南アルプス:大無間山・小無間山縦走(4)
(ヤマケイ登山教室・アルパインツアー)
2006年11月3日(金)~5日(日)
第2日目 11月4日(土)(つづき) 快晴
■三方嶺から三澤池へ
長い登り坂を登り切って,私達は14時08分,ようやく三方嶺(2150m)に到着する。山頂近くで,北西の斜面をトラバースしてきた登山道が,稜線に出る。それと同時に視界が開ける。三方窪から,標高差およそ350mの急坂を登り切ったことになる。進行方向左手,つまり北西の方向を見ると,素晴らしい山並みが見えている。立ち止まって,山座同定すれば,山の名前がハッキリと分かるのだが,団体行動なので,それもできない。しかし,見えている方向から察して,どうやら光岳(2591m)らしい。威風堂々の山容である。この光岳と,隣の聖岳は,以前から一度登りたいと思いながらも,どういう訳か未踏となっている憧れの山である。この山を見ながら,「来年こそ,是非,この2座に登ろう」と決心する。私は,足下に注意しながらも,ときおりチラチラと憧れの光岳を眺めている。
<標高2085mトラバースからの眺望>
三方嶺では大きな尾根が三方から合流している。私達は北西の方向から三方嶺に登ってきた。そして,山頂から,東寄りの尾根,つまり進行方向右手の尾根を下りはじめる。かなりの急勾配の下り坂である。転倒しないように注意しながら下り続ける。何時もの山行より重いリュックを背負っているために,重心が左右に振られ,転倒しそうになる。それを我慢しながら,150mほどの標高差を下り,14時42分に最初の鞍部(2008m)を通過する。すぐに50mほどの登り返しがあり,再び30mほど下る。尾根道は大分ヤセている。鞍部では,左手に濃い針葉樹林帯を透かして,三澤池(2085m)の湖面が見える。空の光を反射して湖面がチラチラと光っている。
<三澤池>
■大無間山山頂へ到着
三澤池から標高差約300mの直登が待っている。しかも,かなりの急傾斜である。重いリュックが肩にめり込むのを我慢して,ユックリと登り続ける。15時13分,標高2195m地点で,15分ほど休憩をとる。リュックを下ろすと,肩から重しがス~ッと消えて,開放されたような気分になる。
後一息で,憧れ続けていた大無間山の山頂に立てる。そう思うと,先頭の集団を追い越して,真っ先に山頂まで駆け上がりたいという衝動に駆られる。勿論,心の中で思っているだけである。
登りながら行く手を眺めている。やがて,前方の林の中に青空が見え出す。あの辺りから勾配が緩やかになり,そこからは山頂が間近だと察しがつく。そして,15時56分,遂に大無間山山頂(2315m)に到着した。
万歳!
すぐに,リュックを下ろす。肩で開放感を味わう。
<大無間山山頂>
早速,ノルマで運んだ水1リットルを,スタッフに渡す。そして,スタッフの音頭で,軽くクールダウンの体操を済ませる。
大無間山の山頂は,針葉樹林帯に囲まれた平地になっている。私達が山頂に到着する前に,先客が既に2組のテントを張っていた。これらの方々は,これから私達が下る井川の登山口から登頂してきた方々のようである。
■2日目のテント泊
標高が高いためか,やけに寒い。
早速,4組のテントの設営を始める。寒さを避けるために,早くテントに入りたい。大多数の参加者が,3人のスタッフのテント設営作業に協力する。そして,30分ほどで,4組のテントが,互いに肩を寄せ合うように,組み立てられる。私も,早速,設営されたばかりのテントに潜り込む。
その間,3人のスタッフは,実に手際よく夕食の準備を進める。
すぐに夕暮れになる。辺りが薄暗くなるに連れて,急激に気温が下がる。さすがに標高2300mの高所である。日が暮れると,やたらに寒くなる。
17時過ぎに,スタッフがテントの中で待っている参加者に夕食を配り始める。ちらし寿司,味噌汁,香の物,お茶である。登山の途中で行動食をまめに摂っていたためか,あまり食欲が湧かない。しかし,明日,バテては困るし,残しても,残り物の処置に困るので,結局,全部食べてしまう。
夕食が済むと,私達はもうすることがない。3人のスタッフが甲斐甲斐しく後片付けをしている気配を感じながら,18時30分頃,昨日から着の身着のままで,寝袋に入って就寝する。
外はとても寒いのに,寝袋の中はとても暖かである。
(つづく)
(ヤマケイ登山教室・アルパインツアー)
2006年11月3日(金)~5日(日)
第2日目 11月4日(土)(つづき) 快晴
■三方嶺から三澤池へ
長い登り坂を登り切って,私達は14時08分,ようやく三方嶺(2150m)に到着する。山頂近くで,北西の斜面をトラバースしてきた登山道が,稜線に出る。それと同時に視界が開ける。三方窪から,標高差およそ350mの急坂を登り切ったことになる。進行方向左手,つまり北西の方向を見ると,素晴らしい山並みが見えている。立ち止まって,山座同定すれば,山の名前がハッキリと分かるのだが,団体行動なので,それもできない。しかし,見えている方向から察して,どうやら光岳(2591m)らしい。威風堂々の山容である。この光岳と,隣の聖岳は,以前から一度登りたいと思いながらも,どういう訳か未踏となっている憧れの山である。この山を見ながら,「来年こそ,是非,この2座に登ろう」と決心する。私は,足下に注意しながらも,ときおりチラチラと憧れの光岳を眺めている。
<標高2085mトラバースからの眺望>
三方嶺では大きな尾根が三方から合流している。私達は北西の方向から三方嶺に登ってきた。そして,山頂から,東寄りの尾根,つまり進行方向右手の尾根を下りはじめる。かなりの急勾配の下り坂である。転倒しないように注意しながら下り続ける。何時もの山行より重いリュックを背負っているために,重心が左右に振られ,転倒しそうになる。それを我慢しながら,150mほどの標高差を下り,14時42分に最初の鞍部(2008m)を通過する。すぐに50mほどの登り返しがあり,再び30mほど下る。尾根道は大分ヤセている。鞍部では,左手に濃い針葉樹林帯を透かして,三澤池(2085m)の湖面が見える。空の光を反射して湖面がチラチラと光っている。
<三澤池>
■大無間山山頂へ到着
三澤池から標高差約300mの直登が待っている。しかも,かなりの急傾斜である。重いリュックが肩にめり込むのを我慢して,ユックリと登り続ける。15時13分,標高2195m地点で,15分ほど休憩をとる。リュックを下ろすと,肩から重しがス~ッと消えて,開放されたような気分になる。
後一息で,憧れ続けていた大無間山の山頂に立てる。そう思うと,先頭の集団を追い越して,真っ先に山頂まで駆け上がりたいという衝動に駆られる。勿論,心の中で思っているだけである。
登りながら行く手を眺めている。やがて,前方の林の中に青空が見え出す。あの辺りから勾配が緩やかになり,そこからは山頂が間近だと察しがつく。そして,15時56分,遂に大無間山山頂(2315m)に到着した。
万歳!
すぐに,リュックを下ろす。肩で開放感を味わう。
<大無間山山頂>
早速,ノルマで運んだ水1リットルを,スタッフに渡す。そして,スタッフの音頭で,軽くクールダウンの体操を済ませる。
大無間山の山頂は,針葉樹林帯に囲まれた平地になっている。私達が山頂に到着する前に,先客が既に2組のテントを張っていた。これらの方々は,これから私達が下る井川の登山口から登頂してきた方々のようである。
■2日目のテント泊
標高が高いためか,やけに寒い。
早速,4組のテントの設営を始める。寒さを避けるために,早くテントに入りたい。大多数の参加者が,3人のスタッフのテント設営作業に協力する。そして,30分ほどで,4組のテントが,互いに肩を寄せ合うように,組み立てられる。私も,早速,設営されたばかりのテントに潜り込む。
その間,3人のスタッフは,実に手際よく夕食の準備を進める。
すぐに夕暮れになる。辺りが薄暗くなるに連れて,急激に気温が下がる。さすがに標高2300mの高所である。日が暮れると,やたらに寒くなる。
17時過ぎに,スタッフがテントの中で待っている参加者に夕食を配り始める。ちらし寿司,味噌汁,香の物,お茶である。登山の途中で行動食をまめに摂っていたためか,あまり食欲が湧かない。しかし,明日,バテては困るし,残しても,残り物の処置に困るので,結局,全部食べてしまう。
夕食が済むと,私達はもうすることがない。3人のスタッフが甲斐甲斐しく後片付けをしている気配を感じながら,18時30分頃,昨日から着の身着のままで,寝袋に入って就寝する。
外はとても寒いのに,寝袋の中はとても暖かである。
(つづく)