このブログを始めるまえにフォトアルバムというのをやっていた。自分の写真にコメントをつけてインターネットにアップ出来るというものだった。デジカメを使い始めたところで、たまには写真にコメントをもらうこともあったりしてそれなりに面白かったのだが、自分の言葉をもうちょっと多くしてまとめたい、という気持ちが出てきてブログに切り替えたのだ。フォトアルバムは6カ月更新しないと消去されるルールだったので、もうとうに消えている。
そのフォトアルバム時代にイノシシせっけんというのをアップしたことがある。
山間地ゆえ地元の方から鹿肉やまれに猪肉をいただくことがあるのだが、その猪肉を下茹でしたところ猛烈に臭くてわたしの手には負えなかった。やたらと脂が多かったので、食べなかった罪滅ぼしにその脂でせっけんを作ったのだ。猪の脂はいわばラードのようなもので、常温で固体で、初心者がせっけんを作ってもうまく固まるのでいい気になってしまった。使い心地も気に入った。
それで、自分で使うせっけんを作ろうと思ったのだ。
せっけんを作るには油/脂と苛性ソーダが必要だ。苛性ソーダを薬局で買うとき身分証明が必要である。油は通販で手に入れられるんだけれどね。
それで取り寄せた油で何回かせっけんを作ったのだけれど、苛性ソーダを使うのがちょっと怖いし染織を始めて忙しくなったし、まあ要するにわたしのキャパオーバーで止めてしまった。
油や苛性ソーダは使いかけのままずーっとしまわれていた。
群馬の山奥に越して25年以上経つが、その間に子供たちが生まれ 育って 家を出て行った。子供たちが出て行ったら家のスペースが空くはずなのになぜか狭くなる一方なのだ。それはつまり、家に入ってくる物が出てゆく物よりも多いからで、さすがにこのタイミングでそろそろ家を片付けないとゴミ屋敷になってしまう。
そう思って引っ張り出した段ボール箱を開けたら出てきたのが手作りせっけんセットの残りだったのだ。
固まっている脂なら可燃ごみに出せそうだ。液体のオリーブ油なら、紙や布に浸みこませるのがちょっと面倒だし酸化して発火したら怖いなあ。しかし苛性ソーダってどうやって捨てるのだ?流したりしたら合併処理浄化槽の微生物が死んでしまう。(捨てられません)
それならせっけんにしてしまうしかないでしょう!
この苛性ソーダの容器は密閉しないようで、長年放置されている間に湿気を吸って部分的に潮解していた。
せっけんを作るコツは正確な計量と温度管理なのに、加わった水分の重さが分からずどうやって正確に計量できるのだ!?
それでもどうにかこうにかせっけんにすることが出来たよ。 やれやれ!!
3回せっけんを作って一番上の写真の量(牛乳パック3本分+α)で、たぶん出来上がりの質はぜんぶ異なると思う。最後のはオリーブ油が足りなくてサラダ油を足したし。もし苛性ソーダが潮解していなくて正確に計量できるならもうちょっとうまく作れる気はする。
うん、でも、 もうせっけんは 作りません
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