中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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立秋の丹沢:子鹿に出会った塔ノ岳(今年38回目)

2012年08月09日 09時01分36秒 | 丹沢の山旅

                              <緑の中のシカの群れ>

    立秋の丹沢:子鹿に出会った塔ノ岳(今年38回目)
            (単独山行)
       2012年8月8日(水) 晴・曇・涼風

■東海道本線の電車が遅れる
 何時ものように3時30分頃起床する.
 天気予報によると,今日も何とか天気は持ちそうである.それに今日は水曜日.ならば,塔ノ岳に出掛けるかと急に思い立って,山行の身支度を調えて,定刻5時10分に家から出掛ける.
 外へ出ると,無風.そんなに暑いわけではないが気温は26℃.上空にはドンヨリとした雲が低く垂れ込めている.今にも雨が降り出しそうである.私は念のため携帯電話で天気予報を見る.雨雲の動きを見ても,どうやら雨には遭わずに清みそうなので,折角その気になったんだから,このまま出掛けようと心に決める.
 大船駅前のコンビニで,昼食用のオニギリなどを若干購入して,駅の構内に入る.何やら校内放送が騒がしい.何となく不吉な予感がする.
 案の定,先ほど戸塚駅近くの東海道本線の踏切で人身事故が発生したために,東海道本線,横須賀線ともに運転を見合わせているとのこと.
 「サノバビッチ!・・・何てことだ!」
 東海道本線の電車が1分,いや,30秒遅れても,渋沢発大倉行の1番バスには間に合わない.私は戦意喪失,今日はもう丹沢行きを中止しようかと,何回も思う・・・が,でも待てよ.このままスゴスゴと家に引き返しても,特にやることなどないではないか.たかが20~30分ほど歩きが遅くなったって,体制には影響ないだろうと冷静になる.
 「さて,もう少し様子を見ようか・・」
と思っていると,間もなく電車運転を再開するというアナウンスがある.
 私は気を取り直して,やっぱり塔ノ岳へ行こうと決める.
 結局,大船5時44分発小田原行の電車は,14分遅れて5時58分に大船駅を発車する.
 勝手が分からないまま,小田原駅でとにかく停車している小田急電車に乗り換える.電車はすぐに発車するが,残念ながら新松田行の各駅停車.道理で小田原駅のホームで,この電車に乗らずに居る乗客が居たわけだ.結局,新松田駅で後発の新宿行きの急行電車に乗り換えて,6時57分に,ようやく渋沢駅に到着する.
 長い時間待ってから,7時15分発大倉行2番バスに乗車する.乗客は10名程度,約半分が登山客である.乗り合わせた登山客の中には顔見知りは居ないので,凄く心細い感じになる.

■編集長のY川さんに追い付く
 7時38分,バス停大倉から歩き出す.気温26℃.やや蒸し暑いが,前回,8月4日に登ったときに比較すると,随分と楽である.
 今回は,白内障手術後3回目のリハビリ登山である.勿論眼のことも気を付けなければいけないが,熱中症ももっと気を付けなければならない.私は,
 「・・・絶対に安全第一で慎重に登るぞ・・・」
と自分に言い聞かせる.
 登山道に入る.路面はよく乾いていて,歩き易い.それに今日はこの時期にしては随分と湿度が低いようなので,随分と楽に歩けるようである.慎重に・・慎重に・・・と思いながらも,ついつい歩行速度が上がってしまう.
 私の前後には,ほとんど登山者の姿が見えないので,気分的にも随分と落ち着いて登り続けられる.
 7時58分,観音茶屋を通過する.茶屋のベンチで,1人の男性が衣服調整をしている.私は軽く会釈をして,観音茶屋を通過する.
 8時10分頃,雑事場ノ平のすぐ手前で,編集長のY川さんに追い付く.
 「こんにちは,・・・今日はどちらまでですか?」
と伺う.
 今日のY川さんは,堀山登山だとのこと.今日の1番バスに乗車したご常連の顔ぶれを伺う.
 「(1番バスには,ご常連が)沢山,乗っていましたよ・・」
と言いながら,超韋駄天のY村さん,U村さん,カメラマンのMさん,三角髭のTさん,三度笠のY内さん,M田女史,T中さんなどのお名前を上げる. 

<緑の中を登るY川さん>

■緑が美しい見晴階段
 8時15分に見晴山荘を通過する.そしてすぐに見晴階段に取り付く.ここで定点観測の写真を撮る.見晴階段を取り囲む木々の緑が実に美しい.この長い階段も緑陰を楽しみながら,ゆっくりと登れば,実に味わいがあって楽しいところである.
 時々,ウグイスの啼き声も聞こえてくる.私はウグイスの声と,緑のこぼれ日を楽しみながら,意識してゆっくりと登る.

<緑陰が素晴らしい見晴階段>

■堀山の尾根道
 駒止階段を登って,8時46分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから,ここまでの所要時間は1時間09分.できれば1時間05分程度で登りたいところだが,今回はリハビリ登山.まあこの程度の時間で登れればリハビリも順調と言えるだろう.
 続いて堀山の尾根道に差し掛かる.
 進行方向右手には,木の間から.霧が掛かった表尾根の山が微かに見えている.何とも清々しい風景である.右手から涼しい風が尾根を吹き抜ける.汗ばんだ身体には,吹き抜ける風が実に気持ちがよい.
 「このまま,ここで午後まで涼んでいても良いな・・・」
とついつい怠惰なことを考えてしまう.
 心地よい風に吹かれて,何時の間にか,汗は完全に引っ込んでいる.

<涼しい風が吹き抜ける堀山の尾根道から表尾根を望む>

■富士山は雲の中
 8時56分,堀山を通過する.
 期待していた富士山は雲の中に隠れていて,全く見えない.
 すぐになだらかな下り坂に入る.白内障の手術をしたので,足許がクッキリと見える.すると,下り坂の歩行速度がどうしても速くなる.途中,多分,1番バスで来られたと思われる登山客を数名追い抜かさせて頂く.
 9時03分,堀山の家を通過する.小草平のベンチでは数名の登山客が休憩を取っている.

<堀山の尾根道から富士山の見える方向を眺める>

■萱場平
 堀山の家からの急坂を,慎重に登り続けて,9時23分に萱場平を通過する.
 ここで,例によって定点観測用の写真をデジカメに収める.
 奥の方のベンチで,男性がお一人,休憩を取っているのが見える.近付くと,この男性は常連のN野さんである.
 「おや・・こんにちは.ゆっくり一緒に登りませんか・・・」
とお誘いするが.どうぞ先へとのことなので,そのまま先に行かせてもらう.
 N野さんの写真を撮らせて頂いたが,ご本人の了承を得ていないので,このブログでは非公開にさせていただく.

<萱場平>

■後7分坂
 萱場平を通過して間もなく,下山してくるN村さんとすれ違う.N村さんから塔ノ岳山頂では雨が降っていたと伺う.
 そのまま,ユックリペースを保ちながら登り続ける.ユックリ歩くんだと決めてしまえば,登りながら周囲の風景を楽しむ心の余裕もできてくる.これもまた良いものだなと思いながら,結果的には案外良いペースで登り続けている.
 やがて後7分坂に差し掛かる.坂の手前で,大汗をかきながら立ち止まっている男性が居る.汗を拭きながら,
 「いやあ~・・大変ですね・・・全然,汗かかないんですか」
と私に話しかける.
 「・・最初から速く登るのを諦めて,ユックリノンビリ登っているんですよ・・・」
と訳の分からない返事をして先に行かせてもらう.
 そうは言っても,後7分坂は,私も苦手である.なるべく上を見ないようにして,階段を登る度に,「1,2,3,・・・」と段数を数えながら登り続ける.100段を超えたら,また,最初から「1,2,3,・・・」を繰り返す.
 ここの階段は数え方によって段数が多少異なるが,おおむね360段程度である.心の中で「ああやっと200段を超えたな,やれやれ,後100段余りだな・・・」と思いながら登り続ける.
 そして,2百数十段登ったと思ったら,足許がいきなり平らになる.あれっ・・と思う間に,花立山荘に到着している.私は段数を数えている内に,百の桁を一つ数え落としたようである.怪我の功名か,お陰様でヤケに気楽に花立山荘に到着する.
 山荘前のベンチには,1番バスで来られたと思われる登山客が沢山休憩を取っている.
 大倉から歩き出して花立山荘までに所要時間は,2時間08分.あまり速いとは言えないが,リハビリの身ならば,まあ,こんなものだろう.

■花立山
 そのまま登り続けて,9時56分に花立山山頂に到着する.
 周囲には雲が湧いていて,見通しは利かないが,清々しい空気に包まれていて,如何にも高原らしい雰囲気である.前方に塔ノ岳があるはずだが,山頂は雲の中である.
 霧が掛かった山は,また晴れているときとは別の美しさがある.私は,花立山山頂からの眺めをデジカメに収める.



<花立山山頂>

■金冷シで三角髭のTさんとすれ違う
 10時04分,金冷シで,下山してくる三角髭のTさんとバッタリ.
 「・・・水曜日なのにFHさんが(1番バスに)居られないので,どうしたんだろうと思っていましたよ」
 私は戸塚駅で人身事故があったために,2番バスで来たことをお話しする.ついでに,12月の常連1泊旅行のことで,5分ほど立ち話をする.
 「折角だから写真を撮らせて下さい・・」
で,パチリ.
 周囲の木々の緑と,Tさんの赤いシャツの取り合わせが絶妙だなと思いながらお別れする.

<金冷シで三角髭のTさんとすれ違う>

■塔ノ岳山頂
 定速を保ちながら階段道を登り続ける.途中で数名の登山者を追い抜かさせて頂く.
 途中で下山してくるS田さんとすれ違う.
 私は終始定速で歩いているので,特段の疲労感もなく,10時18分に塔ノ岳山頂に到着する.
 山頂の雨も止んでいて,所々に青空も見えている.ただ周囲に雲が湧いていて,富士山は全く見えない.休憩を取っている登山客の人数はまだ少なく,至って静かである.山頂の気温は18.8℃.涼しくて心地がよい.
 私は儀式として山頂からの風景を一回りデジカメに収める.
 大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間40分.三角髭のT三との雑談時間5分を差し引けば,実質2時間35分.リハビリ中ということを考慮すれば,まあ,まあ,と言うところか.

<塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 山頂で,一通りの写真を撮るという儀式を終えて,尊仏山荘に向かう.
 山荘の外から,窓越しに山荘の中を覗くと,お馴染みのご常連が何人も座っている.なかなか面白い風景なので,外から覗き込んだ写真を撮る.

<尊仏山荘のご常連>

■久々のミー君
 山荘に入る.今日の小屋番はW田さん.
 韋駄天のU村さん,三度笠のY内さん,M田女史,カメラマンのMさん,T中さんなどご常連が休憩を取っている.
 私と入れ替わるように,三度笠のYさんが,山荘を出て下山を開始する.
 足許を見ると,山ネコのミー君がノッソリと歩き回っている.久々のご対面である.どうやら,ミー君は元気なようで,私も安心する.ミー君の写真を撮りながら,
 「ミー君や! お前さんは白内障は大丈夫かな?」
と,私は心の中で,余計な心配をする.
 暫くの間,ご常連さんと,色々雑談をしながら過ごす.

<相変わらずオットリとしたミー君>

■可愛い子シカに会う
 10時45分,M田女史,Y中さんと一緒に,尊仏山荘から下山を開始する.山頂は,何時の間にか沢山の登山客で賑わっている.白内障の手術をしてから,足許がとても良く見えるようになったので,下山がとても楽になる.気分は上々.
 山頂から少し下った林の中で,3頭のシカが居るのを見付ける.緑の茂みに居るシカは実に美しくて可愛い.特にバンビを連想させる子鹿が可愛い.つぶらな瞳で,こちらを見つめている.こんな可愛い姿を見てしまうと,シカは害獣とばかり言わないで,何とか私たちと共存できる方法はないのだろうかと思う.

<緑の中の可愛い子鹿>

■知人に会いながら下山
 その後,暫くの間,3人で下山をしていたが,お二人が沿道の花に夢中になっているので,途中から私一人で先に下山させて貰う.
 11時13分,花立山荘を通過する.今日は平日にもかかわらず,山荘前にベンチは,登山客で賑わっている.
 11時29分,萱場平を通過する.この辺りまで下ると,気温が上昇して,多少暑く感じるようになる.その後,緑滴る堀山の尾根をユックリ味わいながら通りすぎて,21時01分,駒止茶屋を通過する.
 駒止階段が終わる頃,下山中のS田さんに追い付く.私が登っているときに山頂直下ですれ違った筈なのに,まだ,駒止階段を下りている.私が不思議そうな顔をすると,
 「・・実は途中で昼食を食べていました・・・FHさんは昼食食べましたか?」
 「はい・・・尊仏山荘で30分ばかり休憩を取りましたが,そのとき昼食を済ませました・・」
 暫く雑談しながらご一緒する.
 「・・・実は,これまで1ヶ月に一度程度,塔ノ岳に登っていたんですが,週に2度登るようにしたら,やっぱり疲れがひどくて,腰痛があるんで・・・」
とのこと.ご一緒したら迷惑になるかと思って,先に行かせてもらう.
 12時12分,一本松を通過する.
 見晴階段を下りていると,何だか見覚えのある人が降りている.12時22分,見晴山荘に到着する.ここで,後ろ姿に見覚えのある方に追い付く.なんとN野さんである.ビックリ.
 「・・これからだと,(大倉発)13時22分のバスですね・・」
とN野さんが言う.
 私は,できれば12時52分のバスに乗りたいなと思っているので,申し訳ないが先に行かせて貰う.見晴山荘からはかなり急ぎ足で下山し続ける.そして,12時46分,無事,バス停大倉に到着する.
 12時52分発のバスに乗車する.
 私が乗車してから間もなく,山旅スクール6期のN島女史が同じバスに乗り込んでくる.ほぼ同時に三度笠のY内さんも同じバスに乗車してくる.
 「あれっ! どうされたんですか?」
 私より先に下山を開始したY内さんが,私より遅くなるとは・・・それに何処で追い越したんだろう? 不思議だ.
 「途中で花の写真を撮っていて,遅くなりました」
とのこと.花オンチの私には,花が分かるとは羨ましい限りである.

■無事帰宅
 渋沢駅でY内さん,N島女史とお別れして,小田原行の電車に乗車する.小田原駅で東海道本線に乗り換える.
 今日は登り下りともに案外調子よく歩けたので,気分はルンルンである.疲労感も全くない.この調子だと,塔ノ岳への完全復帰もまもなくだなと実感する.
 大船駅構内のコーヒーショップで,200円也の打ち上げコーヒーを味わう.登山が楽しかったので,コーヒーも格別である.
 帰宅してから,すぐに風呂を沸かして,ノンビリと入浴.
 良かった! 良かった!
 今度は,土曜日にでも,また,塔ノ岳へ登ろうかなと思っている.

<ラップタイム>

 7:38  歩き出し
 7:58  観音茶屋
 8:13  見晴茶屋
 8:46  駒止茶屋
 9:07  堀山の家
 9:47  花立山荘
10:04  金冷シ
10:18  塔ノ岳山頂着(18.8℃)
10:45      〃  発
11:00  金冷シ
11:13  花立山荘
11:45  堀山の家
12:01  駒止茶屋
12:22  見晴茶屋
12:32  観音茶屋
12:46 大倉 着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発        7:38
  塔ノ岳  着      10:18
  (所要時間)    2時間40分(2.67h)
 水平歩行速度   7.0km/2.67h=2.62h
 登攀速度    1269m/2.67=475.3m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:45
  大倉   着       12:45
  (所要時間)    2時間01分(2.02h)
 水平歩行速度     7.0km/2.02h=3.47km/h
 下降速度    1269m/2.02h=628.2m/h
                                          (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3bf0b6e590586d45a39c618946fc7511
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/63166d434e8b9855986102aba151d6ef



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2 コメント

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参りました (N野)
2012-08-18 10:52:32
FHさん
いつも楽しいブログありがとうございます。先日はお会いできうれしかったです。しかし手術後といえどもその体力、精神力には頭が上がりません。週一目標ですが、これからもよろしくお願いします。
N野
返信する
コメント有難うございました (FH)
2012-08-19 05:53:56
N野さん

コメント,有難うございました.
先日はお目に掛かれて大変嬉しかったです.
これからも宜しくお願いします.
返信する

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