正規の登山道を,ユックリでも良いから,立ち止まらずに歩いていれば,滅多にヒルになど会わないことは確かである.
そういえば,大倉バス停に「ヒル除けの塩あります」と書いた広告が貼ってあった.こんな広告を見るのは始めてのこと.ヒルが増えているかどうかは,ヒルに会ったことがない私には良く分からないが,それにしても,登山者自身も,不用意にヒルの居そうな所に近付かないように気をつけなければいけないなと思う.
■萱場平
8時55分,萱場平を通過する.地面は良く乾いているようである.何となく人影が少なくなったようである.前方に青空が広がっている.
■花立山荘の美味しそうな氷水
花立山荘手前の「あと7分坂」を登る.首筋を太陽がギラギラと照りつける.
「いや~・・暑いな~ぁ・・・」
さすがに私のフライパンのような直射日光には手こずる.
9時18分,花立山荘を通過する.私の歩くテンポが少し遅くなったようである.沢山の雲が湧き上がって,富士山は殆ど見えなくなっている.残念.
花立山荘は開店している.入口には大きな字で「氷水」と書いてある.こんな暑い日には氷水は何よりだ.
「よし.下山のときに立ち寄って,氷水を飲もう・・!」
私は氷水を楽しみにして登り続ける.
ジリジリ太陽のおかげで,花立山荘から花立山まで10分もかかってしまう.それでも花立山を過ぎると,例のカナカナセミの啼き声が聞こえるようになる.セミの声を聞いていると,もう夏も終わりかなと錯覚する.
9時33分,金冷シ.上から下ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.
「涼しい風が吹いていますね」
と韋駄天のTさんが言う.反射的に,
「いやぁ~・・暑いですね」
とつじつまの合わない妙な返事をしてしまう.
なるほど,この辺りまで登ると,爽やかな涼風が吹き始める.火照った身体もクールダウンされ,涼しくなり,歩きやすくなる.
■登山客で賑わう塔ノ岳山頂
9時50分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂では数名の登山客が休憩を取っている.
大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間38分.今の私には,まあこんな程度の時間で満足するしかない.ちなみに,自分の脈拍をチェックする.80~90台で安定している.体温は計測できないが,多分,大丈夫だろう.
湧き上がった雲に覆われ,山頂からの眺望は殆どなくなっている.それでも儀式として,山並みが見えない山頂の写真を数枚撮る.
体調に注意しながら登り続けたせいか,おでこに巻いていた手ぬぐいは,汗でしっとりとしているが.ビショビショになるほどではなかった.まあ,まあ,自己管理ができていた登山だったと思う.
■尊仏山荘のOさんとミー君
尊仏山荘に入る.今日の小屋番はネコのOさん他.山頂の気温は+18.7℃.木曜日に登ったときは+17.5℃.木曜日より1℃余り高くなっている.
常連らしい男性が2人先客.
私の顔を見るとすぐに,Oさんが,ネコのミー君を連れてくる.
今日のミー君は,とても機嫌が良い.終始,Oさんに纏わり付いている.Oさんは,ミー君にチョッカイを掛ける.ミー君はそれに応える.そんなミー君,いかにもかわいらしい.
「お互いにチョンガ同士で,じゃれているよ・・・」
なんていう悪口は,口が裂けても言わないよ.
山荘の窓越しに,山頂を眺める.Oさんが,
「今日の一番バスは乗り残しが出るほど混雑していたって本当ですか?」
と私に聞く.
「随分混雑していましたが,乗り残しが出たのかな・・・良く分からないです」
「(カメラマンの)M丸は居なかったですか?」
「会っていません・・K村女史は居ましたよ」
「K女史は,この頃,山荘には立ち寄らないんですよ・・」
その内に,北アルプスの四方山話になる.話の焦点が雷雨で参ったことに移る.
「(尊仏山荘でも)俄雨1回で収入が×万円増えますよ・・・」
(×の所は営業の機微に触れるので,ここでは明らかにしない.)
■大混雑の下山道
10時18分,そろそろ潮時なので,山荘を退散する.山頂にはビッシリと登山客が座っている.空は高曇りになっている.先ほどの暑さが嘘のように涼しい.次々に登ってくる登山者とすれ違いながら下り続ける.
10時45分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは休憩を取る登山者で溢れている.登っているときには氷水が無性に飲みたかったが,今は涼しいので氷水に魅力はない.そのまま通過する.
<花立山荘から雲間の秦野を見下ろす>
■元気な子ども達
何十人もの登山者とすれ違うが,知人は居ない.雑事場ノ平を過ぎる頃,数名の男の子が元気に登ってくる.子どもだけで危ないなと思っていると後から若い女性がフウフウ汗だらけで,
「先に行かないでェ~・・」
と声を張り上げている.この子ども達のグループ,次から次へと登ってくる.最後尾は観音茶屋手前まで続いている.一体何処まで登るのだろう.
■時ならぬ大渋滞
12時28分,登山口を通過して県道に入る.数十台の沢山の自動車が渋滞で停まっている.何か事故でもあったのかな?
渋滞の先頭は,大倉バス停裏の駐車場だった.どうやら今日は3連休の中日.観光客が涼を求めて,どっと押し寄せたらしい.ひょっとすると,湘南海岸を走る国道134号線の利用料が無料になったのが,ここにも影響しているのかもしれない.
大倉発12時40分の渋沢行のバスに乗車する.この時間,まだバスは空いている.
今日一日,無事に登山できて良かったなと感謝しながら帰宅する.
<ラップタイム>
7:12 大倉 発
7:33 観音茶屋
7:48 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:35 堀山の家
9:18 花立山荘
9:33 金冷シ
9:50 塔ノ岳山頂 着
=====================================
10:18 塔ノ岳山頂 発(+18.7℃)
10:30 金冷シ
10:28 花立山荘
11:34 堀山の家
11:28 駒止茶屋
11:49 見晴茶屋
12:15 観音茶屋
12:34 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要間
大倉 発 7:12
塔ノ岳 着 9:50
(所要時間) 2時間38 分(2.63h)
登攀速度 1269m/2.63h=482.5m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:18
大倉 着 12:34
(所要時間) 2時間16分(2.27h)
下降速度 1269m/2.27h=559.0m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
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