雪の眺望が素晴らしい
丹沢:塔ノ岳(大倉尾根)(1)
(単独山行)
2007年1月23日(火)
昨夜の天気予報で,23日はどうやら晴で,しかも暖かい一日になるとのことである。そうなれば,恒例の丹沢:塔ノ岳を往復するしかない。例によって,東海道本線と小田急線を乗り継いで渋沢へ向かう。そして,バスで大倉へ。バスには平日にもかかわらず9人の登山客が乗り合わせていた。その内のお一人は,あまり会話をしたことはないが,塔ノ岳でよく見かける方である。
7時38分に,塔ノ岳を目指して,大倉バス停を歩き始める。今日は何となく体調が良さそうである。そこで,少しピッチを上げてみる。登山口から丹沢ベースを通り越して観音茶屋付近まで,flower-hillの最高のピッチで進む。
「この調子ならば,塔ノ岳まで2時間10分程度で登れるかな・・・」
と心の中で期待し始める。
しかし,見晴茶屋を通過して,急坂に差し掛かる辺りから,残雪が増え始める。急坂を登り詰めると,暫くの間,木道が続く。この木道に数センチの残雪が残っていて,大変滑りやすくなっている。転倒したらお仕舞いである。慎重に,慎重に登り続ける。
8時37分に駒止茶屋を通過する。この辺りから先は,積雪量は少ないものの完全に雪道になる。急坂を登り詰める。するとなだらかな尾根伝いの道になる。今日は良く晴れているので,周辺の風景が素晴らしく良く見える。真っ白な富士山を背景に,凛とした丹沢山塊の雪景色が広がっている。
尾根道は吹き曝しのためか,積雪はないが,日中に溶けた雪水が夜の内に凍り付いて,登山道がまるでスケートリンクのようになっている。そこを,滑らないように細心の注意を払って通過する。こうなると山頂までの所要時間を競っているわけにはいかない。とにかく慎重に登り続ける。
日当たりの良いところは,朝日を浴びて泥濘道になっている。歩く度に,靴底に泥が付着して重くなる。 つい先日,登ったときまであった2本の倒木は,いつの間にか片づけられている。登山道の傍らに切断された松の木が,くっきりと年輪を表しながら,そのまま残されている。ざっと年輪の数を数えると,どうやらflower-hillとほぼ同い年のようである。何だか自分が切り倒されたような気分になってしまう。
雪に覆われた階段を喘ぎながら登って,9時37分に花立山荘を通過する。私の前を歩いていた中年男性が,体中から湯気を立てながら,花立山荘のベンチに倒れるように座り込んでいる。

<花立山荘上の尾根から塔ノ岳山頂が見える>
花立山荘から上は,一段と積雪が増える。金冷しまで,多少の上り下りがあるが,下りの箇所は特に滑落しないように注意しながら通過する。
金冷しから先の積雪は約10センチメートルほどである。美しい霧氷を期待していたが,気温が高いためか,霧氷は全く見られない。

<金冷し手前の尾根から見た富士山と北アルプス>
急な階段を登り詰めて,10時08分,漸く塔ノ岳山頂に到着する。私と相前後して登っていた顔見知りの方が,山頂に到着してから,ほんの15秒ばかり富士山を眺めただけで,すぐに下山する。私は,
「もう,下山されるんですか・・・?」
と思わず話しかける。
「ええ,山頂は寒いですから・・・」
山頂からの富士山の眺めは絶景である。富士山を遮るように,怪しい雲が何段にも棚引いている。私は,液晶画面が壊れているデジカメで,何枚かの写真を撮る。
(つづく)
丹沢:塔ノ岳(大倉尾根)(1)
(単独山行)
2007年1月23日(火)
昨夜の天気予報で,23日はどうやら晴で,しかも暖かい一日になるとのことである。そうなれば,恒例の丹沢:塔ノ岳を往復するしかない。例によって,東海道本線と小田急線を乗り継いで渋沢へ向かう。そして,バスで大倉へ。バスには平日にもかかわらず9人の登山客が乗り合わせていた。その内のお一人は,あまり会話をしたことはないが,塔ノ岳でよく見かける方である。
7時38分に,塔ノ岳を目指して,大倉バス停を歩き始める。今日は何となく体調が良さそうである。そこで,少しピッチを上げてみる。登山口から丹沢ベースを通り越して観音茶屋付近まで,flower-hillの最高のピッチで進む。
「この調子ならば,塔ノ岳まで2時間10分程度で登れるかな・・・」
と心の中で期待し始める。
しかし,見晴茶屋を通過して,急坂に差し掛かる辺りから,残雪が増え始める。急坂を登り詰めると,暫くの間,木道が続く。この木道に数センチの残雪が残っていて,大変滑りやすくなっている。転倒したらお仕舞いである。慎重に,慎重に登り続ける。
8時37分に駒止茶屋を通過する。この辺りから先は,積雪量は少ないものの完全に雪道になる。急坂を登り詰める。するとなだらかな尾根伝いの道になる。今日は良く晴れているので,周辺の風景が素晴らしく良く見える。真っ白な富士山を背景に,凛とした丹沢山塊の雪景色が広がっている。
尾根道は吹き曝しのためか,積雪はないが,日中に溶けた雪水が夜の内に凍り付いて,登山道がまるでスケートリンクのようになっている。そこを,滑らないように細心の注意を払って通過する。こうなると山頂までの所要時間を競っているわけにはいかない。とにかく慎重に登り続ける。
日当たりの良いところは,朝日を浴びて泥濘道になっている。歩く度に,靴底に泥が付着して重くなる。 つい先日,登ったときまであった2本の倒木は,いつの間にか片づけられている。登山道の傍らに切断された松の木が,くっきりと年輪を表しながら,そのまま残されている。ざっと年輪の数を数えると,どうやらflower-hillとほぼ同い年のようである。何だか自分が切り倒されたような気分になってしまう。
雪に覆われた階段を喘ぎながら登って,9時37分に花立山荘を通過する。私の前を歩いていた中年男性が,体中から湯気を立てながら,花立山荘のベンチに倒れるように座り込んでいる。

<花立山荘上の尾根から塔ノ岳山頂が見える>
花立山荘から上は,一段と積雪が増える。金冷しまで,多少の上り下りがあるが,下りの箇所は特に滑落しないように注意しながら通過する。
金冷しから先の積雪は約10センチメートルほどである。美しい霧氷を期待していたが,気温が高いためか,霧氷は全く見られない。

<金冷し手前の尾根から見た富士山と北アルプス>
急な階段を登り詰めて,10時08分,漸く塔ノ岳山頂に到着する。私と相前後して登っていた顔見知りの方が,山頂に到着してから,ほんの15秒ばかり富士山を眺めただけで,すぐに下山する。私は,
「もう,下山されるんですか・・・?」
と思わず話しかける。
「ええ,山頂は寒いですから・・・」
山頂からの富士山の眺めは絶景である。富士山を遮るように,怪しい雲が何段にも棚引いている。私は,液晶画面が壊れているデジカメで,何枚かの写真を撮る。
(つづく)