<花立階段を登る>
常連と楽しく登るリハビリの丹沢;塔ノ岳(今年41回目)
(常連と一緒に往復)
2012年8月22日(水) 曇:蒸し暑い
■しまった! SDカードが入っていない
今日も朝から蒸し暑いが,この所毎週水曜日と土曜日に塔ノ岳に登ろうと決めているので,迷わずに塔ノ岳に登ることにする.
8月も下旬ともなると,目に見えて日が短くなっている.5時近くになって,漸く東の空が明るくなる.でも,相変わらず朝から蒸し暑い.家の前の舗装道路の気温は,まだ5時を少し過ぎたばかりだというのに,もう27℃にもなっている.昨日の猛烈な暑さがまだコンクリートの中に残っているんだろう.
例によって,湘南モノレールの某駅ホームから,富士山がクッキリと見えている.こんな日に限って,午後から天候が悪化することが多いので油断できない.
とにかく富士山は今見えていても,すぐに雲に覆われた見えなくなることが多いので,
「よしっ! 写真を撮っておこう」
とホームの金網の間にデジカメのレンズを入れて,シャッターを押す・・・が,液晶画面に”SDカードが入っていません”というメッセージが表示される.
「しまった! どうしよう・・・」
でも,こう言うのを“後の祭り”という.今更,ジタバタしても,どうしようもない.
”仕方がないな,今日は携帯電話のカメラを使おう”
小田原駅で,JRから小田急線に乗り換える.駅の階段2段跳びで登り下りして小田急電車に乗り換える.
相変わらず素晴らしい天気で,車窓から富士山と矢倉岳の“隠れんぼ”を楽しむ.ごく近いところにある矢倉岳が富士山の中にすっぽり入ってしまい,まるで金環食である.やっぱり富士山は大きいなと実感しながら,良い写真が撮れるように・・・と懸命である.
<小田急車窓から富士山と矢倉岳を望む>
■ご常連お二方とユックリ登る
渋沢発大倉行1番バスに乗車する.バスは全員が着席できるほどの混雑振りである.
ご常連の顔も沢山見えている.三角髭のTさん,K村さん,三度笠のYさん,カメラマンのMさん,Y編集長,T中さん,大三郎さん,N村さん,M田女史,ホッシーさん,韋駄天のN村さん,韋駄天のS藤さん他多士済々.
大三郎さんから,
「一緒に登りましょう・・」
とお誘いを受ける.もちろん異論はない.
バスは6時59分に大倉到着.早々と身支度を調えて,大三郎さん,N村女史と一緒に,7時06分に大倉から歩き出す.
今日も相変わらずの炎暑である.私はまだリハビリ登山中.汗が眼に入るのを極力防がなければならない.だから滴るような汗をかくのは禁物である.ところが,炎天下で流れる汗をかかないように歩き続けるのはなかなか困難である.
幸いなことに,ご同行いただくお二方も,随分とユックリ歩いていただけるので大助かりである.
登山口を過ぎる頃まで,私たち3人の前を歩く常連集団の後ろ姿が見えていたが,だんだんと遠退き,丹沢ベースを過ぎる頃には,全く見えなくなる.
登山道の両側には夏草が繁茂している.暫くの間は山ヒルに要注意.なるべく登山道の真ん中を歩くように心掛ける.それに,一時も立ち止まらないようにしながら登り続ける.
7時51分,雑事場ノ平を通過して尾根道に出る.いくらか海風が吹いているが,相変わらず蒸し暑い.
「蒸し暑いけれども,先週の土曜日よりは少しマシだな・・・」
と心の中で思いながら,7時53分,見晴山荘を通過する.
すぐに見晴階段に差し掛かる.携帯電話を取りだして,定点観測用の写真を撮るが,携帯電話のカメラは操作に手間取って,なかなか上手く撮ることができない.今更ながらSDカードを忘れたことが悔やまれる.
見晴階段を,兆スローモードで登り続けるが,お陰様で汗ばむ程度の状態で安全に登り続ける.坂を見上げると平日にもかかわらず何人もの登山客の後ろ姿が見えている.
<見晴階段>
■富士山は雲の中
8時30分,ようやく駒止茶屋を通過する,すでに大倉を歩き出してから1時間24分も経過している.でも,まあ,遅くても良い.とにかくここまで到着したことを喜ばなければ・・・
堀山の尾根に入る.
電車の中であんなに良く見えていた富士山は,やっぱり雲の中に隠れてしまった.
<堀山の尾根;晴れていれば富士山が見える場所>
■雑談をしながら登る急な坂
三人で雑談をしながら,のんびりと登り続ける.その内に,どうした弾みか話題が宇宙のことになる.
宇宙論だヘッタクリは,門外漢の私にはからっきし分からないが,でも,137億年前にビッグバンでこの宇宙が誕生して晴れ上がった頃は大部分が水素.私たちの身体を構成している元素は,皆,星の生々流転の間に作られたもの.そう考えると私たちは“星の子”だ.だから,死んだらかりそめに縁があって合体して出来た私の身体も荼毘に付されてまた元素に戻る・・・そして数十億年後には,本当かどうか知らないが地球は太陽に飲み込まれる.そして,私を構成していた元素も太陽の一部になる.
そうこうしている内に,我が銀河系はアンドロメダ星雲と合体する.さらにその先は・・何もなくなり”無”の世界になる・・・でも,私たちの宇宙とは別のところで,他の宇宙が”無”から次々に誕生している.
このスケールで考えると,天動説も,地動説もバカらしくなる.太陽自体が銀河系の円盤の変哲もない枝の辺境にあって,銀河系の中心の周りを高速で廻っている.その銀河系だって,大宇宙を構成する泡の表面にウヨウヨと存在する数え切れないほどの砂粒の一粒に過ぎない.そうなると天動説も地動説も,どっちでも良いちっぽけで些細な話になってしまう.
「オレは“オレ中心説”で行くぞ・・・」
と意味もなく力みたくなる.
大倉尾根を登りながら,こんな途方もないことを話題に話し続ける.
“今のオレの身体だって,むかしクレオパトラだった元素が入って居る可能性もゼロではないぞ・・・”
それにしても不思議である.
私はつい最近,白内障の手術で,老化した水晶体を無機質な人工レンズに置き換えた.良く見えるようになって,最近の医療技術の進歩にとても感謝している.歯も・・何本かは虫歯の治療をして,人工物を充填している.
もっと,眼を転じれば,人工心肺やロボットスーツなど,人間の機能を代替する技術が急速に発達している.これからはSFの世界かも知れないが,痛んだ五臓六腑を人工の五臓六腑に置き換えながら生きながらえる.ついには,今私が自分の脳の中に蓄えている全知識・全技術を人工知能に置き換える・・・・すると,“私って何だろう・・・”
確かに,“自我”と言っても,結局の所,電気信号として脳内に蓄えられている存在に過ぎない.神仏だって,結局は,自分の脳内に蓄えられた電気信号(?)かもしれない.幸いなことに,私達夫婦は,3人の子供,6人の孫に自分のDNAを伝承している.その意味では最小限度の情報は,継続的に孫子に伝承している.その意味で,今の自分は孫子の中で生き続けている.
こんなことをダベっていると,”我思うゆえに我あり”では済まなくなってくる.
■萱場平
こんな取り留めもない話をしている内に,9時11分,萱場平を通過する.萱場平は,照りつける太陽でムシムシしている.木道の間のアザミがますます大きくなっている.
<萱場平>
■花立山荘
萱場平まで登れば,一寸の辛抱で花立山荘である.
相変わらずろくでもない雑談をしながら登り続ける.
途中で,2番バスで来られたF田さんが私たちに追い付く.毎度のことだがF田さんの登山速度の速さにビックリする.
続いて下山してくる韋駄天のN村さんとすれ違う.さらにU村さんともすれ違う.そして,やっとのことで後7分坂に差し掛かる.
同行の大三郎さんが後7分坂の段数を数えながら登る.
「この頃,この坂,7分では登れないんですよ・・・・」
と私が弱音を吐く.
坂の途中で,
「今,何時(ナンドキ)だ・・」
と茶々を入れるが,大三郎さんが最後まで数え上げて,約330段であることを確かめる.頭に「約」が付くのは,階段に数えて良いかが疑わしい段差などがあるからである.
9時37分,ようやく花立山荘に到着する.大倉を歩き出してから2時間31分も掛かっている.
山荘前のベンチでは数名の登山客が休憩を取っている.何時もならばこの辺りまで登ればかなり涼しくなるはずだが,今日は相変わらず蒸し暑い.
花立山荘では休憩を取らずにそのまま登り続ける.多少疲労が出たのか速度がさらに遅くなり,花立山荘から12分も掛けて,ようやく花立山山頂に到着する.ここまで来ると幾分涼しくなる.
どうやら雲の中に入ったらしく,辺り一面に霧が掛かっている.また雨に降られるかなと心配になる.
<花立山山頂>
■下山してくる三角髭のTさん
馬瀬へ向かう途中で,下山してくる三角髭のTさんとすれ違う.早速,デジカメで写真をパチリ.相変わらずの健脚である.珍しい人物の組み合わせ写真を撮ることができた.
ここまで来れば,泣いても笑っても,山頂まで後僅かである.
<三角髭のTさんと一緒に>
■チャンピョンが下る
馬の背の下り坂に差し掛かる.
丁度そのとき,チャンピョンが大きなボンベを背負って降りてくる.凄い! 今日は,後2回,ボッカをするという.正に超人.
<チャンピョンが下る>
■塔ノ岳山頂
9時55分,金冷シを通過する.
ここまで超ユックリペースだった大三郎さんの足取りが急に軽くなり,歩行速度が速くなる.私は付いていくのがヤッとになる.それでも,何とか山頂まで一緒に登る.
10時09分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は19.7℃にも達している.今日もやっぱり暑い.
今日の大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は,なんと3時間03分.今日は暑いせいか,山頂は閑散としている.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
携帯電話のカメラでは,そうそう簡単に写真を撮ることができないので,早々に撮影を諦めて,尊仏山荘に向かう.
山荘の窓から中を覗き込むと,もうとっくに山荘に到着したお歴々が揃っている.
今日の小屋番はW田さん.ネコはどこかでサボっているらしくて姿を見せない.
300円也のお茶をすすりながら,暫くの間,雑談.
<尊仏山荘>
■道草しながら下山
10時48分,尊仏山荘に居合わせたF田さん,M田女史,一緒に登った3人が揃って下山を開始する.
どこかで花の観察でもしておられたのか,途中で三度笠のY内さんも一緒になる.
10時58分,登りのホッシーさんとバッタリ.皆様の写真を撮らせてもらう.
「ブログに載せて良いですか?」
と質問する.
「結構です・・」
との回答を頂戴する.三度笠のY内さんが,
「『結構です』には,イエスという意味と,ダメという意味もありますね・・」
と茶々を入れる.でも・・・まあ,ここは「イエス」の意味に解釈しておこう.
「何時も私の後ろ姿ばかり写している・・・」
とホッシーさんに言われてしまう.失礼しました.
<ご常連と一緒に・・・>
■無事下山
その後も,安全第一で行きましょうで,ノンビリ下山し続ける.
幸いなことに雨にも降られずに,12時57分,無事,大倉へ下山する.
大倉13時22分発渋沢駅行のバスに乗車する.藤沢駅で私1人だけが小田原行の電車に乗車する.その他の皆様は新宿行の電車である.
私は1人寂しく小田原で特別快速高崎行の電車に乗り換えて,14時33分,大船に到着する.
さすがに暑い.バスの待ち時間が20分以上もある.通常,炎天下で,10分以上並ばないとバスには座れない.でも,座れなくても,立ち席10分の辛抱である.それならば涼しいところでコーヒーでも賞味していた方がマシという計算になる.
…で,駅ビルの某コーヒー専門店に入る.店員が,
「(注文する前に)お先に席を確保されなくて宜しいですか・・・」
とアドバイスする.でも,私は,かなりの長時間,立ちっぱなしでも苦にならないので,立席のまま200円也のブレンドコーヒーを賞味する.
明日,8月23日で,白内障手術後1ヶ月になる.長いリハビリ期間が漸く終わる.そして,8月24日,手術を受けたクリニックで,術後1ヶ月検診を受ける予定だ.今は何の異常もないことを祈るのみである.
<ラップタイム>
7:06 歩き出し
7:34 観音茶屋
7:53 見晴山荘
8:30 駒止茶屋
8:50 堀山の家(8:53まで休憩)
9:37 花立山荘
9:55 金冷シ
10:09 塔ノ岳山頂着(19.7℃)
10:48 〃 発
11:01 金冷シ
11:12 花立山荘
11:44 堀山の家
11:58 駒止茶屋
12:24 見晴山荘
12:38 観音茶屋
12:57 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 10:09
(所要時間) 3時間03分(3.01h)
水平歩行速度 7.0km/3.01h=2.33h
登攀速度 1269m/3.01h=421.6m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:48
大倉 着 12:57
(所要時間) 2時間09分(2.15h)
水平歩行速度 7.0km/2.15h=3.26km/h
下降速度 1269m/2.15h=590.2m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/21e0c27646d23c88900c36768f376499
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/692d971c383c0726cb8c990e15f83a1e
※誤字当て字転換ミスは後刻訂正します.
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