中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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歩いて巡る甲州道中四十四次(第6回);第2日目(2);白野宿

2013年10月26日 13時03分18秒 | 甲州道中四十五宿

                                                                     <稲村神社>

    歩いて巡る甲州道中四十四次(第6回);第2日目(2);白野宿
            (五十三次洛遊会)
       2013年9月28日(土)~30日(月)

第2日目;2013年9月29日(日)
 (つづき) 晴

<ルート地図>


※再掲



<白野宿>

■白野宿の概要
 資料2(p.315)によれば,白野宿の宿内人口は318人.内,男149人,女169人.宿内惣家数184軒.内,本陣1軒,脇本陣1軒,旅籠4軒の規模である.
 白野宿は,江戸日本橋から31番目の宿場である.

石塔群と庚申塔
 中央本線の橋の下を潜ると,白野宿が間近になる.進行方向右手には,この辺りの名山,滝子山(標高1590メートル)が聳えている.この山には,もう大分前になるが,山学校の山行で訪れたことがある.山の頂を横目に眺めながら,3年間通った山学校のことを懐かしく思い出す.
 やがて,長閑な雰囲気で.野趣豊かな集落に入る.
 資料1を頼りに歩いているが,そろそろ白野の一里塚跡があるはずである.江戸日本橋から25里目の一里塚である.ところが,どうもそれらしいものが見当たらない.その内に.10時13分,進行方向右手にある石塔群に到着する.その中に,特別に大きな字で「庚申」と刻字してある石が目を惹く.
 “ひょっとすると,この石塔群辺りが白野の一里塚跡なのだろうか”
と類推するが,正しいかどうか全く分からない.

<石塔群と庚申塔>

長閑で懐かしい風景
 10時17分,街道沿いの農家の庭先で,麦を干している年配の女性に出会う.農村育ちの私にも実に懐かしい風情である.一行の皆さんにも珍しいらしく,立ち止まった年配の女性と早速雑談である.
 「これ,大麦それとも小麦ですか?」
 「大麦ですよ…」

<農家の庭先で雑談>

法林寺
 緩やかな上り勾配の道が連続する.
 何人かの方々が,息を弾ませている.こんなにハイピッチで歩いていたら,とても,とても,笹子峠は越えられない.多少なりとも山歩きの経験のある私は,どうも気になって仕方がない.
 「もっと,ゆっくり歩きましょうよ…」
と,それこそ幾度となく先頭グループに注意するが,すぐに速歩になってしまう.
 “これでは,笹子峠越えは絶対に無理だ!”
 私は,一同に,
 「私が先頭を歩きますから,私を追い越さないように歩いて下さい」
とお願いする.そして,足が弱そうな方に私のすぐ後ろに来て貰う.私はすぐ後ろの方の顔色を見ながら歩行速度を調節する積もりである.
 10時18分,法輪寺参道入口を通過する.参道の突き当たりに法輪寺が見えているが,今日は時間に余裕がないので,参拝しないで通過する.資料1によると,この寺には見事な大イチョウがあるらしい.

<法林
寺>

■子神社
 法林寺と道路を挟んで反対側が,本陣跡と脇本陣跡のようだが,どこが跡なのか確かめられないまま,それらしい場所を通過してしまう.こういう訳が分からない所が,素人の手造り旅の欠点である・
 そうこうしている内に,10時21分,子神社に到着する.「子」は「コ」と読むのか「ネ」と読むのか,さっぱり分からない.また,この神社の由来などは,手許の資料では不明.

<子神社>

<立石坂>

■石井工業前から立石坂へ
 10時22分,石井工業の工場に到着する.
 工場前に三叉路を右折して,立石坂に入る.

<石井工業の工場>

立石坂伝説
 急な登り坂を登り始めて直ぐ左手の土手に,「伝説立石坂の立石」という案内杭が立っている.どの石が立石か良く分からないが,“まあ,いいや,”で通り過ぎる.
 ここで言う伝説とは,桃太郎鬼退治のことである.岩殿山に棲んでいた鬼を桃太郎が退治にいくと,鬼が桃太郎に向かって投げつけた石杖が,ここの立石だとのことである.

<立石の案内板>

■萬霊塔
 10時30分,萬霊塔の前を通過する.資料1によると,ここは三界の万霊を祀ったものだとのことである.
 “三界って何だったかな?”
 この頃,耄碌した私は,こんな基本的なことも,良く分からなくなっている.帰宅後,インターネットで調べると,資料3に,「三界(さんがい、tridhātu)は,欲界,色界,無色界の三つの総称,三有ともいう.凡夫が生死を繰り返しながら輪廻する世界を3つに分けたもの.なお,仏陀はこの三界での輪廻から解脱している.」という開設がある.
 …で,三界の万霊とは,資料4によると,「…供養されることがないのでつねに腹をすかせ,あるいは安らかな死が迎えられず,怨恨をもって迷っているため,たたりやすく,またこの世に害を与えるので,無縁仏には個人または集団でことあるごとにまつる必要があるとされた.中世の霊魂祭祀では,個々の無縁霊がもれないように,総括して法界,三界万霊,無縁一切精霊などと表現していた.民俗用語としては,現今,南九州・南島ではフケジョロ(外精霊),ウケジョロ(浮精霊),ホカドン(外殿),トモドン(供殿)など,紀ノ川沿いではお客ボトケ,兵庫県宍粟郡ではショウロサン(精霊様),岐阜県加茂郡では一切精霊様,壱岐ではサンゲバンゲ(三界万霊)などとよばれている.…」という説明がある.
 “ナルホド…”
 何だか,難しいが,これ以上詮索するのも大変なので,詮索はこの辺りで打ち止めにしよう.

<萬霊塔>

<稲村神社と葦ヶ池>

■稲村神社の由来
 10時37分,稲村神社に到着する.かなり大きな神社である.
 境内に掲示されている案内板の記事によると,「大宝山,稲村大神,稲村四所明神,稲村大明神と稱す.祭神 国常立尊・素浅鳴尊・日本武尊・稲田姫尊 吉久保,原の氏神嘉暦二年一月十二日創建せると古棟札に伝ふ.往古社中に大小の石棒等奉祀せしと言いしも其の由詳ならず.」という説明である.
 インターネットで調べたが,この解説文以上の詳細な記述は,今のところ見当たらない.

道祖神
 境内入口近くに道祖神が祀られている.肝心の道祖神はかなり風化しているので,少々もやもやした感じがする.
 傍らにある案内板には,「この道祖神山梨県■…■見る男根女蔭両体の■…■村である.人類創造と偶像の道祖神は人の心願を集めて■…■あろう 道祖神には丸石,石棒合体■…■屋敷神として祀られ■…■の如くである 合体道祖神は山梨に三体■…■自然石宋素陣として■…■ものである」と記されている(「■…■」の部分は複数文字が読めないところ).

<道祖神>

毒蛇済度旧跡・親鸞上人念仏供養碑
 境内には多数の石碑や陰陽石が安置されている.
 この神社には毒蛇済度旧跡,親鸞上人念仏碑もある.伝説によれば.「この地に住む大百姓小俣左衛門の娘およしは美人だったが心が邪悪で,ついには毒蛇になり葦池に住み着き村人を悩ませた.ここを通りかかった親鸞上人は毒蛇を教化し成仏させた」という(下の写真の案内板より要約陰陽).

<親鸞上人念仏供養碑>


<境内の石碑・陰陽石など>

三本の大木
 境内に根元が一本で,その上が三本になっている大木が生えている.珍しいので何枚か写真を撮る.
 大木の周りには子供用の遊具が沢山並んでいる.ここは子供達の遊び場にもなっているようである.

<三本の大木>

■葦ヶ池
 10時40分,稲村神社から歩き出す.進行方向右手は丘になっていて,大きな屋敷が並んでいる.
 10時43分,進行方向左手にある葦ヶ池に到着する.近くにある案内板の記事によると,この葦ヶ池に,毒蛇となった“およし”が住み着いていた.

<葦ヶ池>

<笹一酒造で一休み>

■笹一酒造が見える
 葦ヶ池から,さらに先へ進む.
 10時57分,橋の向こうに笹一酒造の建物が見え始める.本当は,ここで十分な時間を取って,ゆっくりと試飲でもしたい所だが.まだ,これから笹子峠という難所を通らなければならない.私たちの仲間には,当然,アルコールがお好きな方も居られる.でも,酔ってしまったら笹子峠越え所の話ではない・
 「…皆さん,試飲を含めて,アルコールは御法度ですよ…飲酒した人とは一緒に歩きません!」
と強い口調で念を押させて頂く.これ,本気である.

<笹一酒造が見える>

日本一の大太鼓
 11時丁度に笹一酒造に到着する.
 構内入口に日本一大きいと言われる大太鼓が飾られている.
 笹子峠を越えるのに,どの位時間がかかるか分からないので,あまりユックリもできない.早め,早めに行動するために,休憩時間は10分間ということになる.

<日本一の大太鼓>

歓迎館
 駐車場の奥に歓迎館がある.
 沢山の観光客が訪れている.どうやら,ここは一大観光スポットのようである.折角,観光地に立ち寄ったのに,休憩時間がわずか10分とは情けないが,これから先,何があるか分からないので,休憩時間が短いのもやむを得ない.

<観光客で賑わう歓迎館>

[参考文献]

資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
資料3;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E7%95%8C
資料4;http://kotobank.jp/word/%E4%B8%89%E7%95%8C%E4%B8%87%E9%9C%8A
                                         (つづく)

「甲州道中」の前回の記事
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