<朝夷奈切通>
ボンボリの鎌倉;金沢八景・朝夷奈切通・初弁天・鶴岡八幡宮へ(3)
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(五十三次洛遊会)
2012年8月6日(月)(つづき) 晴後曇一時雨後曇
この記事は,前の記事,「ボンボリの鎌倉;金沢八景・朝夷奈切通・初弁天.鶴岡八幡宮(1)」の続きです.
この記事の前に,下記の記事を先にご覧下さい.
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/849987da656d36aca9be8c4c8b4dc2b1
<朝夷奈切通>
■迫力の切通
バス停朝比奈から大船方面に少し歩いたところで,左折して朝夷奈切通に入る.左折して5分ほど舗装道路が続くが,左側に工場があるところから,昔ながらの未舗装の道路に入る.
すぐに横浜横須賀道路の高架下を潜る.
ほどなく,両側が高い断崖になっている切通になる.大迫力.ここは誰でも知っているように鎌倉七切通の一つである.伝説では朝夷奈三郎義秀が,一夜のうちにこの峠を切り開いたという.朝比奈三郎義秀は和田義盛の三男である.
私たちは断崖を見上げながら,ゆっくりと歩く.先ほどまで降っていた雨は止んでいるが,湿度が極めて高く,ムシムシと不快である.
<朝夷奈の切通>
■熊野神社への分岐
12時02分,熊野神社への分岐点に到着する.私はここで左折して5分ほど行ったところにある熊野神社の境内を利用させて頂いて昼食にすることも考えたが,熊野神社の境内は風通しも悪そうだし,何となくジメジメしていて,蚊も沢山居そうだなと想像する.
「皆さん・・・後30分ほど我慢して,十二所神社境内で昼食にしましょう・・」
と提案する.勿論,反対する人も居ないので,そのまま朝夷奈切通を歩き続ける.
この分岐点から,ほんの少し進んだところが峠になっていて,峠の先は鎌倉市になる.
<熊野神社への分岐>
■磨崖仏
峠に立派な磨崖仏が彫られている.浅学の私には,この磨崖仏の正式な名称は分からないし,この佛の故事来歴も全く分からない.ただ立派な磨崖仏だなと思うだけ.
峠を過ぎて鎌倉側に入る.緩やかな下り坂が続く.先ほどまでのムシムシした空気が一変して,爽やかな微風が吹いている.気分的にも随分と楽になり,一同リラックスして散策を楽しむ.
<峠の磨崖仏>
■三郎の滝
12時19分,朝夷奈切通の鎌倉側に入口にある三郎の滝に到着する.ここで史跡としての朝夷奈切通は終わりになる.
奇妙な感じがするが,先ほど上行寺付近で土砂降りの雨に遭遇したが,鎌倉側に入ると雨が降った痕跡がない.地面は乾いている.
三郎の滝で,ほんの数分,立ち休憩を取る.
なお,この滝の上に上総介広常の屋敷があったと伝えられている.
<朝夷奈切通の鎌倉側入口にある三郎の滝>
<十二所>
■梶原大刀洗水
12時21分,梶原大刀洗水に到着する.
以前に比べると,随分と整備され,「大刀洗水」の看板も取り付けられている.ここは梶原景時が上総介広常を討って,その太刀を,ここで洗ったという.鎌倉五名水のひとつ.
<梶原大刀洗水>
■十二所神社
川沿いの道をバス停十二所に向けて下る.そよ風が川に沿って吹き上げてくる.先ほどまでの蒸し暑さが嘘のように心地よい.
2時34分,十二所神社に到着する.ここは高台.風通しも良く.蚊も居ない.参拝を済ませてから,境内の片隅を借りて,昼食を摂る.
私たち以外に,神社を訪れる人はほとんど居ないので,気兼ねせずにゆっくりと昼食を楽しむ.
昼食後,数名の方からクッキーや飴などを頂戴する.
<十二所神社>
<滑川に沿って>
■大慈寺跡
13時10分,昼食を済ませて,十二所神社から歩き出す.滑川の右岸沿いに金沢街道を暫く下って,イエズス会鎌倉修道院前から住宅地の中を通る裏道に入る.
13時26分,大慈寺跡を通過する.『かまくら子ども風土記(p.65)』によれば,大慈寺は1214年(健保2年)源実朝によって創建された大寺院だったようだが,今は痕跡すらない.
<大慈寺跡>
■明王院
再び雲行きが怪しくなり,小雨が降り始める.困ったなと思っていると,鎌倉市からの緊急放送が聞こえてくる.よく聞き取れないが,
「・・・湘南地方に大雨洪水警報が出ました・・・」
と言っているようである.
13時29分,とりあえずは明王院前で,立ち止まり,これからどうしようかと思案する.このまま,金沢街道に沿って,鎌倉駅まで行ってしまうか,それとも,予定通り明王院脇の登山口から山に入って,初め弁天を見学するかである.
私は,携帯電話を取りだして,有料の天気予報サイトの情報を見る.天気図を見ると,ここから少し離れた藤沢方面に強い雨雲があって,北東の方向に進んでいる.鎌倉は強い雨雲から僅かに外れている.それに本降りになるまで,まだ時間的な余裕がありどうである.
多少の雨でも,これから行く山道には危険なところはない.ただ,下山するときに,瑞泉寺あるいは護良親王墓近くのどちらの道を通るにしても,滑りやすいので,ここだけは要注意である.
「よお~しっ!・・・・予定通り,山道へ行きましょう・・・」
と決断する.
<明王院は緑に囲まれて美しい>
<山道に入る>
■初め弁財天
明王院脇の登山口から,山道に入る.
いきなり薄暗い急な登り坂になる.足許は特に滑りやすいところもないので,安全に登れるが,鬱蒼とした森の中なので,何とも薄気味悪い.私は,これまでにも何回となく歩いているところなので,特にどうと言うことはないが.初めての方は,随分と薄気味悪そうである.
「一人で,こんなとこ,歩けないね・・・」
と言っている.
森の中に入ると,雨粒が直接落ちてこないので,雨傘がなくても,それほど濡れずに,何とか歩ける.
5分ほどで急坂が終わって,尾根道に出る.ここからはなだらかな登り坂になる.この辺りは,天気さえ良ければ,素晴らしい散策路だが,雨の中だとやたらに長い道だなと感じてしまう.
雨脚が次第に強くなる.私も堪らず折りたたみ傘を使うことにする.
13時52分,漸く初め弁財天に到着する.山の中の三叉路に建つ小さなお社である.
数年前,鎌倉の年寄り向けの講座で,金沢八景方面から江の島の弁財天へ向かう旅人が,まず,この弁財天を拝んだので初め弁財天というのだ・・・と教えて貰った.ただ,市販の観光案内には,この弁財天の説明がないので,私には真偽の程を確かめる術(すべ)はない.
雨の中,私たちはお参りを済ませる.
<山の中の初め弁財天>
■大江広元墓
初め弁財天から瑞泉寺方面に向かう.途中の三叉路を左へ入ると,すぐにある小高い尾根に大江広元墓と言われる層塔が立っている.この近くに大江広元の屋敷があったと伝えられている(前掲書,p.65).
立派な層塔だが,昔からここにあったわけではなく,近年になって,近くに散らばっていた石を積み重ねて層塔にしたという話も聞くが,もちろん真偽の程は,私には分からない.
<伝大江広元の墓>
■理智光寺谷へ下山
大江広元の墓から,往路を引き返して,もとの道に戻る.そして,尾根沿いの道を瑞泉寺方面に向けて歩く.道路脇に繁茂する夏草の滴で,足許が濡れる.
14時05分,天園ハイキングコースと合流する.
合流点からすぐ先の三叉路で思案する.右へ行けば滑りやすい急坂を通って瑞泉寺登山口に下山する.左へ行けば尾根道沿いに護良親王の墓がある理智光寺谷へ下山する.とちらが安全か少々迷うが,結局左側の尾根道を下ることにする.
暫くの間,竹が繁茂する尾根道を辿る.そして,最後に滑りやすい急坂になる.
「皆さん,お互いの間隔を開けて,ゆっくり下山しましょう.恐かったら後ろ向きになって降りて下さい・・」
と声を掛ける.
<滑りやすい急な下り坂を下って理智光寺谷へ>
<鎌倉宮から鶴岡八幡宮へ>
■大塔宮(鎌倉宮)
14時36分,鎌倉宮に到着する.何時の間にか雨は小止みになっている.ここでトイレ休憩.
バス停には鎌倉行のバスが停まっている.
「ここからバスに乗りましょうか・・」
と聞くが,バス希望者は居ない.
<大塔宮>
■荏柄天神
14時43分,荏柄天神の前を通過する.参拝は省略して,そのまま通過する.
<荏柄天神>
■鶴岡八幡宮
14時59分,鶴岡八幡宮に到着する.
期待していたボンボリは,当然のことながら雨の中飾られているはずはない.残念だが仕方がない.
私たちが,鶴岡八幡宮に到着したときに,神事があるらしくて,境内には張り詰めた空気が漂っている.
丁度,衣冠を整えた神職が,源氏池で神事をおこなうところである.
<沢山の観光客が真意が始まるのを見守っている>
<いよいよ神事が行われる>
<鎌倉駅前で解散>
■小町通り「モア」で懇親会
15時09分,鶴岡八幡宮を出る.
沢山の観光客に混じって,若宮大路から小町通りを経由して,15時30分頃,小町通り「モア」に到着する.ここで一次解散.
希望者だけ「モア」で懇親会を開催する.私も,柄にもなく,グラスビールを注文する.エネルギー効率の良い私は,ほんの一口のビールでほろ酔い気分になる.
15時55分頃,男性陣だけは懇親会をお開きにする.
■バスに乗って帰宅
私は,鎌倉駅裏口に回り,鎌倉市役所前から16時10分発鎌倉中央公園行のバスに乗って帰宅する.
何だか疲れた感じがする.明日は山行はしないでゆっくり過ごし,明後日は塔ノ岳へでも行こうかな・・・と,“ふと”思う.
<ラップタイム>
10:05 金沢八景駅前歩き出し
10:15 瀬戸神社
10:25 枇杷島弁財天
10:40 泥牛庵
10:47 上行寺東遺跡
10:53 上行寺(11:07頃まで雨宿り)
11:17 光傳寺
11:28 宝珠院
11:49 朝夷奈切通入口
12:02 熊野神社分岐
12:19 三郎滝
12:35 十二所神社(13:10まで昼食)
13:29 明王院(13:35まで立ち休憩)
13:46 初め弁天
13:52 大江広元墓
14:14 理智光寺谷へ下山
14:30 大塔宮
14:58 鶴岡八幡宮(15:10頃まで見学)
15:30 小町通り「モア」前で解散
[ハイキング記録]
■水平歩行距離 10.9km
■累積登攀高度 329m
■累積下降高度 330m
■所要時間(休憩時間込み)
金沢八景駅 発 10:05
小町通り「モア」着 15:30
(所要時間) 3時間25分(3.42h)
平均歩行速度 10.9km/3.42h=3.19km/h
(つづく)
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