中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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今が見頃の紅葉を楽しみながら登る丹沢;塔ノ岳(今年57回目)

2012年11月01日 04時41分25秒 | 丹沢の山旅

                               <馬の背付近の紅葉>

  今が見頃の紅葉を楽しみながら登る丹沢;塔ノ岳(今年57回目)
           (ご常連に同行)
       2012年10月31日(水) 曇後晴

■月影を踏んで・・
 この頃,毎回同じような書き出しで恐れ入るが,この時期,朝寒くて暗いので,いくら早く目が覚めていても,暖かい寝床から這い出すのに勇気が要る.でも,昨晩の内に水曜日は絶対に塔ノ岳に登るぞと自分自身に十分言い聞かせていたので,3時30分頃塔ノ岳用の戦闘服を着てしまう.すると気持ちもシャンとするから不思議である.
 定刻5時10分に家を出る.外はまだ深夜のような感じである.
 今日は十五夜(十六夜かな?).西の空にはまん丸な月が煌々と輝いている.今にも月の使者が舞い降りてきそうな感じすらする素晴らしい月である.
 「素晴らしい月だな・・・・」
 私は独り言をつぶやきながら,早速,デジカメを構えて月の写真を撮る.
 余談だが・・・・
 昨日,某テレビで,月の海は巨大な隕石が衝突してできた跡だと言っていた.それはそうかも知れないが,日進月歩の科学によって,天空のロマンが次第に薄れていくのが私には悲しい.やっぱり月にはウサギが居て,火星には運河がある方が,私には楽しい.
 「そうだ! もっと背景の良いところで,この満月の写真を撮ろう・・」
 私はもっと良い場所で月の写真を撮ることを楽しみに,最寄りの駅に向かう・・・が,ものの5分も経たないうちに,そんなことはすっかり忘れてしまう.そして気がついたときには,東海道本線の電車に乗っていた.もう月の写真所ではなく,辺りはすっかり明るくなっている.

<十五夜を眺めながら駅への道を急ぐ>

■太陽が西から昇ったぞ!
 今日の電車は平日ダイア.小田原駅の2分2段階段跳び乗換は,あらかじめ覚悟をしているものの,やっぱり辛い.無事,乗り換えることができてホッとする.
 富士山と矢倉岳が二重奏を奏でるところで写真を撮りたかったが,残念ながら富士山は雲の中.でも,今日は不思議なことに矢倉岳の裾野から太陽が登り始めている.
 「やったあ!・・・西から太陽が昇ったぞ!」
 私は西から昇る太陽の情景を,すかさずデジカメに収める.
 「バカだなお前は・・まるで子供みたいだ」
と私の心の中に巣喰っているもう一人の私が,この私にケチを付ける.
 「うるせえな!・・・いちいちオレをバカにするな.面白いから写真に撮ったんだ.グズグズケチ付けるな!」
と私は心の中で怒鳴り返す.

<車窓から矢倉岳を望む>

■見晴山荘
 渋沢発大倉行の1番バスは,平日にもかかわらず沢山の登山客で混雑している.夏の間,あちこちの高山に行っていた登山客が,秋が深まったので丹沢へ戻ってきたようである.超韋駄天のN村さん,韋駄天のTさん,三角髭のTさん,Y内さん,大三郎さん,N村さん(女性),M田さん,ホッシーさんなどのご常連が乗車している.
 バスは7時頃,大倉に到着する.韋駄天組の皆さんはバスが到着すると同時に,早々と歩き出す.これも何時もの通りである.相変わらず私はモタモタ.結局,大多数のご常連より数分遅れの7時07分に,大三郎さん,N村さん(女性),それに名前はもう忘れたが山旅スクール11期の女史と一緒に歩き出す.
 何時もの私のペースではないので,少々リズムが掴めないが,雑談しながらの登山は実に楽しい.
 7時50分,見晴山荘を通過する.そして,見晴階段に差し掛かる.相変わらず坂の上の方に数名の登山客の後ろ姿が見えている.でも今日は小田原駅階段2段跳び乗換の影響か,前方の登山客を追い抜こうという気にはならない.
 「ダメだ! 今日は.どうもファイトが沸かないな」

<見晴階段>

■霜降りのN村さん
 引き続き皆さんと一緒に登り続ける.
 駒止茶屋に差し掛かる頃,「赤い筋肉」と「白い筋肉」のことが話題になる.
 「赤い筋肉は遅筋,白い筋肉は速筋・・・今,主に赤い筋肉を使って,山を登っていましょ・・」
なんていう下らないことを話し始める.
 山登りに強くて瞬発力のあるN村さんは,さしずめ赤白両方が強そうである.そんなことから,N村さんは全身筋肉,頭の中まで筋肉,それも霜降りの上等な筋肉の持ち主だという結論に達する(碌でもないことを言ってゴメンナサイ!).
 8時23分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間16分,コリャダメダ!
 「この調子だと,今日は(塔ノ岳)山頂まで,2時間50分ぐらいかな・・」
と私が独り言を言う.
 すると,”霜降りのN村"(超韋駄天のN村さんと区別するために”霜降り”を付ける)さんが,
 「大丈夫,この調子なら,2時間40分ぐらいで登れますよ!」
と言う.
 「私には,とてもダメ・・・急坂はユックリにしか登れません・・・」
 「私はどこでも同じ速度で登っていますよ・・・・」
 とにかく,N村さんは,全身筋肉だけあって凄い.私は信州の出身,なので,頭の中から足の先まで,カビだらけの古い信州味噌だ.敵うわけはない.

■堀山の尾根

 せめて平坦なところだけでも先へ行こうと思って,堀山の尾根で歩行速度を上げる.途中,富士山の眺望を期待したが,今日の富士山は雲の中である.
 この辺りの紅葉は未だ先のようである.

<堀山の尾根から見えない富士山を撮る>

■小草平
 8時44分,小草平を通過する.
 同行の霜降りのN村さんと,大三郎さんが小休止.
 どうせ途中で追い抜かれるので,私は休憩なしで,先に行かせてもらう.ところが,意外にも30分後のバスで来られたF田さんが私に追い付く.30分もハンディがあるのに,もう追い付かれてしまう.実に情けないが,これは実力の差,如何ともし難い.
 「じゃあ,先に行きまぁ~す・・」
でF田さんは,私を追い越していく.私との間の距離が見る見るうちに広がり,1~2分もするともう後ろ姿も見えなくなる.

<小草平>

■萱場平
 9時01分,萱場平に到着する.
 例によって,定点観測の写真を撮る.写真には,たまたま前方を行くホッシーさんの後ろ姿が入っている.
 空には雲が湧いているようで,花立山は全く見えない.


<萱場平>

■漸く花立山荘を通過する
 案の定,後7分坂の手前のガレ場で,霜降りのN村さんに追い付かれる.霜降りの姉御の後に付いて登り続けることもできそうだったが,汗をかきそうなので,無理をしないことにする.
 後7分坂に差し掛かる手前で,下山してくる超韋駄天のN村とすれ違う.何時もは後7分坂を3分の2ほど登ったところですれ違うので,それだけ今日の私は冴えないということだろう.
 9時24分,ようやく花立山荘を通過する.大倉からの所要時間は2時間17分.前回は1時間59分だったのに・・・この差は何とも大きい.
 その後,花立山荘から10分かけて,漸く花立山山頂に到着する.辺り一面に雲が湧いていて見通しは良くないが,紅葉と雲の取り合わせが実に綺麗である.

<花立山山頂>

■素晴らしい紅葉
 花立山を過ぎると,紅葉が一段と美しくなる.今が正に紅葉に見頃である.
 以下の写真は,馬の背付近から撮った紅葉の写真である.実に綺麗で,今,正に見頃である.こうなればラップもクソもあるものか.私はデジカメをあちこちに向けて,紅葉の写真を撮りまくる.
 以下に掲載する何れの写真も,花立山から金冷シの間で撮影したものである.










<花立山から金冷シ付近までの紅葉>

■ご常連とすれ違う
 9時40分,やっと金冷シを通過する.
 金冷シを通過すると,さすがの紅葉も色あせている.どこかに綺麗に紅葉した木でもないかなとキョロキョロしていると,韋駄天のTさんが下ってくる.何時もなら塔ノ岳山頂直下の階段ですれ違うのだが,今日は随分下での擦れ違いだ.
 「今日は紅葉が綺麗でしたね・・・」
と擦れ違いざまに一言言葉を交わす.
 さらに,頂上間近の階段で,三角髭のTさんとすれ違う.私のすぐ後ろに居られるホッシーさんに,
 「ホッシーさん,速く登ってきて・・・・すぐそこに見えている赤い花は何ですか?」
と話しかけている.

<山頂直下の紅葉>

■塔ノ岳山頂
 9時57分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.霧が出ていて寒い.山頂の気温は6.0℃.
 今日の大倉から塔ノ岳までの所要時間は2時間50分.コリャダメダ!
 「何だ,お前さんは楽しく安全に登れれば,ラップタイムなどどうでも良いって言っていたじゃないか」
 また,私の心の中に住み着いているもう一人の私が,この私を揶揄する.
 「ン,まあ・・・お前さんの言うとおりだよ.でも,なかなか悟れないんだよ・・・」
私は内心でうるさいこと言うなと言いながらも,まあ言われればその通りだなと素直である.
 あと数日で,8進数で卆寿,ネコ年で数えれば12歳1ヶ月になるのに,なんで何時までもラップタイムが気になるんだろう・・・率直に反省.
 霧の中で,性懲りもなく碌でもない写真を数枚撮る.そして,折角だから,私より一寸遅れているホッシーさんが山頂に到着するのを待つ.

<塔ノ岳山頂は寒い>

■尊仏山荘
 ホッシーさんと一緒に尊仏山荘に入る.
 窓際に毎度の場所にご常連が座っているのが見える.今日の小屋番はW田さん.定番の300円也のお茶を所望する.
 ”そういえば,今日は,ワハハのKシゲさんや韋駄天のS藤とは会わなかったな”
と思いながら,隅っこの席に座る.
 席について窓越しに外を見ると,山荘の改修工事が大分進んでいるようである.完成するのが楽しみである.
 雑談をしている内に,霜降りのN村さんが,大三郎さんのご到着が遅いのを気にし始める.
 暫くの間,とりとめもない雑談で花を咲かせる.10時を大分回った頃,大三郎さんも山旅スクール11期の女性と一緒に無事ご到着.
 どこか遠回りをしていた,K村さんも到着する.
 華伊達美弥雄さんは,どこかで昼寝しているらしくて,一回も顔を出さない.

<ご常連がたむろす尊仏山荘>

ご常連と一緒に下山開始
 10時43分,御用連の皆様と一緒に,重い腰を上げて下山開始.
 寒い山頂だが休憩を取っている登山者が増えている.K村さん,F田さん,T田さん,ホッシーさんなどとご一緒の下山である.
 同じ紅葉でも,登りと下りでは印象が違うのが楽しい.紅葉の中,ノンビリと下山しているところをパチリ.

<紅葉の下をノンビリと下山する>

■またまた美しい紅葉だ
 登っているときに較べると,霧が幾分薄くなっている.
 馬の背付近から見える鍋割山稜の紅葉が実に見事に見えている.また性懲りもなく紅葉の写真を撮りまくる.

<馬の背から鍋割山稜の紅葉を眺める>

ARENAオフミの皆さんとすれ違う
 11時09分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチでは沢山の登山客が休憩を取っている.その中にARENAオフミでいつも一緒になる山旅スクール11期の女性が居られる.
 「やあ,今日は・・・珍しいですね」
 「今日は(山旅スクール5期の)makoさん達と一緒に登ってきました・・・makoさんたちは後ろに居ます・・」
とのこと.
 一言二言話をしている内に,ご常連の皆さんとの間が空いてしまう・・・と言っても場所は危ない後7分坂である.まあここから先はユックリ一人旅だなと思いながら,後7分坂を下りはじめる.
 階段を半分ほど下ったところで,ARENAオフミの太極拳女史とすれ違う.
 「あれ,こんにちは・・・makoさんが後ろから登ってきますよ・・・」
 後7分坂を何とか下って,ガレ場に入る.大きな岩の縁を回り込んだところで,登ってくるmakoさんとすれ違う.先頭のお仲間とは20分程度の差が付いているようだ.でも,makoさんが塔ノ岳に登ってくるだけでも,同窓生の私としても嬉しいことである.
 「私の満○○歳の集まりが,○○月○○日ありますから,出てきて下さいよ・・」
とmakoさんをお誘いする.

再びご常連と一緒
 その内に,何とかご常連のグループに追い付く.
 皆さん健脚である.ノンビリ下るといっても,結構,速い.さすがに歩く足許はシッカリしている.そういえば,尊仏山荘で一緒だった霜降りさんと大三郎さんが居ないなと今頃になって気がつく.

<萱場平に向かう階段道>

■ツリガネニンジンの花
 12時11分,見晴山荘を通過する.やがて登山道が大きくジグザグと曲がるところで,ツリガネニンジンの花が咲いているのを教えて頂く.
 花オンチの私は,なかなか端の名前が覚えられないので,すぐに端の名前をノートに書き留める.そして,早速写真を撮る.
 私のカメラではマクロモードにして撮るしか方法がないが,これでは花だけ浮き上がらせて撮ることができない.後ろの葉っぱまでバッチリ撮れてしまうので余計だが,これまた仕方がない.

<ツリガネニンジンの花>

■大船Becker’sで仕上げのコーヒー
 12時13分,見晴山荘を通過する.
 今日は平日なのに,沢山のご常連と一緒に下山しているので,うっかり今日は土曜日と勘違いする.頭の中で,“急げば(休日ダイアの)12時40分のバスに間に合うな”と思い始める.実際は平日なので12時52分発だが・・・
 「丹沢ベースから3分で克董窯,3分で登山口,3分で大倉ですよ・・・大倉まで後9分.12時40分のバスに間に合いますよ・・・」
 皆さん何も言わずに,少し急ぎ足になる.その内に,“なんだ今日は平日か,ンなら未だ十分時間がある・・・オレも耄碌したな”でユックリ足になる.
 大倉12時52分発のバスに乗車する.今日のバスは途中の信号のタイミングも良く,渋沢駅発13時06分の小田原駅行電車に間に合う.
 小腹が空いたので,小田原駅でセンベイを買ってボリボリ食べながら,14時23分に大船駅に到着する.暑くも寒くもない上天気である.このまま家に帰ってもすることがない.ならば・・ということで,駅中のBecker'sに立ち寄る.
 五十三次洛遊会のお仲間から頂戴した割引券が残っていたので,90円引きのコーヒーを所望する.たっぷりコーヒーをシゲシゲと飲みながら,
 「今日も無事,登山できた.よかった,よかった!」

<Becker'sのコーヒーはタップリサイズ>

<ラップタイム>

 7:07  大倉歩き出し
 7:31  観音茶屋
 7:50  見晴山荘
 8:23  駒止茶屋
 8:44  堀山の家
 9:24  花立山荘
 9:40  金冷シ
 9:57  塔ノ岳山頂着(6.0℃)
10:43      〃  発
10:56  金冷シ
11:05  花立山荘
11:35  堀山の家
11:51  駒止茶屋
12:11  見晴山荘
12:26  観音茶屋
12:48  大倉 着

 [山行記録]

■水平距離
       7.0km(片道)


■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:07
  塔ノ岳  着       9:57
 (所要時間)    2時間50分(2.83h)
 水平歩行速度  7.0km/2.83h=2.47km/h
 登攀速度       1269m/2.83h=448.4m/h

■下降所要時間
(休憩時間を含む)

  塔ノ岳  発       10:43
  大倉   着       12:43
 (所要時間)    2時間00分(2.00h)
 水平歩行速度  7.0km/2.00h=3.50km/h
 下降速度     1269m/2.00h=634.5m/h
                                       (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0974454eb7203f8e4c2af2a1d7fd765d
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1a56d470dbff35696035b9e3c823b320



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