スペース的に狭く感じるという事で、
今までの天井を解体し、天井高を上げました。
単に「天井を上げる」場合でも、そこには無数の技術的なノウハウが必要となってきます。
化粧としての天井もさりながら、内部の熱の逃げる、又は外部からの熱の影響を受けやすい屋根の温熱環境も考えなければなりません。
木造の構造材を活かしながら、且つ、建物の性能を向上する・・
天井と屋根の隙間が無い場合は、「気密層」、「断熱層」、「空気層」、「遮熱層」を的確に施工する必要があります。
今までの天井材を解体すると、そこに小屋梁が眠っていました。
丸梁の墨付け、加工は大工の腕の見せ所・・
この建物を作った大工の息遣いが聞こえてきそう・・・
何とか活かしたいところです。
既存の天井下地を取り除いた状態。
この丸梁を魅せるには、昇り天井にする必要があります。
まずは、小屋丸太を磨きます
(磨くのは、大変です)
昇り天井にすると、断熱材を入れるスペースでギリギリになるため、
小屋裏に溜まる熱気を逃がすのに強制排気を行います。
棟の一番高くなった部分に排気用のダクトを設置しています。
タルキの下に遮熱シートを施工します。
夏場に焼けた屋根の鉄板から赤外線となって熱が伝わってくるので、
遮熱シートによって熱線を反射させます。
遮熱シートと断熱材の間に空気層を設けるように、
天井下地を作っていきます。
石膏ボードを貼る前にポリシートを貼って気密性を上げます。
石膏ボードを貼ると、天井の様子が分かってきます。
注意すべきは、
1.(内部の)断熱性、気密性
2.屋根材が日に照らされて熱せられた熱を遮断する
の二つです。
1の断熱性能を上げると同時に、2の遮熱も考えなければならない点です。
屋根からの熱は、「伝導」と「輻射」の二種類で伝わってきます。
「伝導」に関しては、断熱材でカバーできますが、「輻射」に関しては赤外線を反射する材料を使う必要があります。
小屋裏に溜まった暖かい空気を外気と入れ替える(小屋裏換気)も必要です。
その辺りは、住宅で培ってきた技術の見せ所・・(と言っても、最後は見えない部分なのですが・・)
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