中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ペルー周遊記(62):第19日目(1):路線バスの長旅

2008年12月03日 23時23分14秒 | ペルー:ブランカ山脈ピスコ山登頂

                      <路線バスの車窓から>

       ペルー周遊記(62):第19日目(1):路線バスの長旅
             2008年7月19日(土)

<アンディーノクラブホテルの朝>

■素晴らしい朝の風景
 5時30分に起床.
 昨夜は余りよく眠れなかったが,今朝の体調は,まあ,まあ,のようである.まずは,贅沢に朝風呂に入る.熱いお湯にユッタリと浸かりながら,昨日,訪れた温泉は,一体,何だったのだろうかと思い始める.
 風呂から上がって,昨夜,読み放しにしていた資料などを片付けて,出発の準備をする.
 6時20分頃,ようやく東の空が明るくなりはじめた.明るくなるにつれて,高い山に囲まれたワラスの市街地がだんだんと見えるようになる.素晴らしい眺めである.朝日が白い山に反射して輝いている.


■レストランで朝食
 6時40分頃,部屋を出て,1階のレストランに向かう.
 ちょっと外に出てみる.ヒンヤリとした外気が流れてくる.今日も快晴である.
 6時45分から,朝食を摂る.
 オレンジジュース,卵二つのハムエッグ,パンとバター,コーヒー,デザートの西洋風ブレックファストである.パンが,柔らかくて,とても美味しい.
 コーヒーを飲み過ぎると,胃に良くないのは,よく分かっているが,素晴らしい香りに誘われて,ついついお代わりをしてしまう.
 
 <アンディーノクラブホテルの朝食>                     <路線バスのチケット>

■ワラスの路線バスターミナル
 7時30分,朝食を終えて,一旦,部屋に戻る.少し時間があるので,ベランダに出て,外の風景を大急ぎでスケッチする.屏風のようにそそり立つ高い山には,眩しい朝日が当たっているが,眼下の市街地は,まだ日陰になったままである.この素晴らしい景色も,これで見納めだなと思うと,少々寂しい.
 7時50分に,フロントでチェックアウトする.暫くの間,ロビーで送迎車を待つ.
 今日は,7月10日に,リマからワラスへ来た往路を,逆に辿って,リマへ戻る予定である(地図は「ペルー周遊記(35):第10日目(1):素晴らしいフリーウェー」を参照). 8時14分,送迎車がホテルに到着する.三井さんが送迎車から降りてくる.私達とは別のホテルに宿泊していた横田さんも,送迎車に乗っている.
 私達が送迎車に乗り込むと,路線バスターミナルへ向けて,直ぐに発車する.送迎車が,ワラス市内の,どこを,どう通っているのか,よく分からないが,お祭りのように賑やかな市街地を通り抜けて,8時25分に路線バスターミナルに到着する.
 ターミナルの待合室に入る.待合室の広さは100平方メートルほどもあるだろうか,20~30人ほど座れる長いすが2列に並んでいる.沢山の乗客がバスの到着を待っている.
 クラウディオさんの奥さんと,可愛い息子さんが,わざわざ私達を見送るために来ている.感謝.
 息子さんが,とても可愛いので,私は未使用のボールペンを1本,息子さんにプレゼントする.彼は白い歯を覗かせてニッコリと微笑みながら,「ありがとう・・」と礼を言う.そして,早速,自分の手の平に,ボールペンで落書きをする.
 小用がしたくなり,トイレに行く.トイレはかなり汚い.
 
      <バスターミナルの入口>                   <待合室>
  ※入口の坊やがクラウディオさんの息子さん       ※左端の民族衣装で着飾っているのがクラウディオ
                              さんの奥さん. 

<リマへ向けて出発>

■路線地図
 ワラスから,リマまでは,7月10日にリマからワラスへ移動した往路を,そのまま逆にたどる.ただ,往路は貸切の小型バスで移動したが,復路は一般の路線バスで移動するのが違う所である.
 ワラスからリマまでの移動距離は,約400キロメートルである.東海道新幹線に例えるならば,東京から岐阜羽島まで,東北新幹線に例えるならば,東京から古川までの距離とほぼ同じである.新幹線ならば,とちらも所要時間は,約3時間程度の距離である.


                 
※赤線に沿って移動する.
                      (地図の出所)"Huaraz PERU Map Guide(Free)"
                      http://www.andeanexplorer.com
                              ↑
        ここをクリックすると,カラーの地図の閲覧が可能である.

■素晴らしいバス

 9時15分,バスへのボーディングが始まる.改札口で金属探知器によるチェックを受ける.
 なかなか立派なバスである.入口から階段を上がると,通路の両側に2人掛のリクライニングシートが並んでいる.後方にはトイレもあるようである.
 荷物は,タグと引き替えに,係員が,階下の荷物室に,投げ入れている.私のシートは,進行方向左側,前から2列目の窓側である.私の横には,山旅スクール同窓生のIさんが座っている.一般の路線バスなので,多種多様な乗客が乗り込んでくる.どうやら満席のようである.
 定刻を少し過ぎた9時31分,私達を載せたバスは,いよいよリマに向けて発車する.これまで案内役をして頂いた三井さんは,このままワラスに残るので,これから先は,案内人なしで,リマで滞在予定のポコアポコまで辿り着かなければならない.正直な所,一抹の不安が残る.
 バスは,朝市だろうか,雑踏する市街地をユックリと走っている.街中は大変な人出である.バスに揺られていると,すぐに眠くなる.堪らず,暫くの間,ウトウトと居眠りをする.

               <朝から賑やかなワラスの商店街(9:32頃)>

■のどかな車窓
 10時07分,目が覚める.バスは随分とユックリした速度で,国道を南下している.
 進行方向左側に川が流れている.川向こうにはユーカリの林が続く.その先には,白く輝く山が聳えている.河原の芝生に日光が降り注いでいる.寝転んだら気持が良さそうである.
 時々,集落が現れる.先日(7月10日)の往路を引き返しているので,わざわざ地図をとりだして,現在地を確かめる気にもならない.
 さすがに幹線沿いの集落である.これまで,山間部で見掛けた粗末な家に比較すると,随分と立派な家が建ち並んでいる.
 集落が過ぎると,広々とした牧草地や,なだらかな丘陵が続く.時々,牛や子ども達の姿が見える.この辺りは,随分と豊かな所のように見受けられる.
 10時40分頃から登り坂になる.S字型のカーブが連続するようになる.

             <広々とした平原の向こうに高山が見える(10:55頃)>

■物売りが押し寄せる
 10時58分,128キロメートルポストを通過する.リマまで,後,128キロメートルである.丁度,東京から沼津位の距離である.在来線の東海道本線でも,2時間15分ほどで到着する距離である.そんな僅かな距離しか離れていないのに,これから先,一体,何時間,掛かるのだろうか.
 11時丁度,前方にかなり大きな集落が見え始める.地図で集落を確かめればよいのだが,何となく気が抜けていて,調べる気がしない.
 11時01分,集落の中心部の広場で停車する.ここで5分ほど休憩となる.
 バスが停まると,どこからともなく,物売りがドッと押し寄せてくる.そして,賑やかにがなり立てている.

               <前方に集落が見え始める(10:59頃)>
             ※集落に到着すると,物売りが押し寄せてくる.

■柱状節理の山
 11時05分に発車する.
 11時11分,バスは峠を越えて下り坂に差し掛かる.前方には柱状節理が発達した嶮しい山が聳えている.
 見るからに恐ろしげの山である.
 その山の裾を,ジグザクに曲がりながら,下り坂を進む.高度がドンドンと下がる.

                      <柱状節理の嶮しい山>

■頼りなげの緑の回廊
 12時29分,92キロメートルポストを通過する.そして,大きな集落を通過する.路肩には無数の落石が転がっている.日本だったら,通行止めになるような気がする.
 日光の九十九折りの坂道を,何倍にも大きくしたような坂道が続く.
 12時41分,84キロメートルポストを通過する.標高が大分低くなったらしくて,車窓から見える植生も大分変わってきたようである.トウモロコシ畠が,次第に多くなる.
 バスは,V字型の狭い谷間を走っている.両側の山々は,草木が1本もない禿げ山である.V字型の谷底を流れる川の僅かな流域だけに草木が生えている.車窓から見ると,禿げ山の谷間に細い帯状の緑が頼りなげに連なっているように見える.

           <川に沿って,細い緑のベルトが続いている(12:52頃)>

■バスのタイヤがパンク
 14時06分,標高300メートル付近を走行中に,突然,バスは路肩に停車する.どうやら,タイヤがパンクしたようである.窓越しに,道路を見ると,確かに舗装はされているが,至る所に穴があいている.これまで,バスは穴を避けながら,ユックリと走っていたことが分かる.運転手が,
 「タイヤのパンクを直すから,少しの間,待って下さい」
というような意味(?)のアナウンスをしてから下車する.もっとも,スペイン語のアナウンスだから,私にはチンプンカンプン.情況から判断して,そんな意味のアナウンスだろうと推察する.
 車内はザワザワし始める.何人かの乗客が,バスから降りて,タイヤ交換の見物をしたり,日光を浴びながら背伸びや欠伸をしている.
 ワラスを出発してから,もう4時間30分も,バスに乗りっぱなしである.もし,東京から東海道新幹線に乗っていたら,1,100キロメートル以上先の小倉に到着している.タイヤ交換を待ちながら,
 「交通網が発達した日本は凄いな・・・」
と頻りに思っている.

               <タイヤのパンク修理を見ながら一休み>

                               (つづく)
[加除修正]
2008/12/16 転換ミス訂正

 
「ペルー周遊記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/fecb1306260b5025a12384194d0cf405
「ペルー周遊記」の次回の記事
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このシリーズの最初の記事
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