<中津川宿も間近だ>
中山道六十九宿巡り(第11回);第3日目(9):東海道新幹線経由で帰宅
(五十三次洛遊会)
2011年11月11日(金)~14日(月)
第3日目;2011年11月14日(月)
<第11回の全行程が終わる>
■中津川駅で解散
14時49分,私たちは,無事,JR中津川駅に到着する.3日間にわたる全行程61キロメートルの街道歩きは無事終了である.
リーダーの挨拶があって,ここで解散する.
私は,中津川から中央本線で名古屋へ,名古屋で東海道新幹線「こだま」で小田原へ.さらに小田原で東海道本線の電車に乗り換えて自宅のある鎌倉へ帰るコースを選ぶ.
私以外の皆さんは,塩尻経由で新宿行の特急に乗り換えて帰るようである.
■中津川から名古屋へ
解散後,私1人になる.
一寸寂しい感じもするが,一方では心地よい開放感がある.もっと正直に言えば,ホッとする.
仲間同士の旅は,もちろん,とても楽しいので,これからも,是非,続けていきたい.でも,それはそれとして,気ままな1人旅も,なかなか魅力的である.だから,1人になって,肩の荷が降りたような,何となく気分が軽くなったような,何とも言いようもない開放感を味わう.1人になって,ホッとする嬉しさである.
私は中津川15時07分発特急しなの14号名古屋行に乗車する.
進行方向左手の窓際の席にすわる.何をするのも自由である.何か食べたくなったら,リュックから適当な者を出して食べれば良い.眠たくなったら居眠りをすれば良い.だれにも気兼ねが要らない.だから,列車の1人旅はワクワクするほど楽しくなる.
私は車窓から移り行く風景を眺めながら,リュックの中にある残り物の食料や飲み物をユックリと味わう.こんなとき,
「旅って,いいなあ~・・」
とつくづく思うのである.正に至福の時である.
■名古屋のエスカレーターは?
私が乗車した特急しなの14号は,16時丁度に名古屋駅に到着する.ここで,東海道新幹線に乗り換える.1人だから,何時の新幹線でも良い.行き当たりばったりで大いに結構.決して急がない.
ところで,実は,私が名古屋でどうしても確かめたかったことがある.それは,名古屋の皆さんが,エスカレーターに乗車するときに,左右のどちら側に立つかである.ご承知のように東京では左側に乗って,右側は歩いて上り下りする人のために開けておく.大阪は東京の逆.では,名古屋はどっち?
まあ,どうでも良いことだが,私には気になって仕方がない.興味津々のまま,ホームからエスカレーターに乗る.すると,東京と同じように,名古屋の皆さんは左側に乗っておられる.たまたま1回エスカレーターに乗っただけで断定的なことは言えないが,どうやら,名古屋の人のエスカレータの乗り方は,東京と同じようである.
この事実を,自分の目で確かめることができて,私は小躍りしたくなるほど嬉しいのである.
「・・・待てよ!?」
そういえば,以前,新幹線で新大阪駅に降りたとき,乗客の皆さんが,東京と同じように左側に乗っていたな.たまたま,到着した新幹線に東京の方ばかりが乗車していたので東京流になったのかな・・・その辺りが良く分からない.
「・・まあ,,,どっちでも良いじゃないか・・・」
と嫌気がさしたもう一人の私が,私にクレームを付ける.
「確かに・・あんたが言うとおりだよ・・・」
私は,もう一人の私が言うように,これ以上の詮索は,や~めたっと!
実は,私も現役時代には大阪,名古屋は言うに及ばず,日本の主要都市を何回となく旅行している.でも,現役時代は,そんなエスカレーターのことなど,全く眼中になかったし,そんなことは,どうでもいいことだった.
それが,サンデー毎日になった途端に,色々と下らないことが気になり始めたのである.
「まるでバカみたい・・」
自分で自分のことを苦笑する.
■ノンビリこだま号で
名古屋発こだま668号自由席に乗車する.
私の乗った電車は各駅停車の「こだま」.だから,各駅に停車するごとに,「ひかり」や「のぞみ」に追い越される.追い越されたときの風圧で,こだま号の車体がぐらりと揺れる.この揺ればたまらない.揺れる度に,オレは旅をしているぞと思うのである.こんな時間の過ごし方が,実に楽しいのである.
「オレって,やっぱり気ままな一人旅が向いているのかな・・・」
と思いながら,列車の振動に身を任せる.この気分,最高!
名古屋で乗車したときは,ガラガラだった車内も静岡を過ぎる辺りから,だんだんと乗客が増えてくる.同時に,何時の間にか,外が暗くなり,景色も見えなくなる.
途中から乗車してくる乗客には,サラリーマン風の男性が多い.静岡から乗った4人の男性が,座席をひっくり返して車座になって座る.早速,缶ビールとおつまみを出して酒宴をはじめる.一仕事終えての開放感が,私にも伝わってくる.何となく聞こえてくる話は終始仕事のこと.
「遙か昔のオレも,あんなだったな・・・」
と,現役時代のことを甘酸っぱく思い出す.
あれから幾星霜.時は流れて,現役時代の先輩同僚の中で,少なからずの方々が,すでに片道切符の旅に出掛けてしまった.あの方々は,銀河鉄道999に乗っていったんだろうか.現役の企業戦士の脇で,退役した私は,いろいろなことを連想する.
このとき,何の脈略もなく,
「そうだ~っ!・・・絆を考えるときに,時系列を軸にした“絆論”を整理しなければ・・・
と,急に某学会のことが脳裏をかすめる.
すると,またもや,心の奥底に潜むもう一人の私が,
「ばかな!・・・テメ~みたいなロートルは引っ込んでいろ.学会などでウロウロしているな・・・若い人の邪魔になるだけだ.迷惑だよ!」
と私を諫める.
「はいっ!・・ご尤も!!」
私も,もう一人の私の言うことがもっともだと思う.そこでここは忠告に素直に従うことにする,こういうのを「下手な考え休むに如かず」って言うんだよ.そう悟ってから,私は,暫くの間,居眠りをしたり,おでこを窓にくっつけて,列車がどの辺りを走っているのか確かめたりしながらきままな時を過ごす.実に良いな,楽しいな.
私は,さらに,明日は何をしようかなどと,とりとめもないことを妄想しつづける.これが,また,堪らなく良いんだなあ・・・
こだま号は,18時37分に小田原駅に到着する.
ふと,我に返る.小田原から先,我が家までは,日常生活の場である.
■東海道本線で無事帰宅
小田原で18時46分発東海道本線の電車に乗り換える.
ここから先は,丹沢塔ノ岳に登るときに何時も通っている経路なので,もう帰宅したのと同じように日常的な気分になっている.何時もの丹沢詣でのときと同じように,今日もリュックを背負っている.
平塚を過ぎると電車が混雑し始めて,藤沢からは立ち席の乗客が増え始める.
19時28分,大船に到着.そして,20時少し前に,無事,帰宅.
こうして,バスの車中泊を含めて3泊4日の長旅は無事終わった.
次回,第12回の旅は,雪が溶けて,桜の花が咲き出す4月頃の予定である.今からその日が来るのが待ち遠しい.
<第3日目のラップタイム>
7:00 恵那プラザホテル出発
7:25 恵那発(中央本線中津川で乗換)
8:15 南木曽駅(乗合バス)
8:23 馬籠バスターミナル着・歩き出し
9:05 馬籠宿町並み入口
9:23 大妻籠
9:58 男滝・女滝
10:00 木橋を渡り峠道に入る
10:55 馬籠峠頂上
11:39 馬籠宿上陣馬
12:27 馬籠宿案内標識
12:34 馬籠城趾
12:54 新茶屋の一里塚
13:28 落合宿
14:00 子野の一里塚
14:30 尾州白木改番所跡
14:40 茶屋坂
14:48 JR中津川駅 着(解散)
[歩行記録]
■水平歩行距離 18.7km
■累積登攀高度 739m
■累積下降高度 857m
■所要時間(休憩時間込み)
馬籠バスターミナル発 8:23
JR中津川駅 着 14:48
(所要時間) 6時間25分(6.42h)
(歩行速度) 18.7km/6.42h=2.91km/h
<3日間の合計>
1日目 2日目 3日目 合計
■水平歩行距離(km) 21.2 14.5 18.7 54.4
■累積登攀高度(m) 546 430 739 1,715
■累積下降高度(m) 753 595 857 2,205
■所要時間(時:分(h)) 6:43(6.72) 6:55(6.92) 6:25(6.42) 20.03(20.1)
■歩行速度(km/h) 3.17 2.10 2.91 2.71
かなりの高低差のある行程だったのに,休憩時間込みの平均歩行速度が2.71km/hは凄い.いや,全くのところ,大したものである.
(第11回おわり)
(第12回につづく)
※この続きは4月以降です.
※お断り
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「中山道六十九宿」の前回の記事
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素晴らしい行動力と実行力に感心してます
塔ノ岳の登山回数も増やして下さい
今年もよろしくお願いします
コメント,有り難うございました.
昨年の私の山行実績ですが.約110日/年.その内,大倉尾根経由の塔ノ岳は55日でした.常連の中では,回数が随分少ない方かと思いますが,今年は塔ノ岳約60回を目安に登りたいなと思っています.
また丹沢でお目に掛かれることがありましたら.どうぞ宜しくお願い致します.
それに,これからも当ブログをご覧頂けますよう併せて宜しくお願い致します.