趣味に使えるお金が減った自分にとって、比較的材料がタダで手に入る木工(とも呼べない稚拙なレベルですが)はありがたい遊びです。
まあ、結局は工具にお金使ってるんですが・・・
近年のアウトドアブームで、ククサが人気となり、自作する方も増えてきております。
※ククサ ーWikipediaー
自分も作ってみたのですが、これがなかなか難しい・・・
今回は最初に作ったククサとも呼べない失敗作をあえて公開します。
薪集めの際に手に入った桜の丸太。
よく見ると小さな瘤がありました。
ククサが「白樺の瘤から作る木のカップ」というのは知っていたので、これを加工してククサを作ってみようと思い立ちました。
で、瘤の部分だけを切り出し、カップ部分を掘る基準となる穴をドリルで開けます。
当時は知識が無かったので、本物のククサを作る瘤がもっとバカデカい物だとは知らず、こんな握り拳にも満たない大きさでチャレンジした訳ですね。
フックナイフなんて洒落た物は持っていない(今でも持ってませんが)ので、チゼル(洋ノミ)で穴を掘り広げます。
チゼルで穴を広げたら、電ドリにヤスリを付けて中を削り、大きさを確かめまた削り・・・と地味な作業を繰り返します。
穴の直径が小さいと、削る工具も浅い位置にしか届かないため、深さを出すには穴をどんどん広げるしかありません。
考えなしに掘っていったため、当初の予定よりかなり大きな穴になってしまいました。
収拾がつかなくなったので、「ここまでの大きさにしよう」と後から墨付けをして掘っていきます。
結局、持ち手部分を作る材料の幅がなくなり、よくわからない出っ張りを無理やり持ち手にするしか無くなってしまいました。
この時点で「・・・失敗だな」と思っていました。
が、とりあえずコップ替わりに使えればヨシ!と、まずは器として形にしてみようと作業を続けました。
早くもあちこちに木割れが発生してきています。
ある程度コップ状にはなったので、アク抜きと消毒のため水で煮込みました。
本物の北欧のククサは塩水で煮ると聞いていましたが、塩を入れる事には懐疑的だったので、水のみで茹でています。
1時間近く煮た後。
もう水はまっ茶色で、まるでほうじ茶の様です。
さて、この木の瘤ですが、幹に傷などがついた所を、樹液でカバーするために膨らむのだとか。
で、普通の木の瘤というのは「入り皮」とか「節」とか、場合によっては中が腐って空洞になっていたりとか、正直、あまり材料としての条件は良くありません。
今回の瘤も、掘っていったら一番底の部分に節があり、小さな穴が開いてしまいました。
そこで、思い切って悪くなっている底の部分をドリルで削り取り、同じ大きさに加工した別の木片をはめ込むようにして見ました。
完全に無駄な作業ですね・・・
カップの底部分以外にも、目立つ節穴の隙間を埋めました。
使ったのは「コクソ」と呼ばれる木工修理法で、ヤスリ掛けなどで出たオガクズや微粉に木工用ボンドを混ぜ、パテの様に粘度を上げた物を塗り込んでます。
まあ、結局、これだけ隙間埋めをしても、液体入れると漏れちゃうんですけどね・・・
「それでもせっかく苦労したんだからどうにか形にしよう」と表面をヤスリ掛けして、一応の完成としました。
仕上げには、余っていたココナッツオイルを塗っています。
木の瘤は成長が複雑になるおかげで、木目も複雑に入り組み、独特の模様になります。
これを「杢(もく)」と呼び、希少価値・審美的価値のポイントとなっています。
よく田舎の家にこんなウニャウニャした模様の木工とか飾ってたりしますよね。
ちなみに杢は英語でフィギュアと呼ぶそうですよ。
このコップにならないコップは、今現在、職場のペン立てになっています・・・
技術や道具は無くても、工夫と熱意でカバーできますが、基本的な知識だけはどうにもならないですね。
この反省を踏まえ、次のククサ作りにチャレンジします。
続きます。
ククサ 自作のススメ その2 ~どうにか完成編~
ククサ 自作のススメ その3 ~三度目の正直編~
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