中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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雨に降られて,でもネコが可愛い丹沢:塔ノ岳(今年37回目)

2009年08月12日 19時01分03秒 | 丹沢の山旅

           <尊仏山荘番台の営業部長;「料金は前払いでお願いします」と怖い顔>

     雨に降られて,でもネコが可愛い丹沢:塔ノ岳(今年37回目)
        (登り単独・下りKiyoma氏に同行)
          2009年8月12日(水)

■多士済々の顔ぶれ

 このところ,台風9号により災害や,静岡で地震があったりで,何とも物騒な日々が続いている.被災された方は何とも気の毒である.
 ・・・で,天気が悪い日が続いているので,なかなか塔ノ岳に登る機会がない.そして,今日,8月12日(水),ようやく天気予報が好転する.午前中は曇りだが,午後から晴れ間も出るが,明日は再び雨になるというご託宣である.ならば,今日しか,塔へ行く日はない.
 早朝,4時に起床する.すでに立秋が過ぎているので,この頃は,日ごとに夜が明ける時間が遅くなっている.
 5時10分に家を出る.なま暖かい風が吹いている.
 渋沢発大倉行1番バスに乗車する.バスは休日ダイヤのようである.今日は平日にもかかわらず,数名の立ち席が出るほど混雑している.
 バスの中を見回すと,韋駄天のTさん,2000回登頂の門馬さん,ネコのSさん,三角髭のTさん,カメラマンのMさん,K大のNさんなど,実に多士済々.久々にKiyomaさんも登場である.

■禿げ談義
 天気予報は曇り後一時晴れの筈だが,雲が低くたれ込めている.
 バスが大倉に到着すると,韋駄天組の方々は,早々に塔ノ岳へ向けて出発する.私は例によって,ドングリ山荘のベンチでモタモタしている.リュックからバンダナを取り出し,細くたたんで鉢巻きをする.それを見ていたネコのSさんが,何となく話しかけてくる.
 「FHさんは,髪の毛があるから鉢巻きで良いんですね・・わたしは,(禿げているので)帽子を被らないと・・」
 「いえ,私も(髪の毛が)薄くなって,雨粒が直接頭に当たるんですよ・・」
このやりとりを聞いていたカメラマンのMさんが,
 「頭だって日に焼けますよ・・・皮膚ですから」
と茶々を入れる.
 私がネコのSさんに話しかける.
 「・・今日は,Sさんが居られるんで,営業部長も顔を出すでしょうね・・」
 「今日の小屋番はOさんですよ・・だからネコも顔を出すでしょう・・」
 「じゃあ・・Sさんが山荘に到着するまで,山荘で待機していますよ」
 「10時30分ころまでには,山荘に到着しますよ」
このやりとりを聞いていたK大Nさんがいう.
 「ネコには癒されますね・・・」
 「ところで,Nさん.平日にお出でとは珍しいですね・・」
 「私,月に4回塔ノ岳に登ることにして居るんです.この所,休日に何かとあって,今日も登ることにしました」
 何れにしても,こんなに沢山の顔見知りの方とお会いできて,大変嬉しい.

■霧雨が降り出す
 いい加減なストレッチを済ませて,7時08分に大倉を歩き出す.
 天気予報が外れて,霧雨が降り出す.ただ,この程度の雨ならば,あえて雨具を着る必要もないと判断し,ショートパンツとTシャツだけの姿で歩き出す.雨具を着ても,どうせ汗で雨具の中がビショビショになってしまうに違いないからである.
 路面は濡れている.登山道に入ると,石を敷き詰めた道がぬるぬると滑るので歩きにくい.それに山道を多少甘く見ていたために,靴底がちびてツルツルになった靴を履いてきてしまった.そのため歩くたびに滑りやすくて往生する.この靴,昨年,ペルーを訪れたときに,16,000円で新調したものである.中カットのアプローチシューズで,ビブラム底でゴアテックス張りの,一応,ちゃんとした靴である.
 ここ1年間で,この靴を履いて低山を登山した回数は,ほぼ100回.ということは,1回の登山に靴代が150円掛かっていることになる.
 「登山って,案外,お金がかかるな・・」
と思いながら,登り続ける.
 途中で失礼して,カメラマンのMさん,Kiyomaさんの先を歩かせて貰う.
 雨が降り続いているので,辺りが何となくベトベトしていて,歩いていても埒があかない.
 「今日はどうも気力が沸かないな・・・まあ,山頂まで行けば良いとするか・・」
と半ばやけくそになりながら,惰性で登り続ける.
 それにしても,蒸し暑い.

              <富士山は霧の彼方:堀山の尾根にて>

■濃い霧の中を黙々と登る
 ノソノソと急な階段を登って,8時17分に漸く駒止茶屋に到着する.歩き出してから,1時間09分も経過している.この夏の最悪記録である.これでは,山頂まで2時間30を越えてしまう.でも,まあ,いいか,頑張らないことにしよう.
 辺りは濃い霧に覆われている.もし,登山道がハッキリしていなくて,熟知していないところだったら,登山を中止して下山するほどの霧である.ただ,この大倉尾根に限って言えば,私は過去に数百回登っているので,足元の様子を見ただけで,自分がどの辺りにいるのか直ぐに分かる.だから,霧が深くても,登山を中止する気は毛頭ない.
 堀山の尾根にさしかかる.辺りは深い霧に覆われていて,富士山はおろか,近場の山もまったく見えない.前方を見ると,ボンヤリと集権の木々の緑がトンネルのように続いている.
 8時34分,堀山の家を通過する.辺りにはまったく人の気配はなく霧の中で静まりかえっている.
 半ば惰性で,ここから始まる花立山荘までの急登を,何も考えずに登り続ける.いつの間にか,雨は小止みになっているが,霧が眼鏡をしつこく濡らしつづける.時々,素手で眼鏡を拭くが,すぐにまた水滴が付着する.
 霧の中,前方にいきなり黒い人影がヌッと現れてビックリする.途中で何人かの登山者を追い抜くが,逆に数人の登山者に追い抜かれれる.

                 <今日の萱場平:誰も居ない>

■ご常連が次々に下山してくる
 やがて,花立山荘手前の長い登り階段に辿り着く.私は心の中で,
 「7分だけ辛抱して登れば,花立山荘だ・・」
と自分に言い聞かせる.黙々と階段を登っていると,ご常連の1人が早々と下山してくる.私はビックリする.
 「随分速いですね・・・」
 「いえ,いえ,今日は自家用車で来て,早く登り始めたんです・・」
 金冷シに近づく.私の歩行速度は一段と遅くなる.
 ここで,同じバスに乗り合わせた韋駄天のTさんとすれ違う.
 「今日は,今年,190回目を越しましたか」
と伺う.お話によると,今年,194回目.もうすぐ,累積登頂回数1000回を迎えるとのことである.
 山頂直下の階段の下で,同じバスに乗り合わせた三角髭のTさん他ご常連3~4名とすれ違う.皆さん,凄い人ばかりである.

■濃霧の塔ノ岳山頂
 9時44分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間36分.この夏の最悪記録を更新した.
 山頂も深い霧に覆われていて,直ぐ近くに建っている尊仏山荘も見えない.こんなときでも,一応,行事として,周辺の写真を撮る.もちろんごく近傍の地面以外は何も写らず真っ白.
 山頂では,登山客2~3人が休憩を取っている.

                   <霧の塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘でヒルとネコ談義
 尊仏山荘に入る.先客は同じバスに乗っていた門馬さんがお一人.小屋番はネコの忠実なる僕(シモベ)のOさん.山頂の気温は+18.1℃.やはり暑い.何時も通りに,300円也のお茶を所望する.
 その内に,ご常連がポツポツと山荘に到着する.門馬さん中心に山ヒルのことが話題になる.最近のテレビ番組を見ていると,まるで丹沢や秦野辺りは,どこへ行ってもヒルがウヨウヨ.丹沢の山を歩くと一面にウヨウヨしているヒルを踏みつけながら登っているような印象を与える.
 「2000回も登っているけれども,一度もヒルに食われたことはないよ・・」
と門馬さんが憤慨する.私も同感である.もちろんヒルは丹沢に限らずどこにでも居る.けれども,一般の登山道を外れて茂みにでも入らない限り,まずヒルに遭遇することはないと断言できる.
 その内に,小屋番のOさんが,営業部長のミー君を呼んでくれる.私はミー君とOさんのツーショットを写真に収める.これで私は大満足である.
 雑談をしている内に,カメラマンのMさんが到着する.さらに数分後に,眼鏡を滴で曇らせながらKiyomaさんが到着する.
 ネコのSさんが,まもなく山荘に到着するのが分かっているので,何時もより長く山荘で油を売っていると,ご本人の予測通り,10時30分頃,Sさんが山荘に到着する.
 ミー君は,早速,Sさんの側へ擦り寄っていく.自分を可愛がってくれる人を良く知っている.そこがまた可愛い.
 その内に,Sさんが,花立山荘下の急坂で転倒したことが話題になる.あのチャンピョンでさえ,空ボンベを背負ったまま,前のめりに転倒したことがあるという.
 やがて,ご常連のK大Nさんが到着する.さらに,何時もは土日にしか会わない若手のご常連が現れる.
 「あれ・・今日はお休みですか」
と思わず伺う.お盆休みだとのこと.私のようにサンデー毎日を続けていると,だんだんと,休みの感覚が失われてしまう.
  
       <営業部長と忠実なシモベOさん;Oさんを頼り切ったようなミー君の姿が良い>

   
   <営業部長とネコのSさん:Sさんの了承を得て公開.ネコが少々迷惑そうな顔をしているのが面白い>

 
      <ミー君がSさんに擦り寄る>          <Sさんからエサを貰ってご満悦>

■のんびり下山;チャンピョンとすれ違う
 10時49分,尊仏山荘を出て,Kiyomaさんと一緒に,下山を開始する.相変わらず濃い霧である.
 靴底のギザギザが殆どなくなった靴を履いていると,ちょっとしたところでも滑りやすいので,極めて慎重に下山を続ける.それでも,転倒しないまでも,ときどき滑ってしまう.
 Kiyomaさんから,すり減った靴はあぶないですよと忠告される.ごもっともである.私も,この靴は町歩き専用にして,山に履いてくるのは,これで最後にしようと思う.
 途中,草花の写真を撮りながらの道草.
 次から次へと登ってくる登山者とすれ違う.
 転倒の話題になった場所で,荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.挨拶を交わしながら,ここで転倒したことがあるんですかと伺う.チャンピョンは,
 「・・あのときは死ぬかと思ったよ・・」
と苦笑する.
 沢山の若者に追い抜かれながら,13時18分,大倉に到着する.
 下界は晴れている.
 山の中とはこうも天候が違うのかと再認識させられる.

         <今日もご活躍のチャンピョン:この辺りで転倒したという>

■雨と霧で化粧した草花
 下山の道すがら,雨と霧で化粧した草花の写真を撮る.特に雨滴を付けたホタルブクロが綺麗だった.







[山行記録]

■水平歩行距離
      7.0km(片道)

■累積登攀下降高度    1250m

■登攀所要時間
  大倉    発     7:08
  塔ノ岳山頂 着     9:44
  (所要時間)   2時間36分(2.60h)
 登攀速度   1250m/2.60h=480.8m/h

■下降所要時間
  塔ノ岳山頂 発    10:49
  大倉    着    13:18
  (所要時間)   2時間29分(2.48h)
 下降速度   1250m/2.48
h=504.0m/h
                                                 (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d546cf4611067415c88ff5f940eb02cb
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f718f3d64076a47d5d1588ba8c0d793e 

   



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