<前方に笠ヶ岳がみえる>
やっぱり北アルプスはいいな:弓折岳・笠ヶ岳縦走(6)
(北アルプス総合案内所)
2009年8月22日(日)~24日(月)
第2日目 2009年8月23日(日) (つづき)
<秩父平から抜戸岳へ>
■秩父平
休憩を終えた私たちは,8時29分に大ノマ岳山頂を出発する.相変わらず素晴らしい展望の稜線歩きが続く.緩やかな下り坂である.進行方向左手,つまり東側はかなり鋭く切り立った谷間になっている.
8時36分,進行方向左手のガレ場で,1羽の雷鳥を見つける.もちろん,雷鳥は夏の羽根のままである.礫の間をチョコチョコと歩き回っている.あわてて写真を撮るが,こんなとき,安物のデジカメは,シャッターが切れるのが遅れる.なかなか決定的な写真が撮れず哀れである.
9時03分,鞍部の秩父平直下の小さな平地で,5分ほど休憩を取る.
足元には沢山の高山植物が咲き乱れている.花のことが良く分からない私には,何という花か見分けが付かないのが残念である.
<秩父平を行く>
■稜線に出る
9時08分,再び歩き出す.少し登って,9時17分に秩父平(標高2523m)を通過する.ここから抜戸岳手前に見えているコル(標高2792m)の頂上近くまで,250メートルほどのやや急な登り坂になる.
私たちは,大きな尾根の東側斜面を登り続ける.足元は安定していて歩きやすい.ところどころに綺麗な野草が咲いている.風もなく見晴らしが素晴らしい登山日和である.
「もうすぐ稜線に出ますよ.稜線に出ると西側の山々が見えますよ」
とガイドのKさんが一同を励ます.
9時31分,ようやく主脈の稜線(標高2640m)に出る.とたんに冷たい西風をまともに受ける.寒い.
リーダのKさんが,
「景色が良いので,ここで昼食にしようかと思っていましたが,寒いので,もう少し登りましょう.榛松の中に入れば風が当たらないでしょう」
と私たちを促す.
私たちは,稜線に出たところで,ほんの数分立ち休憩を取った後,再び坂道を登り続ける.
風はやや冷たいものの,絶景を眺めながらの稜線歩きは,とても気持ちがよい.私には,全く疲労感はない.
谷間を挟んで,その向こうには,相変わらず槍ヶ岳,穂高連峰が屏風のように連なっている.さらにその先,遠くの山々も見えている.反対側の西側を見ると,こちら側にも沢山の山々が見えている.
周囲を見回しながら,山を良く知っている同行者が,
「あれが白山,こちらが御嶽山・・・」
と説明してくれるが,聞いた途端に,次々と忘れていく.とにかく頭の中がこんがらかる.
<稜線に出る>
<厳しい断崖が見える>
■西風を避けて早めの昼食
やがて,9時50分,西側に榛松が生えている場所(標高2730m)に到着する.ここで西風を避けながら早めの昼食を摂る.目の前には素晴らしい眺望が展開している.
リュックを降ろし,榛松を背に腰を下ろす.
腰を下ろした途端に,左足の足首がチクリとする.榛松の葉が刺さったかな思ったが,どうやら虫にかみつかれたらしい(実は9月3日になっても虫に食われたところが腫れている).
絶景を眺めながら,早めの昼食を摂る・・・が,残念ながらご飯がゴワゴワとカチカチになっていて,なかなか食べられない.半分ほど残してしまう.
<榛松で風を避けながら昼食>
<鏡平山荘の弁当>
<これまで歩いてきた稜線が見える>
<絶景を楽しみながら稜線を行く>
■抜戸岳山頂を往復
昼食を終えた私たちは,10時28分に再び歩き出す.相変わら絶景が続く.
標高2792メートルのコルの手前から稜線の西側のトラバース道に入る.そして,10時55分,抜戸岳山頂直下の分岐に到着する.この分岐から10分ほど直登すると抜戸岳山頂に出ることができる.Kガイドが,
「抜戸岳山頂へ行く人だけ付いてきてください.生きたくない人は,ここで待っていてください」
と言う.
私は当然抜戸岳山頂を目指す.結局11人中9人が山頂を往復することになる.
ガレた急坂を登る.私は心の中で,
「登るのは良いが,下るのが大変だな・・・」
と思いながら,石ころだらけの急坂を登る.
11時02分,抜戸岳山頂(標高2812m)に到着する.山頂はそれほど広くはないが,360度の眺望が開けている.
私たちは,山頂からの眺望を堪能した後,11時05分,抜戸岳山頂から下山開始,11時10分に再び分岐に戻る.
<抜戸岳山頂>
<抜戸岳山頂から槍ヶ岳を眺める>
<抜戸岩付近の眺望>
■笠新道分岐
分岐に戻った後,稜線歩きが続く.ここから暫くの間は,小さな上り下りが続く心地よい稜線歩きである.緩やかな下り坂が続く.
11時15分,笠新道分岐(標高2825m)を通過する.明日は,この分岐まで戻って,笠新道を下山する予定である.
両川沿いのなだらかな下り坂が続く.
■笠ヶ岳が間近に見えはじめる
11時36分,標高2770メートル地点に到着する.前方に雄大な笠ヶ岳が見え出す.素晴らしく眺望が良いところである.Kガイドが,
「写真タイムを取りましょう・・」
という.
私もカメラを出して,四方八方の写真を撮る.
笠ヶ岳に向かう稜線の上に,私たちがこれから歩かなければならない登山道がうねうねと続いているのが見える.
「まだ,まだ,先は長いな~ぁ・・・」
と,私は心の中で思っている.
<笠ヶ岳が間近に見え始める>
今来た道を振り返ると,抜戸岳が聳えている.私たちが歩いてきた穏やかな稜線が何処までも続いているように見える.
■抜戸岩
2分ほどで写真タイムが終わる.そして,再び歩き出す.
12時00分,前方に大きな岩が見え始める.抜戸岩である.狭い岩の間を通り抜ける.登山道の両側は切り立っている.この通路が自然にできたものか,それとも人の手でわざわた掘ったものか,私には分からない.
<抜戸岩>
■笠ヶ岳山荘が見え出す
抜戸岩を過ぎると,緩やかで小さな上り下りを繰り返す.そして,12時08分,前方に笠ヶ岳山荘が見え始める.山荘は遙か高い高台の上にある.
添乗員のMさんが,
「最後の最後で,この坂を登るんですから,うんざりですね・・」
と言う.
今居る所から,山荘までの標高差はせいぜい100メートルぐらいである.大したことないなと,私自身は思っている.
<中腹に笠が岳山荘が見えている>
(つづく)
「北アルプスの山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/8e7517044363d027e0f626e3094e6d18
「北アルプスの山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/86aabfe3ceef9051daf145f2bcb082f8
最新の画像[もっと見る]
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前