中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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陽春の塔ノ岳

2007年05月05日 22時14分35秒 | 丹沢の山旅

                      陽春の塔ノ岳
                     (単独山行)
          2007年5月5日(土)[こどもの日]


■混雑する登山客
 昨4日は折角の好天気なのに,色々と仕事に追われて,遂に山行はできなかった。天気予報によると,6日からは天気が悪いようである。そうなると,山へ行くのは5日に限るということになる。
 例により,大船から東海道線と小田急を乗り継いで渋沢駅に出る。渋沢駅からバスにのり,7時28分に大倉に到着する。前回(4月30日),塔ノ岳に登ったときに比較すると,バスに乗り合わせた乗客の人数は半減しているが,それでも何人かの立ち席が出るほどの混雑である。折から子供の日とあって,子供連れの登山客や,若い方々がとても多いように見受けられる。

             <山麓は花盛り>

■大倉を出発する
 7時48分に大倉バス停を歩き出す。今日は初夏のような天気である。手許の寒暖計では,もう気温が23℃に達している。歩き出すとすぐに汗ばんでくる。まだ蚊や蜘蛛が出ていないので,何とか気分良く歩けるが,暑い夏が直ぐ目の前に来ていることを予感させる。
 今日は,暑くなることが予想されていたので,何時もよりも水を500ミリリットルほど余計に持っている。そのためかリュックを背負うと,ズシリと重い感じがする。そんな中,私は自分のペースを崩さないように気を付けながら登り続ける。7時59分に観音茶屋を通過する。何時ものラップタイムと1分の誤差もない。
 途中,何人もの登山客を追い越す・・・と,言っても,私が特段に速い速度で歩いているわけではないが,年に数回しか登山をしない人達が大半を占めている場合は,平素登山を楽しんでいる私の方がどうしても速くなるだけのことである。周りの方々を見回すと,総じて沢山に荷物を入れた重そうなリュックを背負っている。そして大股に上半身を揺らせて歩いている人が多いのに気が付く。登山の途中で,数10人の人達を追い抜いたが,逆に4~5名の方々に追い抜かれる。

■ご常連さんとすれ違う
 天気が良ければ,堀山付近の稜線から,富士山が良く見えるはずだが,今日は厚い雲に覆われて,富士山は全く見えない。
 9時31分に花立山荘を通過する。山荘前の広場では沢山の登山客が休憩を取っている。この辺りまで登ると,辺りの木々には,まだ新芽が出ていないので,冬景色のままである。ただ,この頃は,多少の降雨があっても,すぐ乾燥するためか,泥濘な箇所は全くなく,とても歩きやすい。
 花立山荘を出て,岩稜地帯に入るところで,顔なじみのご常連とすれ違う。
 「しばらくぶりですね・・」
と挨拶を交わす。
 「相変わらず登っておられるんですか?」
と伺う。
 「ええ・・・ただ,昨日,一昨日は,少し遅く登り始めたので,お宅さんが山頂に到着した頃,入れ替わりに下山しましたよ・・・」
とのお返事である。これには参った。いくら塔ノ岳に頻繁に登っているとはいえ,私はせいぜい1週間に1~2回程度である。とても,とても毎日というわけにはいかない。

           <山頂付近のバイケイソウ>

■塔ノ岳山頂は混雑
 例によって花立山荘手前の長い上り階段で失速したが,10時丁度に塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は,丁度2時間20分である。2時間10分台の記録は残せなかったものの,まあこんな所が分相応だろう。山頂には沢山の登山客が休憩を取っている。 尊仏山荘に入る。今日は大野さんが小屋番をしている。山頂の気温は11.6℃で爽やかである。でも時折微風が吹いてくると寒く感じる。例により300円也の日本茶を所望する。先客のご常連と二言,三言挨拶を交わす。例の看板ネコ「ミー君」が眠たそうな顔をして帳場から出てくる。大野さんが2階に登り始めると,ネコは大野さんの足下をすり抜けるようにして,2階へ駆け上がる。

           <塔ノ岳山頂からの眺望>

 10時23分に塔ノ岳山頂を出発して下山を開始する。暖かな日差しを浴びながらノンビリと下山し続ける。何とも気分がよい。これから登ってくる登山客と絶え間なくすれ違う。9時31分に花立山荘を通過する。一瞬,花立山荘に立ち寄ってコーヒーでも賞味しようかと思ったが思いとどまる。そして,長い階段を下って戸沢分岐を通過する。

■偶然Tさんと出会って登り返す
 戸沢分岐からの階段を下って,丁度,堀山の家との中間点に来たときに,下から登ってくる山旅スクール8期のTさん(タクシー業をしている方なので仮にTさんとしておく)とバッタリ会う。私は,一瞬,何処かで会ったことのある方だなと思ったが,誰だか思い出せない。Tさんは,
 「やあ暫くぶりです・・・」
と私に話しかける。その内に,昨年,山旅スクール8期の北岳登頂のときにご一緒したことを思い出す。
 「実は,近々,スクールの丹沢主脈に参加するつもりです・・・添乗員のAさんから『せめて花立山荘まで2~3回登って足腰を鍛えて置きなさい』って言われたんです・・・」
 「では,折角ですから,花立山荘までご一緒しましょう・・・」
ということで,私はTさんと一緒に,今下ってきた道を再び登り始める。沢山の登山客に混じって,極,ユックリとした速度で登り続ける。途中でTさんの足下が何回もフラフラする。そして,11時59分に漸く花立山荘に到着する。
 「とにかく,休憩しましょう・・・」
とTさんが言う。そしてTさんの発案で,花立山荘特性の「かき氷」を賞味する。

            <花立山荘の氷水>

■再び尊仏山荘へ
 「ここから山頂までは,比較的楽に登れますよ・・・ユックリ登ってみませんか?」
と私がTさんを促す。
 12時12分に花立山荘を出発する。そしてユックリ,ユックリと,何回も立ち休憩をしながら,登り続ける。そして12時48分に再び塔ノ岳山頂に到着する。山頂は,2時間半ほど前よりも一層登山客で混雑している。尊仏山荘でTさんはビール,私はジュースを購入する。山頂の気温は16.0℃である。2時間余りの間に,約5℃ばかり上昇したことになる。
 13時20分に塔ノ岳から下山し始める。
 途中,花立山荘,堀山の家,見晴茶屋で休憩を取りながら,15時41分に大倉へ到着する。所要時間は2時間21分。意外に速かった。

■Tさんのご厚意に困惑
 渋沢の駅で,Tさんとお別れする。Tさんは,
 「・・・そば屋で1杯飲んでいく・・」
という。私の誘われたが,固辞してお別れする。すると別れ間際に,Tさんは売店でソソクサと缶ビール(大)を1本買い求めて,私に差し出す。
 「帰りの電車の中で,お飲み下さい・・・」
 固辞したかったが,Tさんのご厚意は,どうしても受けないわけには行かない。私は知る人ぞ知る下戸である。アルコール類は全くといって良いほど飲めない。でも,困惑しながらも有り難く頂戴する。私は頂いた缶ビールをそのまま自宅まで持ち帰った。そして,冷蔵庫に納める。
 「息子が孫を連れてわが家に来たときにでも,このビールを開けよう・・・」
と思っている。

[ラップタイム]


  7:40  大倉歩き出し
  ↓
 7:59  観音茶屋
  ↓
 8:14  見晴茶屋
  ↓
 8:40  駒止茶屋
  ↓
 8:54  堀山の家
  ↓
 9:31  花立山荘
  ↓
10:00  塔ノ岳山頂着
10:23   〃   発
  ↓
10:51  花立山荘
  ↓
11:20  1070m地点でTさんに会う
  ↓    (登り返し)
12:40  塔ノ岳山頂着
13:20   〃   発
  ↓
15:41  大倉 着

■登攀・下降高度
  大倉→塔ノ岳山頂      1,200m
  1070m地点→塔ノ岳       421m
      合計         1,621m

■登攀所要時間
  大倉→塔ノ岳山頂  2時間20分(2.20h)
   登攀速度   1,200m/2.20h=515.5m/h
      ※登り返しは計算せず。

■下降所要時間(休憩時間込み)
                2時間21分(2.35h)  
   下降速度   1,200m/2.21h=543.4m/h
     ※Tさん同行の下山だけを計算。
                     (おわり)



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