中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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霧・紅葉・シカ・石油ストーブの丹沢;塔ノ岳(今年56回目)

2012年10月28日 03時56分21秒 | 丹沢の山旅

                              <鍋割山稜の紅葉>
 
  霧・紅葉・シカ・石油ストーブの丹沢;塔ノ岳(今年56回目)
         (登り下りともご常連と一緒)
      2012年10月27日(土) 曇後晴

地動説など“くそ食らえ”
 毎度,愚痴話から始まるので恐縮だが,秋も深まるこの時期になると,真っ暗な早朝に起床するのには一寸した勇気が要る.3時30分頃,エイヤッで起床する.そして何も考えないことにして,昨夜の内に用意しておいた登山用の衣服を着てしまう.これで,やっと今日も塔ノ岳へいくぞという気になる
 5時10分,何時もの時間に家を出発する.空気が澄んでいるようである.東の空には明けの明星がキラキラと輝いている.天頂付近でもひときわ明るい星が瞬いている.火星にしては色が青みがかっているが,木星にしては明るすぎる,多分惑星だろうと思うが,どの星か良く分からなくて,頭の中が混乱,イライラする.
 最寄りの湘南モノレールの駅に向かう間,ずっと惑星のことや銀河のことを考え続ける.
 「オレは天動説に賛成だ・・・地動説なんてクソクラエだ!」
と私は勝手に一人で息巻いている.
 “だってさあ・・・太陽を中心に惑星が運行しているから地動説なんて,考え方が小さい小さい・・・・肝心の太陽だって銀河の辺境の地に位置していて,銀河の中心をグルグル回っているじゃないか.それに私たちの居る銀河だって,泡の表面にへばり付いている沢山の銀河の一つに過ぎないんじゃないか・・・ンなら,地球が中心だの,太陽が中心だのという話は小さい,小さい・・・どっちでも良いじゃないか.ならば,自分が宇宙の中心だと考えるのが分かりやすいし一番素直じゃないの・・・・”
 そんなことを考えながら歩いている内に,
 “大体,お前は何で,ここで生きているんだい.どうして丹沢なんてところいこうとしているんだい・・・・”
と話が変な方向へ行き始める.“我思う,故に我あり”に似た変なことを妄想し始める.オレは一体何物だ?
 ”こりゃあ~・・・アカンぞ”
 私は頭を前後左右に振って,馬鹿馬鹿しいことを考えないことにする.
 今日は土曜日.小田原駅での“二段跳び乗換っこ”はない.それだけでも,随分と気が楽である.東海道本線,小田急線とも,時刻表通りに正確に運行している.そして,定刻,6時42分に渋沢駅に到着する.
 急いで大倉行バス乗り場に移動する.ところがバス乗り場はガランとしていて,ほんの2~3人の登山者しか居ない.どうやら臨時バスが先に出たようである.暫くすると下り電車が到着したらしく,沢山の登山客が息せき切ってバスに乗り込んでくる.バスはたちまちの内に超満員になる.

■お前ミャ~の孫か
 バスは7時02分に大倉に到着する.韋駄天組のご常連の何人かは臨時バスで先に到着したらしく姿が見えない.
 バスが到着すると同時に,捻りハチマキをした韋駄天のS藤さんが歩き出すのを見送る.
 私は例によって,モタモタ.
 F田さん,M田女史と一緒に,7時08分に大倉から歩き出す.
 歩き出して直ぐに,人なつこいネコが寄ってくる.可愛くて若いネコである.私はこのネコの写真を撮ることにする.でも,ネコは足許まで寄ってきてゴロニャンをするので,中々上手い写真が撮れない.
 「おい,おい,も一寸離れろよ・・・」
とネコを窘めながら.やっとネコの写真を撮る.
 このネコ,どことなく尊仏山荘のミャ~君に似ているような気がする.ひょっとしたら,ミャ~君の孫かも知れないな・・・と想像をたくましくする.

<可愛いネコ>

■悟れない見晴階段
 F田さんM田さんの歩行速度がダラダラ歩きの私の歩行速度より少し早い.でも,私に配慮して頂いているおかげで,私も何とか付いて行ける速度で歩いて頂く.
 紅葉のシーズンが近いこともあって,沢山の登山客が数珠つなぎに連なっている.私にとっては少し速い速度で歩き続けて,7時44分に見晴山荘を通過する.見晴山荘前のススキは相変わらず綺麗である.太陽の光が相模湾の海面で反射して光って見えている.これも太陽の高度が低くなる晩秋から来年の初春の頃だけ見られる風物詩である.
 見晴階段に差し掛かる.見上げると沢山の登山客が連なっている.
 「う~ん・・・こういうのを見ると,どうも悟れなくって・・・追い越したくなるんですよ・・」
と私が愚痴る.
 それほどの速度ではないが,まあ,まあ,の速度で登り続ける.そして一本松までの間で,かなりの人数の登山客を追い抜く.

<登山客が数珠つなぎの見晴階段>

■堀山の尾根からの富士山
 8時11分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間02分.私にとっては,かなり良いラップである.これも同行のお二方に付いて登っているためである.
 やがて堀山の尾根に入る.この頃はかなり長い木道が完成していて,歩き易いような歩きにくいような感じである.平らな所で距離を稼いでおかないと,急坂のところで同行のお二方に迷惑が掛かるので,堀山の尾根は少々高速で歩かせて頂く.
 やがて富士山が良く見えるところに到着する.今日は水平線から上空まで雲が立ちこめていて,富士山は全く見えない.でも,癪なので見えない富士山をデジカメに収めることにする.

<堀山の尾根からの富士山;残念ながら雲の中>

■「やあ~やあ~」と朝の挨拶
 8時19分,堀山を通過す 堀山の家に向かう途中で,下山してくるKシゲさんとバッタリ.例により,
 「やあ,やあ,・・・」
で固い握手.
 「今日は,山頂もこんなような天気でしたよ・・」
で雑談が始まる.その間に,私の方が少し先を歩いていたのにお二人に追い付かれてしまう.ここでお三方の写真を撮らせて貰う.皆さんの笑顔が実に素敵である.
 毎度のことながら,ご常連の皆様の笑顔から勇気と活力を頂戴する.

<ご常連お三方>

■萱場平
 8時27分,堀山の家を通過する.
 小草平のベンチで数名の登山客が休憩を取っている.
 「今日,私は堀山の家から花立山荘まで40分で歩くつもりです.どうぞ先へ行って下さい・・・」
とお二方にお願いする.でも,
 「ユックリで良いですよ・・・」
とお二人は優しい.
 堀山の家を出発すると,花立山荘に到着するまで時計は見ないことにする.まずは,自分の山勘での歩行速度を調節して登り続ける.そして,花立山荘に到着したときに始めて時計を見る.当所予定した時間と実績時間との差ができるだけ小さい方がよい.
 暫くの間,私のペースで登り続ける.でも後ろにお二人の同行者が居られると,どうしても歩行ペースが早くなりがちである.
 8時46分,萱場平に到着する.もちろん休憩など取らずにそのまま登り続ける.ただし,私はハイドレーションシステムを使っているので,15分に1回程度,毎回ほんの一寸水を飲んでいる.

<萱場平>

花立山荘
 後7分坂手前の大きな岩辺りで,このままのペースで登り続けたら,バテる可能性があるし,多分,計画の40分より早く花立山荘に着いてしまいそうだなと思う.そこで,意識的に少し歩行速度を落とす.たちまちの内に,お二方との距離が開き始める.でも“ソレデイイノダ”と自分自身に無理矢理言い聞かせる.なにしろ,今日は40分ジャストで堀山の家から花立山荘まで登りたいのだから・・・・40分より速くても遅くてもダメッ! バツだと決めている.
 後7分坂を,8分ほど掛けて登る.そして,花立山荘に到着したときに始めて時計を見る.8時07分である.堀山の家からの所要時間は,目標時間の40分ピッタリである.これには気をよくする.
 序でながら,大倉を歩き出してから花立山荘までの所要時間は1時間59分.たった1分とはいえ,40分を守りながら,2時間を切ったのは率直に嬉しい.
 後7分坂を登り切る頃,少々小太りの若い男性に追い抜かれる.悟れない私は,
 “コンチクショウ”
と思う.ところがこの男性,花立山荘に到着すると,近くのベンチにヘタヘタと座り込んでしまう.これで私のコンチキショウは治まる.
 引き続き花立山を目指して登り続ける.花立山山頂の手前で下山してくる韋駄天のS藤さんとすれ違う.
 花立山荘から先は,特に設定時間はないので,適当に歩く.ガレ場を横切って登り続けるが,視界は皆無に近い.周辺の山は全く見えない.
 9時16分,花立山山頂を通過する.辺り一面に濃い霧が掛かっている.

■塔ノ岳山頂
 9時21分,金冷シを通過する.気温が一段と下がって,やけに寒くなる.
 金冷シから最初の階段を登ってい途中で,臨時バスで来られた三角髭のTさんとすれ違う.
 さらに,山頂直下の階段で,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
 そのまま登り続け,山頂の木道で下山を始めたマドンナさんとすれ違う.お話し好きのマドンナさんと2~3分立ち話をする.
 「山頂は寒いので下山します・・・今日は時間前に臨時バスが出たんですよ・・・時間より早く臨時バスが出るなんて,初めてですよ・・・」
となかなか話が止まらない.
 なんだかんだて.ロスタイムもあったが.9時35分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は5.0℃.今日は山麓と山頂の気温差が優に10℃ほどあるようだ.
 今日は気温が低かったので,案外軽い足取りで歩くことができた.今日の大倉から山頂までの所要時間は2時間27分.本当に久々に2時間30分を切っている.これは率直に嬉しいラップである.
 山頂は濃い霧の中.冷たい風が吹いている.山頂では,数名の登山客が写真を撮ったり休憩したりしている.

<塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 山頂での儀式を終えて,尊仏山荘に入る.
 先客はY内さんとつい先ほどまでご一緒だったF田さんとT田さん.それに昨日1泊されたK井さん.その他にも見知らぬ男性が数人.
 今日の小屋番はオーナーのH立さん,W林さん,それに新人のF谷さん.
 何時ものように,300円也のお茶を所望する.

<先客の姿が見える>

■冬の風物詩「ストーブとミャ~」
 塔ノ岳の気温はそろそろ冬に近い寒さである.尊仏山荘でも新しい石油ストーブに火が入る.反射板が付いている新品だ.
 ミャ~君(facebookでは華伊達美弥雄さん)がストーブの前の一番良い席を陣取っている.時々,身体の向きを変えて,身体全体を暖めている.
 早速,ミャ~君の写真を何枚か撮る.若い一見の客も携帯電話を使って盛んに写真を撮っている.
 私は小屋番に.
 「大倉で,こいつに良く似たネコを見ましたよ・・・こいつの孫かも知れませんよ.」
と言うと,W林さんが,
 「M田さんからも,同じような話を伺いましたよ」

<ストーブの前の華伊達美弥雄さん>

■ブドウ,梨など沢山の食べ物
 ご常連の皆さんが,沢山の食べ物を広げている.私もご相伴.私からは何も提供するものがないので,少々申し訳ない気持ちである.特に山頂で戴くブドウや梨はとても美味しい.
 そうこうしている内に,沢山の登山客が山荘に入ってくる.余り長居をしていたら商売の邪魔になるかなと思い始めたときに,何時も日曜日にお会いするM本さんが登場する.
 「今日は5番バスに乗ったんですが,大変な登山客で臨時バスが出ましたよ・・」
とのこと.それにしても,M本さんは快速である.これからはアクティMさんとでも呼ぼうかな.

<ご常連から沢山の秋の味覚を頂戴する>

■乳をねだる子鹿
 10時18分,尊仏山荘を出発,下山開始.寒くて霧が巻いている山頂では,沢山の登山客が休憩を取っている.
 外はとても寒いが,花立山荘まで下れば暖かくなるのが分かっているので,防寒具なしで下山し続ける.
 山頂直下の茂みの中で鹿の親子を見掛ける.子鹿が頻りに母鹿の乳をねだっている.実に可愛い風景である.鹿を見る度に思うのだが,こんなに可愛い動物と何とか共生することはできないだろうか.
 霧の中でひっそりと生活する鹿の写真も絵になる風物詩である.立ち止まって何枚も写真を撮る.
 そうこうしていると,登ってくるミッキーマウスさんとすれ違う.
 「FHさんのブログに書いてあるように,朝,出掛けるのが大変で・・・・やっとここまで登ってきました」

<鹿の親子>

紅葉が素晴らしい鍋割山稜
 下山を開始して間もなく,霧が上がり始める.
 いままで濃い霧で何も見えなかったが,美しく紅葉した鍋割山稜が見え始める.何とも形容できないような美しさである.
 「うわぁ~・・・見事な紅葉ですね・・・」
 金冷シで,鍋割山稜からやってきたK村さん夫妻とバッタリ.K村さん夫妻も私達と一緒に下山する.図らずもF田さん,M田さん,K井さん,K村さん夫妻,それに私のご常連大部隊になる.

<素晴らしい紅葉>

■花立山荘
 10時46分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチは溢れるように沢山の登山客で賑わっている.ふと山荘の中を覗くと,ご常連のホッシーさんが居られる.窓越しにホッシーさんと雑談.

<花立山荘>

■花を愛でながら・・・
 次から次へと登ってくる登山客と擦れ違いながら,オッカナビックリ,屁っ放り腰で急坂を下り続ける.
 登山道の両側に咲く草花に癒されながら,皆さんには足の遅い私の下山速度に合わせて頂く.シェシェ.
 11時丁度.誰かが,
 「あっ・・・W田さんだ!」
と言う.
 尊仏山荘の小屋番,W田さんが,荷物を背負って登ってくる.

<草花に癒されながら・・・>

■堀山の家
 11時18分,堀山の家に到着する.小草平のベンチは登山客で一杯である.取りあえずは堀山の家の写真を撮る.すると,いきなり,
 「FHさん・・」
と声を掛けられる.ARENAの貴公子である.別に彼を狙って写真を撮った訳ではないが,彼が写真にバッチリ写っている.ジャックモノーの『偶然と必然』ではないが,偶然とは面白いものである.
 貴公子は,仲間と一緒に,1泊2日の予定で西丹沢まで抜けるとのことである.
 「明日のARENA,参加されますか?」
と聞かれる.
 「実は,孫娘が家に来るので・・・残念ながら不参加です」
 明日は楽しみにしていたARENAオフミの大野山ハイキングの日である.でも,数日前に孫娘が私の家に来ることになったので,残念ながらARENAオフミは不参加.

<登山客で賑わう堀山の家>

■堀山の家のコーヒー
 この頃,土曜日には堀山の家に立ち寄るのが癖になっている.ご一緒の常連の皆さんと一緒に堀山の家の中に入る.女主人の「なっちゃん」が,私達を愛想良く迎え入れる.早速,300円也のコーヒーを所望する.
 ストーブを囲んでの和やかな雰囲気に心が和む.
 小屋の中から外を見ていると,T田夫妻がしきりに小屋の中を気にしながら通り過ぎていくのが見える.

<300円也の美味しいコーヒー>


<ストーブを囲んでの楽しい団欒>

■無事大倉に戻る
 11時45分,堀山の家を出発する.
 先頭のM田さんが,かなり速い速度で歩くので,後続の私達も釣られて速く歩き続ける.相変わらず,引きも切らぬ登山者の列と擦れ違いながら・・・
 その内に先ほど堀山の家を通過したT田夫妻やホッシーさんに追い付く.
 ときどき草花のところで立ち止まったり,速くなったり,遅くなったりを繰り返しているうちに,私達の列も次第に離ればなれになる.
 先頭を歩いていたF田さん,M田さん,それに私は,12時52分にバス停大倉に到着する.
 13時11分発渋沢行のバスに乗車する.まだそれほど遅い時間ではないのに立ち席が出るほどバスは混雑している.
 電車の接続が良くて,15時前に無事帰宅する.
 何時ものことながら,塔ノ岳に登った日は,心身共に爽快である.

<ラップタイム>

 7:08  歩き出し
 7:28  観音茶屋
 7:44  見晴山荘
 8:11  駒止茶屋
 8:27  堀山の家
 9:07  花立山荘
 9:21  金冷シ
 9:35  塔ノ岳山頂着(5.0℃)
10:18      〃  発
10:33  金冷シ
10:46  花立山荘
11:18  堀山の家(11:46までコーヒーブレーク)
12:01  駒止茶屋
12:19  見晴山荘(12:22までトイレ休憩)
12:36  観音茶屋
12:45  克董窯
12:52 大倉 着

[山行記録]

■水平距離
       7.0km(片道)


■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:08
  塔ノ岳  着       9:35
  (所要時間)     2時間27分(2.45h)
  水平歩行速度   7.0km/2.45h=2.86km/h
  登攀速度      1269m/2.45h=518.0m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:18
  大倉   着       12:52
  (所要時間)     2時間34分(2.57h)
  水平歩行速度   7.0km/2.57h=2.72km/h
  下降速度       1269m/2.57h=493.8m/h
                                     (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1beff99e8decb8056256c6a1c4d3b00f
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f3797e3c6a2ef6be45de3bc84ecb1992



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