<今日(3月9日)の尊仏山荘>
寒い丹沢:霧の塔ノ岳(第18回)
(単独山行)
2008年4月9日(水) 曇・霧
■登るのは今日しかない
ここ数日の天気は,低気圧が次々にやって来て,雨の日が続く。そんな毎日の中で,今日だけは「晴」の予報である。そうなると,今日,塔ノ岳に登ってしまわないと,また暫くの間,雨で家に閉じこめられることになる。
早速,登山に必要なものを入れっぱなしになっているリュックに,念のために,アイゼンを入れ,さらに暖かいことを想定して,何時もより500ミリリットルほど余計に飲料水を持って,5時10分に家を出る。
今回も経費節減コースを選んで,藤沢から小田急フリーキップを使って,7時12分頃,渋沢駅に到着する。7時17分発大倉行バスに乗車する。バスの中で,偶然,山旅スクール第8期の女性2人とバッタリ会う。
今日は,平日とはいえ,悪天候の連続する日々の中で,今日だけが晴の予想である。そんなこともあって,今日のバスには,珍しく沢山の登山客が乗り込んでくる。
■吹き荒れた強風の傷跡
大倉へ到着する。是から登る登山道は,昨日の激しい雨でドロドロになっているかもしれない。それに山頂付近は,ヒョッとして新雪が積もっているかもしれない。そこで,念のために,スパッツを装着する。
出発前にいろいろやっていたので,何時もより少し遅れて,7時45分に歩き出す。申し訳ないが,バスの中で偶然お会いしたスクールの皆様とは別行動をとることにする。
天気予報では,朝からピカピカの日差しが続くはずだったが,実際は厚い雲が垂れ込めている。ただ,登山口付近の登山道は,濡れてはいるものの,どれほどドロドロにはなっていない。ただ,昨日,強い風が吹き荒れたらしく,道路一面に吹き飛ばされた青い杉の葉が散らばっている。暫く登り続けると,倒木が登山道を塞いでいる。
<強風で落ち葉散乱:登山口近く>
<倒木が登山道の邪魔をする:堀山の家付近>
■あまり体調が良くない
歩き出してみると,今日の体調はあまり芳しくない。少々,身体が重いような感じがする。今日も体長を見ながら慎重に登ろうと決心する。
8時06分に観音茶屋を通過する。ここまでは,まあ,まあ,何時もの通りの進捗である。しかし,8時22分に見晴茶屋を通過する辺りから,足腰が何となく重い感じがしてくる。そこで,私は見晴茶屋の直ぐ先にある急坂を意識的にユックリと登る。そして,9時30分に一本松に到着する。その先の平らな尾根道でも,自重して速くは歩くことは避ける。
昨日吹き荒れた強風が,まだ収まっていない。ときどき強い風が木の枝を唸らせながら吹き抜ける。ダクロンのTシャツ一枚で登っている私は,風が吹き抜けるたびに寒い思いをする。
再び急な階段坂を登って,8時52分に駒止茶屋を通過する。大倉を歩き出してから,駒止茶屋までの今日の所要時間は,1時間07分である。ちなみに,4月5日に大倉尾根を往復したときは,ここまで59分で歩いている。従って,駒止茶屋に到着した時点で,すでに8分遅延していることになる。
<萱場平(定点観測):前日の雨にもかかわらず状態は良い>
■ご常連とすれ違う
堀山に差し掛かる。晴れていれば良く見えるはずの富士山が,今日は雲に覆われていて全く見えない。そればかりか,前方に見える花立から上は,厚い雲がまとわりついていて,山影が全く見えない。早く天候が回復することを願いながら登り続ける。
9時08分に堀山の家を通過する。小草平では,大きな杉の間に綺麗な富士山が見えるはずだが,今日は全く見えない。ただ真っ白な雲が広がっているだけである。
ここから先,花立山荘までは,急な登り坂を黙々と登るだけである。途中で,何時もの用に阿砂利とすれ違う。さらに,その先で,ご常連の三角髭紳士が降りてくるのと出会う。何時も花立場付近ですれ違うのに,今日は随分と下の方で擦れ違いになる。私が,
「おや,,,今日は随分とお早いですね・・・2時間切りましたね」
と挨拶する。
「いえ,いえ,今日は風が強くて・・・2時間15分ぐらいだったですよ」
<新雪が残る日陰道:金冷シ付近>
■強風の霧の中,とにかく寒い
9時47分に花立山荘を通過する。大倉からの所要時間は2時間02分。4月5日は1時間49分だった。従って,今日は13分余計に掛かっていることになる。
この辺りまで来ると,昨日降ったと思われる新雪が,あちこちに残っている。ただ,飛行者が多いために,登山道には新雪は殆ど残っていない。馬ノ背を通過して金冷シを10時丁度に通過する。この辺りの道路の状態は,多少,泥濘があるものの,4月5日よりは,大分乾いている。ただ,絶えず吹き抜ける冷たい風に,手がかじかんでくる。
塔ノ岳山頂直下には,まだ残雪がしつこく残っているが,アイゼンなしで十分歩ける状態である。風が強いものの,やや歩行速度を持ち直して,10時12分に何とか塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は,2時間27分と冴えないが,止むを得ない。
山頂は濃い霧に覆われている。辺りは良く見えないが,多分,山頂で休憩を取っている人は居ないだろう。私は,何時ものように,山頂で写真を撮る。最も霧で何も写らないが・・・
■尊仏山荘にて
尊仏山荘に入る。今日の小屋番はOさんである。先客はネコ好きのご常連紳士1人。営業部長は不在。山荘の温度計によると,10時10分現在の外気温は+0.7℃。この時期としてはやっぱり寒い。
Oさんは,テープレコーダーから,大好きなカントリーミュージックを,小さな音で流している。私は,例によって300円也のお茶を所望する。お茶を飲みながら,半時ほどボンヤリと過ごす。
やがて,途中で追い越させて頂いた方々が何人か,山荘に入ってくる。
「今日は2番バス,何人ぐらい乗っていましたか・・?」
とOさんから,私に定番の質問がある。
「2人組の賑やかなオバサンさん乗ってましたか?」
「2人組のオバサン,2組居ましたよ。でも,1組は山旅スクールで私の知り合い。猛一組は賑やかかどうか分かりません」
帰りしなに,Oさんから,
「今度,写真展をやりますので,見に来てくださいよ」
と言いながら,写真展「俺の丹沢」の案内を頂戴する。ちなみにこの展示会は入場無料,4月23日(水)から29日(火)まで,秦野市立野台1-2-5十全ビル2F「ぎゃらりーぜん」で開催される(電話0463-83-4031)。私も日程が合えば,是非,拝見したいと思っている。
■山旅スクールの皆さん
10時35分に下山を開始する。何だか疲れているので,ユックリと下山し続ける。
10時46分に金冷シを通過する。馬ノ背から花立場に向かう途中で,賑やかなオバサンらしい2人組とすれ違う。さらに花立場付近で,山旅スクール6期のお二人とすれ違う。
「・・・花立山荘の手前でflower-hillさんとすれ違いにならないように,頑張りましたよ・・・」
「・・・大したものですよ。この調子だと山頂まで3時間一寸ですよ」
「でも,flower-hillさんは,山荘で休んでいたんでしょう・・」
「ええ,,,30分ばかりお茶を飲んで遊んでいました・・・今日は山頂まで2時間27分ほどでした・・・」
このまま下っても,12時52分のバスに乗るのは辛い。それならば,13時22分のバスに乗ることにしようと心に決める。途端に少々気が抜ける。兎に角,寒い。私はリュックからウインドウブレーカーを引っ張り出して羽織る。
11時16分に花立山荘を通過する。ここまで下ると,どうやら雲の下に出たらしくて,下界の景色が見通せるようになる。そして気温も随分と高くなる。ときどき下界の景色を眺めながら,危険な下り階段を慎重に降り続ける。これから登っていく登山者と絶えずすれ違う。
11時20分,戸沢分岐を通過する。段々と気温が高くなり,薄日が射してくる。そして,だんだんと眠くなってくる。どこか適当な斜面に寝転んで昼寝をしたら気分が良いだろうなと思い続ける。
堀山の家近くまで下った頃,下の方から見覚えのある帽子が登ってくる。山旅スクール6期のスケルトンさんである。久々の出合である。
「このところ,皆さんに会えなくて・・・」
とスケルトンさんが言う。これからは,水曜日と土曜日はスケジュールの都合が付けやすいとのことなので,私もなるべく水,土に塔ノ岳詣でをしようかとも思う。もっとも,私の場合は,お天気次第だが・・・
■富士山が見えだした
11時42分に堀山を通過する。往路の時よりも,幾分雲が高くなり,裾野まで雪で真っ白になった富士山が見えている。ただ,富士山の背景は白い雲である。私は定点観測をしている場所から富士山の写真を撮る。
するとすぐ側から,
「・・やっと富士山が見え出しましたね・・」
と私に話しかける人が居る。ビックリして声の方を見ると,先ほど尊仏山荘でお会いしたネコ好きのご常連である。傍らの草むらに腰を下ろして,弁当を広げている。富士山を見ながらの昼食とは,なかなか風流である。
「今日は寒かったですね・・・」
と互いにもう一度挨拶する。
私は,16時から始まるテレビ「水戸黄門」が見たいので,失礼して先を急ぐ。
■予定通り
11時51分に駒止茶屋を通過する。ウグイスの鳴き声が聞こえてくる。気温がさらに上って,ホカホカ陽気になる。バスの時間までに,ユックリ行けばよいと思うと,ついついダラダラ歩きになる。その間に,2~3人の登山客に追い抜かれる。
13時01分,大倉に到着する。下りの所要時間は,実に2時間47分。登りの所要時間より20分も余計に掛けたことになる。
トイレ前の洗い場で,靴の泥を綺麗に落とす。そして,身支度を整える。そして,予定通り,13時22分のバスに乗車する。
<裾野は春爛漫:登山口付近の克童窯>
[ラップタイム]
7:45 大倉歩き出し
7:50 登山口
7:58 丹沢ベース
8:06 観音茶屋
8:10 分岐
8:20 雑事場ノ平
8:22 見晴茶屋
8:38 一本松
8:52 駒止茶屋
9:02 堀山
9:08 堀山ノ家
9:23 戸沢分岐
9:25 萱場平
9:47 花立山荘
10:00 金冷シ
10:12 塔ノ岳山頂 着
=================================
10:35 塔ノ岳山頂 発(+0.7℃)
10:46 金冷シ
11:06 花立山荘
11:18 萱場平
11:20 戸沢分岐
11:32 堀山ノ家
11:42 堀山
11:51 駒止茶屋
12:05 一本松
12:20 見晴茶屋
12:22 雑事場ノ平
12:32 分岐
12:37 観音茶屋
12:45 丹沢ベース
12:54 登山口
13:01 大倉 着
[山行記録]
■登攀・下降高度 1201m
■水平移動距離 6.5km
■登攀所要時間
大倉発 7:45
塔ノ岳山頂着 10:12
(所要時間) 2時間27分(2.45h)
登攀速度 1,201m/2.45h=490.2m/h
■下降所要時間
塔ノ岳山頂発 10;35
大倉発 13:01
(所要時間) 2時間47分(2.78h)
下降速度 1,201m/2.78h=432.0m/h
(おわり)
寒い丹沢:霧の塔ノ岳(第18回)
(単独山行)
2008年4月9日(水) 曇・霧
■登るのは今日しかない
ここ数日の天気は,低気圧が次々にやって来て,雨の日が続く。そんな毎日の中で,今日だけは「晴」の予報である。そうなると,今日,塔ノ岳に登ってしまわないと,また暫くの間,雨で家に閉じこめられることになる。
早速,登山に必要なものを入れっぱなしになっているリュックに,念のために,アイゼンを入れ,さらに暖かいことを想定して,何時もより500ミリリットルほど余計に飲料水を持って,5時10分に家を出る。
今回も経費節減コースを選んで,藤沢から小田急フリーキップを使って,7時12分頃,渋沢駅に到着する。7時17分発大倉行バスに乗車する。バスの中で,偶然,山旅スクール第8期の女性2人とバッタリ会う。
今日は,平日とはいえ,悪天候の連続する日々の中で,今日だけが晴の予想である。そんなこともあって,今日のバスには,珍しく沢山の登山客が乗り込んでくる。
■吹き荒れた強風の傷跡
大倉へ到着する。是から登る登山道は,昨日の激しい雨でドロドロになっているかもしれない。それに山頂付近は,ヒョッとして新雪が積もっているかもしれない。そこで,念のために,スパッツを装着する。
出発前にいろいろやっていたので,何時もより少し遅れて,7時45分に歩き出す。申し訳ないが,バスの中で偶然お会いしたスクールの皆様とは別行動をとることにする。
天気予報では,朝からピカピカの日差しが続くはずだったが,実際は厚い雲が垂れ込めている。ただ,登山口付近の登山道は,濡れてはいるものの,どれほどドロドロにはなっていない。ただ,昨日,強い風が吹き荒れたらしく,道路一面に吹き飛ばされた青い杉の葉が散らばっている。暫く登り続けると,倒木が登山道を塞いでいる。
<強風で落ち葉散乱:登山口近く>
<倒木が登山道の邪魔をする:堀山の家付近>
■あまり体調が良くない
歩き出してみると,今日の体調はあまり芳しくない。少々,身体が重いような感じがする。今日も体長を見ながら慎重に登ろうと決心する。
8時06分に観音茶屋を通過する。ここまでは,まあ,まあ,何時もの通りの進捗である。しかし,8時22分に見晴茶屋を通過する辺りから,足腰が何となく重い感じがしてくる。そこで,私は見晴茶屋の直ぐ先にある急坂を意識的にユックリと登る。そして,9時30分に一本松に到着する。その先の平らな尾根道でも,自重して速くは歩くことは避ける。
昨日吹き荒れた強風が,まだ収まっていない。ときどき強い風が木の枝を唸らせながら吹き抜ける。ダクロンのTシャツ一枚で登っている私は,風が吹き抜けるたびに寒い思いをする。
再び急な階段坂を登って,8時52分に駒止茶屋を通過する。大倉を歩き出してから,駒止茶屋までの今日の所要時間は,1時間07分である。ちなみに,4月5日に大倉尾根を往復したときは,ここまで59分で歩いている。従って,駒止茶屋に到着した時点で,すでに8分遅延していることになる。
<萱場平(定点観測):前日の雨にもかかわらず状態は良い>
■ご常連とすれ違う
堀山に差し掛かる。晴れていれば良く見えるはずの富士山が,今日は雲に覆われていて全く見えない。そればかりか,前方に見える花立から上は,厚い雲がまとわりついていて,山影が全く見えない。早く天候が回復することを願いながら登り続ける。
9時08分に堀山の家を通過する。小草平では,大きな杉の間に綺麗な富士山が見えるはずだが,今日は全く見えない。ただ真っ白な雲が広がっているだけである。
ここから先,花立山荘までは,急な登り坂を黙々と登るだけである。途中で,何時もの用に阿砂利とすれ違う。さらに,その先で,ご常連の三角髭紳士が降りてくるのと出会う。何時も花立場付近ですれ違うのに,今日は随分と下の方で擦れ違いになる。私が,
「おや,,,今日は随分とお早いですね・・・2時間切りましたね」
と挨拶する。
「いえ,いえ,今日は風が強くて・・・2時間15分ぐらいだったですよ」
<新雪が残る日陰道:金冷シ付近>
■強風の霧の中,とにかく寒い
9時47分に花立山荘を通過する。大倉からの所要時間は2時間02分。4月5日は1時間49分だった。従って,今日は13分余計に掛かっていることになる。
この辺りまで来ると,昨日降ったと思われる新雪が,あちこちに残っている。ただ,飛行者が多いために,登山道には新雪は殆ど残っていない。馬ノ背を通過して金冷シを10時丁度に通過する。この辺りの道路の状態は,多少,泥濘があるものの,4月5日よりは,大分乾いている。ただ,絶えず吹き抜ける冷たい風に,手がかじかんでくる。
塔ノ岳山頂直下には,まだ残雪がしつこく残っているが,アイゼンなしで十分歩ける状態である。風が強いものの,やや歩行速度を持ち直して,10時12分に何とか塔ノ岳山頂に到着する。大倉からの所要時間は,2時間27分と冴えないが,止むを得ない。
山頂は濃い霧に覆われている。辺りは良く見えないが,多分,山頂で休憩を取っている人は居ないだろう。私は,何時ものように,山頂で写真を撮る。最も霧で何も写らないが・・・
■尊仏山荘にて
尊仏山荘に入る。今日の小屋番はOさんである。先客はネコ好きのご常連紳士1人。営業部長は不在。山荘の温度計によると,10時10分現在の外気温は+0.7℃。この時期としてはやっぱり寒い。
Oさんは,テープレコーダーから,大好きなカントリーミュージックを,小さな音で流している。私は,例によって300円也のお茶を所望する。お茶を飲みながら,半時ほどボンヤリと過ごす。
やがて,途中で追い越させて頂いた方々が何人か,山荘に入ってくる。
「今日は2番バス,何人ぐらい乗っていましたか・・?」
とOさんから,私に定番の質問がある。
「2人組の賑やかなオバサンさん乗ってましたか?」
「2人組のオバサン,2組居ましたよ。でも,1組は山旅スクールで私の知り合い。猛一組は賑やかかどうか分かりません」
帰りしなに,Oさんから,
「今度,写真展をやりますので,見に来てくださいよ」
と言いながら,写真展「俺の丹沢」の案内を頂戴する。ちなみにこの展示会は入場無料,4月23日(水)から29日(火)まで,秦野市立野台1-2-5十全ビル2F「ぎゃらりーぜん」で開催される(電話0463-83-4031)。私も日程が合えば,是非,拝見したいと思っている。
■山旅スクールの皆さん
10時35分に下山を開始する。何だか疲れているので,ユックリと下山し続ける。
10時46分に金冷シを通過する。馬ノ背から花立場に向かう途中で,賑やかなオバサンらしい2人組とすれ違う。さらに花立場付近で,山旅スクール6期のお二人とすれ違う。
「・・・花立山荘の手前でflower-hillさんとすれ違いにならないように,頑張りましたよ・・・」
「・・・大したものですよ。この調子だと山頂まで3時間一寸ですよ」
「でも,flower-hillさんは,山荘で休んでいたんでしょう・・」
「ええ,,,30分ばかりお茶を飲んで遊んでいました・・・今日は山頂まで2時間27分ほどでした・・・」
このまま下っても,12時52分のバスに乗るのは辛い。それならば,13時22分のバスに乗ることにしようと心に決める。途端に少々気が抜ける。兎に角,寒い。私はリュックからウインドウブレーカーを引っ張り出して羽織る。
11時16分に花立山荘を通過する。ここまで下ると,どうやら雲の下に出たらしくて,下界の景色が見通せるようになる。そして気温も随分と高くなる。ときどき下界の景色を眺めながら,危険な下り階段を慎重に降り続ける。これから登っていく登山者と絶えずすれ違う。
11時20分,戸沢分岐を通過する。段々と気温が高くなり,薄日が射してくる。そして,だんだんと眠くなってくる。どこか適当な斜面に寝転んで昼寝をしたら気分が良いだろうなと思い続ける。
堀山の家近くまで下った頃,下の方から見覚えのある帽子が登ってくる。山旅スクール6期のスケルトンさんである。久々の出合である。
「このところ,皆さんに会えなくて・・・」
とスケルトンさんが言う。これからは,水曜日と土曜日はスケジュールの都合が付けやすいとのことなので,私もなるべく水,土に塔ノ岳詣でをしようかとも思う。もっとも,私の場合は,お天気次第だが・・・
■富士山が見えだした
11時42分に堀山を通過する。往路の時よりも,幾分雲が高くなり,裾野まで雪で真っ白になった富士山が見えている。ただ,富士山の背景は白い雲である。私は定点観測をしている場所から富士山の写真を撮る。
するとすぐ側から,
「・・やっと富士山が見え出しましたね・・」
と私に話しかける人が居る。ビックリして声の方を見ると,先ほど尊仏山荘でお会いしたネコ好きのご常連である。傍らの草むらに腰を下ろして,弁当を広げている。富士山を見ながらの昼食とは,なかなか風流である。
「今日は寒かったですね・・・」
と互いにもう一度挨拶する。
私は,16時から始まるテレビ「水戸黄門」が見たいので,失礼して先を急ぐ。
■予定通り
11時51分に駒止茶屋を通過する。ウグイスの鳴き声が聞こえてくる。気温がさらに上って,ホカホカ陽気になる。バスの時間までに,ユックリ行けばよいと思うと,ついついダラダラ歩きになる。その間に,2~3人の登山客に追い抜かれる。
13時01分,大倉に到着する。下りの所要時間は,実に2時間47分。登りの所要時間より20分も余計に掛けたことになる。
トイレ前の洗い場で,靴の泥を綺麗に落とす。そして,身支度を整える。そして,予定通り,13時22分のバスに乗車する。
<裾野は春爛漫:登山口付近の克童窯>
[ラップタイム]
7:45 大倉歩き出し
7:50 登山口
7:58 丹沢ベース
8:06 観音茶屋
8:10 分岐
8:20 雑事場ノ平
8:22 見晴茶屋
8:38 一本松
8:52 駒止茶屋
9:02 堀山
9:08 堀山ノ家
9:23 戸沢分岐
9:25 萱場平
9:47 花立山荘
10:00 金冷シ
10:12 塔ノ岳山頂 着
=================================
10:35 塔ノ岳山頂 発(+0.7℃)
10:46 金冷シ
11:06 花立山荘
11:18 萱場平
11:20 戸沢分岐
11:32 堀山ノ家
11:42 堀山
11:51 駒止茶屋
12:05 一本松
12:20 見晴茶屋
12:22 雑事場ノ平
12:32 分岐
12:37 観音茶屋
12:45 丹沢ベース
12:54 登山口
13:01 大倉 着
[山行記録]
■登攀・下降高度 1201m
■水平移動距離 6.5km
■登攀所要時間
大倉発 7:45
塔ノ岳山頂着 10:12
(所要時間) 2時間27分(2.45h)
登攀速度 1,201m/2.45h=490.2m/h
■下降所要時間
塔ノ岳山頂発 10;35
大倉発 13:01
(所要時間) 2時間47分(2.78h)
下降速度 1,201m/2.78h=432.0m/h
(おわり)