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自動車内装専門

Bugatt t35 -1

2013-12-10 18:21:14 | お知らせ

BugattType35

某日シンプルな構成の、シートを持参された方がおられました。

お話をお伺いいたしましたら、その昔ブガッティの創立者エントレー氏が、自身の為に製作したシートと
同じ物を製作して頂けませんか?とのご相談をされました。

当時はウレタンと言う物が存在しない時代でしたが 当時と同じ素材を使用して製作したいと、
世界数カ国に依頼致しましたが、全てウレタンを使用し製作してしまうと・・・
その方は出来上がって来たシートと数十枚の色あせた写真を資料に
『当時と同じホースヘアー(馬の肌毛)で製作出来ませんか?』との事でした。

下の画像はその時のシートです。


バックレスト部分です。



弊社に少しですが、ホースヘアーのストックがありますとお答えいたしましたら、『是非復元して下さいと』
私もBugattに興味があり ご依頼をお受けすることに相成りました。

但し車両は持ってくる事が出来ませんとの事で、全て当時の写真から計測して作業を進めることになりました。

先ずはシートベースとなる合板の製作です。

座面は左右大きさが違いますので、非対象です。




シートベースの大きな丸い穴は絞りボタンを通すのと表皮にコノリーレザーを使用致しますので、シート内の
空気を抜くホールです。

次の画像はバックレスト部分のベースです。


先ずは座面の製作を始めます。

ベース板に厚み弾力性ーを出すため ヤシの繊維とホースヘアーをラバー系の厚50mmのシートを接着します。




センタートンネルの逃がしの為に斜めにカットします。


これで座面の第一段階は終了ですので、一旦車両に合わせて見ます。

第二段階はいよいよホースヘアーを敷き詰めたり サイドサポートを製作したりと進んで行きますので、
偶にブログを覗いて頂けましたら嬉しい限りです。

クラシックカーは文化財で芸術品です 是非大切して下さいね。

自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。

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ROLLS-ROYCE SILVER SHADOW 

2013-10-17 19:18:56 | お知らせ
ロールスロイス シルバーシャドー完成編

少し時間が経てしまいました、前回は使用レザーのR/R社純正採用の Connolly leather Autolux
カラーナンバーA3171のレッドの説明で終了でしたね。



そしてシートベースをフロント及びリヤーのスプリングを取り換え全体を麻布で巻き手縫いで仕上げて行きます。

フロントシートの座面部分です。


リャーシートの座面と背面ですね。


このベースにシートウレタンを装着して、新しいレザーで縫製いたしました 表皮装着します。

リャーシートの座面が完成いたしました。


同じくリャーシートのバックレスト部分も完成です。


次にシートバックレストセンターに取り付けるアームレストになります。


次にフロントシートのフレームに新しい同色の、コノリーレザーを張り込みます。


これはフロントシートのアームレストになります。


先のシートフレームに仕上げましたフロントシートを組み込んで行くとフロントシートの完成になります。


リャービューです。


そしてこれら小物はドアーに装着する小物とセンターピラー及びヘッドレストになります。


そしてパネルを新しく製作してコノリーレザーを張り込み、下部に英国ウイルトンカーペットを装着して
ドアーパネルの完成です。



ドアーのパネルは材質は約5㎜厚のベニヤ板では無く、合板を使用します。 
ベニヤでは耐水でも水分を吸い劣化が激しいので、弊社では使用致しません。

これら新しくなりました内装品を、全塗装で綺麗蘇りました車体に組み込んで完成ですね。

完成の姿は皆さんでご想像して下さい。


今回で、ROLLS-ROYCE SILVER SHADOWは終了です 次回はどんな車種になるのかな?…


 クラシックカーは文化財で芸術品です 是非大切して下さいね。

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ROLLS-ROYCE SILVER SHADOW 

2013-09-02 15:36:36 | お知らせ
ロールスロイス シルバーシャドー レストア No3

R/Rシルバーシャドーの内装レストアNo3です 前回は大まかな感じでフロントシート復元の工程を、
ご説明させて頂きましたが、今回はもう少し詳しく・・・

フロントシートの座面部分はシートフレームの中にスッポリはまっている状態ですので、シートのフロント部分を
持ち上げますと簡単に外れます。


裏側は黒い帆布を全周手縫いで縫製してあります。

縫製いしてある糸を解きますと中のスプリングが見えてきます。


更にレザーをフレームに留めてあるリングをカッターで切断して表皮を剥がして行きます。


そうするとシートフレームにシートの縫いのセクションに布を縫い付けて各部に接着剤で止めてあります。



その上からウレタンを挿入して、更にパイピングの部分をウレタンに接着してあります。



この手法はシートウレタンがソフトでも、各セクションごとにフレームに留めてありますので、乗車後も
シートのシルエットが崩れにくいのが特徴です。

現在ではこの手法はコストと製作時に時間が掛かるので、ベンツの一車種に確認できる位です。

更に表皮を完全に剥がしますと、 麻布に巻いたフレームとシートウレタンに分かれてきます。



経年変化で痛んだ麻布を取り換えます。



今回の使用レザーはR/R社純正採用の Connolly leather Autolux カラーナンバーA3171のレッドを使用致しました。



この年代のR/R及びベントレーを修復するのには欠かせないアイテムが3点あります。

先ずは釘ですね




この釘は 日本では曲がり釘と通称言っておりますが、正確にはTACKSと言います。
特徴は釘の先端が鋭い四角形にカットしてあり、木質パネルを多用するR/Rならではの釘です。
内張りの表皮を内張りのパネルに充て上からTACKSを打ち込み、貫通すると先端が簿でいのスチールパネルに当り
自然にクリップみたいに曲がり、抜けなくなります。

曲がった状態の写真です。


次もやはり釘ですが、スクリュー状態になっていて、直接ボディー内側のスチールパネルに打ち込みます。

主にカーペット及び内張りパネル等を止めるのに使用致します。

使用している車種はR/R・1960年代までのBENZが使用しています。



次の画像はドアー内張りのパネルを止めているクリップです。
シャドーの内張りのパネルは木製合板の3mmを使用しておりますが、製作時から長期にわたり雨等の
水分を吸ったために風化が最も激しい部分ですので、パンル交換は避けられませんね。
その時に取り換えるクリップです。 R/R社純正部品です。


その他いろいろな部品を取り換えたりいたしますが、鉄板を打ち抜く釘は世界的に貴重品です。(小さい物ですが)

後2週間もすれば涼しくなると思います、涼しく為りましたらクラシックカーを楽しんで下さい。

今回は少し長くなりましたので、続きはまた次回に…


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ROLLS-ROYCE SILVER SHADOW 

2013-08-16 18:29:39 | お知らせ

ロールスロイス シルバーシャドー レストア NoⅡ

今年の夏は各地で最高気温を更新して厳しいお盆でした。

特にレザーには高温多湿の日本の夏には、気温条件に気を付けながらご使用くださいね。


R/R シルバーシャドーは前回各部品を点検いたしましたが、先ずはフロントシートから実際の作業を開始致します。

普通フロントシートは分類たしますと、①シート座面 ②シートバックレストに分かれます。

しかしロールスの場合シートフレームにレザーを張り込んだり各種のパネル類にレザーを張り込んでありますので、
使用するレザーの量は膨大になります。



次の画像はフロントシートクッションの前カバーになります。


そしてこれがシートバックのカバーです
フロントシートバックレスト部分はアームレストから取り外しいたしますが、その前にバックパネルを取り外します。


そしてフロントシートサイドのアームレストを取り外します。


この時代のロールスは未だ各所にウッドパネルを多用していますので、ボルトをを緩める時も注意が必要です。
シートバックのレザーはフレームのパイプにリング状のクリップで、固定されていますのでクリップを外します。

シートのレザーを剥がす前にでイタリア車とイギリス車のシート製作の違いを簡単にご説明させて頂きます。

先ずはイタリア車の場合シルエットが重要になりますので、型で製作したシートウレタン形状に合わせて
レザーをカットしてウレタンの上から縫製したレザーを被せます。

イギリス車の場合は、ウレタンを型から製作するのですが、イタリア車ほどキチンと製作はしておらず
割とアバウトな感じで製作します。 

そして縫製したシートレザーに、ラインが崩れない様に各部に固定様の布を同時に縫製します。
そして組み立て時には先ず固定布をシートフレームの取り付けその中にベースになるウレタンを
挿入していきます。

簡単に言いますと、イタリア車はシートウレタンに被せるのに対し イギリス車は縫製したレザーの中に
ウレタンを挿入する形で、あの軟らかみの有るシートの形が出来てきます。

ですからロールスのシートをレストアする時は 中のシートスプリングまで完全に分解する必要があります。

表皮及びウレタンを取り除きますと 麻布で包んだシートスプリングのベースがでてきます。
ロールスはシャドーまで、高級ベッドと同じ製法で複数並んだコイルスプリングで構成されています。

写真の様に麻布も製作時から何十年も経ておりますので、当然痛んでいますから交換です。



そして新しく麻布を麻糸を用いて縫い込みます。
あえて麻布を使用するのには理由が有り、麻の特性で繊維自体にな油性が含まれていて適度水分を
含む事により、さらに強度が増します つまり人体が発生する汗等に強いと言う特性が有ります。


全周を麻糸で手縫いして行く訳ですが、上と下を縫う作業は可なりの重労働で、最後には指が攣ってしまうのですが、
製作当時の工法を残すためには必要な作業です。

この車両が又50年くらい経た時に、次の職人が復元する時の手引きになる筈です。


それでまた次回

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ROLLS-ROYCE SILVER SHADOW 

2013-08-05 17:56:32 | お知らせ

ロールスロイス シルバーシャドウ レストア編 No1


今回はレザーを用いた自動車の中では、王様と思われます英国の誇りROLLS-ROYCEの室内レストア例です。

弊社にご依頼されるお客様は、諸々の事情で全ての車両をお預かり出来るとは限りません。

例えば遠方で、現在塗装作業中と言う場合には ディラーさんで室内の部品すべてを弊社にお送り頂きます。

今回は関西地区のR/Rの代理店様からのご依頼でした。

お電話で使用するレザー(英国CONNOLLY autolux)の色等を打ち合わせさせて頂き英国からレザーが
弊社に届いた時点で、各部品をお送り頂きました。



シートは張り替え前ですので、この様な梱包姿で届きます。

又ドアーパネルその他内張りのパーツは、大きな段ボールボックス数個で届きました。



シートの梱包を開きシート本体を取り出します。
画像右のシートはドライバー側のシートですが、矢張り左側のシートとは痛み方が異なりますね。



続いてリャーシートです シートカバーを使用されておりましたので、比較的傷みが軽い様に判断できます。



手前のヘッドレストみたいな物はドアーのアシストグリップです。

続いてドアー等のパネル類の画像です。



同時に送られてきましたコンソール等の部品画像になります。



この様に送られて来た各部品を、随時復元作業を進めて行く訳ですが、シルバーシャドーは戦前から続きます
ロール社の車製法の最後の自動車と思われます。

シャドーはシリーズⅠ・Ⅱ・Ⅲと変革して行きその後に、スパ シリーズと為り創立以来の手法と決別して行く訳です。

これらのパーツがどの様に蘇るかの過程は、次回から…


それでまた次回

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フェラーリ ferrari F40 ルーフライニング

2013-06-18 18:20:02 | お知らせ

ferrari F40 のルーフライニング張り替え

F40はフェラーリ社創立40周年を記念して1987~1992年まで生産されたエキサイティングなferrariです。

すでに製造から20年以上経ちますので、各部のウレタンの劣化が進んでおります。
ウレタンの性質上劣化は防ぐ事は出来ませんので、少なくても10年過ぎました取り換えの必要があります。

今回はルーフライニング部がウレタンの劣化で、垂れ下がってきてしまいましたので取り換えとなりました

先ずは左右のシートを外し ルーフライニングを室内から取り出します。



本来はライニングのリブがハッキリと見えるはずですが、ウレタンが劣化して全体が浮いた状態ですので、
リブが見えません。

先ずはライニングのビニールレザーを剥がします。

ウレタンが粉状になっているのが確認できると思います。


本体のFRP製のルーフボードです、ライニングを外すとリブがハッキリと見えますね。
これからボンドを除去いたします。


旧接着剤を除去した後に、同じ硬度と厚さのウレタンを新しく張りなおします。


リム部が凧みたいですね この後新しいリニングレザーを張り込みます。


完成したルーフライニングを車体に装着して完成ですね。


これでオーナーのもとに納車です。


それでまた次回

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フェラーリー ferrari 456GT

2013-06-06 18:42:26 | お知らせ
Ferrari 456GT ダッシュボード


今回はFerrariの4シーター 456GTのダッシュボードの張り替え記録です。
ブログでは何時もビンテージな車ばかりですので、今回は比較的年式が若い車です。
現オーナー様は走行距離が 2,500kmの極上の車両を購入されたのですが、以前のオーナーがダッシュボード上面に
ナビのモニターを、取り付けたので その後が残ってしまい 『ショップで色補修をお願いしましたが如何しても跡が残ると』
との事で、フェッラリー純正レザーどの張り替え作業となりました。

先ずは室内のシートを取り出すのですが、このシートは想像を絶する位重く、大人の男性二人でやっと持ち上がる位の
重さでした。



最近のシートは全て電動になってモーターがシートの中に8個位入っていたり シートフレームも安全基準で
丈夫になってきていますので車両から取り出すのは大変です。



何時のの様に室内からダッシュボードを引き出しました。
画像に有る赤丸がモニターの後です。



ダッシュボードの裏側です 最近はエアコンのダクトがダッシュボード裏いっぱいに取り付けられています。
またこれが非分解しきで全てリベットで留っています。

赤丸がリベットです。


ダクト類を取り外した後に、モニター跡が付いたレザーを剥がしインナーのウレタンを取り換えます。


旧ウレタンを外した後に、接着剤を除去してクリーニングを行います。
古い接着剤が残っていますと、日本のケミカルと合いませんので 剥離する場合がありますので弊社では
全て除去致します。



その後に同じ硬度と厚さのウレタンを張り込みます。



ウレタンを張り込んだ後に、新しいferrari純正レザーを張り込みます。




ダッシュボードの完成です 

この後車両に取り付けシートを取り付けまして、一度電源を落としましたので、各部の初期設定を

してお引き渡しです。

近年の車両は(Ecu)電気仕掛けですので、必ず初期設定を必要と致します。

それでまた次回

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ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅳ

2013-04-30 14:37:49 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅳ

ゴールデン休暇の週ですね、この時期は各地でクラシックカーのイベントが目白押しですが、
みなさんは楽しんでおられますか?
私は生憎自営業の悲しい処で、 月末なので会社に来てキーボードを叩いています。

さて前回で無理やり取り付け、変形した各パネルの修正が終わりました。



これらダッシュボードを構成しているパネルに、適正厚のウレタン2~7mmを張り込みます。




この画像は各パネルの接着剤をクリーニングする前のウレタン厚の記録です。
実はウレタンの厚さと硬度は大事で、表皮をは有り込んだ時にレザーの質感を微妙に
変化与えます。

ここいらは長年の経験値と手のひらの感覚が、大切です。

ワーゲングループが、ランボルギニー社とかベントレー社を翼下に納めた時に、 
偉大な熟練工を手に入れたとも言っておりました。

トヨタのⅤ10 レクサスLFA の内装を見れば違いが分かると思います、彼らは皮をパーツに張り込みますが、どの様にしたら素材が一番美しく生きるかなどは大切では無く、コスト時間を
追い求めます。
この手の車で一番大事なのは命を吹き込むこと、すなわち外観は勿論 ドアーを開けた途端息を
のむ オーラを感じさせる事です。

職人仕事とは製作した物に、命を吹き込む事と私は思っております。

これが職人と一会社員の違いと私は思っております。

国産自動車メーカーの一番欠けている部分です,ぜひ豊田 章男社長にはこの部門に
力を入れて頂きたいと思います。

小手先のデザインではお客様は見抜いておりますよ。

ホンダさんもお願い致します・・・・ 今ならまだ間に合います。

チョット話がそれましたので、本題に戻ります。

各パネルに本スエードのレザーを張り込んでゆきます。


張り込んだパネルを合体してダッシュボードとなります。


スペアータイヤは純正生地(ウール)を張り込みます。


これら傷がつかない様に細心の注意を払いながら本体に組み込んでゆきます。


完成です!


又一台オリジナルに復元することが出来ました、 オーナーも方も車両を引き取りに来られ
大変喜んでいただけました。



お客様に喜んで頂ける笑顔の一瞬は、私たち職人と言われる人種にとって最高の喜びです。



それでまた次回

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ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅲ

2013-04-19 17:53:32 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅲ

以前某ショップでダッシュボードを張り替えた365bbですが、最初の表皮を剥がさずに上から被せ厚みが出てしまい、
各パーツが取り付かず、無理やり叩いたりしたためにベースのパネルが変形したり破損したりで先ずはパネルの修正から
の作業です。

レストア作業を依頼する時には、そのショップ又は工場がどの様に気を使い丁寧な作業をするか目で見て確かめてから
ご依頼するようにして下さいね。

金額だけでショップ等にお任せすると今回みたいに、費用が2回分掛かり結局はお客様が嫌な思いをされてしまいます。

前置きが長くなってしまいましたが 叩いてしまったグローブボックスの蓋です。
材質はアルミ材で出来ておりますので、叩いたために伸びてしまい其のままでは使用することはできません。


先ずは平面を出すために、クラフトホーマーと言う機械で伸びている処を縮めます。

この機械がクラフトホーマーで、スイス製です。


本来はボデーパネルを成形する機械で、スチールを伸ばしたり縮めたり又はカーブを出したりする時に使用致します。

この様なパネルから 熟練して達人の域に入るとこんなパネルまで製作してしまうのです…私は此処までは出来ませんが
因みに大きなパネルは275スパイダーのリャーカウルです。


修正後のグローブボックスの蓋です。


その他欠けてしまったファイバー製品も修正しなくてはいけませんね。

Aピラーです。


ステリングコラムのカバーです。


グローブボックス本体です。



そしてスペアタイヤカバー


クラシックカーを美しく車を維持していくのは色々な意味で、エネルギーが必要になります。
一旦オリジナルを崩していしまいますと、復元するのは知識と時間と費用が掛かりますので気を付けたいですね。

それでまた次回

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ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅱ

2013-04-08 16:39:21 | お知らせ
ferrari 365bb ダッシュボードの中からダッシュが出てきた?Ⅱ

前回の続きになります、玉葱みたいにダッシュボードの表面の素材を剥がして見たら、最初の表皮の
ダッシュボードが出てきましたが、その他の部品を剥がしてみます。

ステリングポストカバーの表皮を剥がしてみました。



やっぱり!次はグローブボックス本体を剥がしてみましょう。


オヤマー 締まりきらないグローブボックスの蓋は如何かな?


内装部品は設計段階から、表面に張る素材の厚さを計算に入れていますので、張り替え時に以前張り込んである
素材を剥がさないで、新しい素材を張り込みますと、各パネルのサイズが大きくなってしまい各部がフィット
しなくなります。
例えば張り込む素材が1mmであれば 1部品で1mmアップし 例で グローブボックスですと本体と蓋のパネルで、
各1mmづつサイズアップします。
1mm+1mmで全周で2mm大きくなりますね 部品が3点合わされば3㎜も大きくなってしまいます。
2mmも大きくなると当然ダッシュボードの蓋は締まりません。

365bbのグローブボックスの素材はアルミパネルで出来ていますので、きっと前回ダッシュボードを仕上げた方は、
叩いて無理やり締まるようにしたのでしょう、パネルの変形が確認できます。



内装をレストアする際には、以前張り込んである表皮をキチンと剥がさないで、その上から新しい表皮を張り込みますと
全ての部品が一回り大きくなりますので、組み付けの際は無理やり取り付けますので、各パーツが変形したり、
最悪の場合破損したりします。 
内装部品は基本的に一台に1個しかないとと思わないと、後で組み立てが出来なくなります。

これらの画像は以前仕上げた時に、全て無理やり取り付けた結果です。




合わなくて別の処に穴をあけてしまったグローブボックスパネルです。


欠けてしまったグローブボックス本体


この様に一度パネルが歪んだり欠損したりすると、再生するのに時間と手間が沢山掛ってしまいますので、
気を付けて下さいね。

次回は痛んでしまった部品を修正し、新車時と同じように本革のバックスキンを張り込んでゆきます。

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