中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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残雪と泥濘・極寒の丹沢;塔ノ岳(今年10回目)

2013年02月15日 03時20分47秒 | 丹沢の山旅

                             <花立山から表尾根を望む>

    残雪と泥濘・極寒の丹沢;塔ノ岳(今年10回目)
           (常連に同行)
      2013年2月14日(木) 曇・粉雪舞う


■寝覚めが悪い
 塔ノ岳へは,毎週,なるべく水曜日と土曜日に登りたいなと思っているが,どうもこのところ水曜日の天気が悪いことが多い,昨日(2月13日)の水曜日も天気予報は午前中雨ということだった.私は雨の中を登るほど酔狂ではないので,13日の塔ノ岳詣では即座にやめることにした.そして,翌日の今日,木曜日に塔へ出掛けることにする.結果的に2週連続の木曜日の塔ということになる.
 木曜日の今朝,何時ものように3時30分に目が覚めるが,どうも寝覚めが良くない.というのも,目が覚める直前まで,何とも奇妙な夢でうなされていたからである.目が覚めて,
 “ああ…夢だったのか,良かった!”
とホッとするような悪夢だった.
 夢の中の私は,失業中で,2階の和室で寝ている.枕元には根こそぎ引き抜かれた大きなひまわりが2~3本無造作に放置されている.私は勤務先もないのに背広を着て,1階の和室にいるどこかの会長さんに会いに行く.なぜか会長さんは初老の女性であぐらをかいている.結局,私は何も頼めなくて,家の外へ出る・・・・さて,今日は,何処へ行って時間を潰そうかなと暗澹とした気分になる・・・というところで目が覚める.
 幸か不幸か,私には“失業”の経験はない.それなのに何で失業している夢を見るのかサッパリ分からないが,とにかくこんな夢のお陰で,今朝は気分が良くない.
 5時10分に家を出る.
 外気はそれほど寒くはないが,道路は何となくジメジメしている.最寄りの湘南モノレール駅の階段を登っていると息切れがしてくる.どうも体が重い感じがする.
 “今日の体調は,余り良くないな・・・”
と思いながら電車に乗り込む.

■T中さんと一緒に大倉から歩き出す
 今日は平日.小田原の“階段2段跳び乗換”の行事を無事乗り越えて,渋沢発大倉行の1番バスに乗車する.
 “ああ…シンドイな”
が本音である.
 電車の中から,薄明るくなった外を見ると,辺り一面に霜が降りている.私が住んでいる鎌倉辺りでは,滅多に霜などお目に掛かれないが,やっぱり小田急沿線は寒いなと実感する.
 1番バスは座席が軽く埋まる程度の混雑である.乗り合わせたご常連は,超韋駄天のN村さんとS藤さん,韋駄天のTさん,K村さん,T中さん,M田女史,ホッシーさん,それに名前が分からない男性お一人.
 途中で乗り降りする城弱がなかったためか,バスは何時もより少し早い6時57分に大倉に到着する.
 超韋駄天組のお二人は,バスが大倉に到着すると同時に直ぐに塔ノ岳山頂に向けて歩き出す.私はたまたま乗り合わせたT中さんと一緒に7時02分に大倉から歩き出す.今日は珍しく韋駄天のTさんより少し早くの出発である.
 T中さんは,どちらかというとスタートダッシュ型である.T中さんの歩行速度が速いので,付いていくのが少々シンドイが,まあ,何とか後に付いて歩き続ける.途中,克董窯付近で,私達より先に出発したM田さん,ホッシーさんのお二人に追い付く.そして,平らな所だけでもお二人より先に行かせてもらう.

■見晴階段
 7時38分,見晴山荘を通過する.
 見晴らし山荘前から相模湾を望む.今日は雲が低く垂れ込めているために,残念ながら光る海は見えない.
 すぐに見晴階段に差し掛かる.
 今日の階段には全く人影がなく,静まり返っている.足許は少し濡れていて滑りやすい.今日の私は,どうも体が重いような気がするので,何時もよりもさらに自重して登り続ける.私の後ろにはT中さんがピッタリと付いている.今度は私のペースで歩かせて頂く,

<見晴階段>

■堀山の尾根
 8時07分,駒止階段を登って駒止茶屋を通過する.駒止階段の上部に,まだ痕跡のような残雪がある.大倉から歩き出して駒止茶屋までの所要時間は1時間05分,まずまずの速度である.
 堀山の尾根に入る.昨日の日中に融けてドロドロになった泥濘道が凍結している.気温は手許の温度計では4℃,決して寒くはない,多分,下山する頃には,凍結した泥が融けて,田んぼのようになるだろうと思われる.
 晴れていれば富士山が良く見える場所に到着する,残念ながら今日は富士山は雲の中である.富士山は見えないけれども,儀式としての写真を撮っておく.

<堀山の尾根から富士山方面を望む>

萱場平
 8時22分に堀山の家を通過する.
 相変わらず私が先になって,私のペースでY中さんと一緒に歩いている.今朝方,体調が悪いなと思ったが,何時の間にか,まあまあの体調に戻っている.
 単独で登っているときは,最近,堀山の家から花立山荘まで丁度40分で登ることに拘っているが,今日は単独登山ではないので,適当に歩くことにする.それだけ気分的には楽に登れるので,何時も戸沢分岐手前で多少疲労感が増すが,今日はそんなこともなく,8時41分に萱場平を通過する.
 萱場平には,幾分残雪が見られるだけで,静まり返っている.
 前方を見ると,雲が立ちこめている.

<萱場平>

■花立山荘
 同じペースで登り続ける.
 やがて,後7分坂に差し掛かる.今日は何となく調子が良くなり,それほど歩行速度を落とすこともなく階段を登り切って,9時02分に花立山荘に到着する.どうやら雲の中に入っているらしく,視界が悪くなっている.勿論,富士山は見えない.
 大倉からの所要時間は2時間丁度.意外に好ラップである.堀山の家からの書状時間も40分丁度である.こちらは何時も通り.ということは,大倉から駒止茶屋までの間で,少し頑張った結果が,そのままラップタイムに現れているに他ならない.
 山荘前の広場で男性一人が休憩を取っている.
 山荘と登山道を挟んで反対側には,大きなシカが1頭,ボンヤリと私の方を眺めている.多分,エサをくれる人間が現れるのを待っているのだろう.

<花立山荘で見掛けたシカ>

■花立山から先は雪道だ
 花立山荘を過ぎた途端に残雪が増え出す.周辺には低い雲が垂れ込めていて,眺望は全く利かない.
 ガレ場に差し掛かる.
 上の方から,
 「やあ,やあ,・・・・」
と挨拶しながらご常連のKシゲさんが下山してくる.ほんの二言三言立ち話をする.続いて,同じバスに乗っていた超韋駄天のN村さん,S藤さん,U村さんと次々にすれ違う.本当に・・全く,凄い人達ばかりである.
 9時12分,花立山山頂に到着する.ここで,T中さんと一緒に,6本爪軽アイゼンを装着する.その間に,私達より後から大倉を出発した韋駄天のTさんが私達に追い付く.そして,私達よりすぐ先でアイゼンを装着し始める.
 花立山から先は,残雪が凍結していて,アイゼンなしでは少々危険な状態になっている.金冷シに近付くにつれて,昨日降ったばかりと思われる新雪が増え出す.
 9時20分,金冷シを通過する.雪が一段と多くなり,そこから先の階段はほぼ雪の中である.気温も下がり始めて,歩いているのに寒くなる.

<金冷シから先は完全な雪山>

■塔ノ岳山頂
 山頂近くの階段は完全に雪の中である.階段が雪に覆われて見えなくなると,この辺りが,やけに急勾配の雪道になるのに驚かされる.でも,アイゼンさえ装着していれば,返って雪道の方が歩き易い.
 普通の速度で登り続けて,9時36分に塔ノ岳山頂に到着する.山頂は完全に雲の中,視界は殆どない.気温はマイナス3℃.とにかく寒い.積雪はそれほど多くはないが,辺り一面が昨日の新雪で覆われている.
 山頂で休憩を取っている人は誰も居ない.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間34分.まあ,まあのラップタイムである.
 大急ぎで周囲の写真を撮ってから,尊仏山荘に向かう.

<塔ノ岳山頂;ポールの脇に建っているのはT中さん>

■尊仏山荘
 山頂は吹きさらしで寒いので,大急ぎで周囲の写真を撮って,尊仏山荘に入る.
 3~4名の先客が居る,小屋番はオーナーのHさん.と雲仙のことと言ってはまずいかも知れないが華伊達美弥雄さんは姿を現さない.300円也のお茶を所望する.
 お茶を飲みながら雑談をしていると,5分ほど経って韋駄天のTさんが尊仏山荘に入ってくる.つづいてM田さん,しばらく間を置いてホッシーさんがご到着である.
 韋駄天のTさんは,山荘に到着後コーヒーを賞味した後,すぐに下山していく.
 悪天候のために,次から次へと登山客が山荘に入ってくる.あまり山荘に長居をしていると商売の邪魔になるかなと気になり始める.

ご常連と一緒に下山開始
 10時15分に山荘から外に出る.アイゼンを装着して,10時22分,T中さん,M田さん,ホッシーさんと一緒に下山を開始する.
 外はやけに寒い.冷たくて憂鬱な霧が一層寒さを際立たせる.仕方なくウインドブレーカーを羽織る,どうせ,花立山荘まで下れば暖かくなるのが分かってはいるが・・・
 アイゼンさえ装着していれば,雪山の下りは実に爽快で快適である.急坂を一気に下って,10時33分,金冷シを通過する.金冷シから花立山山頂までは凍結した残雪が残る危険な道である.
 10時39分,花立山山頂に到着する.ここでアイゼンを脱着する.
 標高が少しばかり低くなったので雲の下に出たらしくて,近場の山の眺望が開け始める.
 辺りを見回すと,残雪で厳しい表情を見せる鍋割山稜や表尾根の山々が見えている.

<花立山山頂から残雪の鍋割山稜を望む>

■花立山荘で再びシカに会う
 10時50分,花立山荘を通過する,数名の登山客が休憩を取っている.
 大きなシカが休憩中の登山客のすぐ近くに居る.多分,上りで出会ったシカと,同じシカだろう,
 何かエサをねだっているようにも見える.
 以前,尊仏山荘の小屋番をしていた方から,この辺りには兄弟の牡シカが2頭居て,当初,兄のシカがこの辺りのボスだったが,今は弟のシカがボスになっていると伺ったことがある.兄シカと弟シカは角の形が違うので,角を見れば兄か弟か見分けられると言っていたが,私にはどちらが兄か見分けることはできない.
 この写真に写っているシカは,多分,弟のシカだと思うのだが・・・

<人を怖がらない牡シカ>

■堀山の家で一休み
 花立山荘を過ぎてからも,転倒しないように充分注意しながら下山し続ける.
 萱場平付近の泥濘道に差し掛かる.登りの時には完全に凍結していたが,今は半分融け始めてシャーベットを踏んで歩くような感触になっている.
 11時22分,戸沢分岐を通過する.ここから下の階段道は凍土が溶けて泥んこ道になっている.ときどき登ってくる登山客とすれ違いながら,坂道を下り続ける.
 11時20分,堀山の家に到着する.
 小草平のベンチで昼食を摂っているM田夫妻にバッタリ会う.M田さんに話しかける.
 「暫く振りです・・・山頂まで行かれましたか?」
 「はい,山頂まで行きましたが,山荘に立ち寄ると遅くなるので,すぐに下山しました・・」
とのこと.続いて,
 「これ,どうぞ食べて下さい」
と私達にタクワンと林檎を進める.
 お言葉に甘えて,タクワン2切れと,林檎1切れをご馳走になる.
 “いや~…,その美味しいこと・・・”
 特に山の中で馳走になるタクワンは美味しい.
 “今度,山に入るときは,タクワンを持参しよう”
と思いながら,タクワンを賞味する.

<小草平でM田夫妻に会う>

堀山の尾根をノンビリと…
 堀山の尾根に差し掛かる.
 大倉12時52分発のバスに乗車する積もりである.時間はタップリある.凍土が溶け出した泥んこ混じりの尾根道をノンビリと下る.
 この辺りまで下ると,気温も上がり,すっかり春の陽気になっている.路面が泥んこ気味なことを除けば気分の良い散策路である.4人は前後しながら下り続ける.

<堀山の尾根>

予定より少し早く大倉に下山する
 11時40分,駒止茶屋を通過する.
 ひどい泥んこ道と見晴階段を下り終えて,12時01分,見晴山荘を通過する.この辺りから先頭を歩いているT中さんの歩行速度かが俄然速くなる.成り行きで私はT中さんの後ろに付いて歩くが,4名の間の距離は適当にばらけてしまう.
 12時30分,予定より少し早く大倉に到着する.
 バスの発車時間まで20分余りある.靴,スパッツなどに付着した泥を洗い落としたり,身支度を調えるのに丁度良い時間がある.
 12時52分のバスに乗車する.登山客は私達4人だけ.後は一般の方々若干名.

■やっぱり締めくくりはコーヒーだ
 バスの乗客が少ないのと,信号がうまい具合だったこともあって,バスは13時02分に渋沢に到着する.渋沢発13時06分の小田原行電車に悠々間に合う.でも,乗車した電車は各駅停車.オマケに新松田で特急電車の通過待ち合わせをする.そんなことで小田原到着は次の電車の到着時間と大差ない.結局,乗り継いだ東海道本線の電車は,渋沢発の次の電車に乗ったときと同じになる.
 乗り継いだ東海道本線の電車は,14時22分に大船駅に到着する.
 電車を降りると,辺りの空気が,ほんわかしていて春めいている.小田原に比較すると随分と暖かい.何だかこのまま家に帰ってしまうのが勿体ない気がしてくる.
 “折角だから,お茶していこう・・・・どうせまっすぐ帰ってもすることないんだろう”
と心の中のもう一人の私が,私を誘惑する.
 “それもそうだな・・・”
ということで,大船駅ルミネ1階の某コーヒーチェーン店に入り込む.そして200円也のブレンドコーヒーを賞味する.
 電車の中では,眠くて仕方がなかったが,このコーヒーのお陰で,眠い気分もすっ飛んでシャンとする.

<某コーヒーチェーン店に立ち寄る>

■勝手に風呂に入りハッピー・ハッピー
 15時過ぎに帰宅する.
 家内は買い物に出掛けているのか留守. まずは,勝手に風呂を沸かして,ザブン・・・気分最高.
 “これだから,山登りはやめられないな・・・”
 本当は,確定申告のけりをつけたり,4月に開催される展覧会の絵を仕上げたり・・・3月から始まる甲州道中リベンジ旅の下調べをしたり・・・結構,やることがあるが,そんなことは,まあ,今日の所はどうでも良い.
 風呂に浸かりながら,今度の土曜日は天気が良さそうなので,久々に土曜日の塔ノ岳詣でとしゃれ込もうか・・・と,もう次の山登りのことを考えている.

<ラップタイム>

 7:02  大倉歩き出し
 7:23  観音茶屋
 7:38  見晴山荘
 8:07  駒止茶屋
 8:22  堀山の家
 9:02  花立山荘
 9:12  花立山(9:16までアイゼン装着)
 9:20  金冷シ
 9:36  塔ノ岳山頂着(-3.0℃)
10:22      〃  発
10:33  金冷シ
10:39  花立山(10:43までアイゼン脱着) 
10:50  花立山荘
11:20  堀山の家(11:22まで休憩)
11:40  駒止茶屋
12:01  見晴山荘
12:12  観音茶屋
12:18  丹沢ベース
12:30  大倉 着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
   大倉   発       7:02
   塔ノ岳  着       9:36
   (所要時間)     2時間34分(2.57h)
   水平歩行速度   7.0km/2.57=2.72km/h
   登攀速度      1269m/2.57h=493.8m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
   塔ノ岳  発       10:22
   大倉   着       12:30
   (所要時間)     2時間08分(2.13h)
   水平歩行速度   7.0km/2.13h=3.29km/h
   下降速度       1269m/2.13h=595.8m/h
                                   (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/01a0a09f6543c662905db4fe8daa0f77
「塔ノ岳」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e39e56cd91c0bae225b40a80dca227fd
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7376cdc7c1c2937dd40c4247cd580fdc



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