中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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登山者が戻ってきた初秋の塔ノ岳(今年40回目)

2008年09月11日 15時18分51秒 | 丹沢の山旅

                  <塔ノ岳山頂から南アルプス方面を望む>

        登山客が戻ってきた初秋の塔ノ岳(今年40回目)
          (上り単独山行:下りKiyoma氏に同行)
          2008年9月10日(水)
 快晴

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■登山客が戻ってきた
 この所,悪天候が続いていたが,昨日に引き続き今日も朝から快晴である.
 9月も中旬近くなると,朝が随分と遅くなっている.漸く東の空が明るくなってきた頃,家を出発する.外はヒンヤリとして気持がよい.ここ数日の間に,随分と過ごしやすくなったと実感する.
 渋沢発7時16分大倉行バスに乗車する.いわゆる「2番バス」である.つい先日までは,平日に,この2番バスに乗車する登山客は,せいぜい5~6人だったが,今日は空席が2~3席しかないほどの混雑である.陽気が少し秋らしくなったことと,暫く振りの晴天で,ご常連以外の方々が沢山乗車されているようである.

■観音茶屋を通過
 大倉バス停で,支度を整える.まずは半ズボンなる.そして,先日,尊仏山荘に置き忘れたバンダナを頭に巻く.軽くストレッチをしてから,7時42分に歩き出す.日射しは未だ暑いが気温はそれ程高くなく,足元も乾いていて歩きやすい.
 7時46分,登山口から杉林の中の登山道に入る.明るいこぼれ日が登山道に射し込んでいる.1週間振りとはいえ,どうやら,今日の体調は良さそうである.涼しくなったためか,何時もうるさく付きまとっていた蚊やアブが居なくなっている.その代わりに,草むらの中から,ジージーと秋の虫の啼き声が聞こえてくる.
 7時54分に丹沢ベース,8時01分に観音茶屋を通過する.涼しいので,心なしか足取りが軽い.

             <ご常連のYさんがもの凄い勢いで下っていく>

■ご常連のYさん
 8時15分に見晴茶屋を通過する.いよいよ最初の急登に差し掛かる.見上げると沢山の登山客の姿が見える.申し訳ないが,何人かの登山客を追い抜いて,先に行かせて貰う.
 歩きながら,前回この辺りを歩いていたときには,義兄の葬儀からコスミックエッグのことなどを連想しながら歩いていたなと思い出す.私は素人なので良く分からないが,そういえば,最近の宇宙論の進歩はめざましく,その結果,これまで200億年前と言われていたビッグバンだが,最近の研究成果では,宇宙創生の歴史が大分短くなり,百数十億年に書き換えられているという.さらにはアインシュタイン方程式で有名な「宇宙項」が見直されていると言うから堪らない・・・
 なんていうことを,またボンヤリと連想し始める.歩くことがバックグラウンドジョブになりそうなことに,「ハッ」と気が付いて,再び,歩くことに気持を専念させる.
 8時25分頃,いきなり上の方から,ダダッ,ダダ・・・と,誰かがが駆け下りてくる音がする.驚いて,登山道に立ちつくす.ご常連のYさんが,2本のストックを上手に使いながら駆け下りてくる.

              <堀山の尾根道から富士山を望む>

■駒止茶屋を通過
 気温が低いために,案外気分良く登り続けて,8時41分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから59分.たった1分とはいえ,駒止茶屋までの所要時間が,1時間を切ったのは久々のことである.これで,多分,2時間10分台で塔ノ岳山頂に到着できるかも知れないと予測する.
 今日の堀山の尾根からの眺望は素晴らしい.久々に富士山が麓までとても良く見えている.定点観測の場所で,富士山の写真を数枚,デジカメに収める.何となく体力が余っている感じがするので,尾根道をかなりな速度で歩き続ける.
 8時55分,堀山ノ家に到着する.小草平の杉木立の間から富士山が良く見えている.ベンチで休憩を取っている人達に会釈をしてから,大きな杉の木を入れた富士山の写真を撮る.ベンチの男性が,
 「・・折角,富士山の景色を楽しみにしていたのに,もう富士山には雪がないんですね・・・」
と私に話しかける.
 私にしてみれば,この時期,富士山が見えるだけで,嬉しくなるのに・・・

                 <堀山ノ家から富士山を望む>

■萱場平
 写真を撮り終えて,歩き出そうとすると,細身の中年男性が堀山ノ家を通過しようとしている.
 「・・・随分と,(歩くのが)速そうですね・・・お先にどうぞ・・」
と,私が道を譲るが,
 「いえ,いえ・・そんなことありません.どうぞお先に・・・」
と私の後に付いてくる. 後から,ピッタリと付けられるのは,余り良い気分ではない.そのためか,マイペースより,幾分速い速度で登り続けて,9時10分に戸沢分岐に到着する. どうしても,後の男性が気になるので,ここで先に行って貰う.
 緊張の糸が切れたのか,戸沢分岐近くの萱場平で,定点観測の写真を撮っている間に,この男性の姿が瞬く間に見えなくなる.

              <今日の萱場平:久々に青空が見える>

■花立山荘
 やがて,花立山荘手前の長い階段に差し掛かる.
 そのとき,何時ものように,上から修行僧が降りてくる.この修行僧,時間が随分と正確だなと感心する.
 9時30分,花立山荘に到着する.珍しく富士山が良く見えている.ここでも富士山の写真を撮る.ただ,残念なことに,手前のベンチに上半身,裸になった男性が画面に入ってしまう.
 「・・・いや~ぁ・・・疲れました.この先,山頂まで,まだ,大分あるんでしょうかね?」
と私に聞く.一瞬,どう答えようかと迷うが,
 「花立山荘まで登れば,後はそれ程大したことはありませんよ・・・」
と差し障りのない返事をする.ここの雑談で,2分ほど時間をロスる.

■花立場の眺望
 男性とお別れして,花立場に向かう坂道を登り始める.すると,何時ものように,ご常連のTさんが軽い足取りで下山してくる.
 「・・・暫く振りです.今日は涼しくて良いですね」
とTさんに挨拶する.
 「・・・山頂の気温は+14℃で,気持ちよいですよ・・・昨日は調子が良くて,1時間54分で登りましたが,今日は2時間04分でした・・・」
とのこと.お互いに頑張りましょうで,お別れする.それにしても,2時間前後で塔ノ岳に登りきるとは・・・!
 私とほぼ同年代なのに,本当に凄いと,ただ,ただ,感心する.
 私の場合,鎌倉から1回,塔ノ岳に来ると,何だかんだで3000円ほど掛かる.月に10回登れば,3万円にもなってしまう.サンデー毎日の年金暮らしでは,月に3万円は結構痛い.私も,藤沢から定期券を買って,天気が良ければ,塔ノ岳に日参しようかなと,ついつい考えたくなる.
 花立場からの眺望は,この夏,最高である.多少,雲が湧いてきているものの,富士山から,南アルプスの甲斐駒ヶ岳,仙丈ヶ岳などの山々が良く見えている.

               <花立場から蛭ヶ岳・南アルプスを望む>

■ご常連のHさん
 9時45分頃,金冷シノ平を通過する.体力に余力がありそうなので,歩く速度を,少々,上げる.この調子だと,9時57分頃には,楽に山頂に到着できるなと予想する. 最後の急坂を登って,山頂直前の木の板でできた階段に差し掛かった所で,ご常連のHさんに呼び止められる.
 「・・・良くお見かけしますね.失礼ですが,貴方,今,何歳ですか?」
と質問される.私は,
 「私ですか? 今,××歳です.塔ノ岳には,年間,50~60回,登っています」
と答える.これを切っ掛けにして,Hさんが,名刺入れから,小さなカードを取り出しながら,今年になって,今日まで,約100回,塔ノ岳に登っていることや,年輩者には,横浜にある“m*****”というお寺の参拝に来てくれと熱心に誘われる.
 いきなりのお誘いなので,私もどうお答えして良いか分からなかったが,とにかく,これからも宜しくと挨拶してお別れする.
 ここで,3~4分,ロスるが,10時01分,塔ノ岳山頂に到着する.所要時間は2時間19分.合計で5分ほどのロスタイムがあったので,実質,2時間15分程度で登ったことになる.この時期としては,まあ,まあの体調だったと言えよう.

                 <塔ノ岳山頂から大山を望む>

■尊仏山荘
 山頂では,萱場平で,私を追い越していった男性が休憩を取っている.1番バスのご常連は,もう下山したらしくて,山頂には人影は殆どない.
 山頂は,涼しい風が吹いていて,とても気持がよい.2~3分,風に当たったり,周囲の風景をデジカメに収めたりで過ごした後,尊仏山荘に入る.
 先客は,1番バスで来られたkiyomaさんだけ.今日の小屋番は,ネコ好きのOさん.10時過ぎの山頂の気温は+16.1℃.理想的な気温である.
 番台の上で,営業部長がノンビリと座っている.小屋番がOさんだと,ネコもリラックスしているようである.営業部長の写真は,これまで200枚以上撮り続けているが,今日もまた性懲りもなく,デジカメに数枚の写真を収める.
 そういえば,水曜日にはネコ好きのSさんが登ってくることが多いが,今日は来られていないようである.
 「・・・これ,見てくださいよ.『岳人』9月号に載ったミーですよ・・・」
と,Oさんが,『岳人』のコピーを見せてくれる.1ページ一杯に漫画タッチの画と紹介文が掲載されている.

               <Oさんと一緒で,リラックスの営業部長>

■足が攣った登山者
 10時37分に,尊仏山荘を出発する.kiyomaさんに同行.
 山頂の下り口付近で,kiyomaさんが,先日,大きなヤマカガシに出くわしたときに一緒にいた男性と会う.しばらく,このヤマカガシで雑談.
 10時52分,金冷シノ平を通過する.同じバスに乗り合わせた方々,何人かとすれ違う.
 花立場からの下り坂で,山旅スクール5期のスケルトンさんに,バッタリ会う.暫く雑談.
 さらに,ほんの少し下ると,男性が道端に座り込んでいる.右足の「ふくらはぎ」が攣ってしまい,動けないという.成り行きで,暫く男性の様子を見る.落ち着いた所で,超ユックリペースで,花立山荘までお付き合いする.その間,私は,この男性のリュックを背負ってあげる.何だかヤケに軽いリュックである.この分だと雨雲持っていないなと勝手に想像する.
 「・・まだ時間はタップリありますので,ここで1~2時間,休憩を取ってから,ユックリ下山したら如何ですか・・・」
ということでお別れする.

             <塔ノ岳山頂付近から花立場・堀山を望む>

■人様々だ
 大分遅れて,11時35分,花立山荘から下り始める.
 天気がよいので,次から次へと登ってくる登山客とすれ違う.下山している私達に, 
 「今日登られたんですか?」
と,変なことを二人連れの男性から聞かれる.
 「・・・はい・・・8時前に大倉から登って,塔ノ岳山頂で一休みして,下山してきました・・・」
と答えると,日帰りですかとビックリする.Tさんのように,2時間前後で登る方も居られる一方で,5時間も,6時間も掛けて登られる方も居る.本当に人様々だなと実感する.
 登山道の状態が良かったので,安全第一で下山していても,随分と速度が速まる.そして,諦めていた大倉発13時52分のバスに十分間に合った.

[ラップタイム]

 7:42  大倉歩き出し
 7:46  登山口
 7:54  丹沢ベース
 8:01  観音茶屋
 8:04  分岐
 8:13  雑事場ノ平
 8:15  見晴茶屋
 8:28  一本松
 8:41  駒止茶屋
 8:49  堀山
 8:55  堀山ノ家
 9:10  戸沢分岐
 9:12  萱場平
 9:30  花立山荘(Tさんと雑談)
 9:46  金冷シ(Hさんと雑談)
10:01  塔ノ岳山頂 着
==============================================
10:31  塔ノ岳山頂 発(+16.13℃)
10:52  金冷シ(スケルトンさんとすれ違う:足攣り登山者救護)
11:22  花立山荘
11:35  萱場平
11:37  戸沢分岐
11:46  堀山ノ家
11:53  堀山
12:01  駒止茶屋
12:11  一本松
12:18  見晴茶屋
12:20  雑事場ノ平
12:26  分岐
12:28  観音茶屋
12:32  丹沢ベース
12:38  登山口
12:43  大倉

[山行記録]

■登攀・下降高度
  1201m
■水平移動距離   7.0km
■登攀所要時間
  大倉発      7:42
  塔ノ岳山頂着  10:01
  (所要時間)  2時間19分(2.32h)
 登攀速度   1,201m/2.32h=517.6m/h
■下降所要時間
  塔ノ岳山頂発  10:37
  大倉着     12:43
  (所要時間)  2時間09分(2.15)
 下降速度
   1,201m/2.15h=558.6m/h
                               (おわり)
前回の塔ノ岳の記事
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