<堀山の尾根付近にて>
残暑厳しい丹沢:シカとネコに出会った塔ノ岳(今年45回)
(登り下りとも常連に同行)
2012年9月5日(水) 晴山頂付近雲
■大倉バス停から歩き出す
昨日,ちょっとしたトラブルがあったせいか,何となく寝不足気味で身体が重い.そのため恒例の小田原駅での東海道本線から小田急電鉄に階段2段跳び乗り換え2分間はとても辛い思いをした.それに寝不足が祟って小田急電鉄で渋沢へ向かう間についつい居眠りをしてしまう.ほんの数秒だが,寝てはダメと思っても,ついつい居眠りをしてしまう.
渋沢駅で大倉行1番バスに乗車する.今日は平日にもかかわらずかなりの登山客がバスに乗り込む.韋駄天のTさん,三角髭のTさん,三度笠のY内さん,ホッシーさん,大三郎さん,N村さん,超韋駄天のN村さんなどの顔が見えている.
7時06分,私は,たまたま居合わせた韋駄天のTさん,三度笠のY内さん,大三郎さん,N村さんの4人と一緒にバス停大倉から歩き出す.今日は温度計を持っていないので,正確な気温は分からないが,残暑とはいえ,随分と蒸し暑い.それに殆ど無風である.これは辛い登山になりそうだと予感する.
■韋駄天のTさんの後を付ける
先頭を行く韋駄天のTさんは,リハビリ中とはいえ,さすがに韋駄天さんである.歩行速度がとても速い.私はヒーヒー言いながら,後を付ける.もうこれ以上歩行速度を上げたら,私は到底山頂まで持たないなという限界に近い速度である.
登山口から見晴山荘辺りまでは,三度笠のY内さんとfacebookのことなどを雑談しながら歩きつつける.途中,路傍で立ち休憩を取っているホッシーさんに追い付く.
7時48分,見晴山荘を通過する.そして見晴階段に差し掛かる.韋駄天のTさんの登攀速度が速まる・・というよりも付いていけない.だんだんとTさんとの間隔が広がり始める.でも,できるだけ付いていこうとついつい頑張ってしまう.そうこうしている内に,私のすぐ後ろで,一緒に登っていた大三郎さん,N村さんとの間が開いてしまう.こうなったら,もう仕方がないので,マイペースに戻って,歩き続ける.
<見晴階段>
■富士山は雲の中
8時21分,駒止茶屋を通過する.最初の歩行ピッチが速すぎたために,駒止階段の登りが辛くなり,速度を落とす.そのために,大倉からの書状時間が1時間15分も掛かっている.やっぱり無理は禁物である.
堀山の尾根に差し掛かると,前方にM田さん,韋駄天のTさん,三角髭のTさんのお三方の後ろ姿が見える.
私は,また歩行速度を速めて,何とか追い付く.そして,三角髭のTさんに,
「・・韋駄天のTさんの復帰祝を,是非,やりましょう・・・」
と話しかける.
「いま,韋駄天のTさんとも話していたんですが,塔ノ岳山頂まで登れるようになってからやりましょう・・ってことになりました」
「そうですか・・楽しみにしています.日程が決まりましたら,facebookでも皆様に呼びかけますよ・・・」
富士見台で富士山が見える方向の写真を撮る,富士山の方向には,白い雲がモクモクと沸いていて,残念ながら富士山は雲の中である.そうこうしている内に,韋駄天のTさん,三角髭のTさんの後ろ姿が見えなくなる.
<前方にご常連を発見> <富士山は雲の中>
■素晴らしい尾根道
8時29分,堀山を通過する.
丁度そのとき,下山してくるKシゲさんとバッタリ.例によって,
「ヤア,ヤア,・・・」
で握手.
「今日は山頂も暑いですよ・・ついそこで韋駄天のTさんに会ったけど,まだリハビリ中なのに心配ですよ・・」
とTさんに気遣っている.
Kシゲさんとお別れして,すぐに,勢いよく下ってくるY沢さんとすれ違う.
改めて登山道の周辺を見回す.
白内障の手術を受けてから,木々の緑が一段と美しく見えるようになっている.私は大きな木の梢を見上げながら,
「ああ,・・綺麗だな,美しいな・・」
を繰り返す.そして,感激の余り,何枚もの写真を撮り続ける.
<木々の緑が美しい登山道>
■萱場平
8時39分,堀山の家を通過する.小草平のベンチでは登山者が2名休憩を取っている.
堀山の家の一寸手前で,堀山の家から下山する韋駄天のTさんと挨拶する.
私は休憩中の方に軽く会釈をして,急坂に差し掛かる.これまで少し乱暴な歩き方をしたので,ここからは極々慎重にゆっくり登ろうと自分に言い聞かせる.
私の前後には誰も見えなくなる.こうなると自然に自分の気分も落ち着く.ゆっくり登って,9時02分に萱場平を通過する.今日の萱場平には人の気配はなく,静まり返っている.木道の間に繁茂するアザミが,また一段と大きくなっている.
<萱場平>
■後7分坂
今日は何処まで登っても蒸し暑い.それに,終始,身体が重い感じがするので,自重して登り続ける.まだ目薬を差している状態なので,額の汗が滴り落ちて眼に入るのを避けなければならないこともあって,思うようには歩けない.
ふと後ろを振り返ると,先ほどまでは全く見えなかった,大三郎さん達の姿が見え始める.
「間もなく私に追い付くな・・・」
と予感する.
そして,後7分坂に差し掛かる頃,遂にお二人が私に追い付く.
「あれっ!・・M田さんは?」
と気になる.
後7分坂登り口で,お二人と並ぶ.そのまま階段を一緒に登り続ける.そして,9時27分,ようやく花立山荘に到着する.大倉を歩き出してから,実に2時間21分も経過している.これは私にとって最低記録に属するが,まあ仕方がない.
花立山荘前のベンチでは数名の登山客が休憩を取っている.
相変わらず,ここからも富士山は見えない.
<後7分坂に差し掛かる直前でお二人が私に追い付く>
■花立山
花立山荘まで登ると少しは涼しくなる.何時の間にか汗は引っ込んでいる.ガレ場に入ると太陽が首筋をジリジリと焼き始める.堪らず私は手拭いを取り出して,首筋を覆う.
何となく体調が普通になってくる.花立山山頂に近付くと,雲の中に入ったらしく,日射しはなくなり,辺り一面に霧が立ちこめている.勿論富士山は見えないが,霧の風景はそれなりに美しい.
9時37分,花立山を通過する.
先ほど私に追い付いたお二人は,花立山荘で休憩を取っているらしく,後ろを見ても姿が見えない.
<花立山山頂付近にて>
■シカの群像
9時40分,金冷シを通過する.
周囲の木々の緑を楽しみながら,階段を登り続ける.ここまで来れば塔ノ岳山頂まであと僅か.もう山頂まで登ったのと同然である.
進行方向左手に茶色の動くものが見える.
「何だろう・・・?」
と,足を止める.
ユックリ近付くと,実に可愛いシカが数頭で群れている.私が近付いても逃げ出す気配がない.辺り一面に竹藪が繁茂しているので,シカの全身を見ることはできないが,あちらこちらから写真を撮りまくる.なかなか思うような写真が撮れない.
シカの写真を撮っていると,三角髭のTさんが下ってくる.
「やあ・・・良いですね・・」
と私に声を掛けて,下っていく.
<山頂付近の子鹿>
■塔ノ岳山頂
9時58分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.低い雲が立ちこめていて,相変わらず富士山は見えない.ただ雲間に見える丹沢の山々が綺麗である.今日の大倉からの所要時間は2時間52分.有り体に言えば,いくら夏ばての私でも不本意.いくら暑い日でも,せめて2時間40分台で歩きたいものである.山頂の気温は25.8℃.結構高温である.
山頂では数名の登山客が思い思いに休憩を取っている.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
私は,もうすぐ到着するであろう大三郎さんたちお二人と一緒に尊仏山荘に入ろうと思っている.
そこで,山頂近くで写真を撮りながら10時05分頃まで待つ.でも,どうしたわけが一向に現れないので,待つのを諦めて,尊仏山荘に入る.
先客は三度笠のY内さんと,見知らぬ登山客が2人ばかり.
小屋番はW田さん.
Y内さんとお茶を飲みながら雑談をしていると,大三郎さん達がご到着.さらに数分遅れてM田さんも到着する.
「あれっ・・U村さんは・・?」
「・・表尾根の方へ行かれたようですよ・・・」
とW田さんが教えてくれる.
程なく韋駄天のF田さんが現れる.
F田さんは私たちが乗車したバスより1時間も遅いバスに乗られたようだが,もうご到着.何という足の速さ,ただだ驚く.
F田さんから,つい先日登った笊ヶ岳の写真を見せて頂く.素晴らしい写真である.私も,数年前,笊ヶ岳を訪れたことがある.写真を拝見しながら.あのときのことを懐かしく思い出す.
<尊仏山荘にて>
■ノッソリとミー君
雑談をしていると,2階からミー君がノッソリと現れる.啼き声一つ出さずに,おっとりと構えている.そこが可愛いところである.早速ミー君の写真を数枚撮る.
ミー君も人間の年に換算すれば,もう80才のご高齢である.自ずから動作身のこなし方が,数年前に比較するとユックリになっている.
この写真を撮った後,床の上で精査したまま,暫くの間,銅像のように動かずジッとしている.
「このネコ,啼くんですか・・?」
とどなたかが言う.
「啼きますよ.透明で綺麗な声ですよ・・」
<ミー君>
■5人揃って下山開始
Y内さんは,大倉で会合があるとかで早々と尊仏山荘を後にする.
残りの私たちは,11時12分に尊仏山荘を出発,下山開始.
F田さん,大三郎さん,N村さん,M田さん,それに私の5人である.途中速からず遅からずの速度で下り続ける.急階段では極めて慎重に下る.
堀山の家の前,小草平のベンチ付近で建ったまま給水休憩.
その後も和気あいあいで下山し続ける.もともと俊足のF田さんは,鈍足の私の速度に合わせるのに一苦労したに違いない.多分・・・
<小草平で一休み>
■無事帰宅
途中で急げば,大倉発13時22分のバスに間に合うが,急いでも仕方がないので,ユックリ下山し続ける.そして,13時24分,無事,大倉に到着する.
一同,13時52分のバスに乗車する.
渋沢駅で,私だけ寂しく小田急下り電車に乗車する.車内の冷房が涼しすぎて困るが,小田原で特別快速高崎行の電車に乗り換えて,16時一寸前に無事帰宅.
水戸黄門のテレビを見ながら風呂を沸かす.一汗かいた後の風呂は極楽,極楽.
こうして,今年45回目の塔ノ岳参りは無事終わった.
次の塔ノ岳参りは,天候が良ければ土曜日の予定である.
<ラップタイム>
7:06 大倉歩き出し
7:31 観音茶屋
7:48 見晴山荘
8:39 堀山の家
9:27 花立山荘
9:40 金冷シ
9:58 塔ノ岳山頂着(25.8℃)
11:12 〃 発
11:24 金冷シ
11:35 花立山荘
12:12 堀山の家
12:36 見晴山荘
12:42 観音茶屋
13:22 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 9:58
(所要時間) 2時間52分(2.87h)
水平歩行速度 7.0km/287h=2.44h
登攀速度 1269m/2.87h=442.2m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 11:12
大倉 着 12:24
(所要時間) 2時間12分(2.20h)
水平歩行速度 7.0km/2.20h=2.18km/h
下降速度 1269m/2.20h=576.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b0dcd1656edc155fec665826a151c1ce
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/a0d681bbe1f8b24407e37b670057ca71
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