<花立山荘からの眺望>
沸き上がる雲と俄雨でビショビショの丹沢;塔ノ岳(今年44回目)
(常連と一緒に)
2012年9月1日(土) 晴一時雨
■出発前夜の満月
昨夜(8月31日),明日は塔ノ岳に登るぞと自分に気合いを入れながら,東の空から昇ったばかりの満月を見上げる.真っ暗になった鎌倉中央公園の森の上に,大きな満月が煌々と光っている.まるで今にもかぐや姫が舞い降りてきそうな雰囲気である.
オッとかぐや姫は竹の中から生まれたんだっけ・・・まあ,いいや.とにかく素晴らしい月である.私はオンボロデジカメを手ぶれしないように構えて,何とか月の写真を撮る.
「よしよし・・・・この分だと,明日は西の空に月を眺めながら出掛けられるな・・」
と翌朝の月を期.
<鎌倉中央公園の森から昇る満月>
■満月と富士山
漸く空が明るくなり始めた頃,何時も通り5時10分に家を出発する.自宅近くの湘南モノレールのホームから富士山と満月が良く見える.早速写真を撮る.藤沢の市街地の向こうに,大きな満月と,シルエットのような富士山が見えている.ただ黒い雲が上空を覆っている.多分,私の頭の上には大きな積雲ができているんだろう.
<満月と富士山>
■沸き上がる入道雲
湘南モノレールで大船へ向かい.真っ青な空に,大きな入道雲が幾つもわき上がっている.
「今日の天気はどうもあやしいな・・・」
と思うが,まあとにかくこのまま出掛けよう.
<大船駅前から見た入道雲> <湘南モノレールの向こうに入道雲>
■途中まで韋駄天のTさんとご一緒する
今日は土曜日.休日ダイヤである,だから小田原駅での階段2段跳び乗換えではなく,ユックリと小田急電車に乗り換えることができる.これは私にとってとても嬉しいこと.とにかく平日には乗り換え時間が2分しか無く,いつも乗換が大きなプレッシャーになっている.
渋沢駅では,予定通りユックリと大倉行1番バスに乗車する.
バスは土曜日にしては随分と空いている.多分,天気予報が余り良くなかったので,客足が遠退いたんだろう.車内を見回すと,復帰間もない韋駄天のTさん,三度笠のY内さん,Y川さん,大三郎さん,K井さん,U村さん,韋駄天のS藤さんなどの顔が見える.土曜日ご常連のK大Nさん,マドンナさんの姿は見えない.
バスの前方に丹沢ウッズさんが立ち席で乗車している.私はバスの後部にまだ空席があったが,丹沢ウッズさんと話がしたくて立ち席にする.今日の丹沢ウッズさんは,大倉から走り出して,塔ノ岳,丹沢山,蛭ヶ岳を経由して橋本まで走っていくそうである.いやはや凡人の眼から見ると,もう人間離れしている凄さである.
大三郎さんから,
「・・・今日は一緒に登りましょう・・・」
とお誘いを受ける.勿論,喜んで・・・・
7時06分,韋駄天のTさん,三度笠のY川さん,大三郎さんのお三方とご一緒に大倉から歩き出す.ところが,韋駄天のTさんは,リハビリ中にもかかわらず,結構な速度でグイグイ登っていく.他の方はどう感じて居られるか分からないが,私には韋駄天のTさんの後を付けるのが精一杯.私の巡航速度の上限に近い.
「この頃は,(見晴山荘まで)登り40分,下り40分で歩いています.(登りの速度は)何時もより10分ほど余計に時間を掛けています・・・」
と韋駄天のTさんが言う.
7時47分,見晴山荘に到着する.ここでご同行の皆さんと集合写真を撮る(ブログ公開了承済み).
リハビリ中の韋駄天のTさんとは,ここでお別れする.
<杉林の登山道を行く> <見晴山荘にて>
■見晴階段
見晴階段に差し掛かる.
私は,到底,三度笠のY内さんと同じ速度では登れないので,ここでお別れ.先に行ってもらう.
見晴階段を見上げると,坂の上の方にご常連の後ろ姿が小さく見えている.すぐ前に三度笠のY内さんが登っておられるが,塔ノ岳山頂に到着する頃には10~15分の差が付いてしまうはずである.
私は流れるような汗をかかないように注意しながら,自分の経済速度で登り続ける.フト気がつくと,ご一緒していた大三郎さんの姿が見えなくなっている.お待ちしようかとも思ったが,どうされたかが良く分からないので,そのまま登り続ける.
見晴階段を登り終えて,モミジ坂を一本松に向かっているところで,私たちが乗車した後のバスで来られたジャイアンさんに追い抜かれる.
<見晴階段>
■堀山の尾根道
8時21分,ようやく駒止茶屋に到着する.大倉を歩き始めてからの所要時間は1時間15分.無理をしないペースにしても,もう少し速く歩けるようになりたいものである.
堀山の尾根に差し掛かる.前方に三角髭のTさん,K井さん,M田さんのお三方の後ろ姿が見え出す.私は急坂を速く歩くことは苦手だが,平らな所はかなり速く歩けるので,すぐにお三方に追い付く.そして,暫くの間,このお三方とご一緒する.
<心地よい堀山の尾根道を行く>
■富士山は雲の中
富士見平からの富士山は残念ながら雲の中である.多分,海からの上昇気流が雲になっているのだろう.
晴れていれば言えるはずの富士山を想像しながら,儀式として写真を撮る.
<富士見平から富士山の方向を眺める>
■萱場平
8時38分,堀山の家を通過する.ベンチで数名の登山者が休憩を取っている.私たちはそのまま登り続ける.
何時ものように,私は自分の経済速度を守りながら堀山の家からの急坂を登り続ける.ここから花立山荘までの長い登り坂は,ロートルの私にとって厳しいには違いないが,一方では登山をしているという実感が一番持てるところでもある.私は前を歩く三角髭のTさんの後ろに付いて,淡々と登り続ける.ときどき後ろを振り返って,
「あれっ!・・・K井さんとM田さんが見えなくなった・・・」
「まあ,仕方がないですね・・・お二人が追い付くまで,ユックリ登りましょう・・」
で登り続ける.
三角髭のTさんは,足の遅い私に合わせて歩いてくれる.Tさんとご一緒できるとは・・光栄なことである.
8時57分,萱場平を通過する.木道の間に大きく育っているアザミに挨拶をして,木道を通過する.ベンチには誰も居ない.萱場平は静まり返っている.
<萱場平>
■花立山荘
K井さんたちの姿が一向に見えないので,三角髭のTさんと私は,二人だけで登り続けることにする.
やがて後7分坂に差し掛かる.この坂道,なかなかシンドイが,それでも8分ほど掛けて登り切って,9時20分に花立山荘に到着する.
大倉からの所要時間は2時間14分.2~3年前までは2時間程度で登っていたので,今更ながら落日のように弱体化する自分の体力が哀れになる.
花立山荘から花立山までの坂道は,近いようで結構大変である.前回の塔ノ岳詣でのときにホッシーさんから押してて頂いたマルバタケブキの群生を左手に眺めながら,ガレ場の坂道を登り続ける.三角髭のTさんが,さりげなく立ち止まって,私が追い付くのを待ってくれる.
「本当にスミマセン・・・ご一緒頂いて・・・」
私は,度々,Tさんにお礼を言う.
「いえいえ,飛んでもない・・・ご一緒頂いて光栄です」
とTさんがおっしゃる.それを伺って,ますます恐縮する.
花立山に差し掛かると俄に雲が湧いてきて,視界が殆どなくなる.同時に,気温が幾分下がって涼しくなる.
<花立山のガレ場で雲が湧いてくる>
■木々の緑が素晴らしい登山道
9時34分,金冷シを通過する.そして最初の長い階段を登る.緑鮮やかな木々の間の階段である.
白内障の手術を終えたばかりの私には,登山道の周囲を覆う木々の緑が実に素敵に見える.
「素晴らしい・・・綺麗だな・・・」
を繰り返す.辺りを見回している内に,ついつい歩くのが疎かになる.
前方から,韋駄天のS藤さんと,名前が分からない常連らしい女性が下山してくる.
<美しい緑に囲まれた金冷シ周辺>
■塔ノ岳山頂
9時50分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.山頂の気温は21.8℃と高めである.殆ど無風に近い.
大倉を歩き出してからの所要時間は2時間44分.残念だが,今の私にはこんなもの.私に歩調を合わせて頂いた三角髭のTさんに感謝.
辺り一面に濃い雲が立ちこめていて,眺望は全くない.でも,意地になって,霧以外何も見えない風景を写真に納める.
<塔ノ岳山頂><山頂から富士山方面を望む>
■尊仏山荘
山頂での議事期を追えて尊仏山荘に入る.先客は三度笠のY内さん他.今日の小屋番はオーナーのHさん.営業部長のミー君はどこかでサボっているらしくて,客席には出てこない.
300円也のお茶を所望.Y内さんとフェースブックのことなどを雑談.
10時を過ぎた頃.K井さんとM田さんが山荘に入ってくる.ほぼ同じ頃,私たちが乗車したバスより1本遅いバスで来られたF田さんが山荘に入ってくる.雑談がたけなわになった頃,大三郎さんが漸く到着する.さらには私たちが乗ったバスより5本も遅いバスで来られたM本さんがご到着.
「今日は,(大倉から山頂まで)2時間を切りました・・・」
いやはや・・・凄い人が居るものだ.
ご常連が雑談をしている風景をパチリ.
ブログに掲載する了承は得ていないが,マア,イイカで掲載する(クレームがあったら直ぐ削除する).
<尊仏山荘での楽しい語らい>
■ご常連と一緒に下山
10時58分,下山を開始する.
富士山方面には分厚い雲が湧いているが,大山方面は良く晴れている.遠く東京方面まで良く見えている.遙か先に東京スカイツリーが立っているのが見える.実は,私にとって,肉眼でスカイツリーを見るのは初めての経験である.白内障の手術を受ける前には,肉眼で見るなど全く不可能だったからである.肉眼でスカイツリーが見えるとは! 小学校以来近視に悩まされ続けて北私には,それこそ生まれ変わったような喜びである.
山頂は,何時の間にか,沢山の登山客で賑わっている.
三角髭のTさん,F田さん,M田さん,M本さん,それに私の5人で,ユックリペースで下山し続ける.
「今日はゲザンシュタインさんが居ないんで,ユックリ下山しましょう・・・」
とどなたかが言う.下山ユックリ派の私には有り難いことである.速すぎる下山は忙しなくて困る.
11時29分,花立山荘を通過する.沸き上がる雲は覆いものの下界の風景が素晴らしい.
後7分坂(花立階段)も,同行の皆様がユックリ降りてくれるので,焦る心配もなく有り難い.
<花立山荘>
■後7分坂で小屋番のW田さんとすれ違う
後7分坂の途中で,重そうな荷物を背負った尊仏山荘小屋番のW田さんとすれ違う.
山小屋で楽しい一時を過ごせるのも,強力をしてくれる方々の努力の賜.感謝,感謝である.
<尊仏山荘小屋番のW田さんとすれ違う>
■綺麗な花で道草
11時37分,戸沢分岐を通過する.急坂を下って11時40分,進行方向右側の金網の先に咲いている百合の花(正確な名前は知らない)を眺めながら道草.ついでに写真を撮る.本当はもっとアップにして,被写体深度を浅くして撮りたいが,カメラをどう操作して良いか分からない.
11時51分,堀山の家に到着する.私たちより先に下山された三度笠のY内さんが,堀山の家に居られたら立ち寄っても良いなと思ったが,もう下山されてしまったとのこと.
<路傍の花を愛でる>
■突如の雨
富士見平を過ぎた頃,ポツン,ポツンの雨滴が落ち始める.雲行きが怪しい.
12時10分,駒止茶屋を通過する.駒止階段を下りている途中で,雨脚が強まる.やむを得ず,階段の途中で折りたたみ傘を取り出す.勿論,レインウエアは持参しているが,蒸し暑いので着る気になれない.まあ,勝手知ったる登山道である.風もないし,傘で片手を使っても,安全に下山するのに差し支えないだろう.
見晴階段も無事下り終えて,12時28分,見晴らし山荘前を通過する.私が,
「・・・大倉に着いた途端に,雨が止むかもしれませんね・・・」
と軽口を言う.
何時の間にか,一緒に下山していたM本さんと,三角髭のTさんの姿が見えない.先に行かれたんだろう.
私たちもユックリ歩いているが,さらにユックリの方も居られるので,途中で追い越させて頂く.
12時43分,観音茶屋を通過する.茶屋で三度笠のY内さんが休んでいる.私たちもどこかで氷水でも飲もうかなどと言っていたが,この雨でそんな気持ちも消え失せた.
「先に下山します・・」
とY内さんに声を掛けて下山し続ける.
<雑事場ノ平付近の雨>
■無事帰宅
13時02分,バス停大倉に到着する.
さきほど軽口を言っていたことが本当になって,私たちが大倉に到着する頃,雨はピッタリと止む.
「冗談が本当になったね・・・」
間もなく14時11分発渋沢行のバスが到着する.結局,途中から先に下山されたM本さん,三度笠のY内さんも同じバスに乗車する.
汗か雨か分からないが,着衣はベタベタして気持ちが悪い.クイックドライのウエアを着ているのに・・・
渋沢駅で,私一人だけ寂しく小田原行の電車に乗車する.そして,小田原で接続が良く14時04分発特別快速高崎行電車に飛び乗る.ボックス席にユッタリ座る.車内の冷房と,未だ湿っぽい着衣で気化熱が奪われ寒い.
何時もならば,大船駅でコーヒーでも賞味しながら一息入れてから帰宅するが,今日はその気になれず,そのままバスに乗車.15時少し前に無事帰宅する.
早速風呂を沸かして,汗を洗い落とす.やっと人心地.
今日も楽しい山行だった.
<ラップタイム>
7:06 大倉歩き出し
7:31 観音茶屋
7:47 見晴山荘
8:38 堀山の家
9:20 花立山荘
9:34 金冷シ
9:50 塔ノ岳山頂着(21.8℃)
10:58 〃 発
11:11 金冷シ
11:22 花立山荘
11:51 堀山の家(11:53まで休憩)
12:10 駒止茶屋
※雨が降り出す
12:28 見晴山荘
12:42 観音茶屋
13:02 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:06
塔ノ岳 着 9:50
(所要時間) 2時間44分(2.73h)
水平歩行速度 7.0km/2.73h=2.56h
登攀速度 1269m/2.73h=464.8m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:58
大倉 着 13:22
(所要時間) 2時間24分(2.40h)
水平歩行速度 7.0km/2.40h=2.92km/h
下降速度 1269m/2.40h=528.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bdbd0af20d914219b8ff4bc628e08b3a
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0ecb437f26d132c4a6888bfcd24b058a
※誤字脱字転換ミスは後刻訂正.
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