残月録

残月がやがて消えていく間にも、私の日常生活の中に何か一瞬の輝きを求めて写真を撮っています.

咲きしより

2021-01-29 12:27:38 | 日記








咲きしより かねてぞ惜しき梅の花

ちりののわかれは 我が身と思えば

            源実朝

梅の花が咲いたときには、もう既に
散る時を惜しまなければ
ならないのか私の未来と同じだ。
         (我流訳)

大阪城公園梅林園の梅の木には
数枚の梅の和歌がぶら下がています。
その中の一句が源実朝
詠んだこの句です。

長男、源頼家は源頼朝と北条政子の間の生まれた
子で頼朝の死後、第2代征夷大将軍となりますが
実の祖父、北条氏に暗殺されます。この話は
、岡本綺堂作”修善寺物語”で
歌舞伎にも映画にもなりよく知られています。
次いで次男の源実朝が第3代征夷大将軍となり
さらに武士としては最初の右大臣の官位までの登りつめます。
しかし官位についた翌年27歳で暗殺されます。
これを考えると実朝が身を削って詠んだのが
この句かと思うとひときわ心打たれます。

梅の開花

2021-01-26 11:41:22 | 日記
梅の開花は気象庁が発表しますが、どこの地域にも
基準の梅がありますよね。
大阪は大阪城公園の梅林園にある”白加賀”という梅の木が
基準です。その木に5輪開花すると大阪の梅の開花というそうです。
その時はNHKのテレビが飛んでくそうですよ。

写真は1月23日快晴、大阪城公園梅林園、開花前です。


白加賀


白梅がチラホラ開花していました。








大阪今昔、裏店編

2021-01-22 13:59:13 | 日記
本日は裏長屋を覗いてみましょう。
まずは大店の横の路地から入って行きます。



右が大店の板塀左の奥が長屋。板塀には
着物をほどいて板に干してあります。
所謂 ”あらはり”ですな。





井戸と便所です。全て共同です。





長屋の一軒分は全体が6畳程で、そのうち一畳半が土間、
残りの四畳半が居間です。それ以外押し入れも何もありません。
布団は昼間は畳んで衝立の奥に置いておきます。





とまぁ、これが庶民の生活です。煮炊きが出来にくいから、煮物屋が繁盛
したそうです。食べ物のついでに食事について言っておきます。江戸時代の食事
は朝夕一日二回です。午後になるとお腹が空くので間食をします。これを”お八つ”と云います。お八つは
八つ刻を示し現在の午後3時頃です。

ところで長屋は落語の定番ですが、小噺を1つ。
家主の奥さん”あんた長屋の留さん所新し板塀を
      造ったそうよ。”
大家”それじゃ、ちょっくら見てきましょうか。”
大家”やあ!留さんなかなか良いへいじゃないかね。”
留さん”へい。”
おそまつ。お後がよろしいようで。





昔の大店

2021-01-17 19:10:05 | 日記
本日は大店(おおだな)店の奥へ見せてもらいましょう。


店の奥は中庭があってその奥が居住区になっています。




台所があって井戸が家の中にあります。
それでは庭に出て奥の部屋は?
立派な客間になります。大事なお得意さんはここで商談、接待します。2階へ続く階段の下は食器などしまってあります。







貴重品をいれる蔵があります。金蔵とも言いますな。


厠(かわや)です。左が大、右が小用をたすところです。手前にあるのが手水鉢(ちょうずばち)です。
ご婦人は厠といわず”ちょうずを貸してください”と言います。
ところでご存じの方もおられると思いますが、古典落語に「手水廻し」というのがあります。
大店の若旦那が女中のおもよに恋煩いをして、おもよの里に出かけます。庄屋に泊り一夜明けた
朝、若旦那が顔と口をそそぐために庄屋の女中に”ちょうずをまわせ”といいつけます。
田舎の女中ははたと困り、庄屋に相談、庄屋もなにの事か分からず和尚に相談。
和尚は物知り顔で”ちょうずのちょうは長いと書き、ずは頭の事じゃ。だから長い頭を廻せばよいのじゃ”
早速、庄屋は村一番の長い頭を連れてきて若旦那の前でクルクル頭を廻します。
若旦那は大笑い、調子に乗ってグルグルさらに回します。
この後話はまだまだ続きも落ちもありますが、本日はここまで。
それではお後がよろしいようで。



昔の大阪

2021-01-12 12:25:36 | 日記
時空を超えて昔の大阪の町へ
タイムスリップするので暫く
お付き合い下さい。

丑三つ時、現在の2時ごろですな。
未だ町は寝静まっております。
奥に見える灯りは”しもたや”で大店の
隠居はんが住んでいます。夜遊びでも
しているのでしょうか。
因みに”お江戸日本橋七つ立ち”は現在の
4時頃ですな。昔の旅立ちは早いもんです。





明け六つ(6時)夜が明けて町の木戸が
開きます。
さぁ木戸が開きました。
それでは大店が並ぶ表通りをひやかしに
行きましょう。




木戸を入れば左手に建具屋、右手に風呂屋







以下小間物屋、人形屋、唐物屋、呉服屋
本屋、町会所があってその上に火の見櫓
があります。奥まったところに薬屋があって
ここで売った”ウルユス”は胃腸によく効く
ということで大評判になったそうです。



















日も暮れてきました。木戸が閉まるので
そろそろ帰るとしましょう。
木戸は夜四つ(10時)に閉まるのでそれまでに
家に着かないと家に入れません。
それでは本日はここまで。
次回は大店と裏長屋を見に行きましょう。