<ご常連Tさんが下る:花立山荘付近>
大混雑の丹沢:塔ノ岳(今年14回目)
(単独山行)
2009年3月15日(日)
■混雑するバス
昨日(3月14日,土曜日)は,終日冷たい雨が降り続いた.今日,日曜日は久々の上天気である.私は躊躇なく丹沢の塔ノ岳に出掛けることにした.
5時10分,何時もの時間に家を出る.つい先日までは,真っ暗だったのに,今日は,もう東の空が明るくなり始めている.随分と朝が早くなったなと実感する.
渋沢7時18分発大倉行のバス,いわゆる3番バスは,登山客で超満員である.勝手を知っている私は,電車が着くと,ダッシュしてバスに乗車したので悠々と座れたが,私より少し後から乗り込んできた方々が殆ど座れない.
私がバスの座席に座ると,
「・・・・flower-hillさん・・・」
と声を掛けてくる人が居る.山旅スクール6期のHさん,Mさん達である.確かこのメンバーとは,昨年2月,一緒に塔ノ岳に登ったことがある.あのときは,随分と雪が深くて,登るのに往生したように記憶している.
同じバスに,お名前は分からないが,これまで何回もお目にかかっている高年齢の紳士が乗っている.お互いに顔見知りなので,挨拶を交わす.
■今日も余り調子が良くない
折角,6期の方々にお会いしたけれども,事前に一緒に登る約束をしていなかったので,お互いに別行動をすることになる.私はストレッチを済ませて,7時38分に大蔵を歩き出す.歩き出してすぐに,今日の体調がそれほど良くないのに気がつく.このところ,特段,体重が増えているわけでもないのに,どうも体が重く感じることが多い.私は歩きながら,
「やっぱり年かな・・」
と弱気になる.
登山口から登山道に入ると,両側が深い杉林になる.このところ,杉の伐採が大分進んで,空が明るく見えるようになった.正直なところ,薄暗い杉林の中を歩くよりは,明るい林の中を歩く方が,よほど気分がよい.
今日は日曜日.しかも上天気である.土曜日の天気が悪かったので,2日分の登山客が,今日に集中しているのだろう.私の前後には沢山の登山客が数珠繋ぎになっている.私は,いくら体調が悪いとはいっても,平素ほとんど歩いていない人たちに比較すれば,まだまだ速く歩ける方である.ところが,前方を歩いている登山客をむやみに追い抜くこともできないので,多少いらいらしながら,列の後に付いて登り続ける.
8時10分,雑事場ノ平を通過する.ここから見晴茶屋までの広い平坦な道を利用して,何人かの登山客を追い抜く.ここから先の急な上り坂でも,沢山の登山客が喘ぎ喘ぎ登っている.今日は暑くもなく寒くもない登山日和である.私はだらだらと汗をかかないように気をつけながら登り続ける.
<登山客が連なる見晴茶屋付近の急坂>
■澄み切った青空に富士山が映える
8時40分,駒止茶屋を通過する.大蔵を歩き出してから,1時間02分,経過している.1時間を2分超過している.このところ,少々体調が悪いなと思うときには,決まって1時間02分である.まるで機械人間になってしまったかのように,ピッタリ同じ時間になるのが不気味である.
「そういえば,今日は,キツツキが木をたたく音を聞かなかったな・・・」
と,ふと,気がつく.
この辺りから,路傍の霜柱が目に入るようになる.多分,放射冷却が激しくて,今朝は大分冷え込んだのだろう.しかし,この時間になると,大分,気温が上昇してきているらしくて,凍結した登山道が融け始めている.
堀山の尾根にさしかかる.私は幾分歩く速度を速める.ここから見える今日の富士山は,特に見事である.真っ青に澄み切った青空に,真っ白に雪化粧をした富士山がまぶしく聳えている.私は,景色の良いところに立ち止まって,気が済むまで写真を撮り続ける.
■ご常連のNさんとTさん
8時57分,堀山ノ家を通過する.小草平のベンチでは,沢山の登山客が休憩を取っている.あまり体調が良くないので,登攀速度は今ひとつ冴えない.
9時26分に萱場平を通過する.恒例の定点観測用の写真を撮っていると,ベンチから立ち上がって,歩き出す紳士が居る.何となく見覚えのある方である.どうやら紳士は,K大Nさんのようである.私は追い越しざまに,
「こんにちは,暫くぶりです・・・」
と挨拶して,先に行かせてもらう.K大Nさんは,私より2本先のバスで来られたとのことである. 花立山荘手前の長い階段は,さすがに辛い.何時もより随分とゆっくり登る.登りながら,何でこんなしんどいことを,誰に頼まれたわけでもないのにしているんだろうと自問自答する.
そろそろ,階段を上りきる頃,上からご常連のTさんが,ニコニコしながら下りてくる.
「おはようございます・・・今日は随分と早いですね・・」
とTさんに挨拶する.
「・・・うん,,,この頃,調子が良くて,52分,52分,57分,今日は58分.このところ,2時間を切っています・・・」
と,凄いことをいう.私も是非あやかりたいものである.
<今日の萱場平>
※地面は,少し泥んこだが,それ程悪くはない.
※前方に小さく写っている左側の人がK大Nさん.
■ご常連の三角髭Tさん
9時36分,花立山荘を通過する.相変わらず富士山がよく見えている.ここまで来ると,気分的に随分と楽になる.後,花立場までの急坂を登れば,金冷シまでは,ダラダラとした尾根道になる.そう思うと,随分と気分が楽になる.
花立場のピーク近くまで歩いたときに,前方からご常連の三角髭Tさんが下りてくる.
「おや・・・随分と暫くぶりでしたね・・・」
「うん・・この所,三ノ塔へばかり行っているんです.塔は2週間ぶりです・・・三ノ塔の方が静かで良いですよ・・・」
とTさんは言う.
■ご常連のMさん,K女史
9時50分,金冷シを通過する.お喋りをしている内に,少々時間を費やしてしまったようである.でも,まあ,ここまで登れば,山頂はもう直ぐである.そう気にすることもないので,急がずにゆっくりと登りつづける.
前方の階段道を,ご常連のMさんが下りてくる.すれ違いざまに,私を睨むような感じで,
「やあ・・・,2番バスかい?」
と聞いてくる.
「いえ・・3番バスです」
「そう,,,まあ,元気で・・・」
再び,登り始める.今度は山頂直下の上り坂で,チャンピョンとすれ違う.
10時06分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,またもや2時間28分.前々回の単独参考の時とピッタリ同じ所要時間である.
山頂には沢山の登山客が休憩を取っている.
私は,周囲の写真を撮るという何時もの行事を済ませる.そして,尊仏山荘に向かおうとすると,ご常連のK女史に呼び止められる.このK女史は,私の知っているご常連の中で,唯一,私より年齢が上の方である.
「flower-hillさん・・・これから尊仏山荘に入りますか?・・・このタオル,(小屋番の)Oさんに届けてくださいな・・・」
私は,訳が分からないまま,K女史からタオルを預かって,尊仏山荘に入る.
<塔ノ岳山頂からの富士山と南アルプスの眺望>
■尊仏山荘
山荘は,休日とあって,かなり混雑している.Oさんにタオルを渡す.
「・・あっ,そう・・」
という感じで,何事もなかったかのような感じで,Oさんがタオルを受け取る.
早速,温度計を覗き込む.今日の10時頃の山頂の気温は,+1.5℃.結構,温かい. 山荘内を見回すと,ご常連らしい方々も何人か居られるようだが,私の顔見知りは居ない.
Oさんが,奥の部屋から,営業部長のミー君を連れてくる.そして,床にポンと置く.ミー君は昼寝をしていたらしく,ボンヤリ,キョトンとしている.その仕草がとても可愛い.すかさず写真を何枚か撮る.
「ミーや・・・奥で寝てばかり居ないで,少しは働きなさいよ・・」
とOが言う.
「明日からは,ここでノンビリしていられないぞ・・」
と意味深長なことを,ミー君に話しかけている.
<今日はボンヤリの営業部長ミー君>
■大にぎわいの花立山荘
今日のバスは休日ダイヤ.私は大倉発12時40分のバスに乗りたいと思う.あまりバタバタと急ぎたくもないので,そろそろ山荘を出発しようかと思う.
10時20分過ぎに,山荘を出発する.外に出るとやっぱり寒い.でもそのまま下山を開始する.途中,次から次へと登ってくる登山者とすれ違う.
10時42分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチは登山客で一杯である.ふと見ると,今朝,同じバスに乗っていたHさん,Mさんグループが休憩を取っている.
「早いですね・・・尊仏山荘に寄られたんですか・・」
「はい・・30分弱,山荘で,ネコと戯れてきましたよ・・」
「ここから,後,(山頂まで)何分ぐらい掛かりますか・・」
「そうですね,・・まあ,40分も見れば大丈夫でしょう・・」
■堀山ノ家で珍問答
10時48分に,Hさん,Mさんグループは出発する.私もお別れして下り始める.Hさん達が塔ノ岳山頂に到着するのは,多分,11時15分頃になると思われる.ちなみに,つい先日,トドさんチームの所要時間は,3時間40分だった.両チームとも「どっこい,どっこい」の勝負だなと思う.
11時19分,堀山ノ家に到着する.ここは土日しか開店していない.堀山ノ家の主人に呼び止められる.私の体を上から下まで見ながら,
「ほほう・・しっかりと,登山姿になっていますね・・・」
と,妙なことを言う.
「ええ~っ・・何で?」
「上から下まで,山用の良いものを着ているね・・・」
「ええ?・・全部,ユニクロですよ.ただ,登山靴だけはしっかりしたものを履いていますよ・・」
主人はバツが悪そうに,
「そうだな・・山では靴が最も重要だよ・・・」
と私を諭すように,お説教を始める.私は心の中で,
「・・・そんなこと分かっているよ.だからチャンとした靴を履いて居るんじゃないか!」
と思ったが,敢えて口答えはしなかった.
ベンチの上で,松ボックリにニスを塗ったものを,1個100で売っている.
「ホワイトデーですよ.奥さんに買ってらっしゃいよ・・」
「やだよ! だってチョコレート貰ってないもの・・」
少々,道草をし過ぎた.急ぎ足で下山する.そして,予定の12時30分に大倉に到着する.
<松ぼっくりのお土産(一つ100円):堀山ノ家にて>
[ラップタイム]
7:38 大倉歩き出し
7:57 観音茶屋
8:12 見晴茶屋
8:40 駒止茶屋
8:57 堀山ノ家
9:30 花立山荘
9:51 金冷シ
10:06 塔ノ岳山頂着
====================================
10:22 塔ノ岳山頂発(+1.5℃)
10:32 金冷シ
10:42 花立山荘(10:48まで雑談)
11:19 堀山ノ家(11:23まで雑談)
11:37 駒止茶屋
12:00 見晴茶屋
12:12 観音茶屋
12:30 大倉 着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1201m
■登攀所要時間
大倉発 7:35
塔ノ岳山頂着 10:06
(所要時間) 2時間28分(2.47h)
登攀速度
1201m/2.47h=486.2m/h
水平速度
7.0km/2.47h=2.83km/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳山頂発 10:20
大倉着 12:30
(所要時間) 2時間10分(2.17h)
下降速度
1201m/2.17h=553.5/h
水平速度
7.0km/2.17h=3.33k/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c468e432ecc85283f2844fe8871019f2
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/dd4624f90109003a073715a94297c1c4
大混雑の丹沢:塔ノ岳(今年14回目)
(単独山行)
2009年3月15日(日)
■混雑するバス
昨日(3月14日,土曜日)は,終日冷たい雨が降り続いた.今日,日曜日は久々の上天気である.私は躊躇なく丹沢の塔ノ岳に出掛けることにした.
5時10分,何時もの時間に家を出る.つい先日までは,真っ暗だったのに,今日は,もう東の空が明るくなり始めている.随分と朝が早くなったなと実感する.
渋沢7時18分発大倉行のバス,いわゆる3番バスは,登山客で超満員である.勝手を知っている私は,電車が着くと,ダッシュしてバスに乗車したので悠々と座れたが,私より少し後から乗り込んできた方々が殆ど座れない.
私がバスの座席に座ると,
「・・・・flower-hillさん・・・」
と声を掛けてくる人が居る.山旅スクール6期のHさん,Mさん達である.確かこのメンバーとは,昨年2月,一緒に塔ノ岳に登ったことがある.あのときは,随分と雪が深くて,登るのに往生したように記憶している.
同じバスに,お名前は分からないが,これまで何回もお目にかかっている高年齢の紳士が乗っている.お互いに顔見知りなので,挨拶を交わす.
■今日も余り調子が良くない
折角,6期の方々にお会いしたけれども,事前に一緒に登る約束をしていなかったので,お互いに別行動をすることになる.私はストレッチを済ませて,7時38分に大蔵を歩き出す.歩き出してすぐに,今日の体調がそれほど良くないのに気がつく.このところ,特段,体重が増えているわけでもないのに,どうも体が重く感じることが多い.私は歩きながら,
「やっぱり年かな・・」
と弱気になる.
登山口から登山道に入ると,両側が深い杉林になる.このところ,杉の伐採が大分進んで,空が明るく見えるようになった.正直なところ,薄暗い杉林の中を歩くよりは,明るい林の中を歩く方が,よほど気分がよい.
今日は日曜日.しかも上天気である.土曜日の天気が悪かったので,2日分の登山客が,今日に集中しているのだろう.私の前後には沢山の登山客が数珠繋ぎになっている.私は,いくら体調が悪いとはいっても,平素ほとんど歩いていない人たちに比較すれば,まだまだ速く歩ける方である.ところが,前方を歩いている登山客をむやみに追い抜くこともできないので,多少いらいらしながら,列の後に付いて登り続ける.
8時10分,雑事場ノ平を通過する.ここから見晴茶屋までの広い平坦な道を利用して,何人かの登山客を追い抜く.ここから先の急な上り坂でも,沢山の登山客が喘ぎ喘ぎ登っている.今日は暑くもなく寒くもない登山日和である.私はだらだらと汗をかかないように気をつけながら登り続ける.
<登山客が連なる見晴茶屋付近の急坂>
■澄み切った青空に富士山が映える
8時40分,駒止茶屋を通過する.大蔵を歩き出してから,1時間02分,経過している.1時間を2分超過している.このところ,少々体調が悪いなと思うときには,決まって1時間02分である.まるで機械人間になってしまったかのように,ピッタリ同じ時間になるのが不気味である.
「そういえば,今日は,キツツキが木をたたく音を聞かなかったな・・・」
と,ふと,気がつく.
この辺りから,路傍の霜柱が目に入るようになる.多分,放射冷却が激しくて,今朝は大分冷え込んだのだろう.しかし,この時間になると,大分,気温が上昇してきているらしくて,凍結した登山道が融け始めている.
堀山の尾根にさしかかる.私は幾分歩く速度を速める.ここから見える今日の富士山は,特に見事である.真っ青に澄み切った青空に,真っ白に雪化粧をした富士山がまぶしく聳えている.私は,景色の良いところに立ち止まって,気が済むまで写真を撮り続ける.
■ご常連のNさんとTさん
8時57分,堀山ノ家を通過する.小草平のベンチでは,沢山の登山客が休憩を取っている.あまり体調が良くないので,登攀速度は今ひとつ冴えない.
9時26分に萱場平を通過する.恒例の定点観測用の写真を撮っていると,ベンチから立ち上がって,歩き出す紳士が居る.何となく見覚えのある方である.どうやら紳士は,K大Nさんのようである.私は追い越しざまに,
「こんにちは,暫くぶりです・・・」
と挨拶して,先に行かせてもらう.K大Nさんは,私より2本先のバスで来られたとのことである. 花立山荘手前の長い階段は,さすがに辛い.何時もより随分とゆっくり登る.登りながら,何でこんなしんどいことを,誰に頼まれたわけでもないのにしているんだろうと自問自答する.
そろそろ,階段を上りきる頃,上からご常連のTさんが,ニコニコしながら下りてくる.
「おはようございます・・・今日は随分と早いですね・・」
とTさんに挨拶する.
「・・・うん,,,この頃,調子が良くて,52分,52分,57分,今日は58分.このところ,2時間を切っています・・・」
と,凄いことをいう.私も是非あやかりたいものである.
<今日の萱場平>
※地面は,少し泥んこだが,それ程悪くはない.
※前方に小さく写っている左側の人がK大Nさん.
■ご常連の三角髭Tさん
9時36分,花立山荘を通過する.相変わらず富士山がよく見えている.ここまで来ると,気分的に随分と楽になる.後,花立場までの急坂を登れば,金冷シまでは,ダラダラとした尾根道になる.そう思うと,随分と気分が楽になる.
花立場のピーク近くまで歩いたときに,前方からご常連の三角髭Tさんが下りてくる.
「おや・・・随分と暫くぶりでしたね・・・」
「うん・・この所,三ノ塔へばかり行っているんです.塔は2週間ぶりです・・・三ノ塔の方が静かで良いですよ・・・」
とTさんは言う.
■ご常連のMさん,K女史
9時50分,金冷シを通過する.お喋りをしている内に,少々時間を費やしてしまったようである.でも,まあ,ここまで登れば,山頂はもう直ぐである.そう気にすることもないので,急がずにゆっくりと登りつづける.
前方の階段道を,ご常連のMさんが下りてくる.すれ違いざまに,私を睨むような感じで,
「やあ・・・,2番バスかい?」
と聞いてくる.
「いえ・・3番バスです」
「そう,,,まあ,元気で・・・」
再び,登り始める.今度は山頂直下の上り坂で,チャンピョンとすれ違う.
10時06分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は,またもや2時間28分.前々回の単独参考の時とピッタリ同じ所要時間である.
山頂には沢山の登山客が休憩を取っている.
私は,周囲の写真を撮るという何時もの行事を済ませる.そして,尊仏山荘に向かおうとすると,ご常連のK女史に呼び止められる.このK女史は,私の知っているご常連の中で,唯一,私より年齢が上の方である.
「flower-hillさん・・・これから尊仏山荘に入りますか?・・・このタオル,(小屋番の)Oさんに届けてくださいな・・・」
私は,訳が分からないまま,K女史からタオルを預かって,尊仏山荘に入る.
<塔ノ岳山頂からの富士山と南アルプスの眺望>
■尊仏山荘
山荘は,休日とあって,かなり混雑している.Oさんにタオルを渡す.
「・・あっ,そう・・」
という感じで,何事もなかったかのような感じで,Oさんがタオルを受け取る.
早速,温度計を覗き込む.今日の10時頃の山頂の気温は,+1.5℃.結構,温かい. 山荘内を見回すと,ご常連らしい方々も何人か居られるようだが,私の顔見知りは居ない.
Oさんが,奥の部屋から,営業部長のミー君を連れてくる.そして,床にポンと置く.ミー君は昼寝をしていたらしく,ボンヤリ,キョトンとしている.その仕草がとても可愛い.すかさず写真を何枚か撮る.
「ミーや・・・奥で寝てばかり居ないで,少しは働きなさいよ・・」
とOが言う.
「明日からは,ここでノンビリしていられないぞ・・」
と意味深長なことを,ミー君に話しかけている.
<今日はボンヤリの営業部長ミー君>
■大にぎわいの花立山荘
今日のバスは休日ダイヤ.私は大倉発12時40分のバスに乗りたいと思う.あまりバタバタと急ぎたくもないので,そろそろ山荘を出発しようかと思う.
10時20分過ぎに,山荘を出発する.外に出るとやっぱり寒い.でもそのまま下山を開始する.途中,次から次へと登ってくる登山者とすれ違う.
10時42分,花立山荘に到着する.山荘前のベンチは登山客で一杯である.ふと見ると,今朝,同じバスに乗っていたHさん,Mさんグループが休憩を取っている.
「早いですね・・・尊仏山荘に寄られたんですか・・」
「はい・・30分弱,山荘で,ネコと戯れてきましたよ・・」
「ここから,後,(山頂まで)何分ぐらい掛かりますか・・」
「そうですね,・・まあ,40分も見れば大丈夫でしょう・・」
■堀山ノ家で珍問答
10時48分に,Hさん,Mさんグループは出発する.私もお別れして下り始める.Hさん達が塔ノ岳山頂に到着するのは,多分,11時15分頃になると思われる.ちなみに,つい先日,トドさんチームの所要時間は,3時間40分だった.両チームとも「どっこい,どっこい」の勝負だなと思う.
11時19分,堀山ノ家に到着する.ここは土日しか開店していない.堀山ノ家の主人に呼び止められる.私の体を上から下まで見ながら,
「ほほう・・しっかりと,登山姿になっていますね・・・」
と,妙なことを言う.
「ええ~っ・・何で?」
「上から下まで,山用の良いものを着ているね・・・」
「ええ?・・全部,ユニクロですよ.ただ,登山靴だけはしっかりしたものを履いていますよ・・」
主人はバツが悪そうに,
「そうだな・・山では靴が最も重要だよ・・・」
と私を諭すように,お説教を始める.私は心の中で,
「・・・そんなこと分かっているよ.だからチャンとした靴を履いて居るんじゃないか!」
と思ったが,敢えて口答えはしなかった.
ベンチの上で,松ボックリにニスを塗ったものを,1個100で売っている.
「ホワイトデーですよ.奥さんに買ってらっしゃいよ・・」
「やだよ! だってチョコレート貰ってないもの・・」
少々,道草をし過ぎた.急ぎ足で下山する.そして,予定の12時30分に大倉に到着する.
<松ぼっくりのお土産(一つ100円):堀山ノ家にて>
[ラップタイム]
7:38 大倉歩き出し
7:57 観音茶屋
8:12 見晴茶屋
8:40 駒止茶屋
8:57 堀山ノ家
9:30 花立山荘
9:51 金冷シ
10:06 塔ノ岳山頂着
====================================
10:22 塔ノ岳山頂発(+1.5℃)
10:32 金冷シ
10:42 花立山荘(10:48まで雑談)
11:19 堀山ノ家(11:23まで雑談)
11:37 駒止茶屋
12:00 見晴茶屋
12:12 観音茶屋
12:30 大倉 着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1201m
■登攀所要時間
大倉発 7:35
塔ノ岳山頂着 10:06
(所要時間) 2時間28分(2.47h)
登攀速度
1201m/2.47h=486.2m/h
水平速度
7.0km/2.47h=2.83km/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳山頂発 10:20
大倉着 12:30
(所要時間) 2時間10分(2.17h)
下降速度
1201m/2.17h=553.5/h
水平速度
7.0km/2.17h=3.33k/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
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