<長柄桜山2号古墳展望台からの眺望>
三浦アルプス北尾根・二子山・長柄桜山古墳縦走(2)
(五十三次洛遊会有志ほか)
2009年5月21日(木)(つづき)
■二子山(上)
沼間大山緑地で昼食を終えた私達は,12時45分に緑地を歩き出す.3分ほど歩いて,一旦,元の分岐点に戻った後,再び西南に延びる尾根沿いの道に沿って歩き出す.途中,路面が濡れていて滑りやすい登り坂もあるが,総じて歩きやすい散策路が続く.道路に沿って深い雑木林の中を淡々と歩き続ける.小さな起伏があるものの,散策にもってこいの気持ちの良い道路が続く.
13時21分,二子山(上)に向かう道路と,ウバユリが自生する森戸川へ下り道との分岐点に到着する.私が企画した当初の計画では,二子山には登らずに,ここから真っ直ぐ森戸川に下ることにしていた.しかし,参加者の脚力が意外に強いので,二子山へ立ち寄る馬力は十分に残っているようである.そこで,
「折角だから,二子山の山頂を往復しましょうか・・?」
と一同に聞いてみる.皆,元気である.
「行こう,行こう・・」
ということになる.
「それでは,二子山を目指しましょう・・・・」
三叉路を右折して,二子山へ向かう.程なく,南郷上ノ山公園からの登山道と合流する.ここから道幅が一段と広くなる.軽装のハイカーの姿も多くなる.
「この路は二子山山頂で行き止まりです.速く歩きたい方はどうぞ先へ行って,二子山山頂で待っていて下さい・・・」
と一同に声を掛ける.
私達全員が,13時21分,二子山(上)に到着する.この山にはさすがに先客が沢山居る.私達は展望台に上って,辺りの景色を楽しむ.
<二子山(上)の山頂>
■二子山(下)
地図を見ていた一部の方々から,折角,二子山(上)まで来たのだから,後戻りせずに,このまま尾根道を行かないかという提案がある.異論はない.私も,これまでの歩き方を見ていて,全員,十分に歩けるなと判断.
「では,山のルートを行きましょう」
で,13時31分に二子山(上)を出発する.
なだらかな尾根道を悠々と歩いていると,いきなりザレた下り坂になる.
「屁っ放り腰にならないように,・・・上体を真っ直ぐ起こして・・腰を落として・・足の裏をペッタリ着地するように.・・・下り坂は『とばない,跳ねない,走らない』で・・・ジックリ降りましょう・・」
私は尊敬する山旅スクールのガイドN田さん(注)から教わったことを,そのまま口移しで皆さんに披露する.
急坂を下り終えて,再び登り坂を進む.そして,13時40分,二子山(下)山頂に到着する.山頂は灌木に覆われていて,眺望は全くない.やや広い空き地が広がっている.ここで,ほんの2~3分,立ち休憩を取る.
(注)N田ガイドは山旅スクール5・6期生しか知らない伝説のガイド.
尊敬するN田ガイドの教えが,未だに私の脳裏にこびり付いている.
■阿部倉山
13時53分,二子山(下)を出発する.すぐに,無数の木の枝が走る急峻な下り坂になる.登山道はますます荒れてくる.長い下り坂が終わると,今度は急な登り坂になる.
やがて,阿部倉山手前のコルに差し掛かる.
コル北側斜面のトラバース道に入る.踏み跡のような路面は,斜めに傾斜していて歩きにくい.
「・・谷川の足を,ちょっと外側に開いて歩くと,身体が安定しますよ・・」
と,これまた山旅スクールで教わったことを,オウム返しに披露する.
コルを通過して,いよいよ阿部倉山山麓のトラバース道に入り込む.この辺りも入山する人が増えているようで,以前よりも大分歩きやすくなっている.
14時13分,阿部倉山山頂に向かう道との分岐点に到着する.これまで案内標識はなかったが,何時の頃か小さな案内表示が取り付けられている.
分岐から深い森に覆われた坂道を,ほんの少し登って,14時17分に阿部倉山山頂に到着する.
ここで記念写真を撮る.
<阿部倉山山頂>
■落ち葉が積もった登山道
14時19分,阿部倉山山頂を出発,往路を引き返す.三叉路から下山を開始する.やがて,道幅が広くなり,急な下り坂の切通になる.路面が見えないほど落ち葉が降り積もっている.
「落ち葉は滑りますから,気を付けて・・・」
とお節介な注意をする.
後の方で,
「まるでボブスレーのコースみたい・・・」
と喜んでいる.
14時36分,阿部倉山登山口に無事下山する.ここからは舗装道路である.
私は,全員,些細なトラブルすらなく,無事に下山できたので,心底からホッとする.
■葉桜団地の公園
辺りは長閑な田園地帯である.ここまで来ると,私などよりも,ずっとこの辺りの土地勘のある方がいる.その方の話を伺いながら,逗葉新道に向けて,ノンビリと歩く. 川久保橋を渡って,御霊神社前に到着する.一部の方から,「トイレに行きたい」
という要望が出る.近くの長柄会館でトイレを借りようとするが,鍵が掛かっていて入れない.我慢して頂くしかない.
脇道を少し進んで,大神宮脇の2百数十段の長い上り階段を登って,葉桜団地677番地にある公園で一休みする.全員が長い階段を一気に登ったのは驚嘆に値する.
「いやはや・・やっぱり五十三次を踏破した人達は強いな・・」
と心の中で感心している.
■長柄桜山古墳群
15時07分,葉桜団地の公園を出発する.当初,逗子の桜山6丁目に真っ直ぐ下山するつもりだったが,仙人から,
「折角の機会だから,古墳を見学したら如何・・」
という提案がある.
少々回り道になるが,一同元気なようなので,仙人の提案に従う.
長柄桜山古墳への道順がいささかアヤフヤだったが,トドさんの先導で,団地の隅から1号古墳に登る.
15時20分に一号古墳の裾に到着する.そこから先は立入禁止になっているので,裾を廻りながら,2号古墳に向かう.
前方後円墳の「方」の部分のダラダラ道を進んで,13時30分に2号古墳の展望台に到着する.ここで10分ほど休憩を取る.
展望台からは,濃い緑の木々の間に逗子の海岸が見えている.
■六代御前の墓
15時30分,2号古墳を出発する.折角だから蘆花記念講演をブラブラしてみたいなとも思うが,今日は止める.古墳から六代御前の墓を目指して,車も通れない歩行専用の路地を下る.道路の両側には,広い敷地の住宅が並んでいるが,空き家や廃屋が多い.
15時42分,六代御前の墓に到着する.
私には六代御前とはどんな人物か全く分からないが,六代御前は平家一門,平維盛の子どもらしい(逗子教育研究会,1989,p.80).六代御前は母に連れられ,京都嵯峨野近くの菖蒲谷に隠れていたが,源氏に捕らえられる.六代御前は文覚上人の弟子になる.頼朝の死後,幕府の命を受けた安部判官資兼が六代御前を捕らえる.そして,田代河原で斬首された.
なお,六代とは,伊勢平氏正盛から数えて六代目に当たることを意味しているという.
<六代御前の墓>
■大船「ハーベスト」で懇親会
六代御前の墓の真下に広い駐車場がある.ここにトイレがあるのを見付ける.我慢をしていた人が多いので,ここでトイレ休憩.
その後,田越川畔の道に沿って,新逗子駅に向かう.川の中に沢山の魚影が見える. 田代橋を渡る.そして,16時丁度に京浜急行新逗子駅に到着する.
ここで,トドさんとはお別れ.
逗子駅前で懇親会を開こうとするが,土地不案内のために適当な店が見付からない.そこで,希望者だけが大船に向かう.
大船駅ビルの「ハーベスト」で懇親会を開催する.下戸の私でも,歩いた後のグラスビールは美味しい.
18時14分,次回,6月の定例会での再開を約して解散.
[ラップタイム]
10:09 JR田浦駅歩き出し
10:49 田浦梅林展望台(10:54まで休憩)
11:20 三浦アルプス東尾根稜線(11:24まで休憩)
12:05 沼間大山緑地(12:45まで休憩)
13:21 二子山(上)(13:31まで休憩)
13:45 二子山(下)(13:51まで休憩)
14:17 阿部倉山
15:01 葉桜団地公園(15:07まで休憩)
15:20 長柄桜山古墳群1号古墳
15:30 〃 2号古墳(15:50まで休憩)
15:42 六代御前墓(15:50までトイレ休憩)
16:00 新逗子駅(解散)
16:15 JR逗子駅
[山行記録]
■水平歩行距離 10.2km
■累積登攀高度 666m
■累積下降高度 661m
■所要時間(休憩時間込み)
JR田浦駅 発 10:09
JR逗子駅 着 16:15
(所要時間) 5時間06分(5.01h)
歩行速度 10.2km/5.01h=2.04km/h
[参考資料]
逗子教育研究会(編),1989『逗子子ども風土記』逗子教育研究会
(おわり)
「三浦アルプス」「五十三次洛遊会」「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/42268c7e1a3b3fc980e185a506521463
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/52045bf3e60f6ec93ddaf39d27603f5d
「五十三次洛遊会」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8c34fce0304fd360afe70c1588c60f41
三浦アルプス北尾根・二子山・長柄桜山古墳縦走(2)
(五十三次洛遊会有志ほか)
2009年5月21日(木)(つづき)
■二子山(上)
沼間大山緑地で昼食を終えた私達は,12時45分に緑地を歩き出す.3分ほど歩いて,一旦,元の分岐点に戻った後,再び西南に延びる尾根沿いの道に沿って歩き出す.途中,路面が濡れていて滑りやすい登り坂もあるが,総じて歩きやすい散策路が続く.道路に沿って深い雑木林の中を淡々と歩き続ける.小さな起伏があるものの,散策にもってこいの気持ちの良い道路が続く.
13時21分,二子山(上)に向かう道路と,ウバユリが自生する森戸川へ下り道との分岐点に到着する.私が企画した当初の計画では,二子山には登らずに,ここから真っ直ぐ森戸川に下ることにしていた.しかし,参加者の脚力が意外に強いので,二子山へ立ち寄る馬力は十分に残っているようである.そこで,
「折角だから,二子山の山頂を往復しましょうか・・?」
と一同に聞いてみる.皆,元気である.
「行こう,行こう・・」
ということになる.
「それでは,二子山を目指しましょう・・・・」
三叉路を右折して,二子山へ向かう.程なく,南郷上ノ山公園からの登山道と合流する.ここから道幅が一段と広くなる.軽装のハイカーの姿も多くなる.
「この路は二子山山頂で行き止まりです.速く歩きたい方はどうぞ先へ行って,二子山山頂で待っていて下さい・・・」
と一同に声を掛ける.
私達全員が,13時21分,二子山(上)に到着する.この山にはさすがに先客が沢山居る.私達は展望台に上って,辺りの景色を楽しむ.
<二子山(上)の山頂>
■二子山(下)
地図を見ていた一部の方々から,折角,二子山(上)まで来たのだから,後戻りせずに,このまま尾根道を行かないかという提案がある.異論はない.私も,これまでの歩き方を見ていて,全員,十分に歩けるなと判断.
「では,山のルートを行きましょう」
で,13時31分に二子山(上)を出発する.
なだらかな尾根道を悠々と歩いていると,いきなりザレた下り坂になる.
「屁っ放り腰にならないように,・・・上体を真っ直ぐ起こして・・腰を落として・・足の裏をペッタリ着地するように.・・・下り坂は『とばない,跳ねない,走らない』で・・・ジックリ降りましょう・・」
私は尊敬する山旅スクールのガイドN田さん(注)から教わったことを,そのまま口移しで皆さんに披露する.
急坂を下り終えて,再び登り坂を進む.そして,13時40分,二子山(下)山頂に到着する.山頂は灌木に覆われていて,眺望は全くない.やや広い空き地が広がっている.ここで,ほんの2~3分,立ち休憩を取る.
(注)N田ガイドは山旅スクール5・6期生しか知らない伝説のガイド.
尊敬するN田ガイドの教えが,未だに私の脳裏にこびり付いている.
■阿部倉山
13時53分,二子山(下)を出発する.すぐに,無数の木の枝が走る急峻な下り坂になる.登山道はますます荒れてくる.長い下り坂が終わると,今度は急な登り坂になる.
やがて,阿部倉山手前のコルに差し掛かる.
コル北側斜面のトラバース道に入る.踏み跡のような路面は,斜めに傾斜していて歩きにくい.
「・・谷川の足を,ちょっと外側に開いて歩くと,身体が安定しますよ・・」
と,これまた山旅スクールで教わったことを,オウム返しに披露する.
コルを通過して,いよいよ阿部倉山山麓のトラバース道に入り込む.この辺りも入山する人が増えているようで,以前よりも大分歩きやすくなっている.
14時13分,阿部倉山山頂に向かう道との分岐点に到着する.これまで案内標識はなかったが,何時の頃か小さな案内表示が取り付けられている.
分岐から深い森に覆われた坂道を,ほんの少し登って,14時17分に阿部倉山山頂に到着する.
ここで記念写真を撮る.
<阿部倉山山頂>
■落ち葉が積もった登山道
14時19分,阿部倉山山頂を出発,往路を引き返す.三叉路から下山を開始する.やがて,道幅が広くなり,急な下り坂の切通になる.路面が見えないほど落ち葉が降り積もっている.
「落ち葉は滑りますから,気を付けて・・・」
とお節介な注意をする.
後の方で,
「まるでボブスレーのコースみたい・・・」
と喜んでいる.
14時36分,阿部倉山登山口に無事下山する.ここからは舗装道路である.
私は,全員,些細なトラブルすらなく,無事に下山できたので,心底からホッとする.
■葉桜団地の公園
辺りは長閑な田園地帯である.ここまで来ると,私などよりも,ずっとこの辺りの土地勘のある方がいる.その方の話を伺いながら,逗葉新道に向けて,ノンビリと歩く. 川久保橋を渡って,御霊神社前に到着する.一部の方から,「トイレに行きたい」
という要望が出る.近くの長柄会館でトイレを借りようとするが,鍵が掛かっていて入れない.我慢して頂くしかない.
脇道を少し進んで,大神宮脇の2百数十段の長い上り階段を登って,葉桜団地677番地にある公園で一休みする.全員が長い階段を一気に登ったのは驚嘆に値する.
「いやはや・・やっぱり五十三次を踏破した人達は強いな・・」
と心の中で感心している.
■長柄桜山古墳群
15時07分,葉桜団地の公園を出発する.当初,逗子の桜山6丁目に真っ直ぐ下山するつもりだったが,仙人から,
「折角の機会だから,古墳を見学したら如何・・」
という提案がある.
少々回り道になるが,一同元気なようなので,仙人の提案に従う.
長柄桜山古墳への道順がいささかアヤフヤだったが,トドさんの先導で,団地の隅から1号古墳に登る.
15時20分に一号古墳の裾に到着する.そこから先は立入禁止になっているので,裾を廻りながら,2号古墳に向かう.
前方後円墳の「方」の部分のダラダラ道を進んで,13時30分に2号古墳の展望台に到着する.ここで10分ほど休憩を取る.
展望台からは,濃い緑の木々の間に逗子の海岸が見えている.
■六代御前の墓
15時30分,2号古墳を出発する.折角だから蘆花記念講演をブラブラしてみたいなとも思うが,今日は止める.古墳から六代御前の墓を目指して,車も通れない歩行専用の路地を下る.道路の両側には,広い敷地の住宅が並んでいるが,空き家や廃屋が多い.
15時42分,六代御前の墓に到着する.
私には六代御前とはどんな人物か全く分からないが,六代御前は平家一門,平維盛の子どもらしい(逗子教育研究会,1989,p.80).六代御前は母に連れられ,京都嵯峨野近くの菖蒲谷に隠れていたが,源氏に捕らえられる.六代御前は文覚上人の弟子になる.頼朝の死後,幕府の命を受けた安部判官資兼が六代御前を捕らえる.そして,田代河原で斬首された.
なお,六代とは,伊勢平氏正盛から数えて六代目に当たることを意味しているという.
<六代御前の墓>
■大船「ハーベスト」で懇親会
六代御前の墓の真下に広い駐車場がある.ここにトイレがあるのを見付ける.我慢をしていた人が多いので,ここでトイレ休憩.
その後,田越川畔の道に沿って,新逗子駅に向かう.川の中に沢山の魚影が見える. 田代橋を渡る.そして,16時丁度に京浜急行新逗子駅に到着する.
ここで,トドさんとはお別れ.
逗子駅前で懇親会を開こうとするが,土地不案内のために適当な店が見付からない.そこで,希望者だけが大船に向かう.
大船駅ビルの「ハーベスト」で懇親会を開催する.下戸の私でも,歩いた後のグラスビールは美味しい.
18時14分,次回,6月の定例会での再開を約して解散.
[ラップタイム]
10:09 JR田浦駅歩き出し
10:49 田浦梅林展望台(10:54まで休憩)
11:20 三浦アルプス東尾根稜線(11:24まで休憩)
12:05 沼間大山緑地(12:45まで休憩)
13:21 二子山(上)(13:31まで休憩)
13:45 二子山(下)(13:51まで休憩)
14:17 阿部倉山
15:01 葉桜団地公園(15:07まで休憩)
15:20 長柄桜山古墳群1号古墳
15:30 〃 2号古墳(15:50まで休憩)
15:42 六代御前墓(15:50までトイレ休憩)
16:00 新逗子駅(解散)
16:15 JR逗子駅
[山行記録]
■水平歩行距離 10.2km
■累積登攀高度 666m
■累積下降高度 661m
■所要時間(休憩時間込み)
JR田浦駅 発 10:09
JR逗子駅 着 16:15
(所要時間) 5時間06分(5.01h)
歩行速度 10.2km/5.01h=2.04km/h
[参考資料]
逗子教育研究会(編),1989『逗子子ども風土記』逗子教育研究会
(おわり)
「三浦アルプス」「五十三次洛遊会」「関東・上信越の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/42268c7e1a3b3fc980e185a506521463
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/52045bf3e60f6ec93ddaf39d27603f5d
「五十三次洛遊会」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8c34fce0304fd360afe70c1588c60f41