城内町の店舗改装で、悩みの種は電気配線、給排水の配管スペースでした。限りある空間の中で、フレキシブルかつ大胆な隠し技を駆使しています。
これには、準防火地域内の準耐火木造のノウハウが役に立ちました。
カウンター周りの配管の工夫
厨房設備の裏側のカウンターを利用して配管をしています
床の2本は冷蔵庫のドレーン排水用
壁から出てきているのが、流しの排水
上のカウンターの直下が給湯、給水配管
客席側の「足置き」の下が、排水スペースになっています
既存の土間によって床下に厨房の排水管を設置しても勾配が確保できない事が判明し、考えぬいた結果、客席側のカウンターの下の「足置き」を排水、給水管スペースにしました。電気の配線も当然この中に押し込まれています。
僅かな「隙」に必要なモノを詰め込む・・離れワザの連続です。
トイレの壁も配線スペース
便器の右側の壁は、見切りによって中間が取り外せるようになっています
スイッチの配線が詰まっている配線スペース
厨房の壁の一角に、この店舗の照明スイッチを集約していますが、電気屋さんに・・
「配線が多いから、一番最後に蓋が出来るようにしてほしい・・」
とリクエストされ、厨房の裏にあるトイレの壁の一部を取り外す事で、配線が点検できるようにしています。こういった点検口を設ける事で、後のメンテや増設も可能になります。普通なら、ボードを貼って直ぐに表具にしてしまうのでしょうが・・・・
天井の廻り縁の板は配線スペース
壁の天井付近に配線スペースを設けています
板を取り付けて、配線を隠します
この板は、ビス止めになっているので、いつでも取り外してメンテナンスや増設が可能です
仕上がるとこんな感じです
木造準耐火構造では、柱や壁を石膏ボードでくまなく包まなければならず、天井と壁の間の電気配線に苦労します。登り天井の時でも、後でボードを剥がして配線するのは大変です。
その問題を解決するのに、天井付近、廻り縁の代わりに幕板による配線スペースにすることで、フレキシブルな配線スペースを実現しています。
板を取り外せば、電気配線のメンテナンスや増設も可能になる優れもの。
見た目にもシンプルに仕上がるし、古民家風の「桁」の様にも見せられます。
この幕板の下にフックを取り付ければ、額を下げる事も可能な一石二鳥も三鳥もあるアイテム。
床下の間接照明
巾木の下にLED電球を取り付けて間接照明にしています
壁の下地の僅かなスペースに光源を取り付けなければならない・・
全体にふかした壁と、巾木の形状を工夫・・巾木の下に細いLED電球を設置して実現
「床の巾木の辺りから床を『ボワツ』っと照らしたい・・」
そういったお客さんのリクエストに応えるために、色々悩んだ結果、コンパクトなLED照明を巾木の隙間に設置する案を採用しました。
白熱灯は当然こんなスペースには入らないし、蛍光管にしても、こんなコンパクトなモノは無い。苦肉の策ではありますが、細い形状のLED照明を巾木の僅かなスペースに入れ込んでいます。幅が25㎜という細いLED照明・・
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