中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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閑話休題:「旅画」講評会に初参加

2011年01月28日 15時57分40秒 | 閑話休題:日々雑感

                                   <講師から質問された私の用具>

         閑話休題:「旅画」講評会に初参加
              (趣味人倶楽部)
             2011年1月27日(木)

 午前中に慌ただしく鎌倉北部をグルグルと回った私は,その足で,新宿アランドウイングで開催される趣味人倶楽部「旅画」講評会「岡目八目」に出席するために,大船から湘南新宿ラインの電車に乗った.
 久々の遠出である.大船から新宿までの所要時間は僅かに46~47分程度だが,長いこと,長いこと・・・
 サラリーマン時代には,大船から東京まで毎日通勤していた時代もあったのに,今は東京がとても遠いところのように感じる.
 思ったより大分早く新宿駅に到着する.沢山の人たちが忙しく歩き回っている.どうやらこの辺りには私のようなヨボヨボ老人は全く見当たらない.小綺麗な服装をした人たちが足早に闊歩している.ノソノソ歩きの私に躓きそうになって追い越していく.
 「オレは路傍の石ならぬ道の真ん中の厄介石だな・・」
と自嘲する.
 
開催時間まで小一時間ある.私は,小田急百貨店10階の本屋にしけこんで,あちらこちらの本棚を物色する・・・本を買う気はないが.さすがに大きな本屋である.大船辺りでは,ついぞお目に掛かれないような本が沢山陳列されている.何冊かの本を,ついつい買いたくなるが,今日の所は,例え一冊でも荷物になるので,買いたい気持ちをぐっと抑える.
 そろそろ開催時間の30分前である.遅刻しては拙いので,主宰者から頂戴した案内図を頼りに,緊張しながら,会場のある新宿アイランドウイングへ向かう.


 会場のあるビルは馬鹿でかくてピカピカしている.シャッシャと闊歩するサラリーマン,OLに混じって,昇りエレベーターを待つ.
 1台目のエレベーターは一杯.気後れして1台待つ.できれば1人で会場の14階まで行きたいが,そうもいかない.
 すぐに会場のある14階に到着する.さて,会場は何処かな?
 案内にはA会場と改訂あるが,14階の見取り図にはA会場はない.ただ,その代わりに「Aサロン」という標記がある.
 「多分,Aサロンが会場だろうな」
と目見当を付けて,Aサロンに入る.サロンなる部屋には.丸いテーブルが数セット置かれている.とても見晴らしの良い部屋である.

    ************************

 部屋の奥に年配の男性が1人居られる.
 「ここはA会場ですか? サロンって書いてあるので,違うのでしょうか?」
とオッカナビックリ伺う.
 「今日は凄いでしょう.サロンですよ」
と,男性は,私の質問とは少しずれた返事をする.
 「Q先生ですか?」
 「そうです・・」
 「私,FHと申します.どうぞ宜しくお願いします・・」
 「雰囲気で,FHさんだと思いましたよ・・」

 やがて,女性お一人,男性お一人が現れる.今日の受講生は,私を含めて,たった3人だという.確かパンフレットには最少催行人数10人と書いてあったような気がするが・・・
 この他に,パンフレットと実際が,細々としたところで違っている.このように違いがあることが,私には無性に腹立たしく思えるが,大方の皆さんはどう思っているんだろうか・・

 とはいえ,講評会そのものは大変楽しかった.
 女性の方は,ご自分の故郷を書いた絵と花の絵の2枚.もう一人の男性は,湘南海岸に打ち寄せる波の絵など数点の作品を持参している.
 他の方の話は,機微に触れるので割愛しよう.
 私は,問題になっている絵2枚と昨年某公募展で入選した絵の3枚(いずれも20号),それに下絵少々,現場でのスケッチ集3冊ばかりを持参している.

 まず最初に,某協会の研究会で,
 「・・面白くない絵だな.雲の書き方が下手くそだ・・」
と散々だった絵「ワスカラン」を取り上げて貰う.
 評者の先生は,持参した3枚の絵の中では,むしろこの絵が一番良いと仰る.某研究会とは全く逆の評価である.
 私は戸惑いながらも,もともと絵の評価には主観的なところがあり,奥が深いことを再認識させられる.
 先生のコメントでは,主題のワスカランの左側の稜線をもっとクリアーに画きなさいとのことである.私も先生のコメントは尤もだと思う.半ば破ってしまおう過渡すら思っていたこの絵に,もう一度手を入れようかと思い始める.

※空に塗りむらが見えるが写真に撮ったときに村が出てしまった.修正中.
 現物より大分不鮮明な写りになっている.

 次に某協会では比較的評価が良かった未発表の絵「ロータルザッテルの氷河」を俎上に載せる.先生の評価は,「ワスカラン」より下.この評価の順序に若干の戸惑いを感じる.
 先生のコメントは,左上の崖を,もっとハッキリ崖と分かるように描くこと,および崩れ落ちる断崖の陰影をもっと暗くすることの2点であった.
 何れのコメントも同感! 早速にも,手を入れようと思う.

※未発表の作成中の絵

 3枚目は昨年某公募展で入選した絵「グランドジョラスとメールドグラス氷河」である.右上の山をもっと克明に描けというコメントを受けていたが,今日はこのままでよいという指摘を受ける.

※画面右下の断崖の描き方が拙いなと自己反省

 これら3枚の絵の他に,持参したスケッチ集を見て戴く.槍ヶ岳の朝焼けを描いたボールペン画に色をつけるようにとのコメントを戴いた.
 この他に,現場でのスケッチをハガキ大にプリントしたスケッチ集をご覧戴く.中には稚拙な絵が随分と混じっていて,先生を驚かせる.自分で見ても,3~4年前の絵には見るに堪えないものが沢山ある.


 講評会は16時30分に終わった.
 私は17時01分発の湘南新宿ラインの電車に乗る.電車は混雑していたが西大井で座れた.
 早速居眠り.横浜の手前で電車がいきなり停まる.
 「戸塚駅付近で人身事故がありました・・・」
と車内アナウンス.このために電車は30分も遅延する.そういえば西武線でも人身事故があったようである.多分,電車への飛び込み自殺だろうが,この頃,この種の事故が随分と多いような気がしている.

    *********************

 私は何で絵を描こうと思うのだろうか?
 事故で遅延した電車の中で,薄らボンヤリと考え始める.実は絵を描く理由が,自分にも余り良く分からないのだ.
 「なぜだろう・・?」
私は幾度となく自問自答する.でも本当に分からない.
 「描きたいから描く・・」
では回答にならない.これでは,なぜ,描きたいと思うかの中身が分からない.
 少なくともハッキリしていることは.
 「絵の対象物を見て,ある種の感動を受ける.その感動を絵にしたいから・・」
 「ではなぜ絵にしたいの?」
 「う~ん・・,まあ,一つには絵することで,自分の感動を見える形で残せるから・・」
 「では,なぜ残すの・・?」
 「う~ん・・もう一度,あの感動を再現したいから・・」
 「では,なぜ写真ではダメなの・・・」
 「う~ん,それはその・・あれだよ.何て言ったら良いんだろう?」
ということでやっぱり良く分からない.
 「でも,印象に残った風景を記録に残せるけれども,後になって『あれ!・・この写真,何処で撮ったんだろう?』って分からなくなることあるよ・・でも,スケッチすると,その場所の印象を何時でも鮮明に思い出せるよ.それに,写真だと気がつかない所もスケッチすると,『あれこんなところに,こんなものがある』って,案外,細かいところに気がつくよ・・」
 まあこんなことを言っていると切りがないので,この辺りで止めるが,最後に,絵にぶちまけた自分の思いを,多くの人に見て戴きたいなという点も無視できないだろう.

  *********************

 事故の煽りで30分も遅延した電車の中で,半分居眠りをしながら,何時までも下らないことを考えていた.そして,下車駅の大船近くになってから,眠くて仕方がないのを無理に起きている辛さをタップリと味わう.
                     (おわり)

「閑話休題」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/efcc6fe112b8b421ee946040fff6f39e
「セピア色の画集」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ce4ca970f5e6c20bbdd51e9efd52efe7
「閑話休題」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4c8b8288139a8ef9792678e9d43d403a



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