中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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緑陰を楽しみながら登る丹沢;塔ノ岳(今年30回目)

2013年06月05日 17時29分53秒 | 丹沢の山旅

                                <花立山にて>

    緑陰を楽しみながら登る丹沢;塔ノ岳(今年30回目)
           (常連に同行)
        2013年6月5日(水) 晴

■アジサイに見送られて
 関東地方が梅雨入りしてからもう1週間以上になるのに,この所,かんかん照りの夏のような日が続いている.本音を言えば,この辺りで一雨欲しいところだが,今日の良い天気である.そうなれば,もう,塔ノ岳に登るしかない.
 私は何時ものように,5時10分に自宅を出発して,塔ノ岳に向かう.
 自宅近くで咲いているアジサイが丁度見頃である.アジサイには雨が似合う.今日のように朝から強い日射しが容赦なく照りつけたのでは,アジサイが可愛そうである.
 あじさいの花がとても綺麗なので,一寸立ち止まって何枚かの写真を撮る.
 今日は大船駅から小田原経由で小田急線渋沢駅に出るつもりである.前回,何時も乗車する電車より34分も早く大船駅を発車する電車に乗って,藤沢,相模大野経由で渋沢まで出てみたが,渋沢駅に到着する時間が返って何時もより遅くなってしまった.もう余程のことがない限り,相模大野経由はヤメタ!である.

<自宅近くのアジサイ>

■矢倉岳と富士山のコラボレーション
 小田原駅で階段2段跳び乗換をして,何とか小田急線の電車に間に合う.2段跳びをしながら,
 “今日は随分と身体が重いな,あまり調子が良くないな…”
と自覚する.多分,日頃のデレデレ生活が災いしたんだろうと思う.
 車窓から外を眺めていると,新松田駅の手前で,矢倉岳が見え始める.富士山も薄っすらと見えている.
 “どうせ,富士山は写真には写らないだろうな”
と思いながら写真を撮る.案の定,写真には,そう思えば富士山が写っているかなと頼りない程度に写っている(かな?).

<矢倉岳と富士山>

■大倉から歩き出す
 渋沢発大倉行1番バスは,若干の立ちん坊が出る程度の混雑である.
 乗り合わせた常連は,韋駄天組のNmさん,Umさん,Ftさん.その他にYkさん,Ngさん,Tdさん,Hsさんなど.
 毎日登山のTgさんは居られない.バスに乗り合わせた常連のどなたかが,
 「あれっ! Tgさんは…居られないですね」
と言う.すると誰かが,
 「Tgさんは,青年(?)に誘われて,どこかの山へ行かれているんですよ」
と茶々を入れる.
 件(くだん)の青年は,トウネントッテ50ウン歳,四捨五入すれば60歳になられる方である.それほど若くはないのに“青年”と呼ばれるのが羨ましい.
 バスは7時丁度に大倉に到着する.
 身支度を調えて,7時05分にNgさん,Ykさんと一緒に歩き出す.私のすぐ前をFtさんとTdさんが歩いている.
 暫くの間,Ngさんと雑談しながら歩くが,登山口付近で,Ngさんにお断りして,先に行かせてもらう.私はすぐ目の前を歩いておられるFtさんとTdさんの後ろに付いて,暫くの間,ご一緒させて貰うことにする.

<FtさんとTdさんの後ろに付いて歩く>

■見晴階段
 7時43分,見晴山荘を通過する.そして,シンドイ見晴階段が始まる.私はユックリとしか登れないのでどうぞお先へと,同行のお二人に弱音を吐く.それに今日は蒸し暑いので熱射病になるのが怖い.
 階段を登るにつれて,私の先を行くお二人との間隔がジリッ,ジリッと開いていく.ここまで登っても,まだ,気温は高く20℃もある.

<見晴階段>

リンリンかリンレイか
 見晴階段を登り切った後,一本松を目指して坂道を登り続ける.この辺りになると,先行するお二人の後ろ姿は見えなくなる.もう完全に一人旅である.
 この頃雨が降らないので,登山道はすっかり乾ききっている.周囲の森からは,ジリジリという蝉(?)の啼き声が聞こえてくる.もうすっかり夏の雰囲気である.
 やがて,駒止階段に差し掛かる.階段を見上げる.毎度のことながら,この階段登りも辛い.ウンザリする.先ほどまでご一緒したお二人の後ろ姿は,もう完全に見えない.
 ”お二人は今頃どの辺りを歩いて居るんだろう…”
と想像しながら登り続ける.
 急坂が終わりそうなところで,意外にも,Ftさんが路肩を頻りに覗き込みながら,写真を撮っている.
 “あれ,まだ,こんな所に居られたのか…”
と思いながらFtさんに近付く.Ftさんが,
 「ほら,ここに可愛い花が咲いているでしょう…」
と指さす.
 なるほど,ちいさな白い花が幾つか咲いている.
 「リンリンソウとかリンレイソウって言うらしいですよ」
とFtさんが教えてくれる.
 「何,何? リンリン・・・・」
と一字一字聞き返しながら,私は花の名前をノートに書き留める.
 ”リンリンだったら,パンダの名前と一緒だからすぐに覚えられるのに…”
と余計なことを連想する.
 花に詳しいご常連が沢山居られるので,“私は花オンチ”と言っているだけでは,何時まで経っても,ご常連の皆さんの会話に付いて行けない.皆さんの会話がちょっとでも分かるように,少しずつ花の名前を覚えようと思っている(今更無理だな).

<リンレイソウとかリンリンソウという花>

■堀山の尾根道
 8時15分,ようやく駒止茶屋を通過する.
 大倉を歩き出してから,1時間10分経過している.いくら暑くても,1時間05分ほどで歩きたいところだ.もっともリンリンソウで数分のロスタイムがあるけれども…
 やがて堀山の尾根道に差し掛かる.
 前方からKsさんが下山してくる.何時もはもっと上の方ですれ違うのに,今日はバカに下の方ですれ違う.
 例によって,
 「やあ,やあ,…」
と握手.
 「今日は,朝早く登ったんです…山頂は涼しくて気持ち良いですよ…」
 やがて,富士山が見える場所に到着する. さきほど電車の中では,ボンヤリと見えていた富士山も,今は春霞に隠れている.それでも私は見えない富士山の写真を撮る.

 今日は何時ものバカカメラではなく,少し上等なデジカメを持参しているが,肝心の富士山が見えないのでは…カメラの実力を試すことができない.残念!
 「カメラをバカ,バカって言っていたらカメラが可哀相ですよ…」
とFtさんが言う.
 “ご尤も!”
 もうバカカメラとは言わないことにする.

<堀山の尾根から見えない富士山を撮る>

■萱場平
 8時32分,堀山の家に到着する.
 小草平では何人かの登山客が休憩を取っている.私はFtさんに,
 「私,ここから花立山荘まで40分掛けて登りますので,お先にどうぞ…」
とお願いする.
 堀山の家からの急な登り坂を登り始める.私の前を行くFtさんとの距離がジリッ,ジリッと広がっていく.
 堀山の家から花立山荘までは,階段が多く,急坂が連続するのでシンドイ場所だが,私にはこの場所が一番山登りらしく感じる.だから,一番好きな場所でもある.一歩一歩登り続けるのが実に楽しい.
 長い階段道で,何人かの登山客を追い越させていただく.逆に数名のランナーに追い抜かれる.
 8時51分,ようやく萱場平に到着する.辺りには人の姿はない.むせかえるような木々の緑に囲まれている.
 例によって定点観測の写真を撮る.ついでに木道の間に繁茂するアザミの写真も撮る.アザミは随分と猛々しく大きくなっている.

<萱場平>

■花立山荘
 萱場平を通過して再び坂道を登り始める.
 意外なことに,私からそれほど離れていないところを登っているFtさんとTdさんの後ろ姿が見えている.でも,これだけの距離があると,かなり無理をしないと追いつけない.
 やがて,後7分坂に差し掛かる.また,お二人との距離が少し開いたようである.
 先ほど,戸沢分岐に差し掛かる辺りまでは,何となく身体が重くて,足の筋肉が強張っているような気がしていたが,何時の間にか体調が良くなっている.
 まあ,順調に後7分坂を登って,9時13分に花立山荘に到着する.
 花立山荘のベンチにFtさんとTdさんが座っている.私より20段ほど前を歩いていた若い女性も同じベンチで休憩を取っている.
 「ここから先は一緒に登りましょう…」
とTdさんが私に言う.若い女性にも…
 大倉から花立山荘までの所要時間は,2時間08分.堀山の家からの所要時間は41分.遅い! 1分違ったぞ!

<萱場平からお二人の後ろ姿を見ながら登る>

■新緑が美しい花立山からの眺望
 お二人の後ろに付いて花立山を登る.私の後ろには先ほどの女性がやや遅れ気味になりながら付いてくる.
 残念ながら富士山は相変わらず見えないが,新緑が美しい鍋割山稜が見えている.涼風が花立山を吹き抜ける.
 「ああ,涼しい…気持ちが良いですね」
 9時22分,花立山を通過する.

<花立山から新緑の鍋割山稜を望む>

■塔ノ岳山頂
 私の先を行くお二人の速度は,私には一寸速いが,付いて行けないほどでもないので,体力を奮発して一緒に登り続ける.
 9時27分,金冷シを通過する.
 途中でチョッピリ道草をしながら,順調に登り続けて,9時42分,4人一緒に塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は19℃.高温である.ただ,山頂を涼しい風が吹き抜けているので,気持ちが良い.
 Tdさんが,
 「では,私は下山します…」
と言って,山頂にほんの1分ほど留まっただけで,そそくさと下山していく.
 今日の大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間37分.相変わらず芳しくない所要時間である.
 私は山頂で四方八方の風景を撮るという儀式を済ませる.

<塔ノ岳山頂からの眺望>

■丹沢山東光院
 尊仏山荘に向かう途中にある丹沢山東光院のレリーフを改めてシゲシゲと眺める.
 平素は見過ごしているが,結構素晴らしい彫像である.
 ”一度,東光院をお参りしなければ…”
と改めて気にし始める.

<丹沢山東光院のレリーフ>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.
 先客はご常連のYuさんだけ.小屋番はオーナーのHさん.ネコは不在.Ftさんと2人で,角の席に座る.例によって300円也のお茶を所望する.
 Yuさんと渋沢の新しい喫茶店を話題に雑談をしていると,鳥や花に滅法詳しいHsさんが到着する.さらに,10時過ぎにNgさんが到着する.Ngさんが,
 「(FHさん)今日は2時間30分ぐらいで登ったの?」
と私に質問する.
 「いえ,2時間サンジュウ…ええと」
 所要時間の2時間37分がすぐには計算できない.
 「まあ,大体2時間30分ということでしょう…速いですね」
 私は韋駄天組の皆様のように速く歩けるようになりたいという願望を常に持っている.だから,自分自身は遅いなと何時も思っている.そんな私を「速いですね」と言われてしまうと,何とも収まりが付かない違和感を覚える.
 でも,まあ,速い人から見れば私は遅いし,遅い人から見れば私は速いということだ.
 “なんだ! 当たり前じゃないか!”
 そんな雑談をしていると,Umさんが尊仏山荘に入ってくる.今日のUmさんは,大倉から三ノ塔経由で来られたそうである.それにしては随分と俊足である.
 Umさん到着後の雑談の話題は,
もっぱら花のこと.こうなると,花オンチはチンプンカンプンだ.

■ユックリと下山
 私は緑陰の堀山尾根をユックリ下山したいので,皆さんより一足先に下山することにする.2時間余り時間を掛けて,大倉発12時52分のバスに乗車する積もりである.
 「外が気持ちよさそうなので,先に下山します」
と常連の皆様に挨拶して,10時32分に下山開始.
 雲間に富士山の山肌がほんの少し透けて見えている.登りではあんなに暑く感じた気温も,下りでは暑くも寒くもなく実に心地よい.私はユックリ気儘な一人旅を楽しむ.
 10時57分,花立山荘を通過する.後7分坂の上から相模湾の雄大な眺めを楽しんでから,実にユックリと階段を下りる.ときどき登ってくる登山者とすれ違うが,今日は珍しく知り合いとすれ違うこともなく,淡々とした下りである.
 11時29分,堀山の家を通過する.
 いよいよ,堀山の尾根の緑陰散策の始まり
である.
 まずは,堀山の家の近くに自生する葉っぱが白い木が目に着く.もちろん,といっては面目ないがこの木の名前など私には分からないが,とにかく美しい.私は立ち止まって美しい木の写真を撮る.

<葉っぱが白い花のように見える木>

■緑陰を楽しむ
 堀山の尾根の緑陰は実に良い.
 こぼれ日の尾根道を,楽しみながらノンビリと歩く.涼しい海風が吹き抜けている.辺りを見回しながら,そよ風に身を委ねるような気分で歩き続ける.木々の間から,明るく輝く表尾根の山々が見えている.
 11時46分,漸く駒止茶屋に到着する.
 “少しユックリしすぎたかな.でもまだ十分に時間はあるな”

<堀山の尾根の緑陰を行く>

■3人旅
 一本松を通過して見晴階段に差し掛かる.まだバスの時間までに十分な余裕がある.何も急ぐことはないぞと自分に言い聞かせながら階段を下り続ける.
 もう少しで階段が終わりになる頃,後ろから足音が近付いてくる.
 “誰だろう…?”
 登りでご一緒してくれたFtさんである.
 「やっと追い付きましたよ…Umさんもすぐ来ますよ.Umさんには一本松で水を飲むので先に行っててくれって言われました」
 12時07分,見晴茶屋を通過する.
 程なくUmさんも私たちに追い付く.ここから先,大倉尾根までは,雑談をしながらの三人旅である.
 相変わらず路面は乾ききっている.こんなに乾いていたらヒルも出てこないし,暑いとは言いながらも,うるさく付きまとうアブなども,まだ出ていない.道端の草花を立ち見しながら,12時43分に,無事,バス停大倉に下山する.
 下山所要時間は2時間11分.ノンビリ下山にしては案外並の所要時間である.

<三人旅;克董窯近くにて>

■涼しい海風に誘われて…
 大倉12時52分発渋沢行のバスに乗車する.私たち3人の他に地元の常連,Yuさんも同じバスに乗車する.昼下がりのバスは空いている.途中で乗り降りする乗客もなく,13時04分に渋沢に到着する.
 “しめたっ” “13時06分発渋沢行の電車に間に合うぞ”
 私はご常連への挨拶もそこそこに,この電車に飛び乗る.今日は往路復路共に階段2段跳び乗車になる.
 小田原始発の東海道本線の電車は空いている.
 電車の車輪がレールの継ぎ目で,
 「モヌケノカラ,モヌケノカラ,・・・・・」
という音を出しているように聞こえる.
 モヌケノカラという音の通り,私は4人掛け1ボックスを1人で占領して,モヌケノカラのような車両で,ノンビリ居眠りをする.
 14時21分,大船に到着する.
 電車を降りると心地よい海風が吹いている.実に爽やかで心地がよい.
 駅中のコーヒーショップでコーヒーでも賞味しようかと思ったが,こんなに明るくて爽やかな時間に,わざわざ四方が仕切りだらけの店に入りたくない.それに,バスのような外部と仕切られた空間にも入りたくない.第一,塔ノ岳往復だけでは少々歩き足りないような気分になっている.
 “よおしっ…! 家まで歩くぞ”
 大船駅から自宅までの距離は約2.5キロメートル.約7500歩ほどの緩やかな登り坂である.
 私は「口笛吹きの散歩」(題名ちょっと違うかな?)を小さく口笛しながら,大船の街中から鎌倉中央公園を抜けて,15時過ぎに無事帰宅する.
 “今日もたのしかったなあ…”

<ラップタイム>

 7:05  大倉歩き出し
 7:29  観音茶屋
 8:45  見晴山荘
 8:15  駒止茶屋
 8:32  堀山の家
 9:14  花立山荘
 9:28  金冷シ
 9:42  塔ノ岳山頂着(19℃)
10:32     〃   発
10:44  金冷シ
10:57  花立山荘
11:29  堀山の家
11:46  駒止茶屋
12:07  見晴山荘
12:21  観音茶屋
12:43  大倉着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発         7:05
  塔ノ岳  着         9:42
 (所要時間)         2時間37 分(2.62h)
 水平歩行速度      7.0km/2.62h=2.67km/h
 登攀速度         1269m/2.62h=484.4m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:32
  大倉   着       12:43
 (所要時間)       2時間11分(2.18h)
 水平歩行速度     7.0km/2.18h=3.21km/h
 下降速度         1269m/2.18h=582.1m/h
                            (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3cff2e5c78b964e45df06cf9e2d59a00
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5312a5139b7447c3551f0f0b5f8dd7cf 



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