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<花立山を登る>
茫洋とした富士山とネコおっとりの丹沢;塔ノ岳(今年26回目)
(登り下りともご常連と一緒)
2012年5月26日(土) 晴
■冷涼の朝
冷涼の朝,とても気分が良い.
私はスズメの囀りに見送られて,定刻5時10分に家を出て,塔ノ岳に出掛ける.気持ちの良い朝である.5月ともなれば,夜明けも随分と早くなり,辺りはもうすっかり明るくなっている.
大船から東海道本線の電車に乗る.この頃は,平日よりも休日の方が乗客が多いらしく,早朝にもかかわらず結構沢山の乗客が乗っている.
今日は土曜日.電車は休日ダイアなので,あの小田原駅での乗り換え時間3分の駆けっこはしなくても良い.駆けっこが無いだけで,私は気分爽快である.
例によって渋沢発大倉行の1番バスは,沢山の登山客で,臨時バスが出るほどの超満員である.
韋駄天のTさん,三角髭のTさん,マドンナさん,K大Nさん,U村さん,F田女史などご常連も乗車しているようである.
6時59分,バスは大倉に到着する.今日は休日なのに,登山届を奨励する警察の方々が居られない.なんだか拍子抜けをしたような気分になる.
バスが混雑しているので,下車するのに時間が掛かる.下車の順番を待ちながら,
「そういえば,このごろ丹沢ウッズさんに会わないですね・・」
と噂話をする.
すると,丁度そのとき,大倉屋前の自動販売機で買い物をしている丹沢ウッズさんを発見する.今日は何処まで走られるんだろう.
■ご常連と一緒に歩き出す
一人旅のときより,少し早く7時07分に大倉から歩き出す.今日は韋駄天のTさん,ゲザンシュタインさんのお二人と一緒に登る積もりである.
沢山の登山客に混じって,3人で歩き出す.毎度のことだがゲザンシュタインさんのスタートダッシュは,かなり高速である.私も少し無理をすれば,付いて行けないこともないが,そんなことをすると後半が辛くなる.
”頑張らない”,”安全第一”
をモットーとする私は,歩き出してから暫くの間はゆっくりペースで慣らし運転だ.
そうは言っても,お二人の後ろ姿は次第に遠くなると,ついつい歩行速度を上げたくなる.
7時17分,克董窯を過ぎた頃,韋駄天のM下さんに追い抜かれる.
M下さんは,何時も日曜日に登られる方である.
「あれ! 土曜日に登られるのは珍しいですね・・」
「今日は××でハンコを貰うために登ります・・明日も,また,来ますよ・・・では,お先に・・・」
瞬く間に,M下さんの後ろ姿は見えなくなる.
<大倉から歩き出す> <韋駄天のM下さんに追い抜かれる>
■観音茶屋を通過
7時29分,観音茶屋を通過する.
この辺りまで来ると,スロースターターの私の体調も安定してくる.この辺りまで来ると,毎度の事ながら,先ゲザンシュタインさんに漸く追い付くことができる.先発したK大Nさんにも追い付く.
気温は20℃.登山をするにはやや高い.
でも,私は,極力流れるような汗をかかないようにして,登り続けるつもりである.そのためには,急勾配の登りは,かなりユックリと登らなければ成らない.それでは,余りに時間が掛かりすぎるので,比較的傾斜が緩い場所では,かなり歩行速度を速めて,時間調節をしたい.
同行のお二人に,
「急坂で追い付かれると思いますので,平らな所では,少し先に行かせてもらいます・・・」
とお断りして,歩行速度を少し速める.
<観音茶屋を通過;すぐ前を,K大Nさん,ゲザンシュタインさん,韋駄天のTさんが登る>
■丹沢に初めての登山グループ
7時44分,雑事場ノ平を通過する.ここで,北関東の某県からこられた5人ほどの男性グループに追い付く.話しかけられるままに,見晴山荘辺りまでご一緒する.皆さん,丹沢は初めてだとのこと.
「・・・赤城山,榛名山などの山を登っています.塔ノ岳も,赤城や榛名山と同じようなものでしょう.大したことないですね・・・」
とリーダーとおぼしき男性が私に話しかけて来る.
私も赤城山や榛名山に登ったことがあるが,これらの山に比較すれば塔ノ岳は,遙かにきつい山だと思うが,そんなことを言ったら,リーダーの面目を潰しそうなので,
「はあ・・・そうですか・・」
とお返事する.
■見晴階段
7時46分,見晴茶屋を通過する.
新緑に覆われた見晴階段の差し掛かる.沢山の登山者の後ろ姿が見える.
先ほどの北関東のグループが,
「ここを登ればすぐに駒止山荘ですよ・・・」
というリーダーの指示に従って,恐ろしい速度で私を追い抜いていく.
見る見るうちに,彼らの後ろ姿が遠のいていく.
でも,申し訳ないけれども,
「あんな速度で登ったら,すぐにバテるな・・・すぐ追いつけるぞ」
と私は内心で確信している.
8時01分,一本松を通過する.もうすぐ,歩き出してから1時間になる.
「オレは相変わらずさえないな・・・」
と情けなくなるが,寄る年波には逆らいようもない.
一本松上のベンチに差し掛かる.
案の定,先ほどのグループがベンチにへたり込んでいる.私は,軽く会釈をして,そのまま通過する.
<新緑が美しい見晴階段>
■堀山の尾根からの富士山
急坂の駒止階段は,汗をかかないように.特に意識してユックリと登る.それでも,階段の途中で女性を追い抜くが,逆に2~3人の若い男性に追い抜かれる.
8時17分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間10分.できれば,もう5分早く通過したいものである.
堀山の尾根に差し掛かる.
後ろを振り返ると,同行のお二人が,もう私のすぐ後ろに来て居られる.
そして,暫くの間,お二人とご一緒しながら,富士山の写真を撮る.
「どうせ,オレの“馬鹿たれカメラ”では,富士山など撮れないだでしょう・・・」
と思いながらも,ここで数枚の写真を撮る.
その富士山の写真が,下の写真である.肉眼ではもっと良く見えているんだが・・
<お二人が私に追い付く>
<堀山の居尾根からの富士山>
■萱場平
8時27分,堀山の標識を通過する.ここから堀山の家までは長い下り坂になる.ここは,単位時間当たりのエネルギー消費を一定に保ちながら歩くには,歩行速度を速めなければならない.私は,また,お二人にお断りして,先に行かせてもらう.
8時34分,堀山の家を通過する.ここからは,流れるような汗をかかないように意識して自重しなければならない.
途中で,何人かの若い登山者に追い抜かれるが,
「若い人に追い抜かれるのは仕方がないな・・・」
と感じている自分に気がつく.また,逆に何人かの年配の方や,女性の登山者を追い抜かせて頂く.
そんな自分の姿を見ていて,
「屁理屈を言っていても,まだ,まだ,追い抜かれたり,追い抜くと心が動揺するな・・・まだ,まだ,修行が足りないな・・・」
と反省する.
8時57分,萱場平を通過する.例によって定点観測の写真を撮る.
<萱場平>
■花立山荘
萱場平を通過して,登り階段に差し掛かる.汗をかくのイヤなので,極めてユックリと登り続ける.
9時07分,私の後ろろから足音が近付いてくる.ジャイアンさんである.追い抜きざまに,
「調子は,どうですか?」
と私の体調を気遣って頂く.有り難い.
やがて,後7分坂に差し掛かる.今の私には,とても7分では登れないので.9分ほど掛けて,極,ゆっくりと登り続ける.
階段の上を眺めると,まだまだ長いなとガッカリするので,足許しか見ないで登る続ける.それでも,階段が何時終わるか気になる.そこで,もうそろそろ階段が終わりそうだなと感じたところで,やっと上を見る.予想以上に,まだ,まだ,長い階段道が続いている.ガックリする.
この階段で,再び韋駄天のTさんとゲザンシュタインさんに追い抜かれる.私は,正に,青息吐息.
9時20分,ようやく花立山荘に到着する.一足先に到着したゲザンシュタインさんが,階段の上から振り返って,ヘトヘトの私の写真を撮る.
何時の間にか,周辺に雲が湧いていて,富士山は全く見えなくなっている.
花立山荘で,お二人が休憩を取っている間に,私はそのまま通過して,先に花立山へ向かう.
沸き上がる雲のために.花立山からの眺望は利かなっている.
9時31分,花立山を通過する.振り返ると,沢山の登山客に混じって,お二人が写真を撮り合っている(冒頭の写真).
<花立山荘;富士山は雲の中>
■フジの花を愛でながら金冷シを通過
やがて馬ノ瀬付近に差し掛かる.
あちこちの藤の花が見頃である.花オンチの私には,何という名前のフジか分からないが,紫色の花が実に綺麗である.ここでまた立ち止まって何枚かの写真を採る.
モタモタしている内に,またもやお,二人に追い付かれる.
9時37分,金冷シを通過する.
ここまで来れば山頂もすぐそこである.急いで登っても,ノンビリ登っても,何分もの時間差はないので,気が楽である.ここからは,3人で一緒に山頂を目指す.
<馬瀬付近のフジ>
■塔ノ岳山頂
9時51分,下山してくるジャイアンさんとすれ違う.相変わらずの俊足である.
ジャイアンさんから,”三角髭のTさん,塔ノ岳登頂1700回登頂記念”のDVDを頂戴する.家に帰ってから,このDVDを見るのが楽しみである.
その後は惰性で,何となく登り続けて,9時54分に塔ノ岳山頂に到着する.
大倉からの所要時間は2時間47分と冴えないが,
「これが,オレの現実なのだ・・」
と心の奥底に巣喰っている“もう一人の私”に言い聞かせる.
ここまで殆ど汗をかかないで登ったので,頭に巻いた手拭いは乾いている.それに,全くと言って良いほど疲労感はない.
山頂の気温は,持参している温度計で計って18.0℃.実に心地良い気温である.
今日は土曜日.
山頂には,もう沢山の登山客が居て,とても賑わっている.
例によって,私は山頂からの写真を何枚か撮りまくる.今日は富士山は夏雲の中に隠れているが,反対側の大山はとても良く見えている.
<賑わう塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
写真を撮っていたので,お二人よりちょっと遅れて尊仏山荘に入る.
今日の小屋番はW林さん.
W林さんは,山猫ミー君をとても可愛がっている.W林さんが小屋番のときは,ミー君もリラックスして,営業をしている.
早速,ミー君の写真を撮る.
300円也のお茶を所望して,暫くの間,雑談.
そうこうしている内に,K大Nさんが尊仏山荘に到着する.
私たちより,ずっと早く尊仏山荘に到着したF田さんが,私たちのために焼酎漬けの梅と,たくわんを置いて,丹沢山に向かわれたそうである.
梅とたくわんを頂戴する.美味しいのなんのって・・・
<ご機嫌なミー君.実に可愛い>
■山頂の集合写真
10時32分,ゲザンシュタインさんのカメラで,山頂の集合写真を撮ってから,下山を開始する.
集合写真は,後日,ゲザンシュタインさんから頂戴することになっているので,入手次第,ここの場所に挿入する.
<山頂の集合写真> ※ゲザンシュタインさん提供
■面目躍如のゲザンシュタインさん
下りはじめてすぐに,私より1歳年上の登ってくるSさんとすれ違う.Sさんの素晴らしい笑顔の写真を,ゲザンシュタインさんから頂戴しているが,ご本人から当ブログへ写真を掲載する許可を得ていないので,残念ながら,ここでは秘密.
私は下りが苦手である.オッカナビックリ下り続ける.
10時58分,やっと花立山荘に到着する.高所恐怖症の私は,後7分坂を4~5分掛けてユックリと下る・・・というより,本音は怖いのでユックリとしか下れないのだ.
ところが,ゲザンシュタインさんは,この坂を2分少々で,シャカシャカと下ってしまう.とてもではないけれども,一緒には下れない.
数珠つなぎに登ってくる登山客とすれ違いながら,私はオッカナビックリ下り続ける.
ついに,私は,どうしようもないほど引き離されてしまう.もう,ユックリ下り続けることしかできなくなる.
■堀山の家でコーヒーブレーク
11時28分,堀山の家に到着する.ここでコーヒーブレーク.ゲザンシュタインさんは,私より5分ほど前にご到着とか.
300円也のコーヒーを所望する.
暫くして,丹沢山を往復したF田さんも合流する.コーヒーを賞味しながら,楽しい雑談を続ける.
11時51分,山荘玄関前で集合写真を撮ってから,再び下山を開始する.
<堀山の家のコーヒー>
<堀山の家玄関先で集合写真>
■観音茶屋で氷水
その後,速からず遅からずの速度で下り続けて,12時45分,観音茶屋に到着する.ここで再び途中下車.300円也の氷水を賞味する.冷たい氷水が,火照った身体を冷やしてくれる.
「こういうのって・・・実に良いな・・・」
と思っている.
<観音茶屋>
<300円也の氷水>
■無事帰宅
12時59分,観音茶屋を出発する.
13時18分,大倉に到着する.バスと電車を乗り継いで,15時過ぎに無事帰宅する.
早速,風呂を沸かして,ノンビリと風呂に浸かる.気分実に爽快! 本当に楽しい一日であった.
明日(5月27日)は,別の登山仲間と一緒に,越前岳に登る予定である.明日も天気が続けば良いなと思っている.
水彩画の進捗も気になるが,明日は越前岳に専念しようと,心に決める.
<ラップタイム>
7:07 大倉歩き出し
7:30 観音茶屋
7:46 見晴茶屋
8:17 駒止茶屋
8:34 堀山の家
9:20 花立山荘
9:37 金冷シ
9:54 塔ノ岳山頂着(18.0℃)
10:32 〃 発
10:46 金冷シ
10:58 花立山荘
11:28 堀山の家(11:51までコーヒーブレーク)
12:09 駒止茶屋
12:28 見晴茶屋
12:45 観音茶屋(12:59まで氷水)
13:18 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:07
塔ノ岳 着 9:54
(所要時間) 2時間47分(2.78h)
水平歩行速度 7.0km/2.78h=2.51km/h
登攀速度 1269m/2.78h=456.5m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:32
大倉 着 13:18
(所要時間) 2時間46分(2.77h)
水平歩行速度 7.0km/2.77h=2.53km/h
下降速度 1269m/2.77h=458.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
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「丹沢の山旅」の次回の記事
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