<塔ノ岳山頂からの眺望:雲がたれ込めている>
師走の丹沢:冬装備でリュックが重い塔ノ岳(今年50目)
(単独山行)
2009年12月29日(火)
■寒い朝,意を決し,家を出る
本当は,昨日,塔ノ岳へ登るつもりだった.でも,昨日は早朝から雨.前回の塔ノ岳登頂から,少し間が空いてしまったが,今日は天気が良さそうなので,急遽,塔ノ岳に出掛けることにした.奇しくも,今回は,今年50回目の塔ノ岳詣でである.
今年は,急性胃炎に罹ったために,胃炎そのものの治療や,ピロリ菌滅菌などで,足かけ2ヶ月にわたって,登山から遠ざかっていた.その後の体力の回復が,とても気になる.これまでの所,結構,良いタイムで登れたかと思うと,次には残念な結果になるなど,まだまだ体力の回復は本調子だとは言えそうもない.
それはともかく,何時も通りに5時10分に家を出発する.冬至は過ぎているのに,朝明けはますます遅くなっているような気がしてならない.真っ暗な中,東海道本線の電車で大船から小田原に向かう.暮れも押し迫った29日ともなると,大方の人は多忙なんだろう.電車は空いている.
小田原で小田急線の電車に乗り換える時間は,たった2分しかない.私と同じように小田急電車に乗り換えようとする数名の方々に,私も混じって,跨線橋を駆け上がり,駆け下りる.そして,小田急電車に飛び乗ると直ぐに電車は発車する.毎度のことだが,この乗換で,今日一日に費やすエネルギーの大半を使ってしまったような錯覚に陥る.
■冬装備でリュックが重い
渋沢に到着すると登山客が電車からドッと降りる.1番バスは,平日なのに,超満員である.
韋駄天のTさん,三角髭のTさん達,ご常連の顔も揃っている.ただ,今日はカメラマンのMさんの姿が見えないのが,少々寂しい.
車内を見回すと,山旅スクール8期(7期かな?)のH井さんが居る.今日はトレーニングのために15キログラムの荷物を持って丹沢山を往復するそうである.私など体力を維持するだけで精一杯なのに凄いなと思う.
バスが大倉に到着する.
私は,少々寒いが,長袖シャツ1枚とチョッキだけの姿になり,ジャケットやフリースなどはリュックに仕舞い込む.そして,手袋,帽子,手ぬぐいなどを取り出して,身支度を整える.
今日からは4本爪の軽アイゼン,スパッツ,ツェルド,サングラス,予備の手袋,防寒用帽子,お湯を入れたテルモスなど冬用の装備にしている.そのため,夏場よりも持ち物が2キログラムほど重くなっている.たった2キログラムとはいえ,リュックの重さは約10キログラム強になっている.これは,結構,堪えるなと予想している.
例によって,モタモタしている内に,同じバスに乗っていた人たちの中では,歩き出すのが一番ビリ近くになってしまう.
<雲間から降り注ぐ日光:見晴山荘前>
■体調が余り良くない
歩き出して直ぐに,今日の体調はあまり良くないことに気がつく.何となく足取りが重く,息が上がりそうになる.そこで,ややペースを落として登り続ける.途中で,若い登山者,数名に追い越される.逆に何人かの登山客を追い越すが,私は心の中で「他人とは競争しないこと」と強く自分自身を戒める.
やがて,見晴山荘を通過して,最初の長い登り坂に差し掛かる.前方には数名の登山客が四苦八苦しながら登っている.上半身を左右に大きく振りながら,大股で登っている人が多い.一言注意してあげたいなと思うものの,「余計なことを言うな」と叱られるのが怖いので,見て見ぬ振りをする.
8時18分に駒止茶屋を通過する.大倉から歩き出して1時間04分経過している.やっぱり1時間は切れなかったなと,自分の体調を再確認する.この調子だと,塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間30分前後だなと予測する.
<急坂を登る登山者の列:見晴山荘付近>
■曇り空で富士山は見えない
堀山の尾根に差し掛かる.上空には,相変わらず厚い雲が覆っている.晴れていれば綺麗に見える富士山も今日は全く見えない.冬場になると,ここで富士山を眺めるのを楽しみにしているので,今日のように全く見えないと,随分と意気消沈してしまう.
シオシオと名残惜しげに歩き続けて,8時35分に堀山の家を通過する.この辺りまで来ると,私の前後に,全く登山者の姿が見えなくなる.韋駄天組や駆けっこをしている若者を除くと,一番バスに乗り合わせた方々は,どうやら私より後ろの方に固まっているようである.
<残念ながら富士山は見えない:堀山の尾根>
■泥んこが凍結している萱場平
8時53分,萱場平を通過する.堀山の家を過ぎた辺りから,凍結した泥濘が目立つようになる.萱場平では無数の足跡がそのまま凍結してカチンカチンになっている.この凍結した足跡も風物詩には違いないが,溶け出す前に下山したくなる.
<泥んこが凍結している萱場平>
■ご常連と次々にすれ違う
「何だか疲れたな・・」
と思いながら,萱場平を通過する.歩く度に,足跡に凍結した氷がバリバリと音を立てて砕ける.
ボンヤリとしながら,半ば惰性で,長い階段を登り続ける.ほとんど何も考えていない.
そのとき,突然,どたどたと足音が聞こえてくる.Y沢さんである.いつものように2本ストックを上手に使いながら駆け下りてくる.
<快調に掛け下るY沢さん>
■花立山付近の工事
9時14分に花立山荘を通過する.辺りには誰も居ない.
大倉から花立山荘までの所要時間は,丁度,2時間.できれば1時間55分以内で通過したい.たった5分の超過とはいえ,やっぱり体力が落ちているなと実感する.
前回,塔ノ岳に登ったときに始まった花立場(花立山)付近の保全工事は無事終わったようである.辺り一面に保護マットが貼り付けられている.
今日は富士山が見えないので,ここからの写真は撮らないが,もし撮るとこの保護マットがどうしても画面の中に入ってしまう.やむを得ないことだが,一寸,残念である.
空から絶えず粉雪が舞い降りてくる.天気予報は大外れである.
<工事を終えた花立山山頂付近>
■韋駄天のTさんとすれ違う
金冷シを過ぎて,最初の長い登り階段で,上から下りてくる韋駄天のTさんとすれ違う.
「・・今年になって今日は何回目の登山ですか・・・」
と伺うと,314回目だという.私の5~6年分を1年で登ってしまうのだから凄い.
「・・後,3年ぐらいで,いよいよ2000回ですね・・」
「いえいえ,そこまでは・・・」
お互いに元気で過ごしましょうと,エールを交換して分かれる.私は前回の塔ノ岳詣でのときに,Tさんは2000回登ったと言い張った女性に,今の会話を聞かせてあげたかった・・・と,ふと思った.
<金冷シから最初の長い階段を下る韋駄天のTさん>
■冬の風物詩
金冷シから最初の長い階段を登り切ると,少し下り坂の木道になる.木道の先の窪地に無数の足跡がコチコチの凍り付いて残っている.これも冬の風物詩かもしれない.
「こいつが溶け出さない内に下山しなければ・・・」
<カチカチに凍り付いた無数の足跡:塔ノ岳山頂直下にで>
■尊仏山荘
9時27分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,2時間27分.駒止茶屋で予測したとおりの所要時間である.
富士山も南アルプスも見えないが,儀式として,山頂からの風景をデジカメに収める.
終始,汗をかかないように注意しながら登ってきたので,立ち止まると,すぐに寒くなる.一通り写真を撮ってから,直ぐに尊仏山荘に入る.
山荘の温度計によると,9時35分現在の塔ノ岳山頂の気温はマイナス2.5℃.この時期としては暖かいようである.
今日の小屋番はOさん他.Oさんが,
「・・アニマルプラネット,見たそうですね・・」
と私に話しかける.Oさんによると,カメラマンのMさんが,アニマルプラネットのことを書いた私のブログを読まれたようである.
「これで,(尊仏山荘も)少しは有名になりますかね・・・お客が増えるでしょうか・・」
「尊仏山荘も,テレビのお陰で,結構,有名になったんじゃないですか・・・増えますよ!」
と,私は,いい加減なエールを送る.
「・・実は,録画を貰っているんですが,まだ見ていないんです・・さっそく見ようかな」
と,Oさんが言う.
そのとき,ミー君がどこからともなく現れる.そして,バケツに首を突っ込んで,水をピシャピシャと飲み始める.
「何時もコイツを見ていると,他のネコにピッタリ感が無くなっちゃいますよ・・」
と私が本音を言う.
雑談をしている間にも,ご常連と思われる方や,若い方々が次々に山荘に入ってくる.
私は,萱場平の泥んこが融けない内に下山したいなと思う.
<バケツの水を飲むミー君>
<コタツの方へ戻る>
■ユックリと下山しよう
私は,大倉発12時40分のバスに乗りたいなと思う.2時間10分程度掛けてユックリと下りたいので,10時09分に尊仏山荘を出発する.
上空には,先ほどまでよりも,ずっと分厚い雲が掛かり始めている.
山荘を出ると,山旅スクール6期のN島さんが,丁度,山頂に到着する.久々の再開である.
<私と入れ替わりに山荘に入るNさん>
■チャンピョンとすれ違う
次から次へと登ってくる登山者とすれ違いながら,ユックリと下山し続ける.花立山荘を過ぎて露岩帯に入ったところで,大きな荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
「・・今日は随分に持つが多いですね・・」
「うん,今日は40キロ・・」
<40キログラムの荷物を背負ったチャンピョンが登ってくる>
■相模線経由で帰宅
12時31分,無事,大倉に到着する.心地よい疲労感がある(本当は疲れた).
どなたか忘れたが,
「相模線を利用した方が早く帰れますよ・・」
と聞かされていた.
そこで,厚木で相模線,茅ヶ崎で東海道本線に乗り換える.結局,小田原経由があらゆる経路の中で,断然速いことが立証された.
こうして,今年度最後の塔ノ岳詣では,沢山の先輩,知人と出会いながら,無事,終わった.
来年度も,元気で塔ノ岳詣でが続けられることを心から祈願している.
[ラップタイム]
7:14 大倉歩き出し
7:35 観音茶屋
7:50 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:35 堀山の家
9:14 花立山荘
9:28 金冷シ
9:45 塔ノ岳山頂 着
=========================================
10:09 塔ノ岳山頂 発(-2.5℃)
10:22 金冷シ
10:35 花立山荘
11:13 堀山の家
11:29 駒止茶屋
11:55 見晴茶屋
12:10 観音茶屋
12:31 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1250m
■登攀所要時間
大倉 発 7:14
塔ノ岳 着 9:45
(所要時間) 2時間27分(2.45h)
登攀速度 1250m/2.45h=510.2m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:09
大倉 着 12:31
(所要時間) 2時間22分(2.37h)
下降速度 1250m/2.37h=527.4m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/10b1694356dab5b2d9c79865a42aa0d2
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2f5d064730ad3d6e07b5a66113acbaa2
師走の丹沢:冬装備でリュックが重い塔ノ岳(今年50目)
(単独山行)
2009年12月29日(火)
■寒い朝,意を決し,家を出る
本当は,昨日,塔ノ岳へ登るつもりだった.でも,昨日は早朝から雨.前回の塔ノ岳登頂から,少し間が空いてしまったが,今日は天気が良さそうなので,急遽,塔ノ岳に出掛けることにした.奇しくも,今回は,今年50回目の塔ノ岳詣でである.
今年は,急性胃炎に罹ったために,胃炎そのものの治療や,ピロリ菌滅菌などで,足かけ2ヶ月にわたって,登山から遠ざかっていた.その後の体力の回復が,とても気になる.これまでの所,結構,良いタイムで登れたかと思うと,次には残念な結果になるなど,まだまだ体力の回復は本調子だとは言えそうもない.
それはともかく,何時も通りに5時10分に家を出発する.冬至は過ぎているのに,朝明けはますます遅くなっているような気がしてならない.真っ暗な中,東海道本線の電車で大船から小田原に向かう.暮れも押し迫った29日ともなると,大方の人は多忙なんだろう.電車は空いている.
小田原で小田急線の電車に乗り換える時間は,たった2分しかない.私と同じように小田急電車に乗り換えようとする数名の方々に,私も混じって,跨線橋を駆け上がり,駆け下りる.そして,小田急電車に飛び乗ると直ぐに電車は発車する.毎度のことだが,この乗換で,今日一日に費やすエネルギーの大半を使ってしまったような錯覚に陥る.
■冬装備でリュックが重い
渋沢に到着すると登山客が電車からドッと降りる.1番バスは,平日なのに,超満員である.
韋駄天のTさん,三角髭のTさん達,ご常連の顔も揃っている.ただ,今日はカメラマンのMさんの姿が見えないのが,少々寂しい.
車内を見回すと,山旅スクール8期(7期かな?)のH井さんが居る.今日はトレーニングのために15キログラムの荷物を持って丹沢山を往復するそうである.私など体力を維持するだけで精一杯なのに凄いなと思う.
バスが大倉に到着する.
私は,少々寒いが,長袖シャツ1枚とチョッキだけの姿になり,ジャケットやフリースなどはリュックに仕舞い込む.そして,手袋,帽子,手ぬぐいなどを取り出して,身支度を整える.
今日からは4本爪の軽アイゼン,スパッツ,ツェルド,サングラス,予備の手袋,防寒用帽子,お湯を入れたテルモスなど冬用の装備にしている.そのため,夏場よりも持ち物が2キログラムほど重くなっている.たった2キログラムとはいえ,リュックの重さは約10キログラム強になっている.これは,結構,堪えるなと予想している.
例によって,モタモタしている内に,同じバスに乗っていた人たちの中では,歩き出すのが一番ビリ近くになってしまう.
<雲間から降り注ぐ日光:見晴山荘前>
■体調が余り良くない
歩き出して直ぐに,今日の体調はあまり良くないことに気がつく.何となく足取りが重く,息が上がりそうになる.そこで,ややペースを落として登り続ける.途中で,若い登山者,数名に追い越される.逆に何人かの登山客を追い越すが,私は心の中で「他人とは競争しないこと」と強く自分自身を戒める.
やがて,見晴山荘を通過して,最初の長い登り坂に差し掛かる.前方には数名の登山客が四苦八苦しながら登っている.上半身を左右に大きく振りながら,大股で登っている人が多い.一言注意してあげたいなと思うものの,「余計なことを言うな」と叱られるのが怖いので,見て見ぬ振りをする.
8時18分に駒止茶屋を通過する.大倉から歩き出して1時間04分経過している.やっぱり1時間は切れなかったなと,自分の体調を再確認する.この調子だと,塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間30分前後だなと予測する.
<急坂を登る登山者の列:見晴山荘付近>
■曇り空で富士山は見えない
堀山の尾根に差し掛かる.上空には,相変わらず厚い雲が覆っている.晴れていれば綺麗に見える富士山も今日は全く見えない.冬場になると,ここで富士山を眺めるのを楽しみにしているので,今日のように全く見えないと,随分と意気消沈してしまう.
シオシオと名残惜しげに歩き続けて,8時35分に堀山の家を通過する.この辺りまで来ると,私の前後に,全く登山者の姿が見えなくなる.韋駄天組や駆けっこをしている若者を除くと,一番バスに乗り合わせた方々は,どうやら私より後ろの方に固まっているようである.
<残念ながら富士山は見えない:堀山の尾根>
■泥んこが凍結している萱場平
8時53分,萱場平を通過する.堀山の家を過ぎた辺りから,凍結した泥濘が目立つようになる.萱場平では無数の足跡がそのまま凍結してカチンカチンになっている.この凍結した足跡も風物詩には違いないが,溶け出す前に下山したくなる.
<泥んこが凍結している萱場平>
■ご常連と次々にすれ違う
「何だか疲れたな・・」
と思いながら,萱場平を通過する.歩く度に,足跡に凍結した氷がバリバリと音を立てて砕ける.
ボンヤリとしながら,半ば惰性で,長い階段を登り続ける.ほとんど何も考えていない.
そのとき,突然,どたどたと足音が聞こえてくる.Y沢さんである.いつものように2本ストックを上手に使いながら駆け下りてくる.
<快調に掛け下るY沢さん>
■花立山付近の工事
9時14分に花立山荘を通過する.辺りには誰も居ない.
大倉から花立山荘までの所要時間は,丁度,2時間.できれば1時間55分以内で通過したい.たった5分の超過とはいえ,やっぱり体力が落ちているなと実感する.
前回,塔ノ岳に登ったときに始まった花立場(花立山)付近の保全工事は無事終わったようである.辺り一面に保護マットが貼り付けられている.
今日は富士山が見えないので,ここからの写真は撮らないが,もし撮るとこの保護マットがどうしても画面の中に入ってしまう.やむを得ないことだが,一寸,残念である.
空から絶えず粉雪が舞い降りてくる.天気予報は大外れである.
<工事を終えた花立山山頂付近>
■韋駄天のTさんとすれ違う
金冷シを過ぎて,最初の長い登り階段で,上から下りてくる韋駄天のTさんとすれ違う.
「・・今年になって今日は何回目の登山ですか・・・」
と伺うと,314回目だという.私の5~6年分を1年で登ってしまうのだから凄い.
「・・後,3年ぐらいで,いよいよ2000回ですね・・」
「いえいえ,そこまでは・・・」
お互いに元気で過ごしましょうと,エールを交換して分かれる.私は前回の塔ノ岳詣でのときに,Tさんは2000回登ったと言い張った女性に,今の会話を聞かせてあげたかった・・・と,ふと思った.
<金冷シから最初の長い階段を下る韋駄天のTさん>
■冬の風物詩
金冷シから最初の長い階段を登り切ると,少し下り坂の木道になる.木道の先の窪地に無数の足跡がコチコチの凍り付いて残っている.これも冬の風物詩かもしれない.
「こいつが溶け出さない内に下山しなければ・・・」
<カチカチに凍り付いた無数の足跡:塔ノ岳山頂直下にで>
■尊仏山荘
9時27分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,2時間27分.駒止茶屋で予測したとおりの所要時間である.
富士山も南アルプスも見えないが,儀式として,山頂からの風景をデジカメに収める.
終始,汗をかかないように注意しながら登ってきたので,立ち止まると,すぐに寒くなる.一通り写真を撮ってから,直ぐに尊仏山荘に入る.
山荘の温度計によると,9時35分現在の塔ノ岳山頂の気温はマイナス2.5℃.この時期としては暖かいようである.
今日の小屋番はOさん他.Oさんが,
「・・アニマルプラネット,見たそうですね・・」
と私に話しかける.Oさんによると,カメラマンのMさんが,アニマルプラネットのことを書いた私のブログを読まれたようである.
「これで,(尊仏山荘も)少しは有名になりますかね・・・お客が増えるでしょうか・・」
「尊仏山荘も,テレビのお陰で,結構,有名になったんじゃないですか・・・増えますよ!」
と,私は,いい加減なエールを送る.
「・・実は,録画を貰っているんですが,まだ見ていないんです・・さっそく見ようかな」
と,Oさんが言う.
そのとき,ミー君がどこからともなく現れる.そして,バケツに首を突っ込んで,水をピシャピシャと飲み始める.
「何時もコイツを見ていると,他のネコにピッタリ感が無くなっちゃいますよ・・」
と私が本音を言う.
雑談をしている間にも,ご常連と思われる方や,若い方々が次々に山荘に入ってくる.
私は,萱場平の泥んこが融けない内に下山したいなと思う.
<バケツの水を飲むミー君>
<コタツの方へ戻る>
■ユックリと下山しよう
私は,大倉発12時40分のバスに乗りたいなと思う.2時間10分程度掛けてユックリと下りたいので,10時09分に尊仏山荘を出発する.
上空には,先ほどまでよりも,ずっと分厚い雲が掛かり始めている.
山荘を出ると,山旅スクール6期のN島さんが,丁度,山頂に到着する.久々の再開である.
<私と入れ替わりに山荘に入るNさん>
■チャンピョンとすれ違う
次から次へと登ってくる登山者とすれ違いながら,ユックリと下山し続ける.花立山荘を過ぎて露岩帯に入ったところで,大きな荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
「・・今日は随分に持つが多いですね・・」
「うん,今日は40キロ・・」
<40キログラムの荷物を背負ったチャンピョンが登ってくる>
■相模線経由で帰宅
12時31分,無事,大倉に到着する.心地よい疲労感がある(本当は疲れた).
どなたか忘れたが,
「相模線を利用した方が早く帰れますよ・・」
と聞かされていた.
そこで,厚木で相模線,茅ヶ崎で東海道本線に乗り換える.結局,小田原経由があらゆる経路の中で,断然速いことが立証された.
こうして,今年度最後の塔ノ岳詣では,沢山の先輩,知人と出会いながら,無事,終わった.
来年度も,元気で塔ノ岳詣でが続けられることを心から祈願している.
[ラップタイム]
7:14 大倉歩き出し
7:35 観音茶屋
7:50 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:35 堀山の家
9:14 花立山荘
9:28 金冷シ
9:45 塔ノ岳山頂 着
=========================================
10:09 塔ノ岳山頂 発(-2.5℃)
10:22 金冷シ
10:35 花立山荘
11:13 堀山の家
11:29 駒止茶屋
11:55 見晴茶屋
12:10 観音茶屋
12:31 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1250m
■登攀所要時間
大倉 発 7:14
塔ノ岳 着 9:45
(所要時間) 2時間27分(2.45h)
登攀速度 1250m/2.45h=510.2m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:09
大倉 着 12:31
(所要時間) 2時間22分(2.37h)
下降速度 1250m/2.37h=527.4m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/10b1694356dab5b2d9c79865a42aa0d2
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2f5d064730ad3d6e07b5a66113acbaa2