中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ポーランド訪問記(10) クラコフへ移動

2011年07月10日 06時56分05秒 | ポーランド;クラコフ訪問記

         ポーランド訪問記(10) クラコフへ移動
             (スケッチ旅行)
        2001年6月16日(土)~6月25日(月)

第2日目 2001年6月18日(月);列車の旅


<ワルシャワからクラコフへ>



※google chromeから引用

 ワルシャワ大学図書館の見学を終えた私達は,一旦,FORUMホテルへ戻った.ホテルに預けた荷物を受け取って,14時22分,ホテルを出発した.ホテル前から交差点の地下道を通って,ワルシャワ中央駅へ向かう.狭い地下道の両側にはさまざまなお店や広告が立ち並んでいる.沢山の旅行客が行き来している.駅の構造が良く分からないので,地下のホームをあちらこちらと迷う.こうなると頼りは旅慣れたHさんである.あちこちと聞き回った末に,私達が乗車するクラコフ行きの列車は4番ホームから出発することが分かった.



 私達の指定席は3号車である.奮発して1等車に乗る.一同,3号車の後方に一段となって座る.進行方向右手に通路がある.通路に面してコンパートメントが並んでいる.ボックスの中には,三人掛けの座席が対面に並んでいる.私は進行方向の通路側に座る.隣がF先生,窓側がHさんである.反対側が通路側から,Nさんの奥さん,Nさん,S先生である.物の本によると,「この通路でスリが頻繁に出没するから注意しなさい」とのことである.男数名が通路で餌食となる人を挟んで,強奪するという話である.しかし,幸いなことに,私達の周りには,そのような集団は現れなかった.
 定刻,15時05分,列車は滑るようにワルシャワ中央駅を走り出す.発車すると,列車はすぐに地上に出る.ワルシャワを出発してから暫くの間,列車は真っ平らな平野をひた走る.やがて,なだらかな丘陵地帯に入る.林と畠がとても美しい.時々農家が見え隠れする.
 ポーランドの1人当たりのGDPは僅かに3,900ドルに過ぎない.しかし,点在する農家の家はとても大きくて立派に見える.1人当たりのGDPがポーランドの約3倍(約11,080ドル)もある韓国の農家の方が,一見,貧弱に見えるのはどうしてなのだろうか.



 15時55分,車内販売の係が回ってくる.日本のKIOSKに良く似ている.
 係員に,
 「英語話せますか?」
と聞いてみる.その後,ランチの値段を聞く.ランチは余り美味しそうでもないので,どうしても欲しいという気にはならない.いろいろ聞いてみると,1等車の乗客にはランチが無料で配られるとのことである.それならば,有り難く頂戴することにする.
 ランチは,ハムサンド,チョコレート,オレンジジュース.これらが小さなプラスチックトレーに乗っている.私はついでに水を貰う.例によってサンドイッチはバサバサしていて食べにくいが,食べ始めると,ついつい,勢いで,全部平らげてしまう.


 17時頃,列車は丘陵地帯に入る.大きくうねる丘陵がうねうねと続く.集落が次々に現れ始める.
  17時32分に,
 「列車は,もうすぐ,クラコフに到着します」
というアナウンスがある.そして,定刻,17時36分に,私達の列車はクラコフ駅に到着した.クラコフ駅のホームはカタカナの「コ」の字のように,2本が並んでいる.小さな駅である.
 幼少の頃,列車マニアであった私は,すぐさまホームの先端まで行って,電気機関車を観察し,満足する.ホームから地下道を潜って待合室に出る.長細いロビーの先に小さな駅前広場がある.ロビーの片隅に年代物の蒸気機関車が陳列してある.珍しいのでユックリとスケッチしたかったが,仲間がどんどん先へ行ってしまうので,仕方なく皆に従う.
 駅前に屯しているタクシーと,ホテルレジェンド(Hotel Rezydent)までの運賃を,Hさんが交渉する.最初は
 「1人20スロチくれ」
という.
 「いくら何でも高すぎるではないか」
と言うと,結局,タクシー1台,10ズロチで良いということで妥結する.随分と値幅に差があるのでビックリする.とにかく,10ズロチのタクシー2台に分乗して,17時52分に出発する.何とも薄汚い古びた町中をタクシーが走る.そして,およそ10分ほどで,ホテルレジェンド近くへ到着する.
 「ここから先は,車が入れないので,歩いてくれ」
と運転手が言う.
 いざお金を支払うことになると,運転手が,
 「20ズロチくれ」
と言い出す.話が違うとやや押し問答になるが,大した額でもないのに,言い争って,これ以上,気分が悪くなるのも考え物なので,しかたなく20ズロチを支払う.
 でも,心の中のどこかで.「このやろ~」という気分は残る.
 降りた場所は,クラコフ市街地の中心部にある古都(Old Town)の一角である.ここから,中央の広場(Rynek Gtowny)まで石畳の古色蒼然とした繁華街が続いている.私達が宿泊するホテルレジェンドは,この通りの入口から,ほんの数十メートルほど入った左側にあった.

<クラコフの中心街>

 狭い入口には黒い僧衣をまとった人形が置いてある.入口を入ると狭い通路が続いている.その突き当たり左側に受付がある.2人の女性が受付をしている.早速,パスポートを見せて受付を済ませる.

<ホテルの概要>

 私に宛われた部屋は32号室である.私の部屋の隣がS先生である.2人でおんぼろエレベーターに乗って3階へ上がる.しかし,私達の部屋は見当たらない.仕方なく,また受付に戻り,自分たちの部屋が何処にあるかを確かめる.
 「あなた方の部屋は1階です」
と言われる.しかし,1階には客室のような部屋は見当たらない.
 結局,日本流の1階はグラウンドフロアーで,ここでの1階は日本流で言えば2階になることに漸く気が付く.再び,石作りの壁の奥に据え付けられているボロエレベーターに乗って,自分の部屋に辿り着く.いかにも粗末な部屋である.何しろ安い部屋だから仕方がないのだが,それにしても貧相である.
 でも,見ようによっては,日本の大都市のビジネスホテルに較べれば,随分と贅沢である.何といってもゆったりとした空間が確保できている.部屋の入口を入ると,左手にユーティリティがある.シャワー,洗面台,トイレはあるが,残念ながらバスは無い.その先にシングルベッドが1台置かれている.反対側には壁にハンガー,その隣に机とテレビが置いてある.天井には何本かのパイプが走っている.窓から外を覗くと,繁華街が見下ろせる.道路の反対側には,いろいろな色彩の壁の建物が並んでいる.4~5階建ての小さなビル群である.
 とりあえず荷物を部屋に置いて,もう一度,受付へ戻る.そして,コンファレンス関係の封筒を受け取る.柿色の大きな封筒である.中には,紙のバインダーに綴られた資料と,名札が入っている.
 再び部屋に戻り,トイレに入る.トイレの水を流した途端に,びっくりするほどの大きな音が部屋中に響き渡る.これには参った.
 何はともあれ,時差もあって疲れた.ベッドに仰向けに寝ころんで,休息を取る.その途端,天井のパイプからとてつもない音が響き渡る.どうやら階上の部屋からの排水の音らしい.やれやれ・・・今夜は大変なことになりそうである.
                                   (つづく)

「ポーランド訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3c4bcbe5272e7debcee6bf3261e17ea5
「ポーランド訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/46ba655d1475d3543992ef0866b9a056


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[編集後記]

2011年7月9日(土)
 晴,蒸し暑い一日

 久々に某学会の研究会に出席する.会場は横浜商科大学つるみキャンパス.
 10時過ぎに自宅を出発.途中,横浜駅で下車.ルミネ6階の書店で,
  山脇恵子著,2008 『図解雑学よくわかる色彩心理』 ナツメ社
を購入する.
 あまり専門的な本ではなく,色彩心理学とゃらを平易に解説している本が欲しかった.
 早々に,この本を読んで,これから画く自分の絵に反映したかったからである.
 横浜から京浜急行に乗る.
 生麦駅から,途中迷いながら急坂を登って会場に向かう.暑いのなんのって・・俗称「定年坂」を登るのは厳しい.
 参加者は10名あまり.ほとんどの方々が顔見知りである.何時もお付き合いしている山旅仲間や,丹沢でお会いする知人の皆様とは,ひと味違った雰囲気のある方々である.
 13時から16時30分まで,お二人の先生方のプレゼンテーションを拝聴する.
 ここで,先生方のプレゼンテーションの論評をするのは差し控えるが,伺っている内に,だんだんと,私も自分の体内に燃えたぎるものを感じる.
 「やっぱり,身体のどこかに,知的なものに対する欲求が残っているんだな・・」
と実感する.
 研究会終了後,大学近くの台湾料理屋で懇親会が開催される.なかなか美味しい料理である.下戸の私も,何となく楽しい雰囲気に誘われて,ビールコップ1杯,それに老酒杯半分を賞味する.後はウーロン茶ばかり.
 飲むほどに酔うほどに,次回,9月に開催される研究会で,私ごとき棺桶に半分足を突っ込んでいる人間にお鉢が回ってくる.何と「絆」をテーマにした研究会で,私にも報告者の1人になれとのことである.青天の霹靂.今更,ロートルが何を報告したら良いのか少々戸惑うが,これも嬉しいチャンスと前向きに考えることにしよう.
 さて,「絆」と情報システムの関係をどう料理しようか.面白いことになってきた.
                              (愚痴おわり)



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