中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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涼しい風とネコが元気な丹沢:塔ノ岳

2011年07月09日 09時43分02秒 | 丹沢の山旅

                                <花立山からの眺望>

      涼しい風とネコが元気な丹沢:塔ノ岳(今年29回目)
         (登り単独;下りM氏に同行)
          2011年7月8日(金)

■やっと塔ノ岳へ
 7月1日から7日まで開催されていた鎌倉美術展が終わった.開催期間中は,私の絵を見に来られた皆様をご案内するために,ほぼ毎日会場を訪れていた.そのため,前回,6月29日(水)に塔ノ岳を往復してから,もう1週間以上経過している.もう,これ以上,登山の間を開けると,体力の低下が著しくなる.幸いなことに,今日,7月8日は,何とか天気が持ちそうである.私は,早速,丹沢塔ノ岳を往復することにする.
 天気予報によると,今日の日中は晴.暑そうである.前回,2リットルの水を飲んでしまったことを踏まえて,今日も多めに2リットルの水をハイドレーションシステムに入れて,何時ものように5時10分に家を出る.
 大船駅発5時44分の電車に乗車する.ホームで電車を待っているときに,五十三次洛遊会のMさんにバッタリ会う.Mさんも塔ノ岳に登るという.Mさんと一緒に小田原経由で小田急渋沢駅へ.
 渋沢発大倉行1番バスの乗客は何時もにように10数名.韋駄天のTさん,M川さん,カメラマンのMさん,N村(弟)さん,K井さん他.バスの中で雑談を交わす.
 雑談の最中に,韋駄天のTさんとM川さんが,わざわざ鎌倉美術展に来て頂いたと聞かされる.有り難いことである.私は私の絵をパソコンで印刷した絵はがきを1枚ずつお渡しする.本当はちゃんと郵便で送るのが本当なんだろうが・・

■行方不明者
 バスに乗ると,2人の警察官が乗ってくる.丹沢で行方不明者がいるので,協力して探して欲しいとのこと.行方不明になっている男性の写真が入ったチラシを手渡される.
 この男性は,秦野市に住む82歳の方.7月6日5時頃,塔ノ岳に行くと言って家を出たまま行方不明になっているという.


■2匹のネコ
 7時丁度にバスは大倉に到着する.ご常連はそそくさとすぐに歩き出す.何時ものようにモタモタしている内に取り残される.私,Mさん,それに男性1人の3人が取り残される.
 目の前で,2匹のネコがじゃれ合っている.歩き出す前にネコに会うとは珍しい.早速,2匹のネコの写真を撮る.
 7時08分,それでもMさんより一足先に歩き出す.気温はすでに27℃に達している.
 歩き出してすぐに自分の身体が重たいことに気がつく.やっぱり1週間以上間を開けているので,歩き出しは調子が出ない.熱中症も気になるので,ユックリ,ユックリと歩き続ける.


■アジサイに見送られて登山道へ
 歩き出しの舗装道路の路面は乾いている.ここは見た目よりは急傾斜の登り坂.注意して歩かないとすぐに息切れしてしまう.進行方向左側のアジサイを見ながら登山口に到着する.登山口から先は緑一杯の森林に入る.途端に足許のジメジメが気になり始める.
 克董窯付近で,O川さんに追い付く.暫くの間,雑談.
 ヤブ蚊が顔の周りをうるさく飛び回り始める.
 今日も湿度は高そうだが,幸いなことに弱い風が吹いている.ちょっとした風だが,肌にまとわりついているベタベタを吹き払ってくれるので有り難い.




■駒止茶屋
 7時48分,雑事場ノ平を通過して尾根道に入る.途端に尾根を越えて福海風が吹いている.実に気持ちが良くて,救われたような気分になる.
 見晴茶屋を過ぎて,急坂に差し掛かる.坂の遙か上を歩いているカメラマンのMさんの後ろ姿が小さく見えている.後ろ姿が見えれば当然追い付きたくなるが,今日は自重して,とにかく熱射病にならないことだけを念頭に置いて,決して悪い汗をかいたり,呼吸が荒くなったりしないように,細心の注意をしながら登り続ける.
 8時09分に一本松を通過する.歩き出してからもう1時間が経過している.本来ならば駒止茶屋手前の急坂を,もう少しで登り切る位の時間である.
 「・・いくら何でも,遅すぎるかな・・」
と急ぎたくなる気持ちになるが,ここはぐっと押さえる.
 登山道周辺の森から,蝉だろうか,ギギギ・・という多少耳障りな啼き声が絶えず聞こえ出す.時々,ギギギを遮るように,透明なウグイスの啼き声が聞こえてくる.


■堀山の富士山は残念
 堀山の尾根に到着する.今朝,小田急電車が新松田手前を走っているときには矢倉岳の向こうに富士山がクッキリと見えていたが,今はもう雲に隠れている.気温22℃.絶え間なく海風が吹いているので,歩いていても,とにかく心地よい.こんなに気持ちの良い場所を,何も急いで歩くことも無かろうと思う反面,あんまりユックリ歩いていては帰りが遅くなってしまうという気持ちが交錯する.
 8時34分,堀山を通過する.


■Kさんの道普請
 なだらかな下り坂に差し掛かる.
 同じバスに乗っていたご常連のKさんが,一人で道普請をしている.もちろんボランティア.頭が下がる.
 「スミマセン,・・お手伝いもしないで・・・」
と頭を下げて,先に行かせて貰う.


■堀山の家を通過
 遅れに遅れて,8時44分,やっと堀山の家に到着する.ベンチでカメラマンのMさんが給水休憩を取っている.
 「・・ボチボチ,先に行かせて貰います・・」
と挨拶して,そのまま登り続ける.
 ここから花立山荘まで長い登り坂になるが,流れ出るような汗は絶対にかかないで登りたいなと思っている.そのために,無理なく,そのかわり長時間持続できる歩行速度を意識しながら,自動機械になったような積もりで,同じペースを保ちながら登り続ける.
 戸沢分岐手前で,長身の男性に追い付く.名前は知らないが,よく見掛ける方である.狭い階段道なので,追い越すわけにも行かないので,暫くの間,すぐ後ろに付いて登り続ける.内心では,
 「(同じペースで登りたいので),道を譲ってくれないかな・・」
と思っているが,小心者の私は,
 「先に行かせて下さい・・」
とはよう言えん.
 ちょっと道幅が広くなった所で,この男性は突然止まり,“はあ~”と大きく呼吸をして,大汗でビッショリになった顔のまま,ボデーランゲージで,私に先に行けという.
 9時05分,漸く萱場平に到着する.調子が良ければ花立山荘に到着している時間である.
 ベンチで男性が休憩を取っている.
 そのまま登り続ける.
 
<萱場平>

■花立山荘
 後7分坂に差し掛かるところで,下山してくるN村(弟)さんとすれ違う.
 「写真を撮らせて下さい」
とお断りして,下山していく姿を撮る.偶然,同じ画面の中に,私のすぐ後ろピッタリにカメラマンのMさんが写っている.
 後7分坂を何とか通常の所要時間で登って,9時28分に花立山荘を通過する.元気なときなら,塔ノ岳山頂直下の階段を登っている時間である.
 相変わらず富士山は見えない.


■花立山
 歩き出しがユックリだったので,全く疲労感はない.そのままのペースで登り続ける.晴れていれば,この辺りの露岩帯から遠く富士山,南アルプスが見えるはずだが,今日は雲の中.それでも涼しい風が絶えず吹いていて,何とも心地よい.
 坂の上から,韋駄天のTさんが下ってくる.この体力の差,もうどうにもならない.私は自分の体力のなさが情けなくなる.

<韋駄天のTさんが下る>

■金冷シ
 馬の背に差し掛かると,霧の合間に近く山肌が透けて見えはじめる.シルエットのような木の陰が素晴らしい.
 「ああ・・良いな.綺麗だな・・」
私は時々立ち止まって,景色を眺めたり写真を撮ったりしながらノンビリと歩き続ける.頭の中で,
 「・・ここまで登ったら,速く登っても,遅く登っても,所要時間に5分と差が出ないよ・・」
という怠惰な気持ちが過(よ)ぎっている.


■塔ノ岳山頂
 10時丁度に塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,2時間54分.ぶざまな記録である.山頂の気温は20℃.涼しい風が絶えず吹いている.霧が立ちこめていて,周囲の見晴らしはゼロ.でも,儀式として,周囲の写真を何枚か撮る.
 「時間が押している・・涼しいので,このまま外で休憩して,尊仏山荘には寄らずに下山しようかな・・」
と迷う.
 丁度そのとき,チャンピョンが尊仏山荘に入ろうとしている.チャンピョンの後ろに,ネコのミー君がまるでチャンピョンの従者のように従っている.この光景を見て,帰りが遅くなっても,やっぱり尊仏山荘に立ち寄ろうと決める.


■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.今日の小屋番はオーナーのHさん.1番バスのご常連は,私が山荘に入ったときは,もうとっくに下山している.見知らぬ中年の夫婦が先客で居る.
 チャンピョンが,キャットフードのようなものをミー君に与える.こう見えても,ミー君はなかなかのグルメ.客が差し出す食べ物は簡単には食べない.ところが,チャンピョンの餌だけは喜んで食べている.
 前の小屋番のOさんが,尊仏山荘を退職してから,ミー君に会う機会が少なくなってしまったので,あえると殊更に嬉しい.私は,ミー君をなだめながら,何枚もの写真を撮る.
 近々発汗されるネコ専門の雑誌に,このミー君が掲載される,私はこの雑誌の発刊を心待ちにしている.
 「・・・FHさんは絵が上手なんだそうですね・・」
と,いきなりHさんが私に話しかける.
 私は照れながら,たまたま残っていた私の絵の写真をHさんにお渡しする.
 次いで,先ほどバスの中で配られていた行方不明者の話題になる.どうやらHさんも顔を見たことのある方のようである.

<チャンピョンとミー君>




<ミー君が掲載される予定の雑誌>

■涼しい山頂から下山開始
 10時25分,ソロソロ下山しようと思う. 何時の間にか,山頂で休憩を取っている人の数が増えている.霧が濃くなってきたが,相変わらず涼しい風が吹いていて,実に心地よい.もう少しの間,山頂でユックリしていたいなと思ったが,そうも行かないので.下山を開始する. 
 霧が次第に晴れてくる.周囲の森から蝉の声が賑やかに聞こえてくる.こういうのを蝉時雨って言うのかな・・なんて,勝手に連想する.
 涼しい風を楽しみながら,あちこちの写真を撮りながらノンビリと下る.
 馬の背で,登ってくるK井さんとすれ違う.先ほど堀山で土木工事をしていた方である.
 花立山で端の写真を撮っていると,朝,大船でバッタリあったMさんに追い付かれる.ここから,大船まで,ずっとMさんと一緒に帰宅する.
 花立山荘を過ぎて,後7分坂を下り始めた所で,登ってくるご常連の金眼鏡氏とバッタリ.
 「今日は暑くて,どうも調子が出ないよ・・・」
と金眼鏡氏がぼやく.私も調子が出ないので,全く同感.
 ついで,山旅スクール6期の女性とバッタリ.
 「・・先日,FHさんにお会いしてから,(塔ノ岳に登るのは)今日が初めての登山です・・」
と言う.
 私は2~3ヶ月前に,花立山荘で彼女に呼び止められたのは覚えているが,肝心の名前が,どうしても思い出せない.うにゃむや,くにゃくにゃと,調子を合わせて雑談する.名前が覚えられないのも困ったものだ.
 その後も,超ユックリペースで下り続ける.
 駒止茶屋を過ぎる辺りから,蒸し暑くなり始める.とても急ぐ気になれない.
 近くでヘリコプターが低空飛行をしている.ローターの回る音がこだまして聞こえてくる.どうやら,遭難者を捜しているようである.
 雑事場ノ平を過ぎた辺りで,二人の警察官に呼び止められる.今朝方バスの中で貰ったのと同じチラシを差し出しながら,遭難者を見掛けなかったかと質問を受ける.

■ごろにゃん 

 登山口を通過して,舗装道路に出た所で,一匹のネコが気持ち良さそうに寝返りを打っている.実に可愛いので,写真を撮る・・が,絶えず動き回るのでなかなか上手く撮れない.
 

■東海道本線の間引き運転
 デレデレと下り続けて,13時01分に漸く大倉にたどり着く.
 下りの所要時間は,実に2時間36分.あきれた記録である.
 その上,小田原からの東海道宣伝車は,節電とやらで間引き運転中.おかげで,平塚辺りから電車は大混雑.遅れに遅れて,15時30分頃,ようやく帰宅する.
 夏場の登山は,とにかく暑くて敵わない.
 でも,まあ,無事に下山できたので,良いとするか.

<ラップタイム>

 7:08  大倉歩き出し
 7:48  観音茶屋
 7:50  見晴茶屋
 8:24  駒止茶屋
 8:44  堀山の家
 9:29  花立山荘(26℃)
 9:44  金冷シ
10:00  塔ノ岳山頂着(19.6℃)
===================================
10:25  塔ノ岳山頂発
10:54  花立山荘
(記録失念) 堀山の家
11:54  駒止茶屋
12:21  見晴茶屋
(記録失念)  観音茶屋
13:01  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:08
  塔ノ岳  着      10:00
 (所要時間)  2時間52分(2.87h)
 水平歩行速度  7.0km/2.87h=2.44km/h  
 登攀速度   1269m/2.87h=442.2m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:25
  大倉   着       13:01
 (所要時間)  2時間36分(2.60h)
 水平歩行速度    7.0km/2.60h=2.69km/h
 下降速度   1269m/2.60h=488.1m/h
                                (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/04c6c7d3c735aaa83bde6349d6ddd4fc
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/aada96817be876f44c9fe38f2406a36e



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