
<ピスコ山遠望>
ペルー訪問記(51):第14日目(3):登山口に到着
2008年7月14日(火)(つづき)
<リアンガヌーコ湖を経由して登山口へ>
■リアンガヌーコ湖
ワスカラン国立公園事務所で入山手続きを終えた私達は,10時50分に再びトヨタ車に乗車する.直ぐに発車.また,登り坂の砂利道を東に向けて走り続ける.進むにつれて,リアンガヌーコ谷(Lianganuco)の広い谷間がだんだんと狭くなる.両側に聳える山もだんだんと目の前に迫ってくる.
私達の車は谷の右岸に沿って,坂道を登り続ける.11時20分,進行方向右手に大きな湖が見え始まる.リアンガヌーコ湖(Lianganuco)である.ここはユンカイから約26キロメートル離れた所にある. リアンガヌーコ湖には,下の湖と上の湖の二つの湖がある.それぞれをチナンコーチャ湖(標高3,850m),オルコンコーチャ湖(標高3,863m)と呼ぶ.
11時25分に上の湖,オルコンコーチャ湖の湖畔を通過する.
<リヤンカヌーコ湖:チナンコーチャ湖>
■リアンガヌーコ登山口
11時36分,私達の車は,無事,登山口駐車場に到着する.駐車場の標高は3,900メートル.すでに,富士山より高い位置にある.
私達の乗っていたトヨタのバンは,写真の一番手前の位置に駐車している.私達の車以外にも数台の車が駐車している.
<リヤンカヌーコ登山口駐車場>
■リヤンガヌーコ川の河原
駐車場からリアンガヌーコ川の河原が見下ろせる.
どうやら牧場とテント場が広がっているようである.私達は,一旦,この河原まで降りて,河原を横切る.そして,写真の向かって左側の斜面に作られたジグザグ道を登っていくようである.
私達は,装備を調えて,12時00分に駐車場から歩き出す.
<登山口駐車場からリアンカヌーコ川の河原が見える>
※中央道手下に見える道から,左手の斜面を登っていく.
<ピスコ山の概要>
■山周辺地図
第1日目(つまり今日)は,地図の右下の登山口から歩き出して,ベースキャンプまで登る.ここで幕営する.
第2日目(明日)は,ベースキャンプを出発して,モレーンキャンプ場で幕営.
第3日目は深夜に出発して,ピスコ山山頂までピストン.
第4日目は,モレーンキャンプから下山する.
■登山ルート
ピスコ山山頂までの登山ルートは,以下の図に示す通りである.
モレーンキャンプ場から,ガレた露岩帯を氷河の末端まで登る.ここでアイゼンを装着し,ガイドとショートロープで結ぶ.
コルから先は,おおむね両川に沿って登る.
山頂直前に,斜度約50度,高さ20メートルほどの氷壁を登る.
下りは往路を下山する.氷壁は懸垂下降で通過する.
■概念図
下図は周辺の概念を示している.
登山口からリアンカヌーコ川を渡ると,急勾配のジグザグ道になる.この急坂を登りきると,北アルプス奥穂高岳に登るザイテングラードに似た尾根道になる.尾根道を登り切ると,再び急勾配のジグザグ道になる.このジグザグ道を過ぎると,露岩帯になる.すぐにベースキャンプと呼ばれる幕営場に到着する.
ベースキャンプ場から上は,植生限界を超えているので,草木は一本も生えていない.やや急な登り坂が続く.坂を登りきると,小さな湖(湖の名前はない)が見えてくる.落差数十メートルのザレた急坂を下る.かなり危険な場所である.湖を見下ろしながら外周のヤセ尾根を進む.やがて.岩稜に囲まれた空き地に到着する.ここがモレーンキャンプ場である.
どちらの幕営地も,ワントイ山からピスコ山に至る大きなカールのなかに位置している.
モレーンキャンプ場から出発して暫く登ると,氷河の末端に到着する.ここから上は氷河が続く.
■ピスコ山プロフィールマップ
リアンガヌーコ登山口からピスコ山山頂までの水平移動距離は片道約8.7キロメートル.標高差は1,852メートルである.
勾配は概して緩やかだが,ピスコ山山頂手前に氷壁がある.全行程が富士山より高い位置にある.
(つづく)
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