<平出一里塚>
中山道六十九宿巡り(第10回目);第1日目(1);塩尻宿から平出遺跡へ
(五十三次洛遊会)
2011年9月16日(金)~18日(日)
第1日目;2011年9月16日(金) 晴,蒸し暑い1日
<第1日目の行程>
■プロフィールマップ
↑ ↑ ↑ ↑
塩尻 洗馬宿 本山宿 贄川宿
水平歩行距離 15.9キロメートル
累積登攀高度 368メートル
累積下降高度 212メートル
<JR塩尻駅から歩き出す>
■JR塩尻駅へ
いよいよ中山道六十九宿第10回目の初日を迎える.
実は,今回のコースは,昨年(2010年)10月に実施する予定だったが,台風や東北大震災の影響で延びに延びて,やっと今日実現することになった.ほぼ1年遅れの再スタートである.
私は,何時も丹沢塔ノ岳に出掛けるときと同じ時間に家を出発する.後,30分ほど遅く出ても,八王子7時31分発のスーパーあずさ1号には十分間に合うのだが,何事もユックリ時間がないと気が済まない質(タチ)なので,ジッとしていられない.家にいても仕方がないので,早すぎることは重々承知の上の早出である.
9月も下旬ともなると,夜明けが実に遅くなっている,5時をとっくに過ぎているが,辺りはまだ薄暗い.ただ,一時に較べると,有り難いことに,随分と涼しくなっている.夜が明けきらない住宅地の中を駅に急ぐ,道端でコオロギが鳴いている.
「ああ,・・秋だな・・」
私はコオロギの鳴き声に,一抹の寂しさと,もう猛暑もおわかれだという嬉しさを感じながら最寄りの駅へ急ぐ.
JR大船駅から横須賀線電車で横浜へ,横浜から東金川まで京浜東北線で,さらに横浜線の電車に乗り換えて,7時08分に八王子駅に到着する.
八王子駅の特急電車乗り場のホームには,沢山の登山姿の乗客が電車を待っている.彼らは何処へ行くのだろうか.他人事ながら興味がある.そして,私も中山道などほったらかしにして,北アルプスのどこかの山に行きたくなる.
ホームをウロウロしていると,何人かの五十三次洛遊会のメンバーとバッタリ会う.今日は11名の仲間が集まる予定である.この電車に何名乗っているか良く分からないが,無事に3日間が過ごせるように祈るのみである.
八王子7時31分発の特急スーパーあずさ1号に乗車する.私は念のため指定席を取ってある.2号車13番A席である.窓際.連休の初日だが,八王子を出発した段階では,指定席に若干の空席が残っているようである.
途中の甲府駅で沢山の乗客が下車する.車内は大分空いてくる.
茅野.上諏訪,岡谷と停車して,9時33分,無事,JR塩尻駅に到着する.
取纏役のIさんから挨拶.そして,定刻よりほんの少し早い9時52分に,塩尻駅から歩き出す.
<9時53分,塩尻駅を歩き出す>
■出発点に到着
前回歩いてから,すでに11ヶ月も経過している.
その間に,前回何処を歩いたのか,全くうろ覚えになっていて,なかなか今回の出発点に到着できない.その内に同罪南北もあまりハッキリ分からなくなる,私はたまたま持ってきたGARMINのGPSを取り出して,およその見当をつけて,辺りを確かめる.
そんなことを繰り返しながら,10時20分に,ようやく,前回の終点であるガード下に到着する.
<今回の出発点のガード下>
<第1日目の詳細図(1)>
■詳細図
<平出遺跡公園>
■遠くに平出一里塚が見え始める
10時20分,前回の続きを歩き出す.
いよいよ,第10回目の旅が始まる.真っ直ぐな道路がずっと続いている.少々蒸し暑い.こうなると,やっぱり熱射病が気になる.
「ユックリ歩きましょう・・・」
と声を掛け合いながら歩き続ける.私は,頻繁に地図を眺めながら,
「今,どの辺りを歩いているんだろう・・」
と気にしている.
何処までも続くかと思えてしまう真っ直ぐな舗装道路を歩いていると,広々とした畠の向こうにひときわ大きな立木が見えている.地図を見比べながら,
「あれ,多分,平出(ひらいで)の一里塚じゃないですか・・・」
と確認し合う.
10時35分,一里塚と思われる大きな立木の手前で左折して,間道に入る.暫く進むと,前方右手に大きな建物が見え始める.
「あれだ,多分,あの建物ですよ・・」
きちんとした道はあるような,無いような広場を横切って大きな建物を目指す.
<平出の一里塚が見える所で左折>
■平出遺跡のガイダンス館
10時39分,公園の中心にあるガイダンス館に入る.係員が1人,私たちを出迎える.中年の男性である.ここで,中山道の詳細地図を分けて貰う.この地図が後々大変役に立った.
そろそろ,今日の昼食をどうするかが気になる.そこで,係員に,この辺りの食堂が営業しているかどうか伺う.何しろ塩名田付近を歩いていたときに,途中で食べ物が調達できなくてひもじい思いをした記憶が鮮明に残っているので,食べ物への執着が結構強くなっている.
係員から,私たちが丁度12時過ぎに通過できそうな場所にある“そば屋”を紹介して貰う.
「電話,架けておきましょうか?」
と親切である.
でも,いつ頃,その“そば屋”に到着できるか,確かなことが分からないので,そば屋の電話番号だけを教えて貰う.そして,適当な時間になったら世話役の1人であるOさんが,そば屋に電話をしてくれるとのことである.
<平出歴史公園のガイダンス館>
■公園の概要
ガイダンス館頂いたイラストマップ(下図)によると,この公園は随分と広い.
縄文の村,古代時代の村,本棟作りの家並み,伊夜彦神社,平出博物館,歴史公園など,かなり沢山の施設があるようだ.
■縄文の村遠望
資料館の前に立つと,遙か先に何件かの藁葺きの家が建っている.縄文時代の住居を復元したものである.私が資料を見ながら,
「ここは,日本三大遺跡の一つらしいですね・・」
というと,先ほどの係員が,
「昔は,遺跡など発掘する人が少なかったので,たまたま三大遺跡なんて言われていたんですよ.でも,最近は各地で発掘調査が行われ,沢山の遺跡が発見されているので,三大遺跡という言い方は相応しくなくなりましたよ・・・・」
と薀蓄を語り始める.
時間があれば,詳しい話を伺いたい所だが,この先,どの程度,歩行時間が掛かるか不安である.残念ながら,10時51分に展示場から往路を引き替えず.
<平出遺跡の展示>
<平出の一里塚>
■一面のブドウ畑
往路を戻る.沿道にはブドウ畑が続く.
食用のブドウか,それとも葡萄酒用のブドウかは良く分からないが,見事なブドウの房がたわわに実っている.
■平出の一里塚
往路を戻って,10時57分に平出の一里塚に到着する.江戸日本橋から数えて59番目の一里塚である.ここで数分写真休憩を取る.
塚は道路を挟んで南北に2基残っている.塚木は松.
資料1によると,民家の奥にある北塚は「武田信玄の軍師山本勘助が赤子を拾ったという伝説から勘助子育ての松」と呼ばれているそうである.
<南側の一里塚>
<南側の一里塚>
<一里塚の説明>
<洗馬宿への道>
■平出遺跡の正式な入口
平出一里塚から,ほんの2分ほど歩いた所に,「国史跡平出遺跡」と書いてある大きな看板がある.
「なんだ!・・・ここが正式な出入り口だったんだ・・」
と気がつくが後の祭りだ.
■中央本線第1仲仙道踏切を通過
11時11分,中央本線第1仲仙道踏切に到着する.丁度そのとき,長い貨物列車が,塩尻方面から名古屋方面へと通過していく.
<中央本線の踏切を渡る>
■比叡ノ山
進行方向右手(北側)には,農業大学校農業試験場の施設が続く.施設の建物や畠を眺めながら歩き続ける.
地図を見ると,左手前方に小さな山が見えている.どうやら比叡ノ山という名前の山のようである.京都の比叡山を連想させる名前の山だが,山の名前の由来はあまり良く分からない.
<ブドウ畑の向こうに比叡ノ山が見える>
■国道19号線に合流
11時17分,信号一里塚で国道19号線に合流する.ここからは国道19号線を歩く.自動車の往来が急に多くなる.歩いていても落ち着かない.
国道10号線沿いに,ブドウ畠,ソバ畠,レタス畠が続く.その間に果物を売る店が何軒か並んでいる.
<果物の直売所;ここでブドウを衝動買いする>
■ブドウを衝動買い
その内の1軒を一寸覗いてみる.美味しそうな大きなリンゴが6~7個で500円と安い.リンゴをかじりたいが重すぎる.その隣のトレーには10房ほどのブドウが入っている.これが何と200円.私は思わず衝動買いをしてしまう.そして,全員に半房づつ食べて貰う.
相変わらず蒸し暑い.こんな時のブドウは美味しいが,ブドウを持つ手がベタベタしてくるのには閉口する.
[参考資料]
資料1;『完全等はシリーズ;ちゃんと歩ける中山道六十七次』五街道ウォーク事務局
(つづく)
「中山道六十九宿巡り」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0aaa7671afc50fa83154e4ff3a870e2f
「中山道六十九宿巡り」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0552d1c5c2a190b4cd726e9037d732d3
[訂正補足]
2011年9月24日(土) 記事追加
***********************
[編集後記]
2011年9月23日(金)
台風一過2日目.
何時ものように,4時起床.真っ暗.涼しい.空気は冷涼.
「・・・丹沢へ行くぞ・・・」
と決心する.
搬入間近の水彩画にもう少し時間を掛けて仕上げたい.そんな気持ちもとても強いが,これ以上,登山をブランクにすると,ただでさえブロイラーになってしまいそうな身体が鈍る.どちらにしようかなと迷ったが,
エィ~ッ・・・とばかり丹沢に向かうことにする.
今日は秋分の日,3連休の初日.多分,塔ノ岳は混雑するだろうな.でも,1週間ぶりに,沢山の知人に会えるのもまた愉しである.
(愚痴おわり)
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