中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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涼風を楽しむ鎌倉;山ノ内・北鎌倉・天園・源氏山を一巡り

2011年07月15日 09時16分06秒 | 鎌倉あれこれ

                              <山ノ内の尾根道から六国見山を望む>

   涼風を楽しむ鎌倉;山ノ内・北鎌倉・天園・源氏山を一巡り
              (単独散策)
          2011年7月14日(木)

<散策地図>




<プロフィールマップ>



  水平歩行距離    14.4キロメートル
  累積登攀下降高度   427メートル



■ちょっと日の出が遅くなった
 7月の中旬ともなると,夏至から1ヶ月,夜明けが幾分遅くなってきたようである.夏至の頃は,4時前に東の空が明るくなっていたが,この頃は4時ではまだ薄暗い.しかし,猛暑はこれからである.天気予報では今日も猛烈な暑さが続くと言っている.
 いよいよ,明後日,7月16日(土)から,ツールドモンブランの旅に出掛けることになっている.それなのに,まだ旅の準備はほとんどしていない.もっとも,今回の旅は本格的な登山ではなくトレッキングなので,アイゼンや寝袋などは持参する必要はない.極端なことを言えばパスポートとなにがしかの現金さえ持っていれば何とかなる旅である.そうは言っても,なにがしかの現地通貨ユーロは,レートの良い所で買っておきたい.
 そこで,鎌倉市内をぐるりと一回りしてから,鎌倉駅前の三菱UFJ銀行に立ち寄って,ユーロを買おうかと思う.そこで,ナップザックに氷水を入れた500ミリリットルの魔法瓶を1本入れて歩き出す.


■山ノ内の尾根道
 鎌倉散策の恒例として,歩き出しはバス停鎌倉中央公園入口である.10時42分出発.山の上ロータリーで左折,山ノ内配水池に向かって尾根沿いの住宅地を歩く.夏の太陽が舗装道路で照り返して,ジリジリと暑い.
 山ノ内配水池手前にあるレストラン「ブランブルグ」の前で左折して山ノ内の尾根道に入る.砂利道を少し進むと真っ赤なハゲイトウが勢いよく咲いているのが眼に入る.何時もながら,ここから眺める六国見山や瓜ヶ谷の展望は素晴らしい.暫くの間,展望を楽しむ.

<山ノ内から源氏山方面を望む>

■北鎌倉女子学園グラウンド
 さらに先へ進むと小径は二手に分かれる.どちらの道を辿るか少々迷うが,左側の分岐に入る.小径は勢いよく繁茂する森の中,薄暗い緑陰に入るとホッとするほど涼しい.
 やがて北鎌倉女子学園グラウンドに到着する.晴れていれば,ここから富士山や丹沢の山が良く見えるはずだが,今日は沸き上がる夏雲の中である.


■北鎌倉のコンビニ
 山を下って,北鎌倉駅近くの路地に入る.くねくねと曲がる路地を辿って,北鎌倉駅近くの某コンビニに立ち寄る.ここのご主人とは顔なじみである.
 にぎりめし2個とあんパン1個を購入する.レジの奥さんに,
 「ご主人はお元気ですか・・?」
とお尋ねする.
 「・・何時もと変わりませんが,だんだんと身体が言うことを聞かなくなっています・・」
 「(程度の差はあっても)皆,誰でも年を取るとどこかしらおかしくなりますね・・私も眼が弱くなって・・」
と訳の分からない応対をする.
 私はたまたまナップザックに入れっぱなしになっていた絵はがきを取り出し,金釘流で“暑中お見舞い申し上げます”と書き添え,
 「ご主人によろしく・・」
と言いながら,奥さんに手渡す.

<閑散とした北鎌倉駅>

■今泉台登山口
 名月谷を遡る.何となく薄暗い山道は通りたくなかったので,照り返しが強いことは覚悟の上で,舗装道路を辿って今泉台住宅地までの坂道を登る.そして,今泉台登山口からハイキングコースに入る.木の陰に入ると,ぐっと涼しくなる.


■勝上嶽の眺望
 やや急勾配の階段を登ると,六国見山付近の見晴らしが良くなる.風景を楽しみながら,尾根道を登ると,呆気ないほどすぐに勝上嶽山頂に到着する.ここは建長寺の裏山である. 山頂にある展望台で,風景を眺めながら立ち休憩を取る.
 残念ながら富士山は夏雲に遮られて見えないが,近場の低山や相模湾沿いの町並みが良く見える.遠足に来た数名の子ども達が,建長寺から続く石段を勢いよく登ってくる.



<海風が涼しい緑陰の道>

■十王岩
 天園ハイキングコースに沿って歩き続ける.絶えず海風が吹き抜けて涼しい.
 12時06分,十王岩展望台に到着する.近くの草木が年ごとに大きくなり,あまり展望が利かなくなっている.ここはそのまま通過.
 12時12分,百八ヤグラ脇の十字路に到着する.ここから散在ヶ池方面を一回りするか,それとも覚園寺登山口に下るか,少々迷うが,結局は,せっかく久々に定番コースを回っているんだから,瑞泉寺登山口から下山することにする.


■大平山山頂
 そのままハイキングコースを歩き続ける.暑い時期なのですれ違うハイカーも居ない.
 12時30分,大平山山頂に到着する.ここは鎌倉の最高峰である.今日は晴れているので,山頂から遠く三浦三山や東京湾を越えて千葉の海岸まで良く見える.
 山頂で立ったまま,数分の間,風景を堪能する.眼下に見える広場には,ほとんど人影がない.何時もなら,休憩を楽しむ人たちが多い所である.
 山頂で休んでいると,広場の方から4名の女性が,広場からごそごそと登ってくる.
 「こんにちは・・」
と挨拶をして,通過していく.全員が大きなリュックを背負い,立派な軽登山靴と,ステッキを持っている.こんなことを言うと失礼かも知れないが,いかにも重装備で,見た目がいかにも暑苦しい.でも,人それぞれ.とやかく私が口を出すことではない.

<大平山山頂;遠くに三浦三山が見えている>


<大平山山頂から東京湾・千葉県を望む>

■峠の茶屋
 12時37分,峠の茶屋に到着する.
 例によって,Eさん達ご常連が,何時もと同じ場所で車座を作っている.ご常連以外の客はほんの数名,閑散としている.
 私の姿を目ざとく見つけた女将が,
 「あら,暫く振り・・・昨日は,お髭が来ましたよ・・あまり顔を出さないと死んだのかと思ってしまいますよ」
と私に話しかける.
 「スミマセン,・・この頃,塔ノ岳にばかり行っていて・・」
と釈明する.そして,私が注文する前に,
 「コーラで良かったですね・・」
と言いながら瓶コーラの栓を抜く.150円也.
 「Eさんの側の席が空いていますよ.あそこに座りなさい」
と勧められる.
 この頃,塔ノ岳にばかり行っている私は,ご無沙汰している.何となく遠慮がちになる.でも,シオシオとEさん達の隣の席に座る.
 ご常連の皆さんはビールや酒を嗜みながら,四方山話をしている.私はもっぱら聞き役.
 「女性の尻」が20歳代と40歳代で垂れ下がり方が違ってくることが話題になっている.ついこの頃,NHKの朝の番組で話題になったばかりのことである.
 
<峠の茶屋>

■瑞泉寺登山口へ
 女性の尻が垂れ下がろうが,私には関係のないこと.
 12時55分,下山しようと思って席を離れる.たまたま,同時に席を離れたEさんと,暫くの間,雑談,
  「この間,白馬へ登ってきた・・・クロユリが咲いていたよ・・」
と山の話である.
 Eさんはやっぱり山好きである.
 12時59分,峠の茶屋を出発する.
 獅子舞を下ろうかとも思ったが,それでは余りに早い下山になってしまうので,やっぱり瑞泉寺を目指すことにする.緑陰の素敵な散策路が続く.すれ違うハイカーは全く居ない.
 13時12分,貝吹地蔵前を通過.13時20分,北条首ヤグラ入口を通過.そして,13時31分,瑞泉寺登山口に下山する.
 舗装道路に出ると,ムッとする照り返しが強いのに驚く.

<瑞戦地登山口近傍;露岩帯の難所>


<瑞泉寺登山口>

■鎌倉駅へ
 永福寺跡を過ぎる頃から,観光客の姿もチラホラと見えるようになる.ときどき通る自動車が鬱陶しい.
 13時42分,大塔宮(鎌倉宮)に到着する.余りに暑いので,自販機で120円也のアイスクリームを購入する.木陰で賞味.
 食べ終わってすぐに歩き出す.絵柄天神,白畑神社を経由して西御門へ.この辺りまで来ると散策を楽しむ観光客の姿が多くなる.
 13時55分,鶴岡八幡宮に到着する.境内はそれほど混雑していない.遠足の小学生が砂埃をあげながら走っている.
 裏通りを抜けて,14時15分に鎌倉駅に到着する.

<遠足の子ども達で賑わう鶴岡八幡宮>


<八幡宮のハス>

■三菱UFJ銀行にて
 早速,駅前の三菱UFJ銀行を訪れる.フロアーに居る行員に,
 「・・ユーロを購入したいんですが・・」
と申し入れる.
 店内の販売機に案内される.ところ最小パックが300ユーロ.私の場合,現金はせいぜい150ユーロもあれば十分なので,
 「そんなに要らないので・・・もっと少額のパックは無いんですか?」
と伺う.行員は少し戸惑いながら,
 「そうですねェ~,申し訳ないんですが,これが最小のパックです.これより少額の場合は三菱UFJの横浜までお出で頂ければ・・・」
 「そうですか・・・では,空港で両替することにします・・」
ということで,両替は中止.

■仙人にバッタリ
 鎌倉駅西口からバスで家に帰ることもできるが,何となく歩き足りない.私は源氏山公園と鎌倉中央公園を経由して,自宅まで歩いて帰ることにする.
 鎌倉駅西口から市役所通りを西へ向かう.
 鎌倉商工会議所の前辺りで,前方から仙人が歩いてくる.
 「やあ,暫く振りです・・・お変わりないですか・・」
とお互いに挨拶する.
 「・・この頃,あちこちが痛くて・・」
と言いながら,仙人は顔をしかめる.
 仙人は,北鎌倉,源氏山公園を回って来たとのこと.結構な道のりである.
 「多少,無理をしてでも歩かないと,身体が萎えてしまうんで・・」
と仙人は苦笑する.

■源氏山公園・葛原岡神社
 大根料理で有名な某食堂がある裏道を抜けて,宇賀福神社(銭洗弁天)に向かう.観光客が三々五々と歩いている.宇賀福神社手前の急坂で,若い男女がのそのそと登っている.
 「こんな急な坂,登れない・・」
と女性が言っている.人ごとながら,
 「何を甘えているんだ・・」
と叱咤したくなる.もちろん,実際にはそんな失礼なことはしない.
 急坂を登って,14時36分,源氏山公園に到着する.そのまま公園の中を歩いて葛原岡神社を詣でる.
 園内は閑散としている.良く見ると,神社前の木陰で,中年男性数名のグループが,ぐったりした様子で休憩を取っている.私は内心で,
 「・・今日の気温,そんなに暑いのかな・・」
と訝るが,私が高齢で鈍感なだけかも知れない.

<葛原岡神社>

■鎌倉中央公園を横切る
 葛原岡神社から,尾根道を辿って,山ノ内配水池の前を通過する.
 14時59分,大平山住宅地を抜けて.鎌倉中央公園梶原口に到着する.階段道を下って,東谷沿いの市民農園の田んぼを眺めながら,公園を一回りして,下の池と上の池の間に繁茂するハンゲショウを眺める.もう,見頃が過ぎたのか,葉の白い部分が余り目立たなくなっている.
 15時18分,出発点のバス停鎌倉中央公園入口に到着する.
 所要時間4時間37分のプチハイキングが終わった.

<鎌倉中央公園の田んぼ>

■いきなり長女が・・
 自宅へ戻る.家内は買い物に出掛けていて留守.
 そろそろ旅行の支度を始めなければと思いながら,なかなかその気になれない.とりあえず山用のキャリーバッグとリュックを選ぶ.
 「まあ,・・ともかく冷たいものでも飲もう・・」
と1階の食堂で休憩.
 ややあって,いきなり北鎌倉に住んでいる長女が,どたどたと家に入ってくる.
 「家の中蒸し暑いね,・・冷房入れないの・・お父さん」
 「べつに暑くないよ・・・」
 「テレビでも言っているでしょ・・・年を取ると暑さに鈍感になるって・・随分暑いですよ・・」
と私を年寄り扱いする.
 まあ,本当に年寄りだから仕方がないが・・・生まれてから,ずっと冷房など無い所で,健康に育ってきた.それし,山登りを続けていると,抵抗力がついて,暑さ寒さが平気になっている.そのことを長女は理解できないらしい.
 用件は,明日から2~3日,留守にするので,孫を預かって欲しいとのこと.
 私は内心で,
 「人を年寄り扱いしたあと,すぐに孫をよろしくなんて良く言えたものだ・・」
と憤慨するが,逆に,気軽に実家を訪れてくるのが嬉しい.

<ラップタイム>

10:42  バス停鎌倉中央公園入口発
10:56  山ノ内配水池
11:06  北鎌倉女子学園グラウンド
11:17  北鎌倉コンビニ(11:23まで買い物)
11:24  北鎌倉駅
11:49  今泉台登山口
11:56  勝上嶽展望台(11:59まで展望休憩)
12:04  十王岩
12:12  百八ヤグラ
12:30  大平山山頂(12:33まで展望休憩)
12:37  峠の茶屋(12:59まで昼食)
13:12  貝吹地蔵
13:20  北条首ヤグラ
13:31  瑞泉寺登山口
13:42  大塔宮(13:44まで休憩)
13:55  鶴岡八幡宮(13:59境内通過)
14:15  鎌倉駅(14:22西口)
14:32  宇賀福神社
14:36  源氏山公園
14:43  葛原岡神社
14:59  鎌倉中央公園
15:18  バス停鎌倉中央公園入口着

[散策記録]

■水平歩行距離
   14.4km

■累積登攀高度   427m

■累積下降高度   427m

■所要時間(休憩時間込み)
  出発   10:42
  帰着   15:19
 (所要時間)4時間37分(4.62h)
 水平歩行速度    14.4km/4.62h=3.12km/h
                                    (おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3eb797bb24f6d10976432513bcf00430
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/3bcb91d56040f378e9d6398a2e77bca1



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