青白い虹を呈する微斜長石

2021-01-17 | 虹の結晶

微斜長石 マイクロクリンMicrocline KAlSi3O8 三斜晶系 山梨県甲府市黒平

長石は、質の異なる2種類が層状構造を成して成長することが多い。面白いのがその点で、層状構造の微細な隙間で反射、散乱、干渉、回折などが起こり、青白い微光の滲みを生じさせることがある。オパールのような色彩の顕著な虹ではないが、滲み出るようなシラーと呼ばれる彩りが美しい。微斜長石は正長石と成分が同じで、結晶系が正長石の単斜晶系と異なる。

 長石はXAlSi3O8の化学式を持つ鉱物で、XにAl、K、Caが入ることによって、カリ長石KAlSi3O8、曹長石NaAlSi3O8、灰長石CaAl2Si2O8となり、これらの割合が異なった個溶体を成している。曹長石から灰長石の間が斜長石群で、青白い虹色を呈するラブラドライトがある。カリ長石から曹長石の間がアルカリ長石と呼ばれ、結晶ができた温度により、性質が異なる。