中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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青空の丹沢;大倉尾根と天神尾根を一回り;塔ノ岳(今年3回目)

2012年01月12日 04時53分39秒 | 丹沢の山旅

                             <塔ノ岳山頂からの富士山>

  青空の丹沢;大倉尾根と天神尾根を一回り;塔ノ岳(今年3回目)
         (上り単独;下りY中氏に同行)
       2011年1月11日(水) 


<登山地図>



<プロフィールマップ>



<心地よい朝日を浴びて>

■何だか身体が重い
 5時10分,何時ものように塔ノ岳に出掛ける.大きな丸い月が中天で輝いている.今朝も寒い.
 小田原駅で,東海道本線から,猛ダッシュして,ハアハア言いながら,小田急電車に乗り換える.駅の階段を2段飛びで駆け上がり,駆け下りるが,何時もより身体が重い.やっとのことで何とか間に合う.
 1番バスの乗客は疎ら.何時も必ず乗ってくる韋駄天のTさんや三角髭のTさんの姿が無い.そのかわりに何時も土曜日にお会いするK大Nさんが,珍しく乗車している.その他に,U村さん,T中さん,ホッシーさんが乗車している.
 6時58分にバスは大倉に到着する.U村さんホッシーさんは,到着後,間もなく出発.私はK大NさんやT中さんと一緒に,7時07分頃,大倉を歩き出す.
 歩き出してすぐに,私にはお二人の速度に付いていく自信がなかったので,後からユックリと登ることにする.

■朝日が心地よい登山道
 観音茶屋を過ぎてからトラバース道に入る.進行方向右手後ろから,朝の日光が射し込んでくる.気温は6~7℃程度である.
 朝の透明な空気とやわらかな日光が何とも心地がよい.
 「気持ちがいい空気だな・・」
と独り言を言いながら,何回も深呼吸をする.深呼吸をする度に,太陽から精気を貰っているような気がしてくる.
 
<心地よい登山道>                                       <影法師>

■影法師
 日の出から間もない太陽が真横から射し込んでくる.ふと気がつくと自分の影法師が,私に寄り添っている.面白い.
 「よし,オマエに写真を撮ってやろう・・」
 私は,道草をしながら,自分の影法師の写真を何枚も撮る.そして,自分の影法師に話しかける.
 「おまえか・・オレの心の中に巣喰っているヤツは・・」
 この影法師の奴.ときどき私に悪態をついたり,忠告したりする厄介な奴でもあり,有り難い
奴でもある.影法師にはけったいな名前が幾つも付いていて,時々,このブログでも登場している.あるときは空身亭慈円,そしてあるときはガスコングニコス商会のブヘルト久斉,あるいは山欠菌病原体という名前で,このブログに登場して,私に言いたい放題である.
 「でも,まあ,どうせ私とオマエは切っても切れない間柄,仲良くやろうや・・」
 「馬鹿者! テメエの影法師と分かれられないって当たり前じゃネエか・・・」
 「そりゃそうだ・・・」
 私は一体何を妄想しているんだろうか.実に馬鹿馬鹿しい.
 自分の影法師の写真を撮るのに,時間を掛けて苦労しているなんて,実に馬鹿げている.

<花立山までの急坂>

■堀山の尾根の富士山

 馬鹿なことを繰り返しながらも,歩き出して,1時間07分で駒止茶屋を通過する.2~3年前までは,駒止茶屋まで1時間以上掛かることはなかったが,今の私にはこの程度が精一杯というところか.情けないと言えば情けないが,こんなものかと思えば,まあそんなものだよと影法師が言う.
 堀山の尾根からは,今日も富士山が良く見えている.
 この所,陽気が暖かいのだろうか,富士山の雪も大分溶けてしまったようである.つい先日は山麓近くまで真っ白だったが,今日は8合目辺りから上にしか残雪がない.空は春を思わせるような淡い青色である.今の所,雲一つなく晴れ渡っている.

 私は,富士山の写真を何とか鮮明に写したいなと思って,いろいろ工夫してみる.先日ジャイアンさんに教えて貰った技(ワザ)を真似するがどうも上手くいかない.上手く撮れないのは,自分の腕が悪いのではなく,カメラがボロだと言うことにしておこう.

<堀山の尾根からの富士山>

■萱場平
 富士山を相手に,ちょっと遊びすぎたが,8時51分に萱場平に到着する.前方には素晴らしい青空が広がっている.
 先ほどからリュックの背負い心地が悪いので,ベンチにリュックを降ろして,リュックの中を整理する.この時間は,ほんの3~4分だったが,驚いたことに,ずっと後ろにいるはずのK大Nさんが,もう追い付いてしまう.
 K大Nさんは階段道を登るのが速い.
 「では,平らなところだけ先に行かせて貰います・・・」
で,暫くの間,私が少し先を歩く.

<萱場平>

■後7分坂
 9時09分,後7分坂に到着する.振り返って下界の写真を撮ってから,坂を登り始める.
 私にとっては標準の定速で登り続ける.10メートルほど後ろにK大Nさんが登ってくる.
 突然,後ろから,
 「FHさん,おはようございます・・・」
と女性の声がする.I藤さんである.
 一言二言話している内に,K大Nさんに追い抜かれる.
 I藤さんは私の2倍ぐらいの超スピードでグングンと坂道を飛ばしていく.私はその速さに呆れながら見送る.I藤さんは瞬く間に前方を登っている登山者を追い抜いていく.
 「凄いな,羨ましいな・・」
と思いながら見送る.
 坂道を3分の2ほど登ったところで,下ってくるN村さんとすれ違う.N村さんとは,何時も大体この辺りですれ違う.
 9時16分,ようやく花立山荘に到着する.大倉を歩き出してから,丁度2時間である.今の私にとっては,まあ,まあの時間である.
 山荘前から,相変わらず富士山が良く見えている.ここでも数枚の写真を撮る.そうこうしている内に,すぐ前を歩いていたK大Nさんとの距離もだんだんとは慣れていく.もう,後ろを付いていくのを諦める.


<K大NさんとI藤さんに追い抜かれる>

<塔ノ岳山頂>

■韋駄天のU村さんとI藤さん
 9時30分頃,漸く金冷シを通過する.
 ここまで来れば,塔ノ岳山頂まではあと僅か.惰性で登り続ける.
 山頂直下の木製の階段がそろそろ終わりになる頃,下山してくるU村さん,I藤さんとすれ違う.
 「ブログへ載せますよ・・」
とお断りして,お二人の写真を撮る.
 大杉山のことについて,立ち話をしてお別れする.

<U村さん,I藤さんと立ち話>

■塔ノ岳山頂
 9時45分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.
 大倉からの所要時間は2時間38分である.山頂の気温はマイナス1.4℃.
 「ゲ~ェ・・・それにしても時間が掛かりすぎだな・・・」
私は自分の軟弱さに腹が立つ.せめて,2時間30分程度では登りたかったのに・・・2~3日の間に,もう一度,登ってみようかという気になる.

<塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘のミー君
 山頂からの風景を一通り撮ってから,尊仏山荘に入る.大倉から一緒に登り始めたT中さんは,私より8分ほど早くご到着の様子である.もちろんK大Nさんも到着している.
 小屋番は,ミー君に優しいW田さん.
 私は,いつもお茶を注文するが,今日は気が変わって,400円也の甘酒を注文する.
 W田さんが2階から,ミー君を連れて来る.
 「お前さんも営業しなさいよ・・・」
と言い聞かせているようである.
 W田さんがマタタビの粉をミー君に与える.ミー君はマタタビの匂いを嗅いで,多少の興味を示すようだが,すぐに飽きてしまう.

<いきなり2階から降ろされてキョトンとしているミー君>



<マタタビに興味を示す>

<天神尾根を下山>

■今日も快調なチャンピョン

 10時22分,K大Nさん,T中さんと連れたって下山を開始する.
 花立山で,ボッカ中のチャンピョンとすれ違う.
 「ポーズをとって万歳しましょう・・」
とチャンピョンが応じる.
 格好いい!


<花立山でチャンピョンとすれ違う>

■天神尾根に入る
 T中さんと雑談をしながら,11時03分に萱場平に到着する.
 今日は,この時期にしては,幾分,気温が高い.着ているものが少し暑く感じるので,ここで小休止して衣服調整をする.
 「そういえば天神尾根が大分整備されているっていう話ですね・・」
 「整備されてからは,一度も通っていないな・・」
 「私も,ここ1~2年,天神尾根を下ったことがありませんよ・・」
 「じゃあ・・久々に天神尾根を降りてみようか・・・」
と,成り行きで天神尾根に入る.
 入口の辺りは心地よい山道だったが,すぐに荒れた急勾配の下り坂になる.まるで大倉尾根が銀座道の思えるほどのひどい道が連続する.それでも,随所に太い丸太で作られた階段がある.確かに以前に比べれば歩きやすくなっている.
 下り坂も歩きが遅い私は,T中さんに随分歯がゆい思いをさせているかも知れないが,安全第一で慎重に下山し続ける.
 登山道に面して真新しいシカ除けのフェンスが設けられている.
 つづら折りの下り坂を進むと,表尾根の山々が一段と間近に迫ってくる.これは,なかなかの風景である.
 
<天神尾根の階段道>

■天神尾根の標識
 天神尾根はそれほど長い尾根ではないが,下りきるのに随分と時間が掛かる.
 12時04分,ようやく天神尾根入口の案内標識に到着する.この辺りで,急坂も終わりである.正直なところ,ホッとする.

<天神尾根の標識>

■皆瀬川を渡る
 12時09分,皆瀬川に掛かる小さな橋を渡り,川の左岸沿いの林道に出る.
 橋の上から,なかなか見応えのある小さな滝の写真を撮る.

<皆瀬川を渡る>

<長い林道歩き>

■作治小屋

 12時15分,作治小屋に到着する.
 作治小屋のベンチで,若い男性が1人,休憩を取っている.駆けっこをする人である.暫くの間,彼と雑談をする.
 彼は駆けっこを始めてから3年目だという.
 今日の彼は,大倉からここまでランニングしてきたが,山には入らずに,ここから往路を引き返すそうである.
 話の途中で,
 「丹沢ウッズさん知りませんか・・・」
と伺ってみる.知っているような知らないような感じである.
 「丹沢ウッズさんは凄いですよ・・この間,会ったときには大倉尾根を6往復するって言っていましたよ・・・」
とT中さんが言う.つづいて,
 「何でランニングみたいな辛いことするんですかと聞いたら,『こんなに面白いこと何でしないんですか』って,逆に丹沢ウッズさんから言われてしまいましたよ・・」
と逸話を披露する.
 しばらく雑談の後,
 「では,先に歩いて行きますので,途中で追い越して下さい・・」
ということで,林道歩きを続ける.
 この辺りから見上げる表尾根の山々は,ちょっと北アルプスを連想させるほど姿形が美しい.少々立ち止まって,何枚かの写真を撮る.


<皆瀬川上流から見上げる表尾根の山々>

■退屈な林道
 正直なところ,長い林道歩きは退屈である.
 その退屈を紛らわせるかのように,T中さんが,いろいろな話題を提供する.珍しい草木のこと,ボイラーの温度,ジーゼルエンジン,発電所のタービン,造船,ヨーロッパ旅行,NOX,飛行機のファーストクラス等々話題は多岐にわたる.
 私も,専門分野は違うものの技術系出身,この種の話にはとても興味がある.ついつい色々と質問したり,成る程と納得したりで,本来退屈な筈の時間がとても短く感じる.
 13時22分,全長267メートルの風の吊り橋を渡って,無事,バス停大倉に到着する.

<風の吊り橋>


<無事帰宅>

■電車の接続が悪いよ
 バスの時間まで,大分間があるので,久々にパークセンタービジターセンターに立ち寄って見る.何となくガラ~ンとした雰囲気である.館内の展示物を一回り見て回る.
 大倉13時52分発渋沢行のバスに乗車する.大倉尾根を真っ直ぐ降りれば,12時22分のバスに間に合った筈なので,大分,時間のロスはあった.でも,久々の天神尾根下りは楽しかった.
 渋沢駅,小田原駅ともに電車の接続は余り良くなかったが,16時少し前に無事帰宅する.
 例によって,少し熱い風呂に入る.気分は最高である.

■山の知人からの忠告
 風呂から上がって,今日到着した郵便物を見る.その中に,今頃,配信されてきた年賀状が1枚入って居る.どうやら,私が出した年賀状を見てから,出したもののようである.差出人は,古くからの山の知人である.
 「謹賀新年 昨年3月,O氏と鎌倉の宝戒寺に参りましたが,その翌日から大腿部の血管がつまるような症状になりまして,手術の結果,一命を取り留めるような事になりました.Sさんもそれと似たような病気で心配しましたが,お互いに老齢の身,用心して下さい」
と書いてある.ちなみに,ここに出てくるSさんも,昔からの山の知人である.
 手紙の主は,私より4歳若い方である.つい昨年の正月までは,随分と威勢の良いことを言っていたが・・・
 明日は我が身か・・?

<ラップタイム>

 7:07  大倉歩き出し
 7:28  観音茶屋
 8:14  駒止茶屋
 8:32  堀山の家
 9:16  花立山荘
 9:30  金冷シ
 9:45  塔ノ岳山頂着(-1.4℃)
10:22      〃  発 
10:35  金冷シ
10:37  戸沢分岐 
12:04  天神尾根登山口(林道歩き)
13:22  大倉 着

[山行記録]

■水平距離
  上り   7.0km
           下り   8.1km

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(撮影時間を含む)
  大倉   発       7:07
   塔ノ岳  着      9:45  
 (所要時間)    2時間38分(2.63h)
 水平歩行速度  7.0km/2.63h=2.66km/h  
 登攀速度     1269m/2.63h=482.5m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:22
  大倉   着       13:22
 (所要時間)    3時間00分(3.00h)  
 水平歩行速度  8.1km/3.00h=2.70km/h  
 下降速度     1220m/3.0h=406.7m/h
                                    (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/04c6e569b1e7606e0725d33969851baf
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ce8ce30ecd8bc8739092bb95ebf9f619



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