≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

フレッド・ハーシュ ライブに行った。

2018-03-21 09:57:00 | 音楽


InterFM のバラカンビートで
フレッド・ハーシュが東京でライブをする、と聞いて
喜び勇んで聴きに行った。

17時始まりと早めで、まだ外が明るい。
エスカレーター上って、扉のまえに並んでいる回廊部分。
ライトの台座はいろいろな形がある。



ライト部分アップ。
メッシュを重ねてモアレを出している。




コットンクラブには初めて入った。
ええっと、レトロな内装にしているのだが、
ちょっとディズニーシーっぽい ...




やたらと大きいライト/オブジェ。
って見えないのは写真の撮り方の問題。

チケット発売からしばらく経ってからライブを知ったので、
自分としてはちょっと気に入らない席になってしまった。
ステージに正面は向いているけれど、鍵盤を押す指が見えない。
次はもっと見たいところの見える席を取るぞ!

ブルーノート東京とビルボードライブ東京とコットンクラブの3つを比較すると、
やはりブルーノート東京が一番居心地がよい気がした。
演奏する人たちも気持ちよさそうな気がした。
建物が独立しているのもよい気分がする。

新宿ピットインのチラシがあったのには驚いた。
懐かしい面々がお手頃価格で健在なのだ。
30年前に行ったなぁ。




帰りに車を運転しなければならなかったので、ソフトドリンク。
イチゴの方には白梅の枝が挿してあった。




で、やっと本題。

スタンダードナンバーのウィスパーノットから始まる。
フレッド・ハーシュのピアノの音は柔らかくて繊細だった。
ささやくような音から盛り上がる音までどの音量でも
楽器の一番いい音を出していた。
ジャズピアノといえば
ダイナミックでゴンゴンくるイメージが強いけれど、
彼はあくまでも美しい音を出すことが一番のテーマなのだと思った。

とはいってもただのイージーリスニングではもちろんない。
アプローチが豊富で、
たった独りで演奏していてもまったく飽きさせない。
リリカルだけど感情に溺れることはなく、
抽斗の多さが知的だけれど鼻につくひけらかしがない。
ジャズの良さはどこにあるか、といえば
リズムが大きいと思うけれど、
彼のリズムは軽快でころころしていて心地よい。
またテンションの入れ方とにやりとするハモだと思うけれど、
そこらへんもまた心地よさから乖離しない程度でよい。

なんていうのか、ビル・エヴァンスの直系なんだと思った。
もちろんオリジナリティはそれぞれ違うけれど。

フレッド・ハーシュは話す間も惜しんでどんどん演奏する。
良い演奏をすこしでも多く客に聴かせよう、という良心を感じた。

日本だか東京だかにちなんでショーターのミヤコをやったり
ボサノバの大家カルロス・ジョビンの曲をやったり
ビートルズの曲をやったりどれもあくまでも美しい。
マイファニーバレンタイとか、客が知っていて喜びそうな曲を
思っているのよりずっとリリカルに演奏してくれる。
そして、セロニアス・モンクの
ラウンドミッドナイトを演奏してくれた。
モンクの曲を演奏しないか楽しみにしていたので、
これはとても嬉しい。
それからモンクのミステリオーソも。
おどけた感じもなんかステキになってしまう。

アンコールがハーシュのオリジナルのバレンタインという曲。
しみじみとくる小曲で、彼のアンコールにぴったりだ。



ということで、アンコール曲の入ったアルバムを会場で買ってサインしてもらったよ。
落ち着いた雰囲気の人だと思ったら、
思いのほか気さくにわたしの名前を訊いて、
聞き取れないのをメモに書かせてそれをジャケットに書いてくれた。
彼の音楽そのままって感じの人に見えた。




梅の小枝はおしぼりのウェットティッシュに包んで持ち帰った。
花は開き切らなかったけれど、
春はここまで来ている、っていう気持ちを
みるたび彼の音楽とともに思い起こした。


フレッド・ハーシュのピアノは最高だ。
ぜひ聴いてほしい。

フレッド・ハーシュのソロピアノ演奏
 Fred Hersch - Miyako (Wayne Shorter) 元ネタより好き
 Fred Hersch - O grande amor (Jobim)
 Fred Hersch - In Walked Bud (Monk)

ソロだけじゃなくてトリオとかもいいけれど、とりあえず。


 KITTE と 夜の東京駅 につづく



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