<リアンガヌーコ川の河原>
ペルー訪問記(52):第14日目(3):ベースキャンプを目指して
2008年7月14日(火)(つづき)
<ジグザグの登山道を登る>
■登山口から登山開始
いよいよ,今回の旅行のハイライトであるピスコ山(Pisco,標高5,752m)登頂が始まる.
私達は,12時丁度にリアンガヌーコ登山口駐車場から歩き出す.まずは,やや急な坂を下って,リアンガヌーコ川の河原まで降りる.川の上流に向かって,明るくて緑一杯の河原が広がっている.素晴らしい所である.ここは幕営場と牧場を兼ねている所らしい.あちこちのロバの姿が見える.
川に架かっている小さな橋を渡る.そして,すぐにやや急な登り坂に取りつく.前回記事のプロ理フィールマップでも明らかなように,ここの標高は既に約3,900メートルに達している.富士山より遙かに高い.ウッカリ高地であることを忘れて,早足で歩くと直ぐに息が切れてしまう.
■トーマスさんの息づかい
ジグザグの急坂が続く.
KOさんと,トーマスさんが,一行より少し遅れ勝ちになる.トーマスさんは,腹式呼吸をするために,息をピューと勢いよく吹き出す.その音が,まるで機関車トーマスの蒸気音のように聞こえたので,早速,トーマスさんというあだ名が付いてしまう.
12時52分,最初の休憩を取る.歩き出してから丁度52分経過している.目の前には,近くの木々の向こうに,真っ白な氷河を抱いた山が聳えている.何という名前の山なのか,良く分からない.
<遠くに白い峰,ワンドイが見え始める.14時02分頃>
<遠くにピスコ山が見え始める.14時54分頃>
■ロバとすれ違う
ふたたびジグザグ道を歩き続ける.途中で数頭のロバを引いた人とすれ違う.オドオドとした眼をしたロバが,私達の方を見ながら,ユックリと通り過ぎる.
「ここではロバが最優先ですよ・・・」
と三井さんが私達に言う.
13時43分,石垣と木戸で作られたゲートを通過する.ここから先は,特別な保護区になっているようである.相変わらずジグザグの急坂が続く.私達はゆっくりと坂道を登り続ける.
14時04分,標高4,360メートル地点で,2回目の休憩を取る.
大きな石がゴロゴロと転がっている先には,礫と石が一面に広がる斜面が続く.その先の白い氷河が眩しい双耳峰が見えている.
<色々な花が咲いている>
<ベースキャンプ>
■ベースキャンプに到着
更に登り続けると,上り勾配が幾分なだらかになる.登山道の周辺には沢山の花が咲いている.前方には,白く輝くピスコ山が見え始める.
15時10分,私達は幕営地のベースキャンプ(標高4,665m)に到着する.
食堂テントの周辺に5張のテントが設営されている.これらのテントは,私達に同行しているスタッフが先回りして設営したものである.私は最年長者の特権として,1張のテントを1人で占有させて貰う.他のメンバーは,2人で1張のテントを使用する.たまたま私達が奇数人だったので,私はラッキーである.1人テントとは広くて有り難い.5張のテントから20メートルほど離れた所にトイレテントが作られている.
取りあえずは,各自,自分のテントに入って,荷物を整理する.
その後,食事テントに集まって,コカ茶を賞味する.
食事テントの側の空き地で,スタッフが夕食の準備をしている.
<ベースキャンプのテント>
※奥の青いテントが食事テント
手前の黄色いテントがflower-hill_2005のテント
<食事テントの前で>
※写真を公開することについては全員から口頭で了承を得ている.
■食事テントで夕食を摂る
17時から夕食である.
ご飯と野菜スープ,それに永谷園のスープである.実は肉類も自動車の屋根に積んでいたが,どこかで落としてしまったとのことである.そのために,これから3日間のテント生活は,肉なしで過ごすことになる.
デザートはモモの缶詰である.
ここは,標高4,600メートルを越える高地である.私の場合,これといった自覚症状はないものの,食欲が随分と落ちている.医師の処方箋通りに高山病予防のダイアモックスを服用しているが,どうも利いているのか,利かないのか良く分からない.
食欲は殆ど無いものの.明日からの登山でスタミナ不足になるのは困るので,できるだけ沢山食べるように努力しつづめる.
<コカ茶> <夕食の準備>
<幕営場の夕食>
■月明かりの幕営場
18時50分,夕食を終えて,自分のテントに引き揚げる.日中は太陽がジリジリと照りつけて暑いが,日が沈むと途端に寒くなる.着衣を着たままシュラフに潜り込む.マットを敷いてはいるものの,地面が固いので,当然のことながら,寝心地は今ひとつである.何回も寝返りをしている内に,いつの間にか眠ってしまう.
暫くの間,グッスリと眠るが,ダイアモックスが利いているのか,22時頃,トイレに行きたくなる.
テントの外は,煌々と輝く月のお陰で,意外に明るいので,ヘッドランプは不要である.氷河に覆われたピスコ山や周辺の山は,月明かりの中に美しく見えている.雲一つない晴天の空には,沢山の星が輝いている.近くの山肌のトラバース道が,月明かりの中で,とても良く見えている.
(つづく)
※2008年11月4日
転換ミスを訂正
前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/60879b5e36402608289655586f15ff2c
次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/9051b021d30f03d51f401d940c02fb8f
このシリーズの最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6fee0e316085f32cce0c47a424821346
ペルー訪問記(52):第14日目(3):ベースキャンプを目指して
2008年7月14日(火)(つづき)
<ジグザグの登山道を登る>
■登山口から登山開始
いよいよ,今回の旅行のハイライトであるピスコ山(Pisco,標高5,752m)登頂が始まる.
私達は,12時丁度にリアンガヌーコ登山口駐車場から歩き出す.まずは,やや急な坂を下って,リアンガヌーコ川の河原まで降りる.川の上流に向かって,明るくて緑一杯の河原が広がっている.素晴らしい所である.ここは幕営場と牧場を兼ねている所らしい.あちこちのロバの姿が見える.
川に架かっている小さな橋を渡る.そして,すぐにやや急な登り坂に取りつく.前回記事のプロ理フィールマップでも明らかなように,ここの標高は既に約3,900メートルに達している.富士山より遙かに高い.ウッカリ高地であることを忘れて,早足で歩くと直ぐに息が切れてしまう.
■トーマスさんの息づかい
ジグザグの急坂が続く.
KOさんと,トーマスさんが,一行より少し遅れ勝ちになる.トーマスさんは,腹式呼吸をするために,息をピューと勢いよく吹き出す.その音が,まるで機関車トーマスの蒸気音のように聞こえたので,早速,トーマスさんというあだ名が付いてしまう.
12時52分,最初の休憩を取る.歩き出してから丁度52分経過している.目の前には,近くの木々の向こうに,真っ白な氷河を抱いた山が聳えている.何という名前の山なのか,良く分からない.
<遠くに白い峰,ワンドイが見え始める.14時02分頃>
<遠くにピスコ山が見え始める.14時54分頃>
■ロバとすれ違う
ふたたびジグザグ道を歩き続ける.途中で数頭のロバを引いた人とすれ違う.オドオドとした眼をしたロバが,私達の方を見ながら,ユックリと通り過ぎる.
「ここではロバが最優先ですよ・・・」
と三井さんが私達に言う.
13時43分,石垣と木戸で作られたゲートを通過する.ここから先は,特別な保護区になっているようである.相変わらずジグザグの急坂が続く.私達はゆっくりと坂道を登り続ける.
14時04分,標高4,360メートル地点で,2回目の休憩を取る.
大きな石がゴロゴロと転がっている先には,礫と石が一面に広がる斜面が続く.その先の白い氷河が眩しい双耳峰が見えている.
<色々な花が咲いている>
<ベースキャンプ>
■ベースキャンプに到着
更に登り続けると,上り勾配が幾分なだらかになる.登山道の周辺には沢山の花が咲いている.前方には,白く輝くピスコ山が見え始める.
15時10分,私達は幕営地のベースキャンプ(標高4,665m)に到着する.
食堂テントの周辺に5張のテントが設営されている.これらのテントは,私達に同行しているスタッフが先回りして設営したものである.私は最年長者の特権として,1張のテントを1人で占有させて貰う.他のメンバーは,2人で1張のテントを使用する.たまたま私達が奇数人だったので,私はラッキーである.1人テントとは広くて有り難い.5張のテントから20メートルほど離れた所にトイレテントが作られている.
取りあえずは,各自,自分のテントに入って,荷物を整理する.
その後,食事テントに集まって,コカ茶を賞味する.
食事テントの側の空き地で,スタッフが夕食の準備をしている.
<ベースキャンプのテント>
※奥の青いテントが食事テント
手前の黄色いテントがflower-hill_2005のテント
<食事テントの前で>
※写真を公開することについては全員から口頭で了承を得ている.
■食事テントで夕食を摂る
17時から夕食である.
ご飯と野菜スープ,それに永谷園のスープである.実は肉類も自動車の屋根に積んでいたが,どこかで落としてしまったとのことである.そのために,これから3日間のテント生活は,肉なしで過ごすことになる.
デザートはモモの缶詰である.
ここは,標高4,600メートルを越える高地である.私の場合,これといった自覚症状はないものの,食欲が随分と落ちている.医師の処方箋通りに高山病予防のダイアモックスを服用しているが,どうも利いているのか,利かないのか良く分からない.
食欲は殆ど無いものの.明日からの登山でスタミナ不足になるのは困るので,できるだけ沢山食べるように努力しつづめる.
<コカ茶> <夕食の準備>
<幕営場の夕食>
■月明かりの幕営場
18時50分,夕食を終えて,自分のテントに引き揚げる.日中は太陽がジリジリと照りつけて暑いが,日が沈むと途端に寒くなる.着衣を着たままシュラフに潜り込む.マットを敷いてはいるものの,地面が固いので,当然のことながら,寝心地は今ひとつである.何回も寝返りをしている内に,いつの間にか眠ってしまう.
暫くの間,グッスリと眠るが,ダイアモックスが利いているのか,22時頃,トイレに行きたくなる.
テントの外は,煌々と輝く月のお陰で,意外に明るいので,ヘッドランプは不要である.氷河に覆われたピスコ山や周辺の山は,月明かりの中に美しく見えている.雲一つない晴天の空には,沢山の星が輝いている.近くの山肌のトラバース道が,月明かりの中で,とても良く見えている.
(つづく)
※2008年11月4日
転換ミスを訂正
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