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川端裕人『「色のふしぎ」と不思議な社会 ― 2020年代の「色覚」原論』 ←筑摩書房ページ
ヒトの視覚は非常に多様だ。ほかの人が自分と同じように見えているとは限らない。
まず網膜上の 錐体細胞 の組み合わせがヒトによって異なるということが挙げられる。
また、視覚により物を認識するとき、網膜上の刺激が幾重にも処理されることもある。処理のパターンが各人同様とはいえない。
こういう違いによる生存上の明らかな不利というのを証明するのはとても難しく、 正常/異常 と分けるには多様すぎる。
Webナショジオ 研究室に行ってみた。色覚の進化 河村正二 第6回 「正常色覚」が本当に有利なのか
このような新しい科学的知見を知るのは知的好奇心を刺激しおもしろい。
100年以上つづく石原表のみを用いた学校現場における色覚検査と、それによる職業制限を日本社会が許容してきた現状や問題を、本書はほどいてゆく。
問題点はいろいろな方面に存在し互いに絡み合っているのだ。
無知が差別を生むのだから、知らなければならない、と思う
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