中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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思親山・長者ヶ岳・天子ヶ岳縦走(2)

2006年01月15日 11時01分33秒 | 関東・伊豆箱根・上信越
第2日目:1月13日(金)。長者ヶ岳・天子ヶ岳縦走
●コース概況:
 コース:佐野登山口→上佐野分岐→長者ヶ岳(往復)→上佐野分岐→天子ヶ岳→白糸の滝
 標 高 差:約1000m(累積)
 歩行距離:約13km
●歩行記録
 あいにくの曇り空である。
 6時頃起床する。すぐに,食堂で思い思いの朝食を摂る。何人かの方が差し入れてくれたインスタントみそ汁が美味しい。私はアジフライと「うどん」で朝食を済ませる。
 7時頃,佐野清涼荘を出発する。暫くの間,集落の中央を通る舗装道路に沿って北へ進む。この道は,1日3往復の村営バスが通る目抜き通りである。道路の両側には,パラパラと民家が散在している。佐野川を渡って,山裾を回り込むようにして登山道に入る。この辺りには檜の国有林が広がっている。丁度,伐採が進んでいる。
谷間の登山道を登っていくと,前方から人の声が聞こえてくる。やがて,この人達に追いつく。先頭を歩いていた私は,挨拶をしながら,どちらから来たかと伺ってみる。
「福島から来たんダ・・・木材の伐採に来たんだよ。で,あんた達は,これから山サ,登るうんケ・・」
と聞いてくる。
 深い谷間に急傾斜の登山道が続く。谷間の右岸左岸を縫うように進む。途中まで,伐採作業のために臨時に設けられた登山道を登る。ゆっくりとしたピッチで,着実に高度を稼ぐ。
 途中に「天者名水」という水飲み場があるはずだが,枯れているようで見当たらない。
標高が上がるにつれて,日の当たらない北傾斜のトラバース道に,残雪が目立つようになる。ザレた斜面が所々で崩落している。長い木道が次々に表れる。雪を被った木道は,とても滑りやすくなっている。かなり長い間,緩い勾配の道路が続く。滑りやすい登山道を慎重に歩き続ける。
 1030mピークを過ぎると急な下り坂のジグザグ道になる。北斜面なので,5cmほどの積雪がある。軽アイゼンを履いた方が良いかなと一瞬迷うが,道の斜面に木の枝が沢山あるので,これらに掴まりながら,慎重に降りれば問題なさそうなので,ノーアイゼンのまま進む。標高差で30mほど下ると,再び緩傾斜のトラバース道になる。
 気が付くと,昨日の思親山に始まり,これまで,市役所の方や伐採作業をする方には合ったものの,登山者には全く出会っていない。今,私達が登っている道は新雪に覆われている。ただ,動物の足跡が延々と続いている。ときどき黒い色の排泄物がある。この排泄物の形を見るとウサギではない。貂だろうか。私達は貂の足跡に導かれるようにして,ときどき荒れて道筋が不明瞭になる山道を進む。
 やがて急勾配のジグザク道が続くようになる。雪の下がザレていて滑りやすい。当初予想していたより随分と長い道のりである。
やがて,前方に稜線が見えるようになる。落石を起こさないように注意しながら,喘ぐように急坂を登り詰める。そして,長者ヶ岳と天子ヶ岳を結ぶ稜線の鞍部,上佐野分岐に出る。稜線に出ると,人の踏み跡が見えるようになる。案内板が建っている。
案内板の下に注意書きが貼り付けてある。この注意書きには,
「冬期には,山梨県側の登山道は危険なので熟達者以外は下山しないこと」
と書いてある。私達は熟達者ではないが,注意書きを知らずに,この道を登ってきたことになる。
 峠で小休止後,長者ヶ岳を目指す。稜線に残雪があるものの,これまでの道に比較すると,とても歩きやすい。相変わらず曇天だが雨は降っていない。林を通して右手を見ると,山頂に傘雲が巻き付いた富士山が黒いシルエットのように見える。
 やや急な坂を登ると,気持ちの良いなだらかな尾根道が続く。そして最後の坂道を登り詰めると広々とした山頂に到着する。山頂にはベンチが2組ある。充分時間があるので,ここで昼食とティータイムを摂ることにする。
 水を出し合って,お湯を沸かす。ベンチを囲んで,楽しく語り合う。コーヒー,紅茶,各種スープなど出し合いながら楽しむ。
 昼食後,往路を引き返す。平易な下り坂なので,足下に注意しながらも,かなり速い速度で,上佐野峠まで下る。ここで一呼吸置いて,「これから坂道を登るぞ」と自分に言い聞かせる。
 ここから天子ヶ岳山頂までは,岩稜沿いのやや急なジグザグ道が続く。坂道を,20分余り,一気に登ると天子ヶ岳南峰に到着する。途中,天子ヶ岳北峰を通過したはずだが,北峰の位置は不明瞭である。
 山頂を少し下ると「展望台」という標識がある。展望台からは,目の前の富士山が良く見える。眼下には広大な山麓が広がっている。高曇りの空を背景にして,傘雲を被った富士山が黒く霞んで見える。
 天子ヶ岳山頂の標識を入れて集合写真を撮り合う。
 天子ヶ岳山頂から,暫くの間は,なだらかな稜線沿いの道が続く。残雪もほとんどなく快適である。しかし,なだらかな道もすぐ終わりになる。それから先はかなり急なザレ道になる。残雪がザレた路面を覆っている。かなり滑りやすいジグザグ道が暫くの間続く。一歩一歩注意しながら慎重に下る。
 やがて,登山道は林の中を下るようになる。視界がなく不気味な急坂の連続である。雨で流されたのだろうか,道路は荒れている。ウンザリするほど長い道である。
 やがて,林を抜け出て富士山が良く見える展望台に到着する。えぐられた登山道の縁に生えている枯れススキを通して大きな富士山が見える。ここから先の登山道は,やや緩傾斜になったが,相変わらずのザレ道で滑りやすい。道幅は随分と広くなっいるが,雨水に流されていて荒れている。山頂から約1時間ほど下ったところで,林道に飛び出る。
ここは,登山道と林道が交差する十字路である。呼吸を整えるために小休止する。折からトラック1台が林道を下ってくる。
再び登山道に入る。ここからは,林の中を,だらだらとした単調な道が続く。かなり長い道のりである。ウンザリするほど下ると,広い林道と交差する。ここに「天子ヶ岳登山口」と書いた案内板が建っている。さらに下ると右手に白山神社が見えてくる。そして佐折地区の集落に出る。この辺りの道路は地形図とかなり異なっているので,どちらの方向へ行くのかで多少迷う。
全く自動車が通っていない広い舗装道路をテクテクと歩き続ける。どうやら「原」という集落らしい。ダラダラの坂道を登ると交差点に出る。そこにバス停の標識がある。地図手確かめるとバス停「立石」である。ここかバス停「白糸の滝」まで1km余り。15時00分発のバスには,まだ時間があるので,ついでに歩いてしまう。いざ歩いてみると単調な舗装道路は結構な道程に感じる。
バスに乗車したのは私達一行だけである。途中道路は渋滞している。私はいつの間にか居眠りをしていた。
15時40分に富士宮駅に到着する。富士宮駅は,随分立派な駅に建て替えられている。16時01分発富士行の電車に乗る。1両だけの編成である。車内は高校生で一杯である。
富士で三島行の電車に乗車,沼津で熱海行に,熱海で隣ホームに移動して東京行に乗り換える。乗換ばかりで何とも不便である。
 私達湘南カラビナ隊の「思親山・長者ヶ岳・天子ヶ岳縦走」は成功裏に終わった。


[ラップタイム]

第1日目。 1月12日(木)。快晴

 8:54  〃 発
  ∥ (見延線)
 9:40 井川着
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 9:55 歩き出し
  ↓
10:21 330mm地点
10:24 (衣服調整)
  ↓
10:43 源立寺入口
  ↓
10:45 源立寺本堂(400m)
10:55 (休憩)
  ↓
11:05 自動車道を交差(490m)
  ↓
11:09 再び自動車道に出る
  ↓
11:10 山道に入る(460m)
  ↓
11:46 655m地点
11:50 (休憩)
  ↓
12:07 林道交差点
12;21 (休憩)
  ↓
13:00 思親山山頂(1030m)
13:57 (休憩)
  ↓
14:27 佐野峠(900m)
14:36 (休憩)
  ↓
15:30 佐野清涼荘に到着

第2日目。1月13日(金)。曇

 7:04 佐野清涼荘歩き出し
  ↓
 7:22 栃広橋を渡る
  ↓
 7:26 登山道入口
  ↓
 7:53 570m地点
 7:58 (休憩)
  ↓
 8:22 745mベンチ
 8:30 (小休止)
  ↓
 9:23 1010m地点
 9:30 (小休止)
  ↓
10:34 上佐野峠
10:48 (休憩)
  ↓
11:09 長者ヶ岳着(1336m)
11:37   〃 発
  ↓
11:52 上佐野峠
11:56 (小休止)
  ↓
12:19 天子ヶ岳南峰着(1330m)
  ↓
12:22 展望台着
12:27  〃 発
  ↓
12:30 再び天子ヶ岳山頂
  ↓
13:46 林道に出る
13:55 (休憩)
  ↓
14:14 登山道入口
  ↓
14:19 白山神社前
  ↓
14:48 バス停白糸の滝
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15:00 バス停白糸の滝発
  ∥ (富士急静岡バス)
15:40 富士宮 着


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