中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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紅葉が一寸寂しい塔ノ岳

2007年10月31日 22時01分14秒 | 丹沢の山旅


           紅葉が一寸寂しい塔ノ岳
             (単独山行)
        2007年10月31日(水) 
霧雨後曇

■とにかく出掛ける

 一昨日,山旅スクール第5期同窓会山行から帰ったばかりだが,明日からは天気が良くなさそうである。天気予報によると,今日は曇ながら,日中はヒョッとすると薄日が射すこともあるという。ならば,今日,山へ行くしかない。
 5時10分に家を出発する。湘南モノレールの始発電車に乗って大船に出る。私が大船に到着した頃,皮肉にも霧雨が降り出す。このまま塔ノ岳へ行くか,それとも,登山を中止して,家に帰るか,大分迷う。取りあえずは,駅前のマクドナルドに入って,雨の様子を見る。暫くの間,心の中で「行く」「行かない」を際限なく繰り返す。でも,折角家を出てきたのだから,雨を覚悟して,予定通り,塔ノ岳に登ろうと決める。

■大倉から歩き出す
 小田急渋沢駅発7時16分大倉行に乗車する。10数名の登山客が乗っている。7時28分に大倉に到着する。大倉周辺の山々の頂が雲に覆われている。「これは雨に会うかもしれないな」と覚悟を決める。
 一連のストレッチを行った後,7時39分に大倉を出発する。7時44分に登山口に到着する。一昨日の雨のためか,登山道に入ると,石が濡れていて,とても滑りやすい。観音茶屋辺りで,同じバスに乗り合わせた登山客全員を追い抜く。

■霧の登山道
 8時丁度に観音茶屋を通過する。一本松付近から,霧が深くなりはじめる。前後には全く人影がなくなる。少々湿気が強いが,真夏に比較すれば随分と登りやすくなっている。何となく,ルンルン気分で,快調に登り続ける。
 8時46分に駒止茶屋を通過する。天気が良ければ,途中の堀山付近から富士山が良く見えるはずだが,今日は霧が立ち込めていて全く何も見えない。
 9時01分に堀山ノ家を通過する。少し薄日が差し始めるが,暫くすると,また霧が深くなり始める。

■夏場に比較して楽に登れる
 戸沢分岐から花立山荘まで,快調に登り続ける。真夏の頃に比較すれば,予想していたよりも,随分と楽に登り続けられる。途中,沢山の登山客を追い越す。萱場平を過ぎた頃,進行方向左手に,1本の真っ赤に紅葉した木が鮮やかである。
 今日は,山頂までの所要時間には,全く無頓着に登ってきたが,意外に楽に登れるので,急にラップタイムが気になり始める。でも,花立山荘から先はもう僅か。ここから頑張っても仕方がないなと諦める。
 花立山荘を過ぎた頃,塔ノ岳山頂付近の霧が幾分薄くなる。山頂付近の広葉樹が紅葉している。でも,落葉が多いようで,例年よりも寂しい感じがする。


■尊仏山荘で雑談
 9時51分に金冷シを通過。10時04分に塔ノ岳山頂(1,491m)に到着する。大倉から山頂までの所要時間は2時間25分である。山頂は濃い霧の中である。山頂には2人の登山客が居るだけで閑散としている。
 山頂で一息入れる。直ぐに寒くなる。

                 <霧の塔ノ岳山頂>

 尊仏山荘に入る。先客は3人。今日の小屋番は花立さん。10時10分現在の山頂の気温は+9.6℃。秋も深まり,漸く10℃を切るようになった。先客の3人と,とりとめもない話をする。営業部長のミー君はどこかに行っているらしくて,全く姿を見せない。
 「今年の紅葉は今ひとつですね」
と私が花立さんに質問する。
 「この間の台風で,殆どの葉っぱが落ちちゃいました。翌朝起きて外を見たら景色が一変していたんでビックリしましたよ・・・」

■モミジの種類が分からない
 10時35分頃,ご常連のお一人が小屋に入ってくる。彼は渋沢発3番目のバスで来たという。ということは,彼も塔ノ岳まで2時間30分ほどで登ってきたことになる。先客の1人が,彼と私を見ながら,
 「お2人とも,随分と早いですね。私など3時間以上かかってしまいましたよ」
とあきれ顔で言う。このご常連が,紅葉した1枚の葉っぱを花立さんに見せる。
 「これ,何という木だろうね・・・花立さん」
と質問する。花立さんは「山と渓谷社」発行の分厚い図鑑を取りだして調べる。どうやらカエデの一種らしいが,この図鑑にはカエデだけでも20ページほどの分量がある。図鑑の写真を見ただけでは,とても判別が付かない。


■ウリハダカエデの葉っぱ
 10時40分頃,塔ノ岳山頂を出発して下山を開始する。山頂では何時の間にか沢山の登山客が集まって休憩を取っている。霧は更に濃くなり,視界が悪くなっている。 私は,足元に注意しながら下り続ける。花立山荘は霧の中。11時18分に萱場平を通過する。私は足元の真っ赤な落ち葉を数枚拾う。先ほど,ご常連が持参した落ち葉と同じ種類のものである。
 萱場平付近を通過しているときに,霧が少し晴れて,薄日が射し始める。11時20分に戸沢分岐を通過する。急な下り階段を下り続ける。11時28分頃,標高1010メートル付近で,3人の男性に会う。腕に緑色の腕章を付けている。私は先ほど拾った葉っぱを3人に見て貰う。1人がポケットから拡大鏡を取りだして,
 「どれ,どれ・・・」
と言いながら私が差し出した葉っぱを観察する。彼は,葉っぱを見ながら,
 「う~ん・・・これは,ウリハダカエデですよ・・・カエデには実に沢山の種類があるんです・・・」
と蘊蓄を語り始める。
 「ほら,葉っぱの付け根を見てください。付け根の部分に細かい毛があるか,あるいは水かきのような形をしているか・・・などで見分けるんですよ。それに葉っぱの形も様々なんです・・・」

■青々としたモミジ
 3人と別れて,すぐに堀山の家に到着する(11時35分)。ここから先,暫くの間は,楽しい尾根歩きが待っている。霧が濃くなったり薄くなったりを繰り返す。
 標高が低くなるにつれて,紅葉した木は少なくなる。見晴茶屋に下る登山道の両側に植えられたモミジは,まだ青々としている。

                 <山麓のモミジはまだ緑>

 12時48分に大倉に到着する。下りの所要時間は2時間08分であった。
 こうして,本年度第38回目の塔ノ岳登頂は終わった。

[ラップタイム]

 7:39  大倉歩き出し(290m)
 7:44  登山口(325m)
 7:48  克童窯(360m)
 7:53  丹沢ベース(400m)
 8:00  観音茶屋着(465m)(8:02衣服調整)
 8:05  高原の家分岐(500m)
 8:15  雑事場ノ平(595m)
 8:17  見晴茶屋(600m)
 8:31  一本松(735m)
 8:46  駒止茶屋(875m)
 8:54  堀山(925m)
 9:01  堀山の家(925m)
 9:17  戸沢分岐(1090m)
 9:19  萱場平(1110m)
 9:39  花立山荘(1275m)
 9:51  金冷し(1315m)
10:04  塔ノ岳山頂 着(1491m)
10:40    〃   発(+9.6℃)
10:50  金冷し(1365m)
11:01  花立山荘(1310m)
11:18  萱場平(1130m)
11:20  戸沢分岐(1125m)
11:35  堀山の家(970m)
11:43  堀山(930m)
11:50  駒止茶屋(885m)
12:02  一本松(765m)
12:14  見晴茶屋(620m)
12:16  雑事場ノ平(610m)
12:25  高原の家分岐(535m)
12:28  観音茶屋(4950m)
12:35  丹沢ベース(425m)
12:40  克童窯(395m)
12:43  登山口(355m)
12:48  大倉 着(290m)

■登攀・下降高度
 塔ノ岳山頂    1491(m)
 大倉        290
  (高度差    1201m)

■登攀所要時間(休憩時間込み)
 大倉発      7:39
 塔ノ岳山頂着  10:04
  (所要時間2時間25分(2.42h)

■登攀速度
  1201(m)/2.42(h)=496.3(m/h)

■下降所要時間
 塔ノ岳山頂発  10:40
 大倉着     12:48
  (所要時間 2時間08分(2.13h))

下降速度
  1201(m)/2.13(h)=563.8(m/h)
                         (おわり)



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