中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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御嶽山:御嶽から濁河温泉へ縦走(3)

2010年08月04日 11時54分37秒 | 北アルプス

                     <御嶽山剣ヶ峰を目指して>

          御嶽山:御嶽から濁河温泉へ縦走(3)
            (北アルプス総合案内所)
        2010年7月31日(土)~8月1日(日)

第2日目:8月1日(日)

<登山地図>




<プロフィールマップ>



<王滝頂上小屋の朝>

■4時30分起床
 一人一枚の布団でゆっくりと過ごす.
 夜中に目が覚める.もう十分に良く寝たなあ,4時頃かなと思って,時計を見ると,まだ10時30分である.
 「ありゃ,ありゃ,・・まだ,今日の内か・・」
 私はすっかり目が覚めているが,もう一度目を瞑ってジッとしている.
 眠れないな,眠れないな・・と,思っている内に,何時の間にかウトウトと眠ってしまい,その間にいろいろな夢を見る.どうしてか分からないが,こんなときに見る夢は,決まってろくでもない夢である.大抵は現役時代の失敗談や追い詰められたことが夢に現れる.
 ときどき目が覚める.あちこちから寝息や,やや大きな鼾が聞こえてくる.何燭光か分からないが常夜灯が眩しい.
 こんなことを繰り返している内に,4時30分になる.天井の蛍光灯が一斉に点灯される.一同,蛍光灯に促されるようにして,モソモソと起床する.
 いよいよ,今日から8月である.歳月の過ぎ去るのが速いなと実感する.
 余談になるが,私は登山のときに余計なものは一切持たず,リュックをなるべく軽くするように心がけている.とはいえ,ヘッドランプ,雨具,非常食,防寒具,アルミ箔など最低限度の登山用品は必携するように山学校で躾られている.
 今回は下着の予備は1組しか持参していない.従って,昨日着ていた汗臭い下着類は代えることなく,今日も着たままである.全体がべとべとしていて気持ち悪いが致し方ない.
 従業員が,一斉に寝具を折りたたんで,布団部屋に入れる.私たちのガイドも手伝っている.勝手が分からない素人が手を出すと,返って迷惑になるので,板の間の片隅に座って邪魔にならないようにしている.
 洗面やトイレも混雑していないので,気楽に利用することが出来る.飲料水も十分にある.トイレが水洗でないので若干臭うが,広間までは臭ってこない.
 早朝から並んでトイレや食事をしなければならない大きな山小屋に比較すると,ここは,随分と気楽に宿泊できる良い山小屋である.
 

■日の出遙拝
 4時50分,そろそろ日の出の時間である.
 自分のどた靴を引っかけて,小屋の外に出てみる.ここは,標高2930メートルの地である.平地に比較すれば,気温は17~18℃ほど低いはずである.普通ならば,ここの気温は15℃程度で,かなり寒いはずだが,今朝は半袖シャツのままでも,全く寒くない.
 小屋前の稜線に沢山の宿泊客が一列に並んで,日の出を今か今かと待っている.茜色に輝く空をバックに,待っている人たちがシルエットになって浮かび上がっている.
 「これは良い画材になるな・・・」
と直感する.私は,早速,小さな名ノートに,この様子を,極,極,簡単にスケッチする.そして,念のために,辺りの様子をデジカメに収める.
 

■朝食
 5時20分から朝食.
 何処へ座るか考えるのが面倒なので,昨夜の夕食のときと同じ場所に座る.
 シャケ半切,卵焼き1切,ノリ,サラダ,味噌汁など簡素な朝食である.でも,これで十分.
 私は朝食を食べながら,数年前,モンブランに登ったときに,途中の小屋で出された山盛りのポテトスマッシュと固い牛肉1切れだけの侘びしい食事を連想する.あのときの食事に比較すれば,ここの朝食は素晴らしいなと思う.


<御嶽山剣ヶ峰を目指して>

■王滝頂上でストレッチ

 5時40分,王滝頂上にある大嶽頂上奥社前に集合する.奥社は頂上小屋の直ぐ上にある.
 400平方メートルほどの広場の奥に奥社がある.白い鳥居のある立派な社殿である.奥社の斜め向かいに社務所がある.社務所では,杖,お守りなどを販売している.
 Y沢ガイドの指揮で,広場の片隅で,ストレッチを開始する.三々五々と参拝客が訪れている.
 Y沢ガイドが,
 「参拝者の迷惑にならないように,片隅によって下さい・・」
と私たちに注意する.
 そして,登山前にストレッチをはじめる.すると,突然,社務所から,事務員が出てきて,
 「・・・ここは参拝者が通るところだぞ,邪魔だ!」
と,かなり横柄な口調で,私たちを叱りつける.
 「仮に私たちの配慮が足りなかったとしても・・・・同じ叱るんでも,もう少し言いようがあるだろうに・・・」
と,私はかなり嫌な気分になる.
 もし,私が,この事務員の立場だったら,多分,
 「・・すみません.ここは参拝者の通り道になっていますので.この辺り(具体的に・・)は,空けておくようにご配慮下さい.ご協力をお願いします・・」
くらいの言い方をするだろうに・・・
 自分たちの配慮が足りなかったにせよ,朝から幾分気分が悪い.
 なお,参考資料1には,「御祭神国常立尊・大己貴命・少彦名命 御嶽山王滝口頂上に鎮座し,文武天皇の時代大宝2年(702年)信濃国司高根道基が創建.光仁天皇の宝亀5年(774年)信濃国司石川朝臣望足が勅命を奉じ登山し,悪疫退散を祈願.延長3年(925年)白川少将重頼が登山し神殿を再建した.応保元年(1,161年)後白河上皇の勅使が登山参拝された.」と記述されている.
 なるほど,由緒ある凄い神社だなと,下山後はじめて知った.


■王滝頂上を出発
 ストレッチを終えて,5時56分に,王滝頂上から歩き出す.
 幸いなことに,今日も上天気.前方には,青空の中に,これから目指す御嶽山剣ヶ峰がクッキリと見えている.
 なだらかな上り勾配の道がクネクネと山頂まで続いているのが見える.山頂付近に2棟の山小屋が建っている.御嶽山剣ヶ峰山頂山荘と御嶽頂上小屋である.登山道には,沢山の参拝者や登山者が往来している.
 

■まごころの塔
 私たちは,ごくユックリした歩調で,ガレ場を登り続ける.緩い登り勾配なので歩きやすい.途中,山頂から下ってくる参拝者と次々のすれ違う.
 6時01分,「まごころの塔」の近くを通過する.


■剣ヶ峰山荘から御嶽山剣ヶ峰へ
 6時22分,登りの石段の途中にある剣ヶ峰山荘の前を通過する.
 続いて,6時26分,剣ヶ峰頂上山荘裏手の高い場所に到着する.ここが剣ヶ峰山頂(標高3063m)である.山頂には,大きな立像が建っている.
 事前に予習をしていない私には,この立像がどなたなのか全く分からない.
 御嶽山が信仰の山であることは,勿論,以前から承知していた.それならば,事前にもう少し予習してくれば良かったなと後悔する.
 私たちは,剣ヶ峰山頂で15分ほど休憩を取った後,火口を半周して,二ノ池に向かう予定である.



<剣ヶ峰山頂>

                             (つづく)
[参考資料]
資料1:http://www.ontakejinja.jp/photo_syaden.html

「北アルプスの山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b71d0fcf197c02a95a2b4c14f5f5d26e
「北アルプスの山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1840ca96ca27913061806be835a7c81b
 



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