中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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鎌倉逗子:まんだら堂・巡礼古道を歩く

2008年12月02日 13時00分20秒 | 鎌倉あれこれ
                                            <まんだら堂の入口>

                鎌倉・逗子:まんだら堂・巡礼古道を歩く
                        (鎌っこ倉ぶ:分科会)
                      2008年11月30日(日)


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 「鎌っこ倉ぶ」幹事に,折から公開中の「まんだら堂」見学の分科会を開催しないかと提案したが,結局,言い出しっぺのflower-hillが幹事を引き受けることになってしまった.
 そこで,古くからの鎌倉散策の知人であるお師匠さんのご指示により,メールを使って,参加者を募った所,ジャイアンさんを初めとして数名の参加者があった.
 今回,初参加の人もいるので,まんだら堂までの道中で,おもな社寺,史跡をざっと見ながら,散策した.
 天候にも恵まれた.
 まんだら堂では,逗子市の係員から,懇切丁寧な説明を受けることができた.
 パノラマ台からは,逗子,鎌倉,駿河湾,富士山の大パノラマを堪能することができた.
 小町通の「モア」で,久々に生ビール(小)で乾杯!
 気持ちの良い1日であった.
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<散策マップ>



<プロフィールマップ>



<鎌倉東部を散策する>

■本覚寺:正宗の墓

 朝の鎌倉駅前は,相変わらず観光客で賑わっている.今日は日曜日.若い女性の姿が目立つ.鎌倉が若い人達にも愛されていることが良く分かる.鎌倉市民の一人として,とても嬉しいことである.約束の時間より,10分ほど早く,集合場所に到着する.偶然にも何人かの知人にバッタリ会う.彼らは紅葉の名所,獅子舞の谷へ行くとのことである.
 10時02分に,鎌倉駅前から歩き出す.
 東急デパートの前から路地を抜けて,若宮大路を横断,本覚寺の境内に入る.今日初めて参加した方も居られるので,境内にある正宗の墓を参拝する.
 私は,鎌倉にある数多くの寺の中で,この寺が一番好きである.その理由は,境内を自由に往来できるからである.境内を往来している市民がお釈迦様に守られ,とてもいい顔をして歩いているように見える.街の中に調和しながら溶け込んでいる寺のただずまいが,心を和ませてくれる.
 
      <正宗の墓>                      <妙本寺>

■別願寺:持氏の供養塔
 夷堂橋を渡って,妙本寺の前から,常永寺(ぼたもち寺),八雲神社前を通過する.この辺りまで来ると,観光客の数は,メッキリと少なくなる.大町四角の直ぐ東のバス通りに出る.
 10時29分,稲荷山(とうかさん)別願寺を詣でる.ここは,もともと,真言宗能成寺(のうじょうじ)であった.1,284年(弘安5年),公忍上人が一遍上人の弟子になって,覚阿と改名されたときに,この寺も時宗に改宗して,別願寺になったといわれる(鎌倉市教育委員会,2000,上巻,p.294).本尊は阿弥陀如来.
 室町時代には鎌倉公方代々の菩提寺で,当時は大規模な寺であったようである.
 境内には,高さ3.2メートルの大きな宝塔が立っている.これは鎌倉時代後期に造られた足利持氏の供養塔だといわれる(鎌倉市教育委員会,2000,上巻,p.294).
 私も,宝塔の写真を撮る.
 
           <別願寺の宝塔>               <広木松之助の墓>

■上行寺:左甚五郎の龍
 10時32分,別願寺の斜向かいにある法久山上行寺を詣でる.1,313年(正和2年),日範上人により創建された日蓮宗の寺である.
 この寺に立ち寄った目的は,江戸後期,熊本の大名細川氏が造ったといわれる本堂の表欄間にある龍の彫刻を見学することである.ここには左甚五郎が彫ったと書いた板が張り付けてある.
 入口から見て境内の左手に入る.そこには,1,860年(万延元年),桜田門外で大老井伊直弼を襲った水戸浪士,広木松之助の碑がある.ここも参拝する.

                    <左甚五郎の龍>

■銚子ノ井
 安養院脇の路地に入る.くねくねと曲がる路地を抜けて,大町3丁目の道路に出る.釈迦堂切通に通じる道である.この道をほんの40~50メートル北に進んで,再び右折する.すると閑静な住宅地になる.観光客の姿も殆どなく,時折,地元の方を見掛けるだけである.
 今日は社寺巡りが目的ではないので,妙法寺,安国論寺は参拝せずに通り過ぎる.ただ,通過してしまうのは,少々,残念だが,やむを得ない.
 横須賀線の踏切を渡って,逗子に向かう自動車道路に出る.丁度,長勝寺の前である.自動車道路に出ると,途端に自動車の騒音がうるさくなる.
 自動車道路を,俗称お化けトンネルの方に向かって,100メートルほど歩き,銚子ノ井を見学して,路地を抜け,古道に出る.
 銚子ノ井は,鎌倉十井の第1番の井戸である.石で造られた井戸の蓋が印象的である.別名,石の井とも呼ばれている.参加者の一人が,
 「へえ~・・・,こんなところに井戸があるの! 水,出るんですかね」
と質問する.私にも分からない.
 
            <銚子ノ井>                     <日蓮乞水>

■日蓮乞水
 古道を西に進む.右手にある日蓮乞水(あるいは日蓮水)と呼ばれる井戸を見学する.鎌倉五名水の一つである.1,253年(建長5年),日蓮上人が,32歳の時に鎌倉に出てきた.そのときに急に水が飲みたくなって,ここに杖を突き刺すと,水が湧き出てきたと伝えられている.
 一同,神妙に写真を撮る.

<まんだら堂>

■鎌倉市と逗子市の市境

 再び横須賀線の踏切を渡って,大町5丁目から,名越切通入口に入る.横須賀線の線路脇の斜面に造られたトラバース道を進む.振り返ると,長勝寺の伽藍の先に,真っ白な富士山が見えている.素晴らしい眺めである.
 ここは鎌倉七切通の一つである.
 線路脇の仮設道を過ぎると,立木が繁茂する薄暗い坂道になる.坂道を登り切った峠が,鎌倉市と逗子市の市境である.ここに苔むした大きな石(というか岩)が二つ横たわっている.
 近くに,史跡名越切通しと書いた説明版が立っている.

                <長勝寺・横須賀線電車・富士山>

■まんだら堂跡
 10時50分,まんだら堂跡に到着する.
 境内の受付で逗子市教育委員会悪性の案内書を頂戴する.私達はお師匠さんの説明を受けながら,境内をゆっくりと見学する.
 逗子市教育委員会(2008年)の資料によると,まんだら堂の名が確認できる最も古い文献は,1,584年(文禄3年)の見地帳だという.ここには畠の地名として記されているだけで,まんだら堂がどんな建物だったかは,全く分からないようである.
 ここには,150穴以上のヤグラが確認されているが,表土を削れば,さらに多くのヤグラが発見される可能性が高いという.
 葬られたのは,武士,僧侶,有力な商人だったようである.
 鎌倉時代後半から,室町時代中頃(15世紀)まで供養が行われていたらしい(以上,逗子市教育委員会資料から要約).
 境内で,たまたま居合わせた逗子教育委員会の方から,いろいろと説明を受ける.

■名越切通
 11時54分,まんだら堂を出発する.その足で,名越切通逗子口を一回りする.切通の様子は,先週のブログ記事で紹介した通りである.

■まんだら堂脇で昼食
 往路を引き返して,市境の尾根道に入る.
 まんだら堂脇の広場にマットを敷き,ここで昼食を摂る.今日の参加者は男性ばかりなので,特別のネーベンの提供もなく,黙々と昼食を摂る.時々,ハイカーが,私達が昼食を摂っている脇を通理過ぎていく.

                     <巡礼古道の石仏>

<巡礼古道から鎌倉駅へ>

■パノラマ台から巡礼古道へ

 昼食後,大切岸を経由して,パノラマ台へ向かう.
 ここを訪れるのは,私にとっても久々のことである.今日は天気がよいので,富士山がとても良く見えている.
 パノラマ台から,かまくら幼稚園前を通り抜ける.ここからの富士山の眺めも最高である.ただ残念なことに,目の前の記が育ちすぎて,眺望が少し悪くなっている.
 夕陽丘公園を経由して,巡礼古道に入る.途中,板碑や石仏を見学しながら,報国寺近くの登山口にでる.

                    <パノラマ台からの眺望>

■華頂宮邸
 報国寺口に下山後,華頂宮邸を訪れる.静かな庭園を一回りする.庭園から,見事に紅葉した衣張山か浅間山の山麓が見える.
 残念ながら,今日は公開日ではないので,邸内の見学はできないが,静かな庭園を散策していると,心が和んでくる.

                  <華頂宮邸庭園からの眺望>


                     <華頂の宮邸>

■田楽辻子から大御堂橋
 華頂宮邸から,谷戸の道を下り,報国寺前に出る.途端に沢山の観光客と出会う.報国寺入り口付近は,自動車や観光客で大混雑である.
 私達は,報国寺入口をスコしすぎた所から左折して,田楽辻子(でんがくずし)の道に入る.途端に観光客の姿が疎らになる.
 犬懸ヶ谷の十字路を通り過ぎる.ここから,平成巡礼道を登って,衣張山へ出てもいいなと思ったが,肝心のお師匠さんが,大分,お疲れのようなので,言い出すのをやめる.
 釈迦堂ヶ谷の三叉路で,釈迦堂切通を見学しようかとも思ったが,お疲れの方も居られるので,そのまま大御堂橋から,金沢街道に出る.

■混雑する鎌倉駅周辺
 バス通りに沿って歩き,宝戒寺前を通過して,小町通に入る.途中から右折して,住宅地の中の路地に入る.若宮幕府跡,大佛次郎邸,妙龍寺脇を通り過ぎて,宇津宮稲荷社から若宮大路に出る.再び,沢山の観光客の中に入り込む.
 直ぐに裏道に入る.卵焼きで有名なお店の前には,長蛇の列ができている.
 小町通入口近くの「モア」に入る.ここでティーブレーク.顔なじみのウエイトレスが,
 「しばらくぶりですね・・・」
と私に挨拶をする.
 15時52分に解散.
 少々歩き足りないなと思ったが,このまま歩いて家に帰ったら暗くなる.それも厭なので,バスに乗って帰宅する.
 今回の水平歩行距離は,カシミールでトレースすると,約7.4キロメートルであった.

[参考文献]
鎌倉市教育委員会,2000,『かまくら子ども風土記』上,中,下巻,鎌倉市教育委員会
逗子市教育委員会,2008,『平成20年度臨時公開資料:国指定史跡名越切通』,逗子市教育委員会

[ラップタイム]

10:11  鎌倉駅歩き出し
10:32  別願寺
10:35  上行寺
10:50  まんだら堂(11:54まで見学)
12:05  まんだら堂脇広場(12:55まで昼食)
13:15  パノラマ台
13:30  かまくら幼稚園前
13:45  巡礼古道入口
14:02  魔崖仏
14:05  報国寺側入口
14:12  華頂邸(14:17まで見学)
14:26  御堂橋
15:10  小町通「モア」(15:52まで懇親会)

[ハイキング記録]

■水平歩行距離 
   7.4km
■累積登攀下降高度  215m
■所要時間(休憩時間を含む)
 鎌倉駅 発     10:11
 鎌倉駅 着     15:10
 (所要時間)  4時間59分(4.98h) 
 水平歩行速度
   7.4km/4.98h=1.49km/h
                               (おわり)
「鎌っこ倉ぶ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/562b9fbb866158aeb14eaf0cfef14eea
「鎌っこ倉ぶ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/abead8638dc63e6f0c3c70f7eec80ead
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c1c962b7859870dc63e8cbffb7921ccc
「まんだら堂」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4c71ba4a330abef6d64f8b04bb4cf9ed


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2 コメント

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初めまして! (瑠美)
2008-12-11 23:31:53
初めまして!瑠美といいます。

登山がご趣味とは、いいですね。力強い山並みと雄大な景色は、格別なものと思います。私も自然や山が好きなので、お気持ちが分かるような気がします。

私は、今週の月曜日に、鎌倉に紅葉の撮影に出掛けたのですが、その際に、こちらのアドレスを教えて頂きました。ありがとうございます。また、立ち寄らせてもらいたいと思っていますので、その際も、よろしくお願いします。
返信する
コメント有り難うございます. (flower)
2008-12-12 12:42:08
瑠美様
コメント,有り難うございました.
これからが,鎌倉散策に最も良い季節です.
また,お立ち寄り下さい.
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