中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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歩いて巡る中山道六十九宿(第15回):第1日目(4);関ヶ原古戦場(4)

2012年11月26日 17時51分16秒 | 中山道六十九宿

                                            <鉄道唱歌関ヶ原>

歩いて巡る中山道六十九宿(第15回):第1日目(4);関ヶ原古戦場(4)

         (五十三次洛遊会;特別企画)
      2012年11月16日(金)~19日(月)

第1日目;2012年11月16日(金) (つづき)

<関ヶ原古戦場地図> 
(再掲)





<伊吹山と蛍の藤古川>

■藤古川を渡る
 名神高速道路南側の土手下を並行に走る道を歩く.
 13時46分,藤古川を渡る.この藤古川はホタルの生息地として有名のようである.
 その昔,672年,この藤古川を挟んで,西軍の大友皇子(弘文天皇)と東軍の大海人皇子(天武天皇)が争った壬申の乱の舞台となったところである.

<藤古川を渡る>

■伊吹山と新幹線
 名神高速道路下を潜ると目の前に雪を被った伊吹山が聳えている.感動的な風景である.
 私達は新幹線の電車と伊吹山の写真を撮るために,数分の間,カメラを構えたままジッと立っている.平素は絶えず往復しているなと感じている新幹線も,いざ写真を撮ろうと思うと,なかなか来ない.
 数分待って,やっと上りの新幹線と伊吹山をデジカメに収める.すると今度は間髪を入れずに下り電車が通過していく.
 “そんなにまとめて来ないで,間隔を空けて走れよ・・・”
と無理な注文を心の中で喚き散らす.でも,まあ,1枚だけだが格好いい写真が撮れたので,これで良しということにしよう.


■井上神社
 新幹線の写真を撮ったところから,道路は右にカーブして登り坂になる.坂の途中にトイレがあるので,成り行きで5分ばかりトイレ休憩を取る.
 さらに坂道を登ると,今度は道路が左にカーブする.
 13時55分,坂道を登り切ったところにある井上神社に到着する.
 境内にある案内板によると,この神社には天武天皇が祀られている.そういえば,先ほどお参りした藤下八幡神社には弘文天皇が祀られていた.

<井上神社>

<不破ノ関周辺地区>

美濃不破関鍛冶工房跡
 再び東海道新幹線を横切って,柴井という高台の長閑な集落に入る.
 13時59分,美濃不破関鍛冶工房跡を通過する.
 案内板によると,この辺りは不破ノ関の東南の角に位置にあり,不破ノ関では重要な地点だったようである.ここから炉壁,鉄滓などが出土していることから奈良時代の工房跡とみられる.また,中世の陶器,中国銭なども出土しているという.

<美濃不破関鍛冶工房跡>

■春日神社・福島正則陣跡
 14時01分,春日神社に到着する.ここは藤島正則隊約6000人の陣跡でもある.
 福島正則は,ここで南天満山に陣取った宇多田勢と対峙した.
 井伊隊に一番鉄砲の功名を奪われるやいなや,福島正則自らが鉄砲隊を指揮して,宇多田軍に一斉射撃を浴びせた.しかし戦況は一進一退の状況が続いた.


月見宮大杉
 春日神社の境内に,杉の大木がある.月見宮大杉と呼ばれ関ヶ原町天然記念物に指定されている.
 樹齢推定800年余り.正に平安時代から今日まで生き抜いてきた老木である.この杉の高さは実に25メートルもある.
 “こいつ(杉のこと)のDNAをオレの身体に中に埋め込めば,オレも長生きできるかな・・・でも身体のあちこちから枝が出たり葉っぱが芽吹いたらイヤだな・・・”
と,またもや,ろくでもないことを連想する・・・が,こんなこと口に出したら,それこそ馬鹿にされるので,何を考えていたかはマル秘にしておこう.
   
    <春日神社の大杉>

<関ヶ原駅南側の史跡を巡る>

■藤堂高虎・京極高知陣跡
 春日神社から地図を頼りに藤堂高虎と京極高知陣跡を目指して歩き出す.ところが,道路がやたらに曲がりくねっていて,ついつい妙な道に迷い込む.その内に,新幹線の線路に近いところまで来てしまう.
 「変だな・・・こんなに新幹線が近いはずはないよ・・・」
 数百メートル離れたところに,先ほどの大杉が聳えているのが良く見える.
 「とにかく,あの杉の近くまで戻ろう・・・」
ということになる.
 杉の近くまで戻ると,位置関係が良く分かるようなる.
 藤堂高虎と京極高知の陣跡は,近くの中学校の敷地に中にあることが分かっているので,道幅の狭い道を.中学校目指して,西へ歩きつづける.そして,14時20分,中学校の入口右手にある藤堂高田虎と京極高知陣地跡を示す石柱の前に到着する.
 藤堂高虎と京極高知は,ここ柴井に陣地を構えた.
 小早川の寝返りで戦況が一変する.そこで大谷隊と小早川隊の死闘の真っ直中へ,藤堂隊と京極隊は突っ込む.これに呼応して脇坂隊も攻撃に加わり,大谷隊は壊滅した.

<中学校の中にある藤堂・京極陣地跡>

■稲荷社
 中学校からふたたび元の細い道に戻り,住宅地の中を東の方向に歩き続ける.地図で確かめると,次の目標は小学校に近くにある神社である.どんな神社かは地図だけでは分からないが,とにかく小学校と神社に気を付けながら歩き続ける.
 14時30分,稲荷社に到着する.赤い鳥居が建ち並ぶ奥に立派な社殿が見えている.

<稲荷社>

■本田忠勝陣跡
 稲荷社の角で右折する.私には確とした自信はないが,まあこっちだろうと見当を付けて,
 「多分こっちですよ・・・間違ったらご免・・」
と断ってから先へ進む.
 この先の西公門という交差点近くに本田忠勝の陣跡があるはずである.
 この道で本当に良いのか,多少不安ながらも歩き続ける.やがて,前方に自動車が頻繁に往来している道路が見え始める.多分,あそこが西公門交差点だろうと思うが,一向に陣跡らしいものがない.
 私は少々不安になる.
 ところが,交差点に出る直前に左折する路地があって,そこに「本多忠勝陣跡」と書いた案内標識がある.
 “良かった! 間違っていなかった!”
 左折して路地に入る.さらにその先の小さな十字路を左に曲がって突き当たったところに本田忠勝陣跡がある.
 近くの案内板の記事によると,徳川家康は生駒,金森,古田,織田の諸隊とともに関ヶ原中央に進出した.本田忠勝軍はその前方に位置していた.福島,黒田隊が先陣を切って刺激を開始し,金森,織田などの諸隊が前進すると,本田忠勝も負けじと梨木川北方から島津隊と奮戦した.そして,合戦後,本田忠勝は伊勢,桑名十万石に転封された.

<本名忠勝の陣跡>

■再び関ヶ原駅へ
 本田忠勝の陣跡を見学すれば,今日予定していた関ヶ原合戦場見学はすべて終わりである.正直なところ,心底からホッとする.後は関ヶ原駅に戻るだけだ.
 稲荷社まで往路を戻り,稲荷社前から北の方向に向かう.北に向かえば多少位置が狂っても必ず東海道本線に突き当たることが分かっているので気が楽だ.
 そして,全く迷うことなしに,14時42分,関ヶ原駅に戻る.
 駅前の観光案内所で,お礼を言おうかと立ち寄ったが,まだ,午後3時前だというのに案内書は閉まっている.何だか商売っ気がないところだなと思う.でも,振り返って見ると,石田三成陣跡意外の所では,全くと言って良いほど人や車に会わなかった.これでは案内所を開いていても誰も来ないんだろうなと想像する.

<関ヶ原駅>

<彦根へ移動>

■米原経由で彦根へ
 東海道本線関ヶ原14時57分発米原行の電車に乗車する.電車は結構混雑している.私達3人は空席を見付けて適当に座る.
 15時12分,電車は米原に到着する.関ヶ原から米原まではJR東海の電車だったが,米原からはJR西日本の電車になる.電車の編成はぐっと長くなり,電車の本数もぐっと多くなる.とちらの電車もJR東日本の電車に比較するとボックス席の乗り心地の良い電車に思える(あくまで私見).
 米原から1駅目が彦根である.15時22分に彦根駅に到着する.

■まずはホテルにチェックイン
 私はインターネットで彦根駅前のホテルサンルート彦根をあらかじめ予約しておいた.同行のI氏も私と同じホテル.もう一人のキンギョさんは,となりのホテルに予約している.
 私達は,それぞれのホテルにチェックインを済ませてから,3人揃って彦根城見学に出掛ける予定である.
                                           (つづく)

[参考資料]

資料1;岸本豊,2007,『新版中山道69次を歩く』信濃毎日新聞社
資料2;ウエスト・パブリッシング(編),2008,『中山道を歩く旅』山と渓谷社
資料3;今井金吾,1994,『今昔中山道独案内』日本交通公社
資料4;五街道ウォーク事務局,発行年不詳,『ちゃんと歩ける中山道六十七次』五街道ウォーク事務局
資料5;関ヶ原町役場地域振興課『このまち,まるごと,古戦場』
資料6;「関ヶ原合戦史跡めぐり」

「中山道六十九宿」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/5bec765015b89a19675bfdb10c64a526
「中山道道六十九宿」の次回の記事

http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/26aae676e42812ea214217612e663b9d

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